【完結】よくある異世界の、とことん不毛な私の婚約事情。〜無口でクールな美形婚約者候補の頭の中には、どエロい事しか詰まってなかった〜

つゆり 花燈

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婚約者候補の脳内事情

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『寝台の上で、互いに汗だくになりながら、卑猥な体勢で交わるのなんてどうだ?』

 ──── あ、妄想の方か。やっぱりそっちに行くのね。

 風が吹き抜け、目の前の男のダークブロンドの髪がさらりとゆれた。やたら整った顔に、翠玉色の切れ長の目がとても印象的だ。本当に美形だ。だからこそ、残念度が凄い。

 この男、頭の中は騎士らしい脳筋どころか、エロしか詰まっていないのだ。
 しかもやたらと恥ずかしい言葉を言わせて、それを楽しんでいる。
 まごう事なき変態である。





『フィーナが太りたく無いのだから、貴方が俺の上で腰を振るべきだな。ああ、ただ上に乗るだけではダメだ。膝をつけずに足を開いて自分で動くんだ』

 ──── って!!ふざけんな!!勝手に私を中腰でM字開脚させんな!!
 
 唐突に、ベッドの上で寝転んだレオナルドの腰の上で、フィオレンティーナが中腰のままM字開脚している映像が、私の頭の中を支配した。





『ん、レオナルドさ…ま、こんな姿勢、恥ずかしいです…』

 寝台に寝転んだレオナルドの上に跨ったフィオレンティーナは、足をM字に開脚し、レオナルドのそそりたった赤黒い肉棒の上に腰を下そうとして、止められていた。

『恥ずかしいと言いながらも、貴方の中からは淫液があふれているぞ』

『んあっ、お願いです。もう、欲しいの。貴方のをここに入れたい、です』

 フィオレンティーナは潤んだ瞳でレオナルドを見下ろし、ぬるぬるの秘所を指先で“くぱっ”と開き見せつける。だがレオナルドは相変わらずの無表情だ。

『俺の何がどこに欲しいんだ?ちゃんと教えてくれないかな?』

『あ、貴方のアレを、私のここに入れて…欲しいの』

『アレとかここではわからないな。はっきりと言うんだ』

『あ、レオナルド…様の×××ピーーを、私の×××ピーーに、入れて欲しい』




 ──── なんて事を言わせるんだ、この変態!!クッソ、コイツ女に淫語を言わせて楽しむタイプか!!

 ノリノリで妄想しているようだが、私の精神衛生上、淫語は脳内放送禁止用語にして欲しい。切実に!!


『本当に堪え性が無くて、可愛い淫乱だな。いいぞ、そのまま腰を下せ。けど、手を支えるから、膝はつくなよ』

『んっ、うれしい。ようやく……んあっ』

 フィオレンティーナは指で広げた陰唇にレオナルドの剛直を、ずぶずぶと咥え込んでいく。その度に喘ぎ声を漏らしながらも、何とか根元まで咥え込んだ。

『ああっ!!』

 レオナルドのモノを奥まで導いたフィオレンティーナは、彼の物が奥に達した衝撃が齎す快楽に溺れるように、嬌声を上げて上半身を仰け反らせる。彼の雄を飲み込んだ肉襞は、吸い付くように熱棒を締め付け、ビクビクと痙攣していた。

『はぁっ…。すごい締め付けだ。フィーナの中はいつも気持ち良い。ほら、上下に腰を動かして。これは痩せる為の運動なんだから、貴方が自分で動くんだ』

『んっ、はい…。ああっ、気持ち…いい。レオナルド…様、の、奥まで、届いて、気持ちいい所にゴリゴリ…んんっ』

 フィオレンティーナは差し出されたレオナルドの手を握り、大きく足を開いた状態で、上下に身体を揺らす。

『んあっ。レオ…ナルド、様っ!!』


 ──── やめろ!!勝手に上に乗らせて、M字開脚で突っ込ませたうえに、そのスクワットのような体制で腰を振らせるな!!

 その妄想だけで、私の腹筋が痛くなりそうだ。明日は筋肉痛だろうが、ウエストと足に効きそうだ…などと、一瞬思ってしまったが、いや違う。目の前の男の妄想が、私の筋肉に効く訳がない。てか、そもそもこんなダイエット方法はいやだ!!

 しかもこの男、自分は動かず私の中にぬるぬるした自分のペニスが、ずちゃずちゃと出たり入ったりするのを、無表情で眺めている。

 こんなM字開脚スクワット、四十八手にすらない!!(多分。知らんけど)

 いや、それよりなんでお前は、騎乗位妄想の中ですら無表情なんだ?!しかもこいつ、妄想の中ですら、自分では全然動かない。腰すら突き上げない。
 マグロか?! マグロなのか?! この男、女に上に乗らせて全部させて、自分は全く動かないって何だよ!!妄想ですら動かないって、普通はないだろう?!
 



『ああ、フィーナの中は俺のを必死に呑み込もうとして、すごく締まるな。そんなに俺のを入れてほしかったのか?』

 レオナルドは無表情に自身の上で腰を振るフィオレンティーナをじっと見つめている。その目は彼女の中の全てを見透かしているかのようだった。

『あ……、欲しかったの…。ずっと、レオナルド様の太くて長いもので、かき回して欲しくて…』

『俺に犯される想像をしながら、毎夜自分の指で自分を慰めていたのか?』

『そ、それは…』

『どんな想像をしていた?正直に言わないと、ずっとこのままだぞ』

『あ、そんな、もう無理。…お願い。レオナルド…様。もっと気持ちよくして』

『なら正直に言うんだ』

『あ、あなたの太くて硬いこれで、身体をなん度も貫かれて、中をぐちゃぐちゃにかき回されながら、私の小さなここを貴方の手で、弄ばれるのを想像して、ました。それから、子宮の奥まで貴方の固いのが入ってきて、あ、ああ…』

『そんないやらしい想像までしていたのか。中には指を入れたのか?』

『あ、中には、貴方に頂いた、貴方の形の物を舌で舐めてから中に入れ…て、指は、こっちを擦って…ああ』

 フィオレンティーナが身体を上下に揺らしながら、繋がった部分の少し上の陰核に手を伸ばし、自慰をするように撫で擦る。
 互いの液体でどろどろに濡れたレオナルドの太い熱杭が、淫猥な音をたてながらフィオレンティーナの中から見え隠れする。それがまた、さらなる劣情を煽った。
 だが、唐突にレオナルドはフィオレンティーナの腰を掴み、その動きを無理にとめた。
 フィオレンティーナをなんとか支えていた手が腰に回された事で、フィオレンティーナの身体が自重で、レオナルドの上にのしかかる。同時に、膣壁の中の熱杭が子宮口を一気に押し上げ、押し入った。

『あああああ!!!』

 フィオレンティーナの視界が真っ白になり、狂ったような快楽が押し寄せる。彼を咥え込んだ膣壁がひくひくと痙攣し、両足までもがビクビクと震える。だが、抽送を止められた彼女は、あと少し先にある強烈な快楽を得られず、悲鳴をあげた。

『いや、いやーー!!レオナルド様。動いて、奥に、頂戴、ああっ!!』

『なら、いやらしく俺をねだってみろ』

『あ、そんな………』

 レオナルドの上でフィオレンティーナが涙を流す。必死に腰を動かそうとしても、レオナルドの手で動けず、ひくひくと子宮ごと内壁を強く締め付けた。

『ああ……、物欲しそうにヒクついてるな。道具まで使って、恥ずかしくて言えないような事を、散々しているのだろう?』

『して、ました。貴方にぐちゃぐちゃにされるのを想像して、毎晩何度も私のここを慰めて…いたの。だから、お願い、レオナルド様、私のいやらしい所をもっと掻き回して、子宮の奥まで犯して、中にいっぱいいっぱい貴方の物を頂戴!!』

『ふっ、本当にかわいくて、恥ずかしい淫乱だな』
 



 ──── ふざけんな!!なんで私が、変態に淫乱扱いされねばならんのだ。てか、もう嫌だ。本当に嫌だ!!


 ああ、恋心とは本当に厄介だ。最初からこの男の心の声が聞こえていたら、こんな想いを抱く事も、こんな無駄過ぎる悩みに発狂しそうになる事もなかったというのに。




 ……とまあ、兎にも角にもこれで十分にお分かりいただけただろう。私の恋が不毛な理由を。私的には『変態お断り!!』なのである。


 本当に何故、こんな綺麗な庭で美味しいお茶やお菓子を前にして、私がこんな羞恥プレイに耐えなきゃいけないのか。私がこんな変な妄想を見せられてるのも、全部この男のせいだ。
 そう。全て、この男の無口無表情が悪い!!

 この男が何を考えているのか分からなくて悩んだのも。魔女から人の考えがわかる薬なんてものを貰ったのも。その薬を飲んだせいで、この男に会う度にドエロい妄想を見せられるのも。
 そう。全部ぜーんぶ、この目の前の、無表情男が元凶なのだ!!

 そもそも、“人の心の中を覗こうとする方が悪い” 等とは言うなかれ。
 お酒を奢ったお礼に、自称魔女から貰った、便秘薬みたいなピンクの小粒が、『人の心を読む薬』だなどと、誰が信じるというのだ。ラムネみたいなお菓子かなにかだと思って、話のネタとしてノリで飲んでしまったとしても、誰も私を責められないだろう。

 何にせよ、私の恋愛は、限りなく不毛だ。いや、私に限らず、隠語プレイのマグロ男が好みな女など、そうはいないはずだ。
 では、何故お前はこんな男が好きなのだと問われれば、こう答えるしかあるまい。


 この男の全てが、私の好みにクリティカルヒットしたせいである。

 無論……
 
 こいつの頭の中の妄想を知るまでは
 …という説明は、敢えて付け加えるまでもないだろう。









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