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手のひら
十九話 下
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十九話 下
晴は満足そうに微笑むと顔を擦り寄せてきた。子どもの頃よく自分たちがしたように。そうして懐かしむようにそのまま昔話をし始めた。
「兄さん覚えてるかな。まだ俺が幼稚園児だったとき兄さんがかわいさのあまりにキスしたこと」
「……覚えてる」
「それで俺が十歳の時に自分からキスしたの、覚えてる?」
「…あぁ。忘れられないくらい今でもずっと覚えてるよ」
「もうあの時には自覚してたよ。本気だった。母さんは子どもが戯れ合う延長戦だと思ってたみたいだけど、兄さんもでしょ」
「悪い…思ってた」
「あのとき何度もキスしたかった」
晴が耳元で熱っぽい声色を出しながら囁いた。
「っ…、そのわりには結構俺に対してドライだったぞ」
「そうでもしないと爆発しそうだったから。いきなり襲ったらまずいと思って」
「獣かよ…今でもそれに変わりはないか」
「知性のついた獣になったでしょ」
「あぁ、たちの悪いな」
「だって約束したから」
「…悪い、俺覚えてなくて」
「小さい頃の記憶は思い出したくないんでしょ。トラウマになるくらいなんだから。悪いと思ってるよ。けど、それほど俺に苦しんでいたことに感情が昂ってしまっているけどね」
「…晴」
「ずっと一緒にいるって約束した。家の近くの公園で、あの広くて草原のような道草で指切りまでして」
その言葉にハッと息をし忘れそうになった。晴を家に連れ込んだ夜に見た夢の内容だと気づく。
夢であって、夢ではなかった。それは小さい頃に二人で誓い合った思い出だった。
蓮は徐々に思い出された言葉をぽつりぽつりと呟く。
「ずっと隣に、いてね…?」
「そうだよ。俺はそう言い続けていると兄さんはずっと俺の頭を撫でてくれてた」
「そのあとおまえがなにか、言ってた。あれは…」
「蓮兄のことずっと好きでいるから」
「……俺がおまえを嫌いになるわけない」
「知ってるよって俺が言ったのを思い出した?」
「あぁ。それに、死んでもそばにいるから一緒に住もうなんて家の話までしてたっけ…」
だんだん夢の続きが頭の中で鮮明に描かれていく。
そうだ。あのときからずっと一緒にいるものだと信じて疑わなかった。
指切りして頬を擦り寄せ合う二人。小さくてかわいい弟。
これが俺の守りたいもの。大切な人。好きなんだと思った瞬間でもあった。それなのに俺は耐えきれなくなって、約束を破った。
「兄さんもそう言ったのに、勝手にいなくなった」
発せられた哀愁漂う声色に言葉も出ない。
「わかってる。俺のせいだってことは。でも先に破ったのはそっち。だから今度こそ逃げられないようにしたんだから」
笑って誤魔化す晴に、どうしようもなく愛しさが溢れる。蓮はぐっと涙がこみ上げてきたのを感じた。
この異常とも思われる弟の執着心には昔から気づいていた。死ぬまで一つのものだけに愛してやまない子だ。
小学生の頃、飼っていた兎を毎日のように世話して構っていた。だからあれは好きすぎるゆえに起きてしまった悲劇だった。
動物に言葉は通じない。だからこそ晴は行動で示した。けれどそれが兎にとってストレスを与えているものだとは気づかなかった。
子どもは無邪気でときに残酷だ。自分にされて嬉しいことをしてあげたのだ、と言っていた。たとえ良心からであっても死なせてしまったことは事実。
動かなくなってしまった兎をしばらく寝ているんだと泣きながら撫でていた。硬く冷たくなっていた兎の毛並みをいつも通り優しく整えていた。
両親は病気だったのだとストレスによる死のことを病だと言って弟を慰めた。間違ってはいない。けど、誰が悪かったとも責められない。
晴は内心どこかでわかっていたのだろう。それから生き物を絶対に飼うことはなかった。本当は大好きなのに。生き物が駄目ならと物に執着するようになり、本の虫になった。活発で心優しい子は自分の愛し方を自ら閉じ込めてしまった。
俺はなにもしてやれずに、ただ黙って頭を撫でた。いい子だねって。優しいねっと。俺にはそうやって慰めるしかわからなかった。
そして同時にこの子の愛を受け止められるのは俺しかいないのだと自分の異常性にも気づいたときだった。
けれどその一途の想いが自分に向けられているとは思っていなかった。
(いや、本当は違う)
ずっと前からその献身的ともいえる狂おしい愛情がほしかったんだ。
誰に向けることなくたった一人の愛するものだけに神経の全てを捧げる行為はなんとも甘美的で美しいことか。
誰かに意見を否定されても罵声を浴びせられようとも、愛する人を守り抜くという強い意志に、生き方に憧れた。そしてそれを自分にしてほしいと、愛してほしいと思ったのだ。
ただ一人。たった一人だけにそこまで愛されれば他にもうなにもいらない。そう思えるほどの熱烈さに涙が出るほど羨ましかった。
誰かに愛されたい。
色んな人に理解されたい。
軽蔑されたくない。
そう思うことはきっと正しいことなんだろう。きっと間違ってはいない。
けれど自分にほしかったのはそれであってそれじゃない。
もう差別でもなんでもすればいいと思うほど蓮は満ち足りていた。
自分に必要だったのは、たった一人からの愛情だ。昔から渇望していたもの。ほしかったもの。情熱的で攻撃的な、壊れてしまいそうな弟からの執愛をようやく手に入れた。
人生の中で、たった一人の運命の人。その人がいるだけで、そばで愛してくれさえいれば満足なのだと。
自分の心に恥じななければ、どんな生き方だって乗り越えられる。けれどそこに愛がなければ心が枯れて、壊れてしまう。
それをおまえがずっと俺に与え続けていた。支えていたのに、俺が辛くなって捨ててきてしまっていた。
「…嬉しいって感じてる俺も大概だな」
震えながら声に出した言葉は今にも雨が降りそうな勢いだった。けれどその反応すらわかっていたかのように晴は鼻で笑った。
「傷つけるのも、喜ばせるのも、泣かせるのも、笑わせるのも、俺だけでいい。それ以外はどうでもいい。俺は一ノ宮蓮という人間以外興味ない。そして兄さんも同じ想いでいてくれているでしょ? 知ってるよ、全部」
太陽の陽の光を集めたような柔らかな言い方に昔に戻ったようだと涙腺が緩む。けれどぎゅっと顔に力を入れる。晴の前で泣きすぎだ、と自分の乙女心に気を張らせた。
それに蓮にはもう一つだけ確認しておかなければならない疑問があった。
「あの記者を使ってまたストーカーさせたのは歌を辞めさせるためか? それともおまえだけに頼るようにするためか?」
「どっちもだし、もう俺がいないと駄目にしたかった。…けど、あのライブハウスでなら歌を続けてもいいよ」
「上からだな」
「うん。でもこれぐらいのお願いなら聞いてくれるでしょ」
こてんと頭を傾けながら子犬のように喉を鳴らした。弟のお願いを叶えない兄はいないだろう。蓮は「ありがとう」と礼を言うと、晴の頬に口づけをした。
「家やホテルの場所もなんですぐにわかったのか恐怖でしかなかったが、おまえが教えてたんだな…流石にちょっと肝が冷えた」
「兄さんは危機感がなさすぎる」
「いや、そんなことないって。喧嘩慣れしてるし」
「そういうことじゃない。はぁ…、確かにあいつには監視しろとは言ったけど、本当にストーカーしろとは言ってない。だからもうじき姿を消すよ」
「…なにしたんだ」
「別に? あの記事もそうだけど、今までのもの全て誤報でしたって公表されて責められるだけさ。自業自得でしょ」
「うわ…」
「俺のものに手を出そうとするからだよ」
「晴に出会った時点で運が尽きたな。ご愁傷様」
「あんなやつにいちいち手を合わせないでくれる? 反吐がでる」
「一応守ってくれていたんだろ? 気持ち悪かったけど」
「最悪だよ、気色悪い。今でも虫唾が走る。もっとマシな奴にすればよかった。ごめんね、兄さん」
「大丈夫だよ。もうおまえがいてくれるからな。それに週刊誌の記者なんて大抵ロクでもない奴だよ」
「芸能人もロクでもない奴らばかりだ」
そんな些細な嫉妬に蓮はまさかと晴に尋ねる。
「そういえばいつからこの大がかりな計画を立ててたんだ」
「兄さんが出て行った次の日から。それで兄さんがデビューして二年くらいから実行した」
「用意周到だな…」
下手に嘘をつくのをやめようと蓮は身の危険を感じた。
「でもまだ未成年だったからといって時間をかけすぎた。兄さんはさ、もっと自分が魅力的だってこと自覚してもらわないと困るんだよ」
「ははっ、俺は今も昔もおまえしか見ていないよ、晴」
それを聞いた晴がにこにこと幸せそうに笑った。
晴は満足そうに微笑むと顔を擦り寄せてきた。子どもの頃よく自分たちがしたように。そうして懐かしむようにそのまま昔話をし始めた。
「兄さん覚えてるかな。まだ俺が幼稚園児だったとき兄さんがかわいさのあまりにキスしたこと」
「……覚えてる」
「それで俺が十歳の時に自分からキスしたの、覚えてる?」
「…あぁ。忘れられないくらい今でもずっと覚えてるよ」
「もうあの時には自覚してたよ。本気だった。母さんは子どもが戯れ合う延長戦だと思ってたみたいだけど、兄さんもでしょ」
「悪い…思ってた」
「あのとき何度もキスしたかった」
晴が耳元で熱っぽい声色を出しながら囁いた。
「っ…、そのわりには結構俺に対してドライだったぞ」
「そうでもしないと爆発しそうだったから。いきなり襲ったらまずいと思って」
「獣かよ…今でもそれに変わりはないか」
「知性のついた獣になったでしょ」
「あぁ、たちの悪いな」
「だって約束したから」
「…悪い、俺覚えてなくて」
「小さい頃の記憶は思い出したくないんでしょ。トラウマになるくらいなんだから。悪いと思ってるよ。けど、それほど俺に苦しんでいたことに感情が昂ってしまっているけどね」
「…晴」
「ずっと一緒にいるって約束した。家の近くの公園で、あの広くて草原のような道草で指切りまでして」
その言葉にハッと息をし忘れそうになった。晴を家に連れ込んだ夜に見た夢の内容だと気づく。
夢であって、夢ではなかった。それは小さい頃に二人で誓い合った思い出だった。
蓮は徐々に思い出された言葉をぽつりぽつりと呟く。
「ずっと隣に、いてね…?」
「そうだよ。俺はそう言い続けていると兄さんはずっと俺の頭を撫でてくれてた」
「そのあとおまえがなにか、言ってた。あれは…」
「蓮兄のことずっと好きでいるから」
「……俺がおまえを嫌いになるわけない」
「知ってるよって俺が言ったのを思い出した?」
「あぁ。それに、死んでもそばにいるから一緒に住もうなんて家の話までしてたっけ…」
だんだん夢の続きが頭の中で鮮明に描かれていく。
そうだ。あのときからずっと一緒にいるものだと信じて疑わなかった。
指切りして頬を擦り寄せ合う二人。小さくてかわいい弟。
これが俺の守りたいもの。大切な人。好きなんだと思った瞬間でもあった。それなのに俺は耐えきれなくなって、約束を破った。
「兄さんもそう言ったのに、勝手にいなくなった」
発せられた哀愁漂う声色に言葉も出ない。
「わかってる。俺のせいだってことは。でも先に破ったのはそっち。だから今度こそ逃げられないようにしたんだから」
笑って誤魔化す晴に、どうしようもなく愛しさが溢れる。蓮はぐっと涙がこみ上げてきたのを感じた。
この異常とも思われる弟の執着心には昔から気づいていた。死ぬまで一つのものだけに愛してやまない子だ。
小学生の頃、飼っていた兎を毎日のように世話して構っていた。だからあれは好きすぎるゆえに起きてしまった悲劇だった。
動物に言葉は通じない。だからこそ晴は行動で示した。けれどそれが兎にとってストレスを与えているものだとは気づかなかった。
子どもは無邪気でときに残酷だ。自分にされて嬉しいことをしてあげたのだ、と言っていた。たとえ良心からであっても死なせてしまったことは事実。
動かなくなってしまった兎をしばらく寝ているんだと泣きながら撫でていた。硬く冷たくなっていた兎の毛並みをいつも通り優しく整えていた。
両親は病気だったのだとストレスによる死のことを病だと言って弟を慰めた。間違ってはいない。けど、誰が悪かったとも責められない。
晴は内心どこかでわかっていたのだろう。それから生き物を絶対に飼うことはなかった。本当は大好きなのに。生き物が駄目ならと物に執着するようになり、本の虫になった。活発で心優しい子は自分の愛し方を自ら閉じ込めてしまった。
俺はなにもしてやれずに、ただ黙って頭を撫でた。いい子だねって。優しいねっと。俺にはそうやって慰めるしかわからなかった。
そして同時にこの子の愛を受け止められるのは俺しかいないのだと自分の異常性にも気づいたときだった。
けれどその一途の想いが自分に向けられているとは思っていなかった。
