4 / 18
ティナと【召魔リリス】
しおりを挟む
突如現れた美女に骨と化した哀れなリザードマン。
その異質な光景に女生徒は、驚きで声を出せずにいた。
そんな女生徒を気づかい、俺は何もなかったかのように近づく。
「すまない女生徒。武器は持っているか?」
「私はティナよ!」
「え?」
「ティナっていう名前なの!」
「そうか。じゃあティナ。武器を持っているか?例えば剣やナイフ、鋭利なものならなんでもいい」
「カーズくんはホントに武器を持ってきてないの!?」
女生徒もといティナは再び驚いたようにツッこむ。
「こんなふうになるとは思わなかったんだよ。ほら早く」
「使ってない護身用のナイフならあるけど…」
「どうも」
ティナは落ち着きのない様子で俺にナイフを手渡す。
突如現れた美女が気になってしょうがない様子だった。
「ティナか。良い名前だな」
「あ、ありがとう」
「ではその名とともに…死ね!」
「ええええええええ!?」
俺はナイフをもらうなりティナの心臓めがけて貫いた。
ナイフ…というか武器全般の扱いはよくわからんが、心臓を狙えば俺でも確実に殺せるだろう。
なぜならティナは雑魚だからだ。
「殺すなよ!」
その時、沈黙を守っていた謎の美女が声をあげた。
その言葉に俺は固まり、即座にナイフを止める。
ティナは信じられない、といった様子で俺を指さした。
「カーズくん!今、私のこと殺そうとしたよね!?」
「…チッ」
「チッって言った!?自己紹介したばかりなのに!?」
たった今、俺に殺されそうになった割にはイマイチ緊張感がないというか。
ティナはツッコミ風のノリで俺を指さし、さらにまくしたてた。
「さっきまで普通のやり取りだったよね!?」
「あ…ああ」
「それを問答無用で!?信じらんない鬼畜!」
「いや…悪かったよ」
ティナは『納得いかない』といった様子で俺に食ってかかる。
殺そうとした俺にここまでギャグテイストで詰め寄るティナもたいしたものだ。
陽気なバカで、余り深く考えないバカなのだろう。
しかし実際、俺はティナを殺そうとした。
俺はその後ろめたさから、言い訳し始めた。
「いや、見られたら色々まずかったんだよ」
「何が?」
「この女だよ!こいつが出てくるから」
俺は金髪の美女を指さした。
ティナからしたら、リザードマンの窮地を救ってくれた恩人に映るだろうが俺にとってはそうではない。
「あ…ありがとうございます」
「んー?」
ティナは金髪の美女にお礼をいった。
俺にキレたかと思えば、何かと忙しいヤツだ。
金髪の美女は不敵な笑みを浮かべながらティナに応えた。
「リリス、という」
「リリスさんですね!助かりました」
「お前、面白い『ステータス』をしているな?弱い…余りに弱すぎる」
金髪の美女リリスは、挨拶もそこそこに興味深そうにまじまじとティナを見つめる。
「え…あの…」
「レベル…雑魚。スキル…雑魚。魔法…雑魚。恩恵<<ギフト>>…なし。属性…」
「あの…リリスさん?」
リリスはブツブツと嬉しそうに独り言をいい続けた。
ティナは戸惑いを隠せないといった様子だ。
「それなのに寿命は『残り1000年』ときた。お前、エルフじゃなくて人間だよな?そもそも、このステータスでどうやって生き残るんだ?」
「えっえっ?」
「結論、面白過ぎる」
リリスはその場でキャキャキャと笑い始めた。
そして、俺のほうを向き、
「あるじ、殺すなよ!こいつは『研究対象』だ」
「チッ…」
「またチッって言った!?」
ティナは俺にツッコミをいれる。
俺からしたらリリスの存在をティナに知られてしまうのはリスク以外の何物でもないのだが。
「大体なんで私を殺そうとしたの」
「それはまあ…」
リリスに気に入られた以上、ティナを殺すのは不可能だ。
そこで俺は下手に隠すよりは、真実を話したほうがマシと判断した。
「正直にいうよ、俺は召喚騎士だ」
「召喚騎士??」
「そして、この女リリスは召魔だ。俺が召喚した」
「召魔?召喚?」
「つまり召喚騎士だってことは、知られたくなかったんだよ」
「…」
正体を打ち明けるのも勇気がいるが、これでティナもわかってくれるはずだ。
「なっ分かるだろ?」
「全然わからない」
その異質な光景に女生徒は、驚きで声を出せずにいた。
そんな女生徒を気づかい、俺は何もなかったかのように近づく。
「すまない女生徒。武器は持っているか?」
「私はティナよ!」
「え?」
「ティナっていう名前なの!」
「そうか。じゃあティナ。武器を持っているか?例えば剣やナイフ、鋭利なものならなんでもいい」
「カーズくんはホントに武器を持ってきてないの!?」
女生徒もといティナは再び驚いたようにツッこむ。
「こんなふうになるとは思わなかったんだよ。ほら早く」
「使ってない護身用のナイフならあるけど…」
「どうも」
ティナは落ち着きのない様子で俺にナイフを手渡す。
突如現れた美女が気になってしょうがない様子だった。
「ティナか。良い名前だな」
「あ、ありがとう」
「ではその名とともに…死ね!」
「ええええええええ!?」
俺はナイフをもらうなりティナの心臓めがけて貫いた。
ナイフ…というか武器全般の扱いはよくわからんが、心臓を狙えば俺でも確実に殺せるだろう。
なぜならティナは雑魚だからだ。
「殺すなよ!」
その時、沈黙を守っていた謎の美女が声をあげた。
その言葉に俺は固まり、即座にナイフを止める。
ティナは信じられない、といった様子で俺を指さした。
「カーズくん!今、私のこと殺そうとしたよね!?」
「…チッ」
「チッって言った!?自己紹介したばかりなのに!?」
たった今、俺に殺されそうになった割にはイマイチ緊張感がないというか。
ティナはツッコミ風のノリで俺を指さし、さらにまくしたてた。
「さっきまで普通のやり取りだったよね!?」
「あ…ああ」
「それを問答無用で!?信じらんない鬼畜!」
「いや…悪かったよ」
ティナは『納得いかない』といった様子で俺に食ってかかる。
殺そうとした俺にここまでギャグテイストで詰め寄るティナもたいしたものだ。
陽気なバカで、余り深く考えないバカなのだろう。
しかし実際、俺はティナを殺そうとした。
俺はその後ろめたさから、言い訳し始めた。
「いや、見られたら色々まずかったんだよ」
「何が?」
「この女だよ!こいつが出てくるから」
俺は金髪の美女を指さした。
ティナからしたら、リザードマンの窮地を救ってくれた恩人に映るだろうが俺にとってはそうではない。
「あ…ありがとうございます」
「んー?」
ティナは金髪の美女にお礼をいった。
俺にキレたかと思えば、何かと忙しいヤツだ。
金髪の美女は不敵な笑みを浮かべながらティナに応えた。
「リリス、という」
「リリスさんですね!助かりました」
「お前、面白い『ステータス』をしているな?弱い…余りに弱すぎる」
金髪の美女リリスは、挨拶もそこそこに興味深そうにまじまじとティナを見つめる。
「え…あの…」
「レベル…雑魚。スキル…雑魚。魔法…雑魚。恩恵<<ギフト>>…なし。属性…」
「あの…リリスさん?」
リリスはブツブツと嬉しそうに独り言をいい続けた。
ティナは戸惑いを隠せないといった様子だ。
「それなのに寿命は『残り1000年』ときた。お前、エルフじゃなくて人間だよな?そもそも、このステータスでどうやって生き残るんだ?」
「えっえっ?」
「結論、面白過ぎる」
リリスはその場でキャキャキャと笑い始めた。
そして、俺のほうを向き、
「あるじ、殺すなよ!こいつは『研究対象』だ」
「チッ…」
「またチッって言った!?」
ティナは俺にツッコミをいれる。
俺からしたらリリスの存在をティナに知られてしまうのはリスク以外の何物でもないのだが。
「大体なんで私を殺そうとしたの」
「それはまあ…」
リリスに気に入られた以上、ティナを殺すのは不可能だ。
そこで俺は下手に隠すよりは、真実を話したほうがマシと判断した。
「正直にいうよ、俺は召喚騎士だ」
「召喚騎士??」
「そして、この女リリスは召魔だ。俺が召喚した」
「召魔?召喚?」
「つまり召喚騎士だってことは、知られたくなかったんだよ」
「…」
正体を打ち明けるのも勇気がいるが、これでティナもわかってくれるはずだ。
「なっ分かるだろ?」
「全然わからない」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる