〖完結〗強欲令嬢ですが、誘拐事件に巻き込まれたら黒幕な王子様に捕まりました。

つゆり 花燈

文字の大きさ
14 / 15

だから言ったのに…R18

しおりを挟む
「くっ…」

 目を開けると、殿下は眉間に皺を寄せて、何かに耐えるような表情をしている。彼のこめかみからつっーと汗が流れて、ぽとりと私の頬に落ち、曲線を描いて流れていった。

 呼吸が荒い。もしかして殿下も同じくらい痛いのだろうか。

「……大丈夫ですか?」

 必死に言葉を絞り出す。殿下は頭を横に振った。

「あまり…大丈夫じゃない。中…すごく熱い。気持ち良すぎて、少しでも動いたら持っていかれそうだ…」

 大丈夫ではないらしい。持っていかれるの意味はわからないけれど、動かないでいてくれるのはありがたい。時間がたつにつれて、本当に僅かにではあるが、身体を引き裂かれるような痛みが薄れていく。


 婚姻を結んだ女性達は、みなこの激痛に耐えなければならないのだと思うと、愛が無ければ無理だと思った。

 愛のない政略結婚を望んでいたけれど、そうなると好きでもなんでもない男とこんな行為をして、これ程の痛みに耐えなければならなかったのだ。そう考えると、少しだけ過去の自分の意見を改めたくなる。

 この痛みに耐えられるのは、いや、耐えたいと思えるのは、愛しているし、愛されているから。そう思うと涙が自然と溢れてきた。ぽろりと涙が溢れ落ちていく。



「……レティ…。大丈夫か? そんなに痛い?」

 ほんの一瞬、目を見開いた殿下は、私の目から溢れた涙を吸い取るように、目尻に口付けた。その仕草に、何故か切なさに胸が締め付けられ、同時に中がきゅっと締まった。

「つっ!!」

 殿下のものが、私の中でびくりと脈打つ。私の身体を引き裂くように入ってきた物の、大きさと硬さをまざまざとかんじる。私の耳元で殿下が熱い吐息を漏らした。

「レティシア…、レティシア…」

 殿下は荒い息の下で私をぎゅっと抱きしめて、何度も何度も私の名前を口にする。

「レティ…」

 甘くん切ない声で何度も名前を呼ばれて、情欲の篭った目で見つめられると、鋭い痛みの中に、甘い疼きが湧き上がった。

 気づくと、殿下に縋りついていた手を離し、彼の頬に両手を添えかすめるようなキスをした。

「愛してます。もう何年も前から」

瞬間、私の中に差し入れられた熱の塊が、ずくんと振動して、その大きさが増した。

「ああっ…」

体内を蹂躙して圧迫する熱杭にもたらされた衝撃に、私は喉をのけぞらせた。



「はっ。今のは…君が悪い。俺の、なけなしの理性が、飛ばされる」

 そう言った瞬間、殿下の唇が私の喉に押し当てられて、甘く噛まれる。痛みではない、痺れるような快楽が全身を駆け抜けて、私は彼からもたらされる感覚に酔っていく。

 吐息が顔にかかって、また唇が重なった。再び激しく口内を犯される。舌を絡めて吸い取られて、擦り付けられた。深いキスをかわしながら、彼がゆるゆると腰を動かし始める。再び焼けるような痛みに襲われ、必死に痛みから意識を逸らすように、私はただ、殿下の唇を貪った。

 彼を受け入れている下腹部が疼き、もっと違う何かがほしくてほしくて、ねだるように私の内壁は彼の熱を、私の中のさらに奥へと深く誘い込むように締め付けていく。



「くっ、ごめんレティ…。止まらない…」

 僅かに唇が離れた隙に、殿下が謝罪してきて、返事をする前に再び唇が塞がれた。

 室内に響く、お互いの荒い息と殿下の腰が動くたびにもれる水音が混じりあう。私の喉の奥からは声が絶えず溢れ続けた。

「あっ、あぁっ…」

「レティシア…もう少しだけ我慢して。レディ…」

 余裕を無くした彼の声が荒い息と共に耳に届き、きゅうっと内側が収縮して、私の中を擦り上げる熱の杭の動きに合わせるように彼の熱を締め付けた。

 瞬間、それまで私の様子を見ていた彼の動きが、明らかに別のものに変わった。ぐちゅぐちゅと淫猥な音を立てながら、緩急を付けた動きで、私を翻弄する、私はただひたすら彼の動きに身を任せた。

 私を揺さぶる彼の額に汗が滲じむ。その表情はあまりにも色っぽくて、扇情的で、私の中の情欲をかきたてるには充分すぎる程だった。私はただ、彼からもたらされる感覚の全てを受け入れた。



「はっ、んあっ…。ああっ」

 意味のない声が溢れ出て、必死に彼の背中に腕を回してぐっと抱きつく。酸素を求めて離れた口から、悲鳴にも似た嬌声がもれた。

「ああっ!!」

「レティ、…受け止めて」

 ふるりと彼の身体が震え、私の身体の中の塊が何度もビクビクと脈打つ。痛みでよくわからないが、彼が中で精を吐き出した事は予想できた。
 熱い白濁で内側が満たされたのが感じられる。私たちの交わった部分から溢れ出た白濁には、僅かにピンク色になった血が混ざっていた。







 殆ど出ないと殿下が言っていた筈の破瓜の血がシーツについているのを眺めながら、私は未だに何かが入っているようなジクジクと痛む身体で考えた。

 とても少ない確率で、私の破れた処女膜から出血したのか、殿下が下手くそなせいで、粘膜が傷ついて出血したのか。





 殿下から渡された、ピンクの小粒の避妊薬を飲んだあと、無表情でじっとシーツを眺める。私を後ろから抱きしめた殿下は、私の首筋に肩にと、何度もキスを落としていた。だが、振り返った私が殿下の目をじっと見つめると、殿下はとても気まずそうに、顔をそらせた。





 ちなみに、後日医学講師に聞いたところ、殿下の話は嘘ではなかったと言う事だけは判明した。

 だから私は結論付けた。ならば、私が出血した理由は、単に殿下が下手くそだったのだろうと。だって殿下がそう言ったのだから。


 あと、過去の女性遍歴を問い詰めた私に、バツが悪そうに殿下はつぶやいた。

「レティシアを好きだと自覚する前に、何度か、女性と付き合った。でも、女性を抱いたのは閨教育の時だけで、あれは授業だから…」と。言い訳を繰り返した。



へぇ? 授業ねぇ?

 今回のことでわかった事は、私は何故かこの平凡な王子様が思っていたよりも何倍も大好きで、あと、私の心は過去の女性にも嫉妬するほどに,とてつもなく狭いらしいということだった。

 だけど、ちょっと凹んでいるエリアス殿下も可愛くて、思わず全てを許してしまいたくなった事は殿下には内緒だ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

『階段対策会議(※恋愛)――年上騎士団長の健康管理が過剰です』

星乃和花
恋愛
【完結済:全9話】 経理兼給仕のクラリスは、騎士団で働くただの事務員――のはずだった。 なのに、年上で情緒に欠ける騎士団長グラントにある日突然こう言われる。 「君は転倒する可能性がある。――健康管理対象にする」 階段対策会議、動線の変更、手をつなぐのは転倒防止、ストール支給は防寒対策。 全部合理的、全部正しい。……正しいはずなのに! 「頬が赤い。必要だ」 「君を、大事にしたい」 真顔で“強い言葉”を投下してくる団長に、乙女心を隠すクラリスの心拍数は業務超過。 さらに副団長ローレンは胃薬片手に「恋は会議にするな!!」と絶叫中!? これは健康管理?それとも恋愛? ――答え合わせの前に、まず“階段(概念)“をご確認ください。

下賜されまして ~戦場の餓鬼と呼ばれた軍人との甘い日々~

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王宮から突然嫁がされた18歳の少女・ソフィアは、冷たい風の吹く屋敷へと降り立つ。迎えたのは、無愛想で人嫌いな騎士爵グラッド・エルグレイム。金貨の袋を渡され「好きにしろ」と言われた彼女は、侍女も使用人もいない屋敷で孤独な生活を始める。 王宮での優雅な日々とは一転、自分の髪を切り、服を整え、料理を学びながら、ソフィアは少しずつ「夫人」としての自立を模索していく。だが、辻馬車での盗難事件や料理の失敗、そして過労による倒れ込みなど、試練は次々と彼女を襲う。 そんな中、無口なグラッドの態度にも少しずつ変化が現れ始める。謝罪とも言えない金貨の袋、静かな気遣い、そして彼女の倒れた姿に見せた焦り。距離のあった二人の間に、わずかな波紋が広がっていく。 これは、王宮の寵姫から孤独な夫人へと変わる少女が、自らの手で居場所を築いていく物語。冷たい屋敷に灯る、静かな希望の光。 ⚠️本作はAIとの共同製作です。

暴君幼なじみは逃がしてくれない~囚われ愛は深く濃く

なかな悠桃
恋愛
暴君な溺愛幼なじみに振り回される女の子のお話。 ※誤字脱字はご了承くださいm(__)m

【完結】離婚を切り出したら私に不干渉だったはずの夫が激甘に豹変しました

雨宮羽那
恋愛
 結婚して5年。リディアは悩んでいた。  夫のレナードが仕事で忙しく、夫婦らしいことが何一つないことに。  ある日「私、離婚しようと思うの」と義妹に相談すると、とある薬を渡される。  どうやらそれは、『ちょーっとだけ本音がでちゃう薬』のよう。  そうしてやってきた離婚の話を告げる場で、リディアはつい好奇心に負けて、夫へ薬を飲ませてしまう。  すると、あら不思議。  いつもは浮ついた言葉なんて口にしない夫が、とんでもなく甘い言葉を口にしはじめたのだ。 「どうか離婚だなんて言わないでください。私のスイートハニーは君だけなんです」 (誰ですかあなた) ◇◇◇◇ ※全3話。 ※コメディ重視のお話です。深く考えちゃダメです!少しでも笑っていただけますと幸いです(*_ _))*゜ ※AI不使用です。

ルンルン気分な悪役令嬢、パンをくわえた騎士と曲がり角でぶつかる。

待鳥園子
恋愛
婚約者である王太子デニスから聖女エリカに嫌がらせした悪事で婚約破棄され、それを粛々と受け入れたスカーレット公爵令嬢アンジェラ。 しかし、アンジェラは既にデニスの両親と自分の両親へすべての事情を説明済で、これから罰せられるのはデニス側となった。 アンジェラはルンルン気分で卒業式会場から出て、パンをくわえた騎士リアムと曲がり角でぶつかって!?

天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎ ギルドで働くおっとり回復役リィナは、 自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。 ……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!? 「転ばないで」 「可愛いって言うのは僕の役目」 「固定回復役だから。僕の」 優しいのに過保護。 仲間のはずなのに距離が近い。 しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。 鈍感で頑張り屋なリィナと、 策を捨てるほど恋に負けていくカイの、 コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕! 「遅いままでいい――置いていかないから。」

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件

水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」 結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。 出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。 愛を期待されないのなら、失望させることもない。 契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。 ただ「役に立ちたい」という一心だった。 ――その瞬間。 冷酷騎士の情緒が崩壊した。 「君は、自分の価値を分かっていない」 開始一分で愛さない宣言は撤回。 無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。 以後、 寝室は強制統合 常時抱っこ移動 一秒ごとに更新される溺愛 妻を傷つける者には容赦なし宣言 甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。 さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――? 自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。 溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ

処理中です...