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2章 粛清と祭
第49話 想定外の初仕事
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ケルビンとの電話を終えて、写真部の部室へ向かう。
先にアカリとちゆはマリンと合流しているはずなので、そこまで心配することはないと思うが、まだ多少の不安はある。
委員長のあやかもいるので、さすがにマリンが馴染めていないという事はないと思いたいが、どうなのだろう。
ケルビンの話では、マリンに双子の夢魔の事は任せるべきだというニュアンスだったが、正直、今のマリンを見ていて素直に応じるには安直過ぎる。
もちろん、ケルビンの言う事は正しいが。
いずれにせよ、部室に行ったら、マリンと話し合わなくてはと思った。
部室の扉で、段ボールに描かれた写真部の看板を見る。
中から黄色い歓声が聞こえる。
随分と盛り上がってるようだ。
そう言えば、今日は誰がいるんだろう?
まふゆや、りさも居るのだろうか?
僕としては、りさがいると何となく気になってしまうので、できれば休みだった方が良かったのだが、盛り上がってる声の中に、明らかにりさの関西弁が混じっていた。
普段の状態であれば、りさがいるのは、むしろ嬉しいくらいなのだが、今は深刻な状況下にいるため、浮かれて気を緩めているわけにもいかない。
早めにマリンを連れ出して話をしなくては……。
ガラッと、部室のドアを開ける。
すると、歓声は消えて、その場の全員が僕の方を見た。
何となく気恥ずかしい気持ちになった。
女の子の集団から一斉に視線を注がれて恥ずかしくない男はそうそう居ないと思う。
それもそうだが、とりあえず歓声の正体が分かった。
なんと、マリンとアカリが腕相撲をしていた。
中央にくっ付けている机の上に腕を乗せて、互いに踏ん張っているマリンとアカリ。
応援していたメンツは、ちゆ、りさ、きょうこ、あやか、ゆい子、まふゆ、の6人だ。
まふゆもりさも居たが、メンツとしては今日は少ない方かも知れない。
入ると、早々にりさが抱きついて来た。
「せーちゃん、会いに来てくれたんやなぁ」
身長165くらいの巨乳に正面から抱き締められてびっくりしたが、柔らかくて良い香りがする彼女に抵抗出来ない。
僕がそのままの状態で棒立ちになってると、りさの背後からちゆの声がした。
「あぁあああー!時見さんダメなんだー!!」
ときみ?
そういや、確か、りさの苗字は時見だった。
時見理佐が、彼女のフルネームだ。
僕は抱きつかれたままで、アカリとマリンに近付いていく。
アカリが口を開いた。
「遅かったじゃん、もう決勝なんだけど」
「決勝?」
次はマリンが反応する。
「参謀タマモトが来る前に、腕相撲大会を始めたんだ!そんで、今からアカリと私で優勝争いしてるわけ。タマモトもやるか?」
「遠慮します」
腕相撲大会なんてしたら、そんなのこの2人が勝ち抜くに決まってるだろう。
何の意味があるんだ。
とは思ったが、みんなが楽しんでるなら、水を差すのも悪い。
せっかくなので観戦しとこうと思った。
これはちゆとアカリ、どっちかが提案したんだろうな。
予想では、ちゆが言い出したのだろう。教室では楽しそうに審判してたからなぁ。
「お兄ちゃん!どっちに賭けるの?」
「え?なに?お金賭けてるの?」
「お金じゃないけど、クレープは賭けてるよ」
「そうなんだ」
何かとクレープを欲しがるちゆ。とはいえ、みんな好きだとは思うが。
「玉元くんも賭けていいよ」
委員長あやかが、落ち着いた口調で僕に言った。
「今から賭けても間に合うの?」
「うん、1番勝ち星が多い人が、1番負けた人に奢ってもらうんだけど、一回当てるごとに、ひと口食べる権利も貰えるって言うお得なキャンペーンなんだよ」
なるほど、賭けて当たった数が多ければ、いっぱい食べられるということか。
でも、それだと優勝した人がそんなに食べられない可能性もあるが、クレープ自体はまぁまぁ大きいから、それくらいなら平気なのだろうか。
それで言うと、女の子達がシェアしてるクレープに男の僕が混じって良いのか心配になる。
「……うーん、だけど、僕のひと口って他の子より大きいと思うし、量が少なくなったら悪いよ」
「あー、お兄ちゃん、そんなに当てられる自信あるんだ!ふふー、まだ分かんないよー。そ、れ、と、も、賭けるのが怖いの?弱虫だねー!よわむしー!!ふふふっ」
ちゆが煽ってくる。なんだか興奮して頬が赤らんでいる。
相変わらず、ちゆの反応は素直で可愛い。
ちゆ的にも、ここで僕が賭けた方が面白いと踏んでいるなら、ノッてあげた方が盛り上がるかもしれない。
「何だとー!?なら、僕も賭けてやるよ!」
「お兄ちゃん単純だねぇー!ちゆと被ったらダメだよ」
2択だったら50%で被るんだが……。
「玉元くん、どうする?」
「えっと……じゃあ、アカリ」
「はぁ!? 私の方が強いんだけど!!」
マリンがキレている。
「ごめんごめん、……なら、マリンに賭けるよ」
「参謀なら当然だなっ!」
マリンの謎理論が発動しているが、ぶっちゃけどっちでも良いので、マリンが喜ぶならそうしよう。
「お兄ちゃん、ちゆと被らなかったね、危ない危ない」
という事は、ちゆはアカリに賭けたのか。ある意味、関係値的には当然か。
アカリの方がちゆと仲が良さそうだもんな。今後は分からないが。
「マリンちゃん、タマモトくん来たら声大きなったなぁ、さっきとテンション全然ちゃうやん」
きょうこが、関西弁でマリンに突っ込む。
「そそ、そんなこと、あるわけねーだろが」
マリンがあからさまに照れている。
耳が真っ赤だ。
そんなに意識しているのか?
あやかの話によると、マリンは僕の話ばかりしていたと言ってたけど、この感じを見る限り本当っぽいな。
「ちゆちゃん、私はいつでも大丈夫だよ」
アカリが審判のちゆに声を掛ける。
ちゆがマリンとアカリのしっかり組まれた手の上にちょこんと右手を乗せた。
心なしか緊張感がある。
「そういやさ、他のみんなはどっちに賭けたの?ちゆちゃんはアカリだって分かったけど」
僕が質問してみる。
「私はアカリちゃん」
と、あやか。
「私も」
と、ゆい子。ちなみにゆい子の名前はゆいで、ゆい子はニックネームだ。
跳ねた癖っ毛が特徴の、黒髪ショート。明るくて人懐っこい元気な子だ。
そういや前に、あやかとの関係を聞かれて、グイグイ来るタイプだなと思った。
「私もアカリさんです」
真面目な黒縁メガネで黒髪ショートのまふゆが控えめに言う。
この子は副部長で、1年生。部長のあやかのことを尊敬していて、性格が良さそうな子だ。
まふゆの性格的にも、アカリとは相性が良さそうな気がする。
「せーちゃん♫、私マリンちゃんに賭けてんねん、勝ったら口移しでクレープ食べさせたるなぁー」
りさが僕に背後からガッツリ抱きついて耳元で囁く。
「なんて事言うんだりさ」
「あーっ!お兄ちゃん、あーっ!」
また騒ぐちゆ。
もう、あーっ、しか言えてない。
ちゆの否定的な感情だけは伝わるので良いのだが、どうして欲しいのかはよく分からない。
「私もマリンちゃんです」
茶髪ポニーテールの、ふんわりした雰囲気のきょうこが言う。
きょうこはマリンと今日で仲良くなったそうなので、マリンに賭けるのも納得だ。
一応、まとめると、ちゆ、あやか。ゆい子、まふゆ、の4人がアカリ。
りさ、きょうこ、僕の3人がマリンというわけだ。
何となくこれだけで勢力図が理解できる。
偶然にも関西弁の2人、りさ、きょうこがマリンに賭けている。
僕も初めはアカリに賭けようとしていたから、純粋に賭けたのは2人だけだ。
きょうこは仲良くなって無かったら賭けなかったかも知れないから、それで言うと純粋にマリンに賭けたのはりさだけ。
ある意味で、りさは独特で周囲に影響を受けにくい性格をしていると言える。
僕がりさに惹かれたのは、そういう部分も影響しているのだろうか?
と、そんな事を思っていると、りさが更に強く僕を抱き締めてくる。
柔らかい胸が背中に当たる。
吐息も左耳にハァハァと掛かって、恥ずかしい。彼女がわざとやってるように感じる。
普通に勃起してしまうので、できれば離して欲しいが、気持ちいいので僕からは離れたくない。
反則も良いとこだ。
彼女の両手が下腹の辺りで交差しており、腕が股間のモノに当たりそうだった。
また前と同じ様な事になっている。
みんな腕相撲に夢中なので、りさの方へは注意が向いてないようだ。
正直、りさのすらっとして柔らかい手に触れて欲しいと思ってしまうが、今はそんな場合ではない。
考えないようにしなくては。
そう思っていると、ちゆが真剣な表情で右手に力を込めている。
「では、よーい、…………」
真剣な顔になるアカリとマリン。
なんだかんだで、どっちが勝つのかは気にはなっている。
おそらく、ちゆもこの戦いには参加しているはずなので、勝敗の付け方がトーナメント方式であれば、アカリかマリンどっちかには負けているはずだ。
りさの両手の力も強くなる。
なかなかスタートを言わないちゆ。
よーい、と、言ってから20秒くらい経っている。
いつスタートするんだろう?
と、思っていると、アカリが口を開いた。
「ちょ、……ちゆちゃん、まd」
「スタートっ!!」
アカリが、まだ、の、だを言う直前にスタートと言うちゆ。
ぐんっ、と、マリンがアカリの腕を倒し、ギリギリのところで耐えるアカリ。
コレは危ない。
「ぐぬぬぬ、ぬ、ふしゅーっ!」
アカリが右手に力を込めながら唸る。まるでボクサーみたいな声が漏れている。
彼女の綺麗な手と腕に血管が浮き出て、本気度が伝わって来た。
凄い踏ん張りだ。
マリンの猛攻に耐え、なんとか定位置まで戻した。
ここからが本番だ。
しかし、ちゆ、自分がアカリに賭けているにも関わらず、こんな芸人の天丼ネタみたいなことして大丈夫なのかと思った。
アカリにフェイントを入れるのが癖になっているのかも知れない。
本人は満足気だ。
なんだろう?
好きな子に意地悪したいみたいな、そういう感情があるのだろうか?
ゆかの時も、本気を出して良い勝負をさせようと、背中の羽根を広げさせてあげていた。
単純に対等な勝負を見たいだけなのだろうか。
だとしたら、元々の実力があるアカリに対して、少しハンディーを設けるという目的で、スタートをズラしているのかも知れない。
僕がそんなことを考察しているうちに、勝負は善戦してくる。アカリが持ち直しているのだ。
2人の腕がプルプルと震えて、なかなか緊迫感がある。
やはり、サキュバス同士、良い勝負だ。
そんな事を思っていると、僕の股間がギュッと掴まれる。
「ぅっ!」
一瞬声が出たが、周囲は誰も気付いていない。
りさが、僕のモノを右手で握ったのだ。
僕は左肩のりさの横顔を見るが、目線はアカリとマリン2人に注がれており、真剣に観戦している。
だが、りさの右手は僕のモノをズボンの上から上下に動かしていた。
みるみる大きくなる僕の大事な部分。
待て待て、なんでこんなに堂々と握れるんだ。
たしかに、みんな腕相撲に集中している。
とはいえ、一瞬でも見られたら気がつく。
僕は彼女の右手の甲に自分の右手を重ねて離そうとしたが、力強く抵抗するりさ。
無理矢理離そうとするとむしろ意地になるかも知れないので、一旦僕は力を緩めた。
離そうとはしたものの、手で弄られて気持ちいいのは変わりない。
といって、そのままで良い状況とは言えないだろう。
僕は念の為に、常に携帯している悪魔測定器をポケットからこっそり出して、りさの腕に当ててみた。
ヤバい。
まさかのオールレッド。
3指標が、赤。
オールレッドは、悪魔であれば全てそうなるので、基本的にこうなると既に悪魔になっているという意味だ。
だが、りさはまだサキュバス化してないように見える。
背中に羽根があるようにも見えない。
もしかして、羽化の直前なのか?
僕は、りさにこっそり耳打ちする。
「りさ」
「んん?」
「聞きたい事があるんだけど」
「なんなん?」
「……些細なことでも良いんだけど」
りさが艶っぽく微笑む。
本当に美女だなと思った。
「ん……?なに?なんもしてへんで」
なんもしてへんワケは無かろう。
正直に答えてくれるとは限らないが、試してはみよう。
「りさ、最近、身体に変化とかない?」
「なんなん急に」
「こう、背中がむず痒いとか、そういうやつ」
「うーん、何も無いかなぁ、せーちゃんどないしたん?」
「いやあのさ、りさの手が、その」
「うちの手が、……んんー?」
ギュッと竿の部分を握られ、ダメだと思いつつも、気持ち良くて胸も熱い。
見習いサキュバスだとは思っていたが、ここまでサキュバス化が進行しているとは思いもしなかった。
一瞬でも人間かもと思った自分を殴りたい。
……一応サキュバスになる前は人間ではあるのだが。
しかし、ある意味チャンスかもしれない。
彼女は今、欲情している。
もし、今の時点でサキュバス化してないのだとすれば、抑制できる可能性はある。
どーせ赤になっているなら、どう転んでもサキュバス化は免れない。
だったら、いっそのこと、やってしまった方が良い。
確か、抑制剤は、射精後12時間ほどで作られるとケルビンは言っていた。
ちゆに協力して貰うとして、生成はできているだろうか?
直近の射精からだと、あの公園だが、まだ7時間ほどしか経過してない。とは言え、それより前にも何度か射精はしているし、中出しではないが、朝、ちゆに口内射精もしている。
そう考えると、たぶん生成できているはず。
あとは、事情を言ってちゆのしっぽから抑制剤を吸わなくては。
僕はちゆの肩をサッと引き寄せる。
「ふぁわわわ」
引っ張ってびっくりしたのか、ちゆが可愛い声を出す。
「なにお兄ちゃん」
「ちゆちゃん、しっぽ出して」
「むぅ、なんで」
僕はちゆの右耳に囁く。
「りさが赤だ。抑制する。最後のチャンスかも」
「え!?時見さんが」
「うん」
ちゆはりさの横顔を見た後、りさの伸びた手が僕の股間をガッツリ掴んでいる所を目撃する。
「ほよほよほよっ!」
変な声を上げるちゆ。今気付いたようだ。
驚きと恥ずかしさが同時に巻き起こった表情だ。
「ちゆちゃん、しっぽ」
「うん、優しく吸ってね」
ちゆの顔が赤くなり、ちゆのスカートがめくれてパンパンの風船みたいになっている悪魔のしっぽが現れた。
見事なしっぽ♠️だ。
僕は、彼女のしっぽを掴むと、ピクンとちゆの身体が震えたのが分かった。
悪魔のしっぽ♠️の先が、ヌルヌルとヌメっていて、テカテカしている。
明らかに抑制剤が溜まっている状態だ。
僕はりさの死角になるように角度を付け、ちゆのしっぽを一気に吸った。
ちゅうううう、と、吸うと、スポーツドリンク味のゼリーが口の中に広がる。
正直、クセはあるが、かなり美味しい。
エナジードリンクを飲んだ後のようなスッキリ感があった。
飲んでいると、ちゆがビクビクと身体を震わせていて、そのまま僕にもたれかかる。
まるでイった時のような痙攣をしている。
ちゆの手を取ると、赤くなって熱い。汗をかいている。顔を覗くと、額も汗だくだった。
僕はペラペラになったちゆのしっぽ♠️から手を離した。
「ちゆちゃん、大丈夫?」
「ふにゅー、……優しく……って……いっだのに…………」
「ごめん、痛かった?」
「ぎもぢ良がった……」
気持ち良かったのか……、じゃあ、良いのか。
「ちゆちゃん、ごめん」
「ふぇええ」
ちゆが、その場にへたり込んだ。
なんだか悪い事したようだ。
だが、僕の身体はかなり精力が漲っている。
さっそくりさが僕の身体の変化に気付いた。
「せーちゃん、硬い、こんなに硬なるんや、触り心地ええなぁ」
ちゆのしっぽを吸ったのは一瞬だったので、みんな腕相撲に夢中で気付いてなかった。
りさも僕のを握ってはいたものの、腕相撲自体は真剣に観戦していたので僕の動きは気にならなかったようだ。
急に硬さが増したせいで気付かれたが。
これで準備はできたが、問題は、りさに興奮して貰う方法についてだ。
何かいい方法は無いだろうか?
「ぬううううー!!」
アカリがマリンを倒し掛かっている。
マリンも必死の形相ではあるが、さすがに劣勢といった雰囲気だ。
まふゆとゆい子はテンションが上がっていて、「いけいけー!」と、掛け声をしている。
ゆい子は前から元気な子なので普通だが、まふゆも同じように頬が紅潮して楽しそうだ。
逆に、きょうこはマリンのすぐそばで苦しい顔をしている。
マリンの表情を真似しているのか、凄い熱の入り方だ。共感力が強いのか、まさに共闘しているように見える。
それだけ良い子なのだろう。
戦いも終盤といったところか、ここでマリンが巻き返せなければ、勝負は終わりだ。
と、アカリが勝つかと思ったその時、マリンの視線が僕の方へ移る。
今まで、苦しい顔をしていたマリンの表情が少し緩み、ニヤニヤし始めた。
原因は明白だ。
マリンの視線は僕の顔と股間を行き来していた。
つまり、今しがた最高の勃起状態となった僕のアレを見てテンションが上がったようだ。
マリンが叫ぶ。
「良いもん持ってんなぁ!参謀タマモトおおおおお!!!」
「なっ!!」
アカリが驚くと同時に、そのままの勢いで押し返し、マリンがアカリの手の甲を机に叩きつけた。
「わぁー!!!」「キャー!!!」
部室内に黄色い歓声がこだまする。
マリンの逆転勝利。
きょうこのテンションが上がり、あやかに抱きついていた。
華々しい逆転劇ではあったが、まさかの決着に僕の勃起が関係してくるとは誰が予想しただろうか。
ある意味コレも、ちゆのアシストと言えなくもない。
しっぽ♠️の効果は絶大だ。
だが、ここで不味いのは、今のマリンの発言で、全員に僕の勃起が見られた事だ。
今更と言えば今更なメンツもいるが、きょうこやまふゆ、ゆい子に関しては僕のコレを見るのは初めてだ。
みんなが僕の股間を凝視して固まっている。
ちゆは部室の絨毯の上で脱力して寝転がっているので、今僕のアレを見ているのは、りさ、マリン、アカリ、きょうこ、まふゆ、ゆい子、あやかの7人だ。
この状況で、りさとのセックスへ持っていくのはなかなか難しそうだ。
マリンとも明日の事で相談したいし、抑制するにしてもサクッと終わらせたいと思う。
そんな即席セックスなんて、どうすれば良いんだ?
一応、すでに僕はギンギン状態なのだし、挿入は容易いだろうけど、どうすれば。
そうだ!
アカリに相談だ。
「アカリ!」
「はい!」
アカリが緊張している。なぜ?
「ちょっとこっちに来て」
「……セイシ、もしかして」
「なに?」
「ううん、分かった。そっち行くね」
アカリが右肩に掛かっていたポニーテールをサッと手で払うと僕の方へ来る。
何だかアカリがセクシーだ。
アカリが僕の両手を優しく掴む。
僕はアカリの耳元で囁いた。
「りさが赤だ。抑制したい」
アカリはそれを聞いて急に