極道恋事情

一園木蓮

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チェインジング・ダーリン

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「お前とはガキの頃からの知り合いだったのか?」
「元々は親父同士が仕事を通して懇意になったらしいが、俺がヤツを紹介されたのは高校を出てすぐの頃だった」
「ほう? まあ、サツにしちゃなかなかに珍しい柔軟なタイプのようだが。息子が警察関係者だってんならヤツの親父は裏社会の者ってわけじゃなさそうだな」
 鐘崎の父親の素性を知っていて仕事上での付き合いがあるとなれば、それは裏社会の関係者か、そうでなければよほど心の太い特殊な立場の人間だろうと思えるからだ。
「ああ。ヤツの親父さんってのは前警視総監だった人だ。初めて会った時は俺もまだガキだったしな、えらくおっかねえオッサンだと思ったのが第一印象だったな」
「は――、なるほどね。血統書付きってわけか」
 周が呆れたように肩をすくめながら笑う。
「いずれゆっくりと言っていたし、あいつは社交辞令は言わねえヤツだから改めてお前にも顔繋ぎしておくぜ。その際は冰と一緒に付き合ってくれたら嬉しい」
「ああ」
 ニッと口角を上げて周は笑った。
「さてと! それじゃ引き上げるとするか」
 鐘崎が伸びをしながら言うと、遠くの方から人並みを掻き分けるようにして里恵子がやって来た。どうやら劉の車で一人待機していたところ、警察の現場封鎖に引っ掛かってしまい、なかなかこちらに辿り着けなかったようである。
「瑛二! 皆んなも……! 無事だったのね! 良かったわー!」
 劉は安全な場所に車を停めると、里恵子を残して李らのいる現場へと向かってしまった為、一人ハラハラと状況を気に掛けていたというのだ。
「里恵子ママ! ママがバイクを貸してくれたお陰で助かったぜ! 多分……傷とかは付いてねえとは思うんだけど……」
 かなり荒い運転をしてしまった為にタイヤなどが傷んだりしていないかと紫月が心配そうにしている。
「ううん! そんなの全然いいのよー! あなたたちが無事だっただけで、もう何もいらないわ!」
 里恵子は心底ホッとしたように涙目になっている。
「里恵子と森崎には本当に助けられた。お前らがいてくれたお陰で連携もスムーズにいったしな。紫月が貸してもらったバイクのメンテナンスは俺が責任を持ってさせてもらうぜ」
「ああ、カネの言う通りだ。車じゃなくバイクだったからこそできたことも大きい。俺もメンテナンスには是非とも協力させてもらいたい」
 鐘崎と周が二人でうなずき合う。この二人の考えることだ。荒い運転で傷んだタイヤを取り替えるのはもちろんのこと、ヘタをすれば新車を贈るくらいのことはやってのけそうな勢いである。その傍らで、里恵子も森崎も役に立てたことが嬉しいといったふうにはにかみ、互いに微笑み合っていた。
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