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何やら様子がおかしいターゲット
14話 ヒーロー
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お兄ちゃんが眠ったまま1ヶ月以上経っている
なんとか一命を取り留めたけど、このまま目覚めない可能性もある
大丈夫だよね?
もし、アイリスがそばに居て励ましてくれなかったら、僕の限界はもう来ていたかも知れない
いつものように兄のお見舞いに行った帰りの廊下
突然知らない男の人から話しかけられた
「ねぇ、最近よくここ通るよね。君、誰仕え?」
「アイリスですけど…」
「待って、今呼び捨てした?ダメだなぁ、自分の主人を呼び捨てだなんて不敬だ」
そうは言われても、本人に了承は貰ってるし…
それに、恋人だから余計に近くに感じたい
とは言え僕は匿われてる身
神子様と交際してますなんて、口が裂けても言えない
「えっと、本人から了承は…」
「こっちに来なさい。従者の先輩として色々教えてあげるから」
そう言って腕を掴まれた
無理矢理抵抗して怪我をさせる訳にはいかないから、とりあえず言葉で説得してみようとした
が、まるで聞く耳持たない
いくら「離して」と言っても離してくれない
それに…さっきから人通りの無い道を通って遠回りしてる?
「あの!」
「うるさいなぁ、黙って言う事聞いてればいいんだよ」
「え、きゃっ…!」
ガチャリ
どこかの部屋に入れられたと思ったら、施錠する音が聞こえた
たぶんここは物置き
大きな本棚やテーブルもあって、小さな図書室みたいだ
部屋の中心にあるテーブルの上に勢いよく倒され、ようやく自分の身に起きてることを理解した
「ぃ、や……」
「やっぱ近くで見ると可愛いな。こんな格好させてもったいないなぁ…」
舐め回すような視線
両手を押さえられ、僕はテーブルの上で倒されている
襲われる……?
僕が襲われるなんて…女として見られることなんて組織でも無かったのに
アイリスと一緒にいるうちに、本当に女の子になったんだ
どうしよう、怖い……
抵抗すれば怪我をさせてアイリスに迷惑がかかる
でも、アイリス以外に触られたくない
「やだ…アイリス、助けて………」
シャツのボタンを一つ一つ外される恐怖の中、僕は震えた声で助けを呼んだ
でもあまりにも小さ過ぎる
これで届くわけが無い
どうしよう……!
「何言ってんだ、助けなんか来るわけ………」
「………見つけた」
男の背後から聞こえる声
聞き慣れた、大好きな声
……の、怒った声
「アイリス……!」
「なっ、アイリス様!?なぜ……」
「てめぇ、何してる」
アイリスは本気で怒っていた
僕を襲ってる男に対して、凄まじい圧をかけている
「や、やだなぁ……こんなとこ見られるなんてお恥ずかしい。別に従者間で関係を持つのは禁止されてません。そうですよね?」
「確かにそうだな。でも……」
アイリスは男を殴り飛ばして僕を抱きしめた
魔法を使うアイリスが、グーで………
「彼女は私のだ!」
そう言ったアイリスは、男の目の前で僕にキスをした
優しくて温かい、守るような慈愛に満ちたキスを
僕はアイリスの……
アイリスが言い放った言葉にときめいた
「え、は?」
「聞こえなかったか?それとも理解出来なかったか?彼女は…私の恋人だ。お前如きゲスな野郎が触れていい相手じゃ無いんだ」
すごいボロクソ言う…
けど、守ってくれたんだ
すごく嬉しい
……あれ?
そう言えばこの部屋、施錠されてなかったっけ?
チラリとドアの方を向くと、ドアノブの下にある鍵穴が壊れていた
鍵、壊して入ったんだ
お城なのに……
いやまぁお陰で助かったんだけど
アイリスは男にもう一発お見舞いした後に、僕のシャツのボタンを一つ一つ丁寧につけ始めた
1番上のボタンまでつけ終わると、もう一度強く抱きしめて、深呼吸を一回
「間に合って良かった…!」
「……ねぇ、なんで分かったの?」
「そりゃあ、その体を支配してるのは私だからね。位置くらい探せば見つかる。どこにいようとね」
そっか、なんか、良かった
今は襲われた恐怖より、助けられた安堵より、僕がアイリスのものであると言う認知に幸福を感じている
こんなかっこいい人の恋人になれて、本当によかった………
なんとか一命を取り留めたけど、このまま目覚めない可能性もある
大丈夫だよね?
