40 / 108
復讐の旅、開始!
40.意思を持った炎の魔法石
しおりを挟む
尻に尋常じゃない違和感を感じての目覚め。あー…そうだ、そういえばヴィンスとグルーで処女喪失したんだ。
…………って冷静でいられるかッ!
処女喪失が3Pでキメセクっておかしいだろ!?なんかこう…もっとさ……!初めてってもうちょっと緊張感あるものじゃ無いのか!?
そんなことを考えながら飛び起きた。そこは気を失う前と同じ部屋、同じベッドだった。盛大に汚したはずだが……後始末が早いな。いや、どれくらい気絶してたかも分からないか。
「よぉ、結構早ぇお目覚めだな」
「……ヴィンス、俺、どれくらい寝てた?」
「さぁな。一時間は経って無ぇと思うぜ」
そこまで眠ってたわけじゃ無いんだな。……よく一時間で全部片付けたな。ナカに出されたのも、びしゃびしゃになったベッドも全部片付け終わっている。そういえばあのベッド、どうやって片付けたんだ………?
体を起こして、重い腰を何とか持ち上げて立ち上がった。水だけ飲んで、ユーリが捕まっていたところに向かった。そこにグルーもいるらしい。まぁ、俺が用があるのはユーリじゃなくて………
「おや、お目覚めですか」
「あ、あぁ…その……どんな状況?」
グルーのスキルで拘束されたままのユーリを見下すグルー。ただ…その………ユーリがげっそりしてるんだよな。
「兄様が……こんな人だとは思いませんでした……………」
「だから何があった」
「本当に気付いていなかったのですね。貴方は兄様に騙されていたのですよ。行為中の姿も声も全てこちらには筒抜けでした」
………………は?
ま、待ってくれどういうことだ。姿も声も筒抜け?声はともかく、あの大窓は壁になってたはず…………
振り返ってみると、こっちからは窓のままで部屋の中がバッチリ見えていた。えっと、つまり、俺は処女喪失の瞬間を相手の身内にバッチリ見られてたってことか。あれだ、マジックミラー号の逆バージョンみたいなものだ。
……………
「何やってんだよグルー!?」
「おかげでヤトに対する誤解は解けて、私の退位も認めていただけましたよ」
「そうじゃなくてな!?」
「おい待てオレとばっちりじゃねぇかよ!?」
流石に俺もヴィンスもグルーに怒った。ヴィンスも知らなかったのか。本当に……グルーも悪い顔を隠さなくなってきたな?
「グルーとはしばらくシない。反省しろ」
「ふふっ、『二度とシない』では無いようで安心しました」
なっ………!本当にいい性格してるな!?
……っと、ここに来た一番の理由を忘れるとこだった。俺がユーリに捕まってた時、腕をガチャガチャしてたら錠が外れたけど、やっぱりそれっておかしいよな。
床に転がる手錠を見ると、綺麗な直線で割れていた。まるで熱で切ったみたいに切り口が変形している。
こんなこと、俺には出来ないぞ?やっぱりこれは…………
「もう一人、人の情事を覗く悪趣味なやつがいるようだな」
「あの、それじゃあ私の趣味で覗きをしたみたいな言い方じゃありませんか?というより、もう一人とは?」
速攻で訂正するユーリ。確かにユーリは嫌でも見せられたの方が正しいか。
だけど今はそれどころじゃ無い。
俺は炎系の魔法は使えない。使う時は耳飾りに付いた魔法石を使う必要がある。でも、俺は魔法はあの時使っていなかった。
ようするに、この魔法石が一人でに魔法を使ったわけだ。
…………って、そんなことあるはずも無く。
俺は耳飾りを外すとそのまま床に思いっきり叩きつけて破壊した。
「いってぇな!?って、あ…………」
割れた魔法石から現れた、髪と目の色以外は俺と瓜二つな男。見たこともない乳白色のロングコートを着て、僅かに炎を纏っている。
「……………」
「……………」
しばらくの睨み合い。ヴィンスが「だ、誰だお前……?」と言うまで誰もがポカーンとしていた。
間違いない、コイツは………
「……アキト、どういうつもりだ?」
十年前に行方をくらました俺の兄だ。
この世界にいる事は気付いてた。コイツが俺の行動を見ていることも何と無く勘付いていた。が、ここまで至近距離にいるのは想定外だ。
「よ、よぉ、久しぶりだな、俺の宵………」
「久しぶりは俺だけだろうが。お前、なんでずっと隠れてたんだ?」
「隠れてたワケじゃ……ただ、会いづらかったんだ。お前、人間じゃ無いってこと忘れてたからな。聞かれても説明出来ないから、言葉を交わすのが怖かったんだよ」
クソッ、ちょうど聞こうとしていたことを先手を打たれて聞けなくなった。
「待て、俺が忘れてたって……アキトは記憶喪失じゃ無かったのか?」
「まぁな。本当の名前も過去も覚えてる。流石に歳は数えきれなかったけどな」
そういえば獣人の国に入ったばかりの時に見た夢、あの時にも言ってたな。やっぱりあの夢はただの夢じゃなくて記憶なのかもしれない。誕生日は満月の日だってことしか知らないとか、どこかで神官をしていたとか……
元の世界にいた時、俺達の生まれた日なんて分からないし戸籍も見つからなくて、二人揃って八月十五日を誕生日(仮)にしていた。
「本当の名前……昔、お前が記憶を失ってから初めて発した言葉が俺の名前だ。覚えてるか?」
「あかつき………」
なんとなく覚えてる。今覚えてる一番古い記憶だ。
病院のベッドで目が覚めて、同じ部屋に入院してたアキトを見て思い浮かんだ言葉だ。その言葉を聞いたアキトは俺の手を握りしめて『ヨル』と呼んだ。
そうだ、これがあの夢の信憑性を確認できるかもしれない……!
「俺の、本当の名前は………」
「お前はヨル。俺達は同じ日の別の時間に突然現れたんだ。俺は夜明けに、お前は深夜に……」
「……ヨル?宵じゃなくてか?」
「なんで、それ………」
やっぱり当たりだ。あの夢は俺の失った記憶の一部だった。
「俺達が人じゃないことは分かった。でも、種族のこと以外は……教えてくれるんだよな?」
「長くなるから要点だけなら」
これでようやく俺のことが少しは分かる。なのになんでだろう……少し怖い。
きっと、アキトが見たことない怯えた笑顔をしているからなのかも。
…………って冷静でいられるかッ!
処女喪失が3Pでキメセクっておかしいだろ!?なんかこう…もっとさ……!初めてってもうちょっと緊張感あるものじゃ無いのか!?
そんなことを考えながら飛び起きた。そこは気を失う前と同じ部屋、同じベッドだった。盛大に汚したはずだが……後始末が早いな。いや、どれくらい気絶してたかも分からないか。
「よぉ、結構早ぇお目覚めだな」
「……ヴィンス、俺、どれくらい寝てた?」
「さぁな。一時間は経って無ぇと思うぜ」
そこまで眠ってたわけじゃ無いんだな。……よく一時間で全部片付けたな。ナカに出されたのも、びしゃびしゃになったベッドも全部片付け終わっている。そういえばあのベッド、どうやって片付けたんだ………?
体を起こして、重い腰を何とか持ち上げて立ち上がった。水だけ飲んで、ユーリが捕まっていたところに向かった。そこにグルーもいるらしい。まぁ、俺が用があるのはユーリじゃなくて………
「おや、お目覚めですか」
「あ、あぁ…その……どんな状況?」
グルーのスキルで拘束されたままのユーリを見下すグルー。ただ…その………ユーリがげっそりしてるんだよな。
「兄様が……こんな人だとは思いませんでした……………」
「だから何があった」
「本当に気付いていなかったのですね。貴方は兄様に騙されていたのですよ。行為中の姿も声も全てこちらには筒抜けでした」
………………は?
ま、待ってくれどういうことだ。姿も声も筒抜け?声はともかく、あの大窓は壁になってたはず…………
振り返ってみると、こっちからは窓のままで部屋の中がバッチリ見えていた。えっと、つまり、俺は処女喪失の瞬間を相手の身内にバッチリ見られてたってことか。あれだ、マジックミラー号の逆バージョンみたいなものだ。
……………
「何やってんだよグルー!?」
「おかげでヤトに対する誤解は解けて、私の退位も認めていただけましたよ」
「そうじゃなくてな!?」
「おい待てオレとばっちりじゃねぇかよ!?」
流石に俺もヴィンスもグルーに怒った。ヴィンスも知らなかったのか。本当に……グルーも悪い顔を隠さなくなってきたな?
「グルーとはしばらくシない。反省しろ」
「ふふっ、『二度とシない』では無いようで安心しました」
なっ………!本当にいい性格してるな!?
