最強無双のチート猫、異世界を蹂躙する

DORA

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第13話ニャ!誰もドラを止められないニャ?

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「こそり…こそりニャ」


ピシッ!


「キャ…」
「!?もっと慎重に歩くニャ」



女神様と離れてくれた異世界召喚者の後を静かにつける、アサシンドラと無能魔王だニャ。
どんなチート能力を持っているか分からにゃい異世界召喚者だけに、慎重につけてるんだニャ。


「あのうドラ様」
「にゃんだ」
「あのようなものに慎重になる必要がありますか?魔力もさほど感じませんし」
「…」


ハアー。

魔王はなにも分かっていない。分かってないニャ。
異世界のセオリーをまるで分っていないニャ!

巻き込まれ召喚者は弱そうで実はとんでもない能力を持っているのがセオリーなんだニャ!
若干『私、分かってますけど?』風の顔をしているのがイラつくニャ。














「ふうー」
「だいぶ歩いたなー。ここまで来れば大丈夫かな」
「女神様はああ言っていたけど、スキルが良くわからないボクは一生奴隷のように使われそうだし…」
「逃げて正解。ここは自由に異世界ライフを満喫しますか!」
「スキル・創造!」


シュン!



「念じた通り、鉄の剣が出てきたぞー。でも他にできることが良くわからないんだよなあ」
「ニャ~ン」
「こんなところに猫!?異世界にもいるのか」
「ニャアアア~ン」
「ハハハ、お前も一人か。ペットになりたいのかな?」
「ゴロニャ~ン」
「ちょっと待って!囲まれている!?ゴブリンだ!」







「ハア…ハア。鉄の剣でなんとか倒したけど危なかった…」
「こんな謎スキルで一体どうやって異世界を生きていけって言うんだよ~」

≪ゴブリンを倒したことにより、スキル・創造の創造力が上がりました≫

「えっ!?頭の中に聞こえるこの機械的な声は…」
「とにかくスキル・創造!」



シュン!



「レア武器『ゴブリン毒の塗られた鉄の剣』ゲット!?」
「まさかこのスキルって育てればとんでもないんじゃ…」
「とにかく希望が湧いてきたぞ!どんどんモンスターを倒していこう!」

「!そういえばあの猫は!?」
「いない…どこにも」













「…という夢でも見ているんかニャ?」
「異世界召喚者の男が木になった!?」
「これぞ第33階層ネコ式超魔術・永遠のドリアードニャ…」


魔王は目をパチクリさせて驚くニャ。

第33階層ネコ式超魔術・永遠のドリアードとは対象者を樹木にして第2の人生を歩ませる、ある意味残酷な魔法ニャ。
アサシンドラだけに本当は即死魔法ですぐにケリをつけたかったんだが、なんと対策されていたニャ!

男に付与されていたのは『ゼウスの加護』。
ドラの知らにゃい神様の加護ニャ。
即死対策はもちろん、どんなカウンター効果があるかわかったもんじゃないニャ。

だから第2の人生を歩んでもらうことにした。
男は木の中だけで生き続ける樹木そのものの存在となったニャ。

ポイントは木から離れられないように魂を樹木と最適化したことニャ。
というのも、この魔法の恐ろしいところは存在の概念そのものを樹木としてしまうところ。
樹木からの『人間返り』はこわいだけに絶対復活できないよう、そこはこだわったニャ。

男は自分が樹木になってるとも知らず、永遠の時をさまようんだニャ。



「ざ…んこく過ぎる」
「そうかニャ?男は案外樹木で楽しくやってるじゃないかニャ?」
「だってこんな。自分さえも分からないなんて…」

「ニャハハそういう魔王こそ不死じゃなかったのかニャ?」
「私は好きで不死になったわけではありません。アテナに不死の呪いをかけられたのです」



魔王のいきさつを簡単にいうと、おかんむりになった女神様のアテナが魔王に不死の呪いと永遠の封印をかけたらしいんだニャ。

プププ。
封印されてるなら、なんで今いるの?って話だニャ。
これだから破綻だらけの厨二設定は付き合ってられないんだニャ。



「とりあえず、まず一匹ニャ…」



獣ドラは目を光らせて舌なめずりするニャ。

ジュルリ。
獲物を狙い始めたら肉食獣の本能からもうドラを止められないニャ?
一匹ずつ静かに静かに狩っていくとするかニャ。
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