もし、アイリスがそばに居て励ましてくれなかったら、僕の限界はもう来ていたかも知れない
いつものように兄のお見舞いに行った帰りの廊下
突然知らない男の人から話しかけられた
「ねぇ、最近よくここ通るよね。君、誰仕え?」
「アイリスですけど…」
「待って、今呼び捨てした?ダメだなぁ、自分の主人を呼び捨てだなんて不敬だ」
そうは言われても、本人に了承は貰ってるし…
それに、恋人だから余計に近くに感じたい
とは言え僕は匿われてる身
神子様と交際してますなんて、口が裂けても言えない
「えっと、本人から了承は…」
「こっちに来なさい。従者の先輩として色々教えてあげるから」
そう言って腕を掴まれた
無理矢理抵抗して怪我をさせる訳にはいかないから、とりあえず言葉で説得してみようとした
が、まるで聞く耳持たない
いくら「離して」と言っても離してくれない
それに…さっきから人通りの無い道を通って遠回りしてる?
「あの!」
「うるさいなぁ、黙って言う事聞いてればいいんだよ」
「え、きゃっ…!」
ガチャリ
どこかの部屋に入れられたと思ったら、施錠する音が聞こえた
たぶんここは物置き
大きな本棚やテーブルもあって、小さな図書室みたいだ
部屋の中心にあるテーブルの上に勢いよく倒され、ようやく自分の身に起きてることを理解した
「ぃ、や……」
「やっぱ近くで見ると可愛いな。こんな格好させてもったいないなぁ…」
舐め回すような視線
両手を押さえられ、僕はテーブルの上で倒されている
襲われる……?
僕が襲われるなんて…女として見られることなんて組織でも無かったのに
アイリスと一緒にいるうちに、本当に女の子になったんだ
どうしよう、怖い……
抵抗すれば怪我をさせてアイリスに迷惑がかかる
でも、アイリス以外に触られたくない
「やだ…アイリス、助けて………」
シャツのボタンを一つ一つ外される恐怖の中、僕は震えた声で助けを呼んだ
でもあまりにも小さ過ぎる
これで届くわけが無い
どうしよう……!
「何言ってんだ、助けなんか来るわけ………」
「………見つけた」
男の背後から聞こえる声
聞き慣れた、大好きな声
……の、怒った声
「アイリス……!」
「なっ、アイリス様!?なぜ……」
「てめぇ、何してる」
アイリスは本気で怒っていた
僕を襲ってる男に対して、凄まじい圧をかけている
「や、やだなぁ……こんなとこ見られるなんてお恥ずかしい。別に従者間で関係を持つのは禁止されてません。そうですよね?」
「確かにそうだな。でも……」
アイリスは男を殴り飛ばして僕を抱きしめた
魔法を使うアイリスが、グーで………
「彼女は私のだ!」
そう言ったアイリスは、男の目の前で僕にキスをした
優しくて温かい、守るような慈愛に満ちたキスを
僕はアイリスの……
アイリスが言い放った言葉にときめいた
「え、は?」
「聞こえなかったか?それとも理解出来なかったか?彼女は…私の恋人だ。お前如きゲスな野郎が触れていい相手じゃ無いんだ」
すごいボロクソ言う…
けど、守ってくれたんだ
すごく嬉しい
……あれ?
そう言えばこの部屋、施錠されてなかったっけ?
チラリとドアの方を向くと、ドアノブの下にある鍵穴が壊れていた
鍵、壊して入ったんだ
お城なのに……
いやまぁお陰で助かったんだけど
アイリスは男にもう一発お見舞いした後に、僕のシャツのボタンを一つ一つ丁寧につけ始めた
1番上のボタンまでつけ終わると、もう一度強く抱きしめて、深呼吸を一回
「間に合って良かった…!」
「……ねぇ、なんで分かったの?」
「そりゃあ、その体を支配してるのは私だからね。位置くらい探せば見つかる。どこにいようとね」
そっか、なんか、良かった
今は襲われた恐怖より、助けられた安堵より、僕がアイリスのものであると言う認知に幸福を感じている
こんなかっこいい人の恋人になれて、本当によかった………
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