……っと、ここに来た一番の理由を忘れるとこだった。俺がユーリに捕まってた時、腕をガチャガチャしてたら錠が外れたけど、やっぱりそれっておかしいよな。
床に転がる手錠を見ると、綺麗な直線で割れていた。まるで熱で切ったみたいに切り口が変形している。
こんなこと、俺には出来ないぞ?やっぱりこれは…………
「もう一人、人の情事を覗く悪趣味なやつがいるようだな」
「あの、それじゃあ私の趣味で覗きをしたみたいな言い方じゃありませんか?というより、もう一人とは?」
速攻で訂正するユーリ。確かにユーリは嫌でも見せられたの方が正しいか。
だけど今はそれどころじゃ無い。
俺は炎系の魔法は使えない。使う時は耳飾りに付いた魔法石を使う必要がある。でも、俺は魔法はあの時使っていなかった。
ようするに、この魔法石が一人でに魔法を使ったわけだ。
…………って、そんなことあるはずも無く。
俺は耳飾りを外すとそのまま床に思いっきり叩きつけて破壊した。
「いってぇな!?って、あ…………」
割れた魔法石から現れた、髪と目の色以外は俺と瓜二つな男。見たこともない乳白色のロングコートを着て、僅かに炎を纏っている。
「……………」
「……………」
しばらくの睨み合い。ヴィンスが「だ、誰だお前……?」と言うまで誰もがポカーンとしていた。
間違いない、コイツは………
「……アキト、どういうつもりだ?」
十年前に行方をくらました俺の兄だ。
この世界にいる事は気付いてた。コイツが俺の行動を見ていることも何と無く勘付いていた。が、ここまで至近距離にいるのは想定外だ。
「よ、よぉ、久しぶりだな、俺の宵………」
「久しぶりは俺だけだろうが。お前、なんでずっと隠れてたんだ?」
「隠れてたワケじゃ……ただ、会いづらかったんだ。お前、人間じゃ無いってこと忘れてたからな。聞かれても説明出来ないから、言葉を交わすのが怖かったんだよ」
クソッ、ちょうど聞こうとしていたことを先手を打たれて聞けなくなった。
「待て、俺が忘れてたって……アキトは記憶喪失じゃ無かったのか?」
「まぁな。本当の名前も過去も覚えてる。流石に歳は数えきれなかったけどな」
そういえば獣人の国に入ったばかりの時に見た夢、あの時にも言ってたな。やっぱりあの夢はただの夢じゃなくて記憶なのかもしれない。誕生日は満月の日だってことしか知らないとか、どこかで神官をしていたとか……
元の世界にいた時、俺達の生まれた日なんて分からないし戸籍も見つからなくて、二人揃って八月十五日を誕生日(仮)にしていた。
「本当の名前……昔、お前が記憶を失ってから初めて発した言葉が俺の名前だ。覚えてるか?」
「あかつき………」
なんとなく覚えてる。今覚えてる一番古い記憶だ。
病院のベッドで目が覚めて、同じ部屋に入院してたアキトを見て思い浮かんだ言葉だ。その言葉を聞いたアキトは俺の手を握りしめて『ヨル』と呼んだ。
そうだ、これがあの夢の信憑性を確認できるかもしれない……!
「俺の、本当の名前は………」
「お前はヨル。俺達は同じ日の別の時間に突然現れたんだ。俺は夜明けに、お前は深夜に……」
「……ヨル?宵じゃなくてか?」
「なんで、それ………」
やっぱり当たりだ。あの夢は俺の失った記憶の一部だった。
「俺達が人じゃないことは分かった。でも、種族のこと以外は……教えてくれるんだよな?」
「長くなるから要点だけなら」
これでようやく俺のことが少しは分かる。なのになんでだろう……少し怖い。
きっと、アキトが見たことない怯えた笑顔をしているからなのかも。
24
あなたにおすすめの小説
転生したが陰から推し同士の絡みを「バレず」に見たい
むいあ
BL
俺、神崎瑠衣はごく普通の社会人だ。
ただ一つ違うことがあるとすれば、腐男子だということだ。
しかし、周りに腐男子と言うことがバレないように日々隠しながら暮らしている。
今日も一日会社に行こうとした時に横からきたトラックにはねられてしまった!
目が覚めるとそこは俺が好きなゲームの中で!?
俺は推し同士の絡みを眺めていたいのに、なぜか美形に迫られていて!?
「俺は壁になりたいのにーーーー!!!!」
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
メインキャラ達の様子がおかしい件について
白鳩 唯斗
BL
前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。
サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。
どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。
ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。
世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。
どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!
主人公が老若男女問わず好かれる話です。
登場キャラは全員闇を抱えています。
精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。
BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。
恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。
【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?
キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。
知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。
今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど——
「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」
幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。
しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。
これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。
全8話。
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由
スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの二人は、スキルを得た事で魔王討伐に旅立つ勇者と彼の帰還を待つだけのただの親友となる。
勇者と親友の無自覚両片想いのじれったい恋愛の物語。
BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている
青緑三月
BL
主人公は、BLが好きな腐男子
ただ自分は、関わらずに見ているのが好きなだけ
そんな主人公が、BLゲームの世界で
モブになり主人公とキャラのイベントが起こるのを
楽しみにしていた。
だが攻略キャラはいるのに、かんじんの主人公があらわれない……
そんな中、主人公があらわれるのを、まちながら日々を送っているはなし
BL要素は、軽めです。
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる