12 / 44
第二章 新たな生活とじゃがいも料理あらかると
不機嫌なぬらりひょん
しおりを挟む
さちが次に目を覚ましたのは、九桜院家ではなかった。
(ここはどこ? また蔵の中なの?)
見慣れぬ天井を不思議に思いながら、暖かな布団の中で無意識に体を反転させた。すると目の前にあったのは、ぬらりひょんの整った顔。ぬらりひょんは眠っているようだった。
「ぬ、ぬらりひょん様……?」
状況を理解できないさちは、目をしばたたかせた。ぬらりひょんの顔を眺めているうちに、少しずつ昨夜のことが脳裏に蘇っていく。
(昨夜はぬらりひょん様たちと一緒にコロッケをいただいて、その後、こてんと寝てしまったのだったわ……!)
おまけに自分だけ布団の中でぬくぬくと寝ていて、ぬらりひょんはその横で、さちに寄り添うように寝息を立てている。
「も、申し訳ありません、ぬらりひょん様!!」
慌てて飛び起きると、即座に布団の横で、頭を畳に叩きつけるように土下座をした。
「……ん? ああ、さち。起きたのか」
さちの声で目覚めたのか、ぬらりひょんは静かに目を開いた。体を起こすと、体をゆっくりと伸ばしていく。
「さちの寝顔を眺めていたら、わしまで共に寝てしまっていたようだな。さち、よく眠れたか?」
さちは顔をあげることすら怖ろしく、ひたすら謝罪し続けた。
「この屋敷の主であられる、ぬらりひょん様のお許しなく寝てしまうだなんて。私ったら、とんでもないことを……。申し訳ございません、申し訳ございません。愚鈍な私をどうかお許しください!」
頭をこすりつけるように全身全霊で詫び続けるさちの頭上で、ぬらりひょんの声が響いてくる。その声は少しだけ冷ややかだった。
「待て。なぜ、そこまで謝る。おまえだって疲れて寝てしまうこともあろう? たったひとりで嫁に来たのだから」
「嫁として、いえ、使用人として、ぬらりひょん様にお仕えする立場ですのに、先に休むだなんてありえないことでございます。どうか、お許しを!」
九桜院家ならば、この後、厳しい叱責と折檻が待っている。これまでさちに比較的優しいぬらりひょんであったが、このことで激怒してしまうかもしれない。自分が悪いとはいえ、さちは震えながら謝ることしかできなかった。
「さち、顔をあげなさい」
おそるおそる顔をあげると、ぬらりひょんは昨日よりも厳しい顔をしていた。
(やはりお怒りなのだわ)
もう一度心から詫びようと、頭を下げた時だった。
「さち、謝るのは止めよ。謝罪するということは、赦しを乞うということだ。先ほども言ったが、わしはおまえが詫わびねばならぬことをしたとは思っておらぬ。むやみに頭を下げるな」
九桜院家でのさちは、息をするように頭を下げ、毎日侘びていた。謝罪しなくては、決して許してもらえなかったからだ。
ぬらりひょんの屋敷でも、当然そうすべきと思っていた。
「人間はすぐにぺこぺこと頭を下げるが、わしはそういう人間を好まぬ」
あぐらをかいたぬらりひょんは、強い口調で告げた。それはさちがこの屋敷にやってきて初めて聞く、ぬらりひょんの厳しい言葉だった。
「も、もうしわけ……」
じろりと、ぬらりひょんに睨まれる。自分がまた詫びようとしていることに気付き、身を縮こまらせる。
「さち、わしはおまえがどんな人生を歩んで来たのか、想像することしかできぬ。だがどんな事情があれど、わしのところに嫁に来たというなら、わしが不愉快になることだけはしてくれるな」
ぬらりひょんの言葉は、さちにとって何より辛いことだった。さちが作る手料理を喜んでくれる居場所を見つけた気がしていたのに、思い上がりだったようだ。
(わたし、これからどうしたらいいの……?)
ぬらりひょんが何を求めているのか、さちは理解できなかった。謝って許されるのなら、いくらでも頭を下げ続けるが、ぬらりひょんはむやみに謝罪するのは好まないという。
「あのう、ぬらりひょん様……」
おずおずと声を発すると、ぬらりひょんはじろりとさちを見つめた。
「あ、あの、愚鈍でぼんくらな私には、ぬらりひょん様を不快なお気持ちにさせないために、どうしたらいいのかわかりません。もしよろしければ、少しだけ教えていただけないでしょうか……?」
わからないのなら、聞くしかない。叱られるのを覚悟の上で、さちはぬらりひょんに質問した。
「そうさの。わしは人間がぺこぺこと頭を下げる姿を見たくない。そうならぬよう、さちは自らを変えていってほしい」
意外にも、ぬらりひょんはさちに優しく説明してくれた。
(自らを変えていく……)
さちにとっては、一度たりとて考えたことのない言葉だった。これまでは、生きるのにただ必死だったからだ。
「あのう、ぬらりひょん様。もうひとつお聞きしてよろしいでしょうか?」
不安な気持ちを抑えながら、そっと聞いてみた。
「自らを変えるためには、どのようにすればよろしいのでしょうか? 学のないさちにはわかりません……」
詫びないように注意しながら聞くと、ぬらりひょんはわずかに微笑んだ。
「そこからは自分の頭で考えることだ。これまでのさちは、周囲の命令のみで動いでいたであろう? わしはおぬしに用事を頼むことはあっても、命令はしない。だからまずは自分が何を望み、そのためにどう動くべきか考えよ」
ぬらりひょんの説明は、さちにはわからないことだらけだった。しかし自分で考えていかなくてはいけないことだけは、なんとなく理解できた。
さちは必死に考え始める。思えば、叱られないように周囲に気を遣いながら、生きていくことしかさちは知らなかった。自分が何を望むかだなんて、考える余裕さえなかったのだ。
懸命に考え続けているうちに、さちは昨夜のことをふと思い出した。
(昨日、ぬらりひょん様はコロッケを美味しいと喜んでらした。油すましさんも一つ目小僧さんも、『うまい』っておっしゃってた。嬉しかったなぁ。できることなら、あの笑顔をもう一度見てみたい)
さちが望むことは、料理を食べた者が笑顔になること。皆が喜んでくれれば、さちも自然な笑顔を見せることができるからだ。
「あのう、ぬらりひょん様。朝食はまだでございますか?」
「ああ。さちと同じで、起きたばかりだ」
「コロッケを美味しいと仰ってましたので、別のじゃが芋料理をお出ししたいのですが」
「ふぅむ。実は昨夜は酒をかなり飲んだものでな。あまり食欲がない。できれば、するっと入るハイカラなものを頼みたい」
「するっといただけるハイカラ料理……」
さちはしばし思案する。自分ができるハイカラな洋食で、手早くできるものはあるかどうか。
「難しいか? 無理なら……」
考え込むさちを心配したぬらりひょんが声をかけると、さちは顔をあげ、にっこりと笑った。
「すぐにお作り致します。少々お待ちくださいませ!」
さちの笑顔が、朝日の中で輝いていた。ぬらりひょんは満足げに微笑んだ。
身支度を整えたさちは、土間の台所へ小走りで向かった。
「化け火さん、今日もかまどに火を入れてもらえますか?」
かまどの奥で眠っていた化け火に声をかけると、了解した! というように、火の勢いを強くする。
「ふぁぁ。さちさん、おはようさんです」
さちと共に寝てしまった一つ目小僧が、目をこすりながら起きてきた。
「一つ目小僧さん、おはようございます」
「昨夜はおいらもここで寝ちまいました。さちさん、何かお作りになるんで?」
「ポテトスープを作りたいと思ってます」
「ぽてとすーぷ? それはハイカラなやつですか?」
「ええ、洋食のひとつです。じゃが芋はまだ少しありましたから、できれば牛乳が欲しいのですが……」
「おいらが買ってきやしょうか? ひとっ走りでさ」
一つ目小僧の申し出に、さちの顔がほころぶ。手早く作るためには、作業を分担したほうが効率が良いからだ。
「お願いできますか? 一つ目小僧さんの分もお作りしますので」
「がってんでやんす!」
一つ目小僧は額の大きなひとつの目をゆがませながら、にまりと笑った。
(ここはどこ? また蔵の中なの?)
見慣れぬ天井を不思議に思いながら、暖かな布団の中で無意識に体を反転させた。すると目の前にあったのは、ぬらりひょんの整った顔。ぬらりひょんは眠っているようだった。
「ぬ、ぬらりひょん様……?」
状況を理解できないさちは、目をしばたたかせた。ぬらりひょんの顔を眺めているうちに、少しずつ昨夜のことが脳裏に蘇っていく。
(昨夜はぬらりひょん様たちと一緒にコロッケをいただいて、その後、こてんと寝てしまったのだったわ……!)
おまけに自分だけ布団の中でぬくぬくと寝ていて、ぬらりひょんはその横で、さちに寄り添うように寝息を立てている。
「も、申し訳ありません、ぬらりひょん様!!」
慌てて飛び起きると、即座に布団の横で、頭を畳に叩きつけるように土下座をした。
「……ん? ああ、さち。起きたのか」
さちの声で目覚めたのか、ぬらりひょんは静かに目を開いた。体を起こすと、体をゆっくりと伸ばしていく。
「さちの寝顔を眺めていたら、わしまで共に寝てしまっていたようだな。さち、よく眠れたか?」
さちは顔をあげることすら怖ろしく、ひたすら謝罪し続けた。
「この屋敷の主であられる、ぬらりひょん様のお許しなく寝てしまうだなんて。私ったら、とんでもないことを……。申し訳ございません、申し訳ございません。愚鈍な私をどうかお許しください!」
頭をこすりつけるように全身全霊で詫び続けるさちの頭上で、ぬらりひょんの声が響いてくる。その声は少しだけ冷ややかだった。
「待て。なぜ、そこまで謝る。おまえだって疲れて寝てしまうこともあろう? たったひとりで嫁に来たのだから」
「嫁として、いえ、使用人として、ぬらりひょん様にお仕えする立場ですのに、先に休むだなんてありえないことでございます。どうか、お許しを!」
九桜院家ならば、この後、厳しい叱責と折檻が待っている。これまでさちに比較的優しいぬらりひょんであったが、このことで激怒してしまうかもしれない。自分が悪いとはいえ、さちは震えながら謝ることしかできなかった。
「さち、顔をあげなさい」
おそるおそる顔をあげると、ぬらりひょんは昨日よりも厳しい顔をしていた。
(やはりお怒りなのだわ)
もう一度心から詫びようと、頭を下げた時だった。
「さち、謝るのは止めよ。謝罪するということは、赦しを乞うということだ。先ほども言ったが、わしはおまえが詫わびねばならぬことをしたとは思っておらぬ。むやみに頭を下げるな」
九桜院家でのさちは、息をするように頭を下げ、毎日侘びていた。謝罪しなくては、決して許してもらえなかったからだ。
ぬらりひょんの屋敷でも、当然そうすべきと思っていた。
「人間はすぐにぺこぺこと頭を下げるが、わしはそういう人間を好まぬ」
あぐらをかいたぬらりひょんは、強い口調で告げた。それはさちがこの屋敷にやってきて初めて聞く、ぬらりひょんの厳しい言葉だった。
「も、もうしわけ……」
じろりと、ぬらりひょんに睨まれる。自分がまた詫びようとしていることに気付き、身を縮こまらせる。
「さち、わしはおまえがどんな人生を歩んで来たのか、想像することしかできぬ。だがどんな事情があれど、わしのところに嫁に来たというなら、わしが不愉快になることだけはしてくれるな」
ぬらりひょんの言葉は、さちにとって何より辛いことだった。さちが作る手料理を喜んでくれる居場所を見つけた気がしていたのに、思い上がりだったようだ。
(わたし、これからどうしたらいいの……?)
ぬらりひょんが何を求めているのか、さちは理解できなかった。謝って許されるのなら、いくらでも頭を下げ続けるが、ぬらりひょんはむやみに謝罪するのは好まないという。
「あのう、ぬらりひょん様……」
おずおずと声を発すると、ぬらりひょんはじろりとさちを見つめた。
「あ、あの、愚鈍でぼんくらな私には、ぬらりひょん様を不快なお気持ちにさせないために、どうしたらいいのかわかりません。もしよろしければ、少しだけ教えていただけないでしょうか……?」
わからないのなら、聞くしかない。叱られるのを覚悟の上で、さちはぬらりひょんに質問した。
「そうさの。わしは人間がぺこぺこと頭を下げる姿を見たくない。そうならぬよう、さちは自らを変えていってほしい」
意外にも、ぬらりひょんはさちに優しく説明してくれた。
(自らを変えていく……)
さちにとっては、一度たりとて考えたことのない言葉だった。これまでは、生きるのにただ必死だったからだ。
「あのう、ぬらりひょん様。もうひとつお聞きしてよろしいでしょうか?」
不安な気持ちを抑えながら、そっと聞いてみた。
「自らを変えるためには、どのようにすればよろしいのでしょうか? 学のないさちにはわかりません……」
詫びないように注意しながら聞くと、ぬらりひょんはわずかに微笑んだ。
「そこからは自分の頭で考えることだ。これまでのさちは、周囲の命令のみで動いでいたであろう? わしはおぬしに用事を頼むことはあっても、命令はしない。だからまずは自分が何を望み、そのためにどう動くべきか考えよ」
ぬらりひょんの説明は、さちにはわからないことだらけだった。しかし自分で考えていかなくてはいけないことだけは、なんとなく理解できた。
さちは必死に考え始める。思えば、叱られないように周囲に気を遣いながら、生きていくことしかさちは知らなかった。自分が何を望むかだなんて、考える余裕さえなかったのだ。
懸命に考え続けているうちに、さちは昨夜のことをふと思い出した。
(昨日、ぬらりひょん様はコロッケを美味しいと喜んでらした。油すましさんも一つ目小僧さんも、『うまい』っておっしゃってた。嬉しかったなぁ。できることなら、あの笑顔をもう一度見てみたい)
さちが望むことは、料理を食べた者が笑顔になること。皆が喜んでくれれば、さちも自然な笑顔を見せることができるからだ。
「あのう、ぬらりひょん様。朝食はまだでございますか?」
「ああ。さちと同じで、起きたばかりだ」
「コロッケを美味しいと仰ってましたので、別のじゃが芋料理をお出ししたいのですが」
「ふぅむ。実は昨夜は酒をかなり飲んだものでな。あまり食欲がない。できれば、するっと入るハイカラなものを頼みたい」
「するっといただけるハイカラ料理……」
さちはしばし思案する。自分ができるハイカラな洋食で、手早くできるものはあるかどうか。
「難しいか? 無理なら……」
考え込むさちを心配したぬらりひょんが声をかけると、さちは顔をあげ、にっこりと笑った。
「すぐにお作り致します。少々お待ちくださいませ!」
さちの笑顔が、朝日の中で輝いていた。ぬらりひょんは満足げに微笑んだ。
身支度を整えたさちは、土間の台所へ小走りで向かった。
「化け火さん、今日もかまどに火を入れてもらえますか?」
かまどの奥で眠っていた化け火に声をかけると、了解した! というように、火の勢いを強くする。
「ふぁぁ。さちさん、おはようさんです」
さちと共に寝てしまった一つ目小僧が、目をこすりながら起きてきた。
「一つ目小僧さん、おはようございます」
「昨夜はおいらもここで寝ちまいました。さちさん、何かお作りになるんで?」
「ポテトスープを作りたいと思ってます」
「ぽてとすーぷ? それはハイカラなやつですか?」
「ええ、洋食のひとつです。じゃが芋はまだ少しありましたから、できれば牛乳が欲しいのですが……」
「おいらが買ってきやしょうか? ひとっ走りでさ」
一つ目小僧の申し出に、さちの顔がほころぶ。手早く作るためには、作業を分担したほうが効率が良いからだ。
「お願いできますか? 一つ目小僧さんの分もお作りしますので」
「がってんでやんす!」
一つ目小僧は額の大きなひとつの目をゆがませながら、にまりと笑った。
0
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あやかし帝都の婚姻譚 〜浄癒の花嫁が祓魔の軍人に溺愛されるまで〜
鳴猫ツミキ
キャラ文芸
【完結】【第一章までで一区切り】時は大正。天羽家に生まれた桜子は、特異な体質から、家族に虐げられた生活を送っていた。すると女学院から帰ったある日、見合いをするよう命じられる。相手は冷酷だと評判の帝国陸軍あやかし対策部隊の四峰礼人だった。※和風シンデレラ風のお話です。恋愛要素が多いですが、あやかし要素が主体です。第9回キャラ文芸大賞に応募しているので、応援して頂けましたら嬉しいです。【第一章で一区切りで単体で読めますので、そこまででもご覧頂けると嬉しいです】。
別れし夫婦の御定書(おさだめがき)
佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。
離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。
月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。
おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。
されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて——
※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
【完結】あやかし団地 管理人見習い日誌
双月ねむる
キャラ文芸
就活全滅で「自分には社会性がない」と思い込む凛は、遠縁の親戚に紹介され、昭和レトロな巨大団地・さくらヶ丘第一団地の『管理人見習い』として住み込みで働くことに。しかしその団地には、中庭の「靴鳴らし」、エレベーター表示盤に棲む狐など、団地限定あやかし達が当たり前のように暮らしていた。
最初は逃げ腰の凛だったが、すねた空き部屋や、ベランダの風鈴が告げるSOSなど、人とあやかしのトラブルに巻き込まれながら、少しずつ『共同体』に関わる勇気を取り戻していく。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる