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4 地震
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「やっぱり揺れてるぞ!?」
「地震か!?」
「急いで机の下に隠れるんだ!」
部屋の中をそんな言葉が次々に飛び交う。
最初は小刻みだった揺れは徐々に大きくなっていき、しまいには誰もが恐怖を感じるほどになっていった。
机の近くにいた人はその下に潜り込み、歩いていた人も立ち止まって頑丈なものに掴まる。
突然の地震に室内は一時騒然となった。
部屋から出ようと扉の前にいた寺山も、すぐさま身をかがめて壁沿いに移動する。
「皆さん、落ち着いてください!この建物は十分な耐震性能があります!各自、身の安全を確保してください!」
その場に居合わせた職員の中には安全を確保するようにと皆に伝える者もいた。
各々が戦々恐々としながらも、揺れとそこからくる恐怖に耐え忍ぶ。
そのようにしばらくの間地震が議事堂を支配していた。
だがそんな揺れも一分ほど続いたところで徐々に弱まっていく。
机の上のものが音を立てて暴れるほどだった揺れがゆっくりと減衰していき、少しずつ穏やかになる。
そして地震が強くなっていったのと同じくらい長い時間をかけつつも、やがて完全に静まり返る。
最後に残ったのはペットボトルに入ったお茶の水面を渡る波紋だけとなった。
「…揺れが収まったぞ」
「結構大きかったな…」
「震度3、いや4くらいか?」
地震が収まるとそれまでかがんでいた人たちも恐る恐る立ちあがって周りの状況を確認する。
「みんな大丈夫か?」
「私は大丈夫だ」
「俺も」
「こっちも問題ない」
お互いの安否を確認する声が飛び交う。
だが幸いなことに、これといったけが人はおらず皆が安堵の表情を浮かべた。
「寺山知事、大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
入り口の近くで身をかがめていた寺山を心配して職員の一人が声をかけた。
特にけがなどをしていなかった寺山は職員の気遣いに礼を言ってすぐに立ち上がる。
そしてそのまま室内を見渡して状況を確認する。
停電はしておらず、窓ガラスが割れたり、天井に設置された照明やプロジェクターが落ちてきたりはしていなかった。
動揺した人々を除けば地震が起きる前となんら変わりはない。
そんな状況に寺山は少しだけほっとしつつも、いまだ安心はできない状態だった。
というのも、たまたま震源地から離れていただけでもっと被害が出ている地域があるかもしれなかったからだ。
この場所の被害が少なくても場合によっては救助隊などを派遣する必要が出てくる。
そう考えた寺山は、スーツのポケットに入れていたスマホを取り出して災害情報について調べ始めた。
普段から地震の多い日本ゆえに地震情報もすぐに伝達される。
これだけの揺れならもうすでに気象庁が何か発表しているだろうと踏んだ寺山は、スマホの画面を素早くタップしていく。
そんな彼だったが、すぐにある違和感を覚えることとなる。
「つながらないな…」
気象庁のホームページに訪れようとした寺山。
だが画面にはくるくる回る通信中のマークが延々と表示されるだけで、しまいには通信エラーの文字が現れる。
何度かページの再読み込みをするも同じことの繰り返し。
別のサイトで地震情報を確かめようとするも、そこでもやはり通信エラーになってしまう。
スマホの調子が悪いのか、いろんな人がサイトにアクセスしようとしてサーバーがパンクしているのか、それとも実は停電こそしていないもののネット回線に被害が出ていたのか。
いろんな原因を考えるも何が正しいのか寺山はよくわからなかった。
「地震か!?」
「急いで机の下に隠れるんだ!」
部屋の中をそんな言葉が次々に飛び交う。
最初は小刻みだった揺れは徐々に大きくなっていき、しまいには誰もが恐怖を感じるほどになっていった。
机の近くにいた人はその下に潜り込み、歩いていた人も立ち止まって頑丈なものに掴まる。
突然の地震に室内は一時騒然となった。
部屋から出ようと扉の前にいた寺山も、すぐさま身をかがめて壁沿いに移動する。
「皆さん、落ち着いてください!この建物は十分な耐震性能があります!各自、身の安全を確保してください!」
その場に居合わせた職員の中には安全を確保するようにと皆に伝える者もいた。
各々が戦々恐々としながらも、揺れとそこからくる恐怖に耐え忍ぶ。
そのようにしばらくの間地震が議事堂を支配していた。
だがそんな揺れも一分ほど続いたところで徐々に弱まっていく。
机の上のものが音を立てて暴れるほどだった揺れがゆっくりと減衰していき、少しずつ穏やかになる。
そして地震が強くなっていったのと同じくらい長い時間をかけつつも、やがて完全に静まり返る。
最後に残ったのはペットボトルに入ったお茶の水面を渡る波紋だけとなった。
「…揺れが収まったぞ」
「結構大きかったな…」
「震度3、いや4くらいか?」
地震が収まるとそれまでかがんでいた人たちも恐る恐る立ちあがって周りの状況を確認する。
「みんな大丈夫か?」
「私は大丈夫だ」
「俺も」
「こっちも問題ない」
お互いの安否を確認する声が飛び交う。
だが幸いなことに、これといったけが人はおらず皆が安堵の表情を浮かべた。
「寺山知事、大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
入り口の近くで身をかがめていた寺山を心配して職員の一人が声をかけた。
特にけがなどをしていなかった寺山は職員の気遣いに礼を言ってすぐに立ち上がる。
そしてそのまま室内を見渡して状況を確認する。
停電はしておらず、窓ガラスが割れたり、天井に設置された照明やプロジェクターが落ちてきたりはしていなかった。
動揺した人々を除けば地震が起きる前となんら変わりはない。
そんな状況に寺山は少しだけほっとしつつも、いまだ安心はできない状態だった。
というのも、たまたま震源地から離れていただけでもっと被害が出ている地域があるかもしれなかったからだ。
この場所の被害が少なくても場合によっては救助隊などを派遣する必要が出てくる。
そう考えた寺山は、スーツのポケットに入れていたスマホを取り出して災害情報について調べ始めた。
普段から地震の多い日本ゆえに地震情報もすぐに伝達される。
これだけの揺れならもうすでに気象庁が何か発表しているだろうと踏んだ寺山は、スマホの画面を素早くタップしていく。
そんな彼だったが、すぐにある違和感を覚えることとなる。
「つながらないな…」
気象庁のホームページに訪れようとした寺山。
だが画面にはくるくる回る通信中のマークが延々と表示されるだけで、しまいには通信エラーの文字が現れる。
何度かページの再読み込みをするも同じことの繰り返し。
別のサイトで地震情報を確かめようとするも、そこでもやはり通信エラーになってしまう。
スマホの調子が悪いのか、いろんな人がサイトにアクセスしようとしてサーバーがパンクしているのか、それとも実は停電こそしていないもののネット回線に被害が出ていたのか。
いろんな原因を考えるも何が正しいのか寺山はよくわからなかった。
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