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第三章 初めての戦いと二人の秘密
鬼の血を引く皇帝
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極刑を言い渡されると思ったのに、雷烈は実に嬉しそうな表情をしている。星には意味がまったくわからなかった。
「天御門星よ。おまえの指摘は半分当たっているが
、半分はずれている。俺は完全な鬼ではない。鬼の血を受け継いでいるのだ。半分だけだがな」
驚く星の前で、雷烈は静かに剣を鞘におさめながら話した。
「俺を産んだ母が鬼だったのだ。和国から流れてきた女の鬼であったそうだ。皇帝であった俺の父からそのように聞いた」
「和国から流れた鬼……」
和国の陰陽師に追われ、庸国に逃げのびた鬼が以前にもいたのかもしれない。陰陽師のひとりとして理解できなくはないが、頭の中が混乱していて、思考が追いつかない。
頭を抱える星を見た雷烈は、やれやれといった様子で身をかがめ、星に優しく語りかける。
「そなたが女であるという秘密を守るために俺と取引したいのならば、応じてやろう。だが条件がある。女であることを秘密してやる代わりに、そなたの封印術で俺の鬼の力を封じてもらいたいのだ。誰にも知られることなくだ。先ほどの女官への呪封の術は実に見事だった。やはりそなたは俺が見込んだとおりの力の持ち主だった。はるばる呼び寄せた甲斐があったというものだ」
頭の中の整理が追いつかない星だったが、どうやら庸国の皇帝雷烈は後宮の化け物祓いだけが目的で星を呼び寄せたわけではないようだ。大国なのだから、呪術を扱える道士はいくらでもいるだろうし、わざわざ遠い島国の人間を呼ぶ必要はない。封印術に長けた天御門家の者に雷烈の鬼の力を封印させることが真の目的だったのかもしれない。庸国以外の人間であれば、口止めだって残虐な方法で簡単にできるだろうから。
「俺の願いを叶えてくれるならば、そなたの正体は誰にも明かさぬと約束しよう。おそらくは何かしらの目的があっての男装だろうから、協力してやってもよい」
お互いの譲れない条件を提示したうえで、契約を結ぶということだろうか。
星が雷烈に交渉して取引するつもりだったのに、今や完全に主導は雷烈になっていた。すべては皇帝雷烈の御心次第とわかっていても、星には拒否するはできそうもない。
「お、仰せにしたがい、まする。陛下」
「ふむ、取引成立だな。互いの秘密は決して明かさず、協力しようではないか。ああ、俺と二人きりの時は、堅苦しい言葉はなくていいぞ。俺もそなたのことは『星』と呼ぼう。これから頼むぞ、星」
大きな口を開けて、満足そうに笑う雷烈を見上げながら、星は今後の未来に不安しか感じられなかった。
「天御門星よ。おまえの指摘は半分当たっているが
、半分はずれている。俺は完全な鬼ではない。鬼の血を受け継いでいるのだ。半分だけだがな」
驚く星の前で、雷烈は静かに剣を鞘におさめながら話した。
「俺を産んだ母が鬼だったのだ。和国から流れてきた女の鬼であったそうだ。皇帝であった俺の父からそのように聞いた」
「和国から流れた鬼……」
和国の陰陽師に追われ、庸国に逃げのびた鬼が以前にもいたのかもしれない。陰陽師のひとりとして理解できなくはないが、頭の中が混乱していて、思考が追いつかない。
頭を抱える星を見た雷烈は、やれやれといった様子で身をかがめ、星に優しく語りかける。
「そなたが女であるという秘密を守るために俺と取引したいのならば、応じてやろう。だが条件がある。女であることを秘密してやる代わりに、そなたの封印術で俺の鬼の力を封じてもらいたいのだ。誰にも知られることなくだ。先ほどの女官への呪封の術は実に見事だった。やはりそなたは俺が見込んだとおりの力の持ち主だった。はるばる呼び寄せた甲斐があったというものだ」
頭の中の整理が追いつかない星だったが、どうやら庸国の皇帝雷烈は後宮の化け物祓いだけが目的で星を呼び寄せたわけではないようだ。大国なのだから、呪術を扱える道士はいくらでもいるだろうし、わざわざ遠い島国の人間を呼ぶ必要はない。封印術に長けた天御門家の者に雷烈の鬼の力を封印させることが真の目的だったのかもしれない。庸国以外の人間であれば、口止めだって残虐な方法で簡単にできるだろうから。
「俺の願いを叶えてくれるならば、そなたの正体は誰にも明かさぬと約束しよう。おそらくは何かしらの目的があっての男装だろうから、協力してやってもよい」
お互いの譲れない条件を提示したうえで、契約を結ぶということだろうか。
星が雷烈に交渉して取引するつもりだったのに、今や完全に主導は雷烈になっていた。すべては皇帝雷烈の御心次第とわかっていても、星には拒否するはできそうもない。
「お、仰せにしたがい、まする。陛下」
「ふむ、取引成立だな。互いの秘密は決して明かさず、協力しようではないか。ああ、俺と二人きりの時は、堅苦しい言葉はなくていいぞ。俺もそなたのことは『星』と呼ぼう。これから頼むぞ、星」
大きな口を開けて、満足そうに笑う雷烈を見上げながら、星は今後の未来に不安しか感じられなかった。
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