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今日は何日で何曜日なのだろう。
デジタル時計に目をやると、時刻は朝七時三十分を表示していた。
一人ベッドの上で、重い瞼を開ける。
蓮は毎朝起床後すぐに寝室に来てくれる。この時間に蓮が起きていないという事は、多分カフェの定休日である水曜日。
私は起き上がって、寝間着から蓮の買ってきたワンピースに着替えた。
ベッドに座っていると、寝室の鍵が解錠音を鳴らす。
「おはよう、詩織」
相も変わらず、姿を見るだけで恐怖心は湧き上がり、体は小さく一度震える。
けれど、今の私にとって蓮は全てだ。
「……おはよう、蓮」
自由を奪われた。けれども私がそれに不満を漏らしたりしない限り、蓮は愛情だけを与えてくれる。
数日前、締め上げられた首元に触れる。最近の事を思い返せば、酷い恐怖を感じたのはその日が最後だった。
蓮がこちらに近づいてくる。
ベッドに並んで座ると徐に私を抱きしめた。髪を撫で、口付けて、幸福感すら感じられるほどだった。
私は何も考えず、蓮の胸に寄りかかる。
「詩織、大好きだよ」
少し前の私は、その言葉に気持ちを込めて返すという事に酷くエネルギーを使っていた。
私が自由を奪われたのは、私が不安にさせたからだ。
だからといって監禁が正しいとは今でも思わない。けれども、日々注がれる愛情表現の量を考えると、蓮の不安に寄り添う事が出来る。
「私も蓮が大好きだよ」
言って、見上げる。
どちらからともなく口付けを交わす。互いの唇が同時に近づいたのはいつ振りだっただろうか。
蓮もそれに気がついたようで、少し驚いた表情をした。
「疑わないで。私は蓮の事が本当に好きで好きで堪らないんだよ」
溢れる想いを閉じ込めるように、再び私から唇を重ねる。
蓮だって本当はこんな事をしたくないのかもしれない。私がもっと言うことを聞くようになれば、またデートをしたり、普通の恋人同士に戻れるかもしれない。
「詩織……」
「大好き。蓮だけでいい、それ以外は何も要らないよ」
監禁される前の恋人期間ですらした事の無いような激しい口付けを交わす。
互いの唾液が混ざりあって、絡み合う舌は一つになって融|と《》けてしまうのではと錯覚する程、口内は熱を帯びている。
蓮の首に腕を回すと、私の後頭部を押さえつけられた。
気持ちいい。キスだけで絶頂を迎えてしまうのではと怖くなるほどだった。
「んっ、ふぁっ」
火照る体から漏れ出す吐息が、更に彼を欲情させていく。一心不乱に私を求める姿に、私も欲が掻き立てられる。
体を倒されると、ベッドが軋んだ。
着替えたばかりの衣服を脱がされ、一糸まとわぬ姿となる。
私に跨る蓮も、妖艶に、美しく服を脱いだ。
「蓮……大好き、大好きだよ」
堰を切ったように溢れる言葉。嘘偽りなく、私は彼を愛している。そして、口から好意が漏れ出す度に、蓮への気持ちを実感していく。
もう、このままでいいかもしれない。
肌と肌が重なる。二つの体温はいつまでも上昇していて、胸の突起が彼の体で擦れる度に、艶声が寝室に響く。
「あっ……はぁっ」
名残惜しくも唇が離されては、蕩けた表情を向ける。
言葉数が減っている蓮は、男性感が増していて、その整った顔を見ているだけで、私の下半身はベッドシーツを汚してしまう程に濡れていく。
そんな私に気がついたのか、蓮が下へと移動した。
足を開かれ、ヒクヒクと疼く場所に指を一本、置かれた。
「あぁっ……!」
声を抑える余裕も無く、私は体を痙攣させた。
何が原因かわからない。けれども指を置かれた、たったそれだけの事で、今までで一番の興奮が湧き上がった。
「……イった?」
その言葉に、また欲情する。
小さく一度頷くと、蓮は余裕が含まれていない笑顔を零した。
「指を置いただけなのに、擦っても、挿れてもないのに……。どうしちゃったの?意味がわからないくらい可愛いんだけど」
私だって自分の事がわからない。
もう何ヶ月も家族や親友に会えていないどころか、陽の光すら浴びていない。それは間違いなく目の前に居る蓮が起こした一つの事件だというのに、そんな異常な環境下で、彼への気持ちはどんどん膨らんでいく。
「私、おかしくなっちゃったのかな」
手を伸ばして繋がりを求める。
絡められた蓮の太い指が、暖かい。
「そうだね、おかしくなったんだと思う。でも、俺は今の詩織が好きだよ。その原因が俺だっていう事実も、どうしようもなく嬉しい。今までで一番愛を感じられて、幸せ、本当に幸せ」
いつの間にか芯を通し膨張する彼のペニスが、割れ目に侵入してくる。
「あああっ!れ、ん……蓮っ」
蓮の言葉に嘘は無い。見た事も無いような表情で快楽に溺れる姿が物語っている。
「詩織っ……、愛してるよ」
私も。その返答は言葉にならない嬌声としてだらしなく、口から漏れ出る。
「ぁっはぁっ、んん!」
腰を両手で掴まれて、最奥にペニスを打ち付けられる。ベッドが大きく鳴る。
自ずと浮く腰は彼をどうしようもなく求め、善がる。
肌が打ち合う音と、熱。そして互いの喘ぎ声が朝の明るい日差しの中で溶け合う。
「あっあっ、蓮!蓮……!イ、く!」
「はっ、……っ俺も、一緒に、イこ」
仰け反りながら、全身を震わせた。
腟内の痙攣と、ペニスの脈が一つになる。
気持ちいい、もう何も要らない、何も考えられない、気持ちいい。
ペニスが抜かれる。互いの体液で汚れたシーツの冷たさを感じる。
ぐったりと私の隣に体を沈める蓮。私も呼吸を整えながら、快楽の余韻に浸る。
首の下に腕を入れられて、額に口付けが落とされた。まだ、彼の息は熱い。
「蓮、大好き」
彼の腕の中で目を閉じる、午前八時二十分。
デジタル時計に目をやると、時刻は朝七時三十分を表示していた。
一人ベッドの上で、重い瞼を開ける。
蓮は毎朝起床後すぐに寝室に来てくれる。この時間に蓮が起きていないという事は、多分カフェの定休日である水曜日。
私は起き上がって、寝間着から蓮の買ってきたワンピースに着替えた。
ベッドに座っていると、寝室の鍵が解錠音を鳴らす。
「おはよう、詩織」
相も変わらず、姿を見るだけで恐怖心は湧き上がり、体は小さく一度震える。
けれど、今の私にとって蓮は全てだ。
「……おはよう、蓮」
自由を奪われた。けれども私がそれに不満を漏らしたりしない限り、蓮は愛情だけを与えてくれる。
数日前、締め上げられた首元に触れる。最近の事を思い返せば、酷い恐怖を感じたのはその日が最後だった。
蓮がこちらに近づいてくる。
ベッドに並んで座ると徐に私を抱きしめた。髪を撫で、口付けて、幸福感すら感じられるほどだった。
私は何も考えず、蓮の胸に寄りかかる。
「詩織、大好きだよ」
少し前の私は、その言葉に気持ちを込めて返すという事に酷くエネルギーを使っていた。
私が自由を奪われたのは、私が不安にさせたからだ。
だからといって監禁が正しいとは今でも思わない。けれども、日々注がれる愛情表現の量を考えると、蓮の不安に寄り添う事が出来る。
「私も蓮が大好きだよ」
言って、見上げる。
どちらからともなく口付けを交わす。互いの唇が同時に近づいたのはいつ振りだっただろうか。
蓮もそれに気がついたようで、少し驚いた表情をした。
「疑わないで。私は蓮の事が本当に好きで好きで堪らないんだよ」
溢れる想いを閉じ込めるように、再び私から唇を重ねる。
蓮だって本当はこんな事をしたくないのかもしれない。私がもっと言うことを聞くようになれば、またデートをしたり、普通の恋人同士に戻れるかもしれない。
「詩織……」
「大好き。蓮だけでいい、それ以外は何も要らないよ」
監禁される前の恋人期間ですらした事の無いような激しい口付けを交わす。
互いの唾液が混ざりあって、絡み合う舌は一つになって融|と《》けてしまうのではと錯覚する程、口内は熱を帯びている。
蓮の首に腕を回すと、私の後頭部を押さえつけられた。
気持ちいい。キスだけで絶頂を迎えてしまうのではと怖くなるほどだった。
「んっ、ふぁっ」
火照る体から漏れ出す吐息が、更に彼を欲情させていく。一心不乱に私を求める姿に、私も欲が掻き立てられる。
体を倒されると、ベッドが軋んだ。
着替えたばかりの衣服を脱がされ、一糸まとわぬ姿となる。
私に跨る蓮も、妖艶に、美しく服を脱いだ。
「蓮……大好き、大好きだよ」
堰を切ったように溢れる言葉。嘘偽りなく、私は彼を愛している。そして、口から好意が漏れ出す度に、蓮への気持ちを実感していく。
もう、このままでいいかもしれない。
肌と肌が重なる。二つの体温はいつまでも上昇していて、胸の突起が彼の体で擦れる度に、艶声が寝室に響く。
「あっ……はぁっ」
名残惜しくも唇が離されては、蕩けた表情を向ける。
言葉数が減っている蓮は、男性感が増していて、その整った顔を見ているだけで、私の下半身はベッドシーツを汚してしまう程に濡れていく。
そんな私に気がついたのか、蓮が下へと移動した。
足を開かれ、ヒクヒクと疼く場所に指を一本、置かれた。
「あぁっ……!」
声を抑える余裕も無く、私は体を痙攣させた。
何が原因かわからない。けれども指を置かれた、たったそれだけの事で、今までで一番の興奮が湧き上がった。
「……イった?」
その言葉に、また欲情する。
小さく一度頷くと、蓮は余裕が含まれていない笑顔を零した。
「指を置いただけなのに、擦っても、挿れてもないのに……。どうしちゃったの?意味がわからないくらい可愛いんだけど」
私だって自分の事がわからない。
もう何ヶ月も家族や親友に会えていないどころか、陽の光すら浴びていない。それは間違いなく目の前に居る蓮が起こした一つの事件だというのに、そんな異常な環境下で、彼への気持ちはどんどん膨らんでいく。
「私、おかしくなっちゃったのかな」
手を伸ばして繋がりを求める。
絡められた蓮の太い指が、暖かい。
「そうだね、おかしくなったんだと思う。でも、俺は今の詩織が好きだよ。その原因が俺だっていう事実も、どうしようもなく嬉しい。今までで一番愛を感じられて、幸せ、本当に幸せ」
いつの間にか芯を通し膨張する彼のペニスが、割れ目に侵入してくる。
「あああっ!れ、ん……蓮っ」
蓮の言葉に嘘は無い。見た事も無いような表情で快楽に溺れる姿が物語っている。
「詩織っ……、愛してるよ」
私も。その返答は言葉にならない嬌声としてだらしなく、口から漏れ出る。
「ぁっはぁっ、んん!」
腰を両手で掴まれて、最奥にペニスを打ち付けられる。ベッドが大きく鳴る。
自ずと浮く腰は彼をどうしようもなく求め、善がる。
肌が打ち合う音と、熱。そして互いの喘ぎ声が朝の明るい日差しの中で溶け合う。
「あっあっ、蓮!蓮……!イ、く!」
「はっ、……っ俺も、一緒に、イこ」
仰け反りながら、全身を震わせた。
腟内の痙攣と、ペニスの脈が一つになる。
気持ちいい、もう何も要らない、何も考えられない、気持ちいい。
ペニスが抜かれる。互いの体液で汚れたシーツの冷たさを感じる。
ぐったりと私の隣に体を沈める蓮。私も呼吸を整えながら、快楽の余韻に浸る。
首の下に腕を入れられて、額に口付けが落とされた。まだ、彼の息は熱い。
「蓮、大好き」
彼の腕の中で目を閉じる、午前八時二十分。
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