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第五章 繋がる心
天御門家初代当主の妹
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「な、なぜ我らの話は信じるに値しないなどと言うのだ! 理不尽にそなたを虐げる天御門家からそなたを救ってやったというのに。おまえも初代の妹のように存在を完全に消されても良いのか?」
あと少しで星の心を完全に掌握し、洗脳できると思っていた琳淑妃は悔しそうに叫んだ。
「おまえたちは初代様の妹君を気の毒だと言った。ではなぜ妹君の名前を知りたいと思わないんだ? 妹君がどんな女性で、名前は何だったのか調べて冥福を祈るはずだ。名前などどうでもいいと言うおまえたちは、妹君の存在を利用したいだけだ。私をたぶらかすために。懸命に生きられた初代様の妹君を愚弄するな!」
初代当主天御門晴人の双子の妹。兄と共に生きられることを願い、健気に生きてきたであろう女性。
「私は初代様の妹君を名前を知りたいと思う。御霊が安らかであるようにと手を合わせたいからだ」
天御門家の始祖であり、星とよく似た境遇の女性である初代の妹君を、せめて自分ぐらいは丁重に弔ってあげたいと思う。星の心からの願いだ。
『天御門星…愚かなわたしのために、祈ってくれる、のか? なんとやさしい子だ……』
その声は、星をたぶらかそうとした琳淑妃のものではなかった。弱々しい声ではあったが、どこか懐かしさを感じる不思議な声。
「え……?」
驚いた星が琳淑妃を見つめると、彼女の目からひとすじの涙がこぼれ落ちた。
「い、今の声は……? わらわが完全に掌握したはずなのに、今頃になって支配から逃れたのか? くそぉ!」
不思議な声に仰天したのは琳淑妃も同じだったようだ。彼女は、いや、琳淑妃に取り憑いている妖狐は声の主がだれなのか知っている様子だ。
(琳淑妃から響いてきた懐かしさを感じる声。もしかして、琳淑妃の本当の正体は……)
本来なら、ありえないことだ。確たる証も根拠もないが、星には真実としか思えない。
「琳淑妃……おまえは、いや、あなたには、初代様の妹君の御霊が眠っているのか……?」
星が問うと、琳淑妃から目から涙があふれ出しだ。
『そう……わたしは天御門家初代当主、天御門家晴人の双子の妹。名は天御門 琳子。和国と兄を守るために、私の体の中に九尾の狐を呪封した。邪悪な九尾の狐を完全に封印したはず、だった……』
初代当主である天御門晴人の双子妹、天御門 琳子。少しずつではあるが、琳子は真実を星に伝え始めた。
あと少しで星の心を完全に掌握し、洗脳できると思っていた琳淑妃は悔しそうに叫んだ。
「おまえたちは初代様の妹君を気の毒だと言った。ではなぜ妹君の名前を知りたいと思わないんだ? 妹君がどんな女性で、名前は何だったのか調べて冥福を祈るはずだ。名前などどうでもいいと言うおまえたちは、妹君の存在を利用したいだけだ。私をたぶらかすために。懸命に生きられた初代様の妹君を愚弄するな!」
初代当主天御門晴人の双子の妹。兄と共に生きられることを願い、健気に生きてきたであろう女性。
「私は初代様の妹君を名前を知りたいと思う。御霊が安らかであるようにと手を合わせたいからだ」
天御門家の始祖であり、星とよく似た境遇の女性である初代の妹君を、せめて自分ぐらいは丁重に弔ってあげたいと思う。星の心からの願いだ。
『天御門星…愚かなわたしのために、祈ってくれる、のか? なんとやさしい子だ……』
その声は、星をたぶらかそうとした琳淑妃のものではなかった。弱々しい声ではあったが、どこか懐かしさを感じる不思議な声。
「え……?」
驚いた星が琳淑妃を見つめると、彼女の目からひとすじの涙がこぼれ落ちた。
「い、今の声は……? わらわが完全に掌握したはずなのに、今頃になって支配から逃れたのか? くそぉ!」
不思議な声に仰天したのは琳淑妃も同じだったようだ。彼女は、いや、琳淑妃に取り憑いている妖狐は声の主がだれなのか知っている様子だ。
(琳淑妃から響いてきた懐かしさを感じる声。もしかして、琳淑妃の本当の正体は……)
本来なら、ありえないことだ。確たる証も根拠もないが、星には真実としか思えない。
「琳淑妃……おまえは、いや、あなたには、初代様の妹君の御霊が眠っているのか……?」
星が問うと、琳淑妃から目から涙があふれ出しだ。
『そう……わたしは天御門家初代当主、天御門家晴人の双子の妹。名は天御門 琳子。和国と兄を守るために、私の体の中に九尾の狐を呪封した。邪悪な九尾の狐を完全に封印したはず、だった……』
初代当主である天御門晴人の双子妹、天御門 琳子。少しずつではあるが、琳子は真実を星に伝え始めた。
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