(いや、本当は違う)
ずっと前からその献身的ともいえる狂おしい愛情がほしかったんだ。
誰に向けることなくたった一人の愛するものだけに神経の全てを捧げる行為はなんとも甘美的で美しいことか。
誰かに意見を否定されても罵声を浴びせられようとも、愛する人を守り抜くという強い意志に、生き方に憧れた。そしてそれを自分にしてほしいと、愛してほしいと思ったのだ。
ただ一人。たった一人だけにそこまで愛されれば他にもうなにもいらない。そう思えるほどの熱烈さに涙が出るほど羨ましかった。
誰かに愛されたい。
色んな人に理解されたい。
軽蔑されたくない。
そう思うことはきっと正しいことなんだろう。きっと間違ってはいない。
けれど自分にほしかったのはそれであってそれじゃない。
もう差別でもなんでもすればいいと思うほど蓮は満ち足りていた。
自分に必要だったのは、たった一人からの愛情だ。昔から渇望していたもの。ほしかったもの。情熱的で攻撃的な、壊れてしまいそうな弟からの執愛をようやく手に入れた。
人生の中で、たった一人の運命の人。その人がいるだけで、そばで愛してくれさえいれば満足なのだと。
自分の心に恥じななければ、どんな生き方だって乗り越えられる。けれどそこに愛がなければ心が枯れて、壊れてしまう。
それをおまえがずっと俺に与え続けていた。支えていたのに、俺が辛くなって捨ててきてしまっていた。
「…嬉しいって感じてる俺も大概だな」
震えながら声に出した言葉は今にも雨が降りそうな勢いだった。けれどその反応すらわかっていたかのように晴は鼻で笑った。
「傷つけるのも、喜ばせるのも、泣かせるのも、笑わせるのも、俺だけでいい。それ以外はどうでもいい。俺は一ノ宮蓮という人間以外興味ない。そして兄さんも同じ想いでいてくれているでしょ? 知ってるよ、全部」
太陽の陽の光を集めたような柔らかな言い方に昔に戻ったようだと涙腺が緩む。けれどぎゅっと顔に力を入れる。晴の前で泣きすぎだ、と自分の乙女心に気を張らせた。
それに蓮にはもう一つだけ確認しておかなければならない疑問があった。
「あの記者を使ってまたストーカーさせたのは歌を辞めさせるためか? それともおまえだけに頼るようにするためか?」
「どっちもだし、もう俺がいないと駄目にしたかった。…けど、あのライブハウスでなら歌を続けてもいいよ」
「上からだな」
「うん。でもこれぐらいのお願いなら聞いてくれるでしょ」
こてんと頭を傾けながら子犬のように喉を鳴らした。弟のお願いを叶えない兄はいないだろう。蓮は「ありがとう」と礼を言うと、晴の頬に口づけをした。
「家やホテルの場所もなんですぐにわかったのか恐怖でしかなかったが、おまえが教えてたんだな…流石にちょっと肝が冷えた」
「兄さんは危機感がなさすぎる」
「いや、そんなことないって。喧嘩慣れしてるし」
「そういうことじゃない。はぁ…、確かにあいつには監視しろとは言ったけど、本当にストーカーしろとは言ってない。だからもうじき姿を消すよ」
「…なにしたんだ」
「別に? あの記事もそうだけど、今までのもの全て誤報でしたって公表されて責められるだけさ。自業自得でしょ」
「うわ…」
「俺のものに手を出そうとするからだよ」
「晴に出会った時点で運が尽きたな。ご愁傷様」
「あんなやつにいちいち手を合わせないでくれる? 反吐がでる」
「一応守ってくれていたんだろ? 気持ち悪かったけど」
「最悪だよ、気色悪い。今でも虫唾が走る。もっとマシな奴にすればよかった。ごめんね、兄さん」
「大丈夫だよ。もうおまえがいてくれるからな。それに週刊誌の記者なんて大抵ロクでもない奴だよ」
「芸能人もロクでもない奴らばかりだ」
そんな些細な嫉妬に蓮はまさかと晴に尋ねる。
「そういえばいつからこの大がかりな計画を立ててたんだ」
「兄さんが出て行った次の日から。それで兄さんがデビューして二年くらいから実行した」
「用意周到だな…」
下手に嘘をつくのをやめようと蓮は身の危険を感じた。
「でもまだ未成年だったからといって時間をかけすぎた。兄さんはさ、もっと自分が魅力的だってこと自覚してもらわないと困るんだよ」
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