一途な執愛に囚われて
「だって約束したから」
一ノ宮蓮にとって歌は心の叫びを伝える一番の方法だ。それだけが生きる全てだった。
実の弟に想いを寄せていた蓮は、その恋心を告げることはもちろん捨てることもできず、歌にしてきた。やがてデビューし、切ないラブソングで有名シンガーとなる。しかし自分が同性愛者だということがある記事によって公になってしまう。否定するつもりも罵倒される筋合いもなかった蓮はそのまま芸能界を去ることにした。
家族からの拒絶、そして今回世間からの批判を背負いながら蓮は姿を消した。
蓮が芸能界を去って五年が経った世間は再び「同性愛」に注目していた。どこかやるせない気分でいた蓮は思わぬ失態により、弟である一ノ宮晴と一夜を過ごしてしまう──。会えなかったせいか、感情のコントロールができず加速してしまう恋心。灼けるように帯びていく熱に身体は正直だった。
一夜の過ちから「別に俺のこと好きじゃないんならいいじゃん」と晴に一緒に住ませるよう脅される。人が変わったような晴に強制的に同居させられることを許してしまって…⁉︎ 甘い誘惑に背徳感を感じながらも身も心も委しまいそうになる蓮だったが…。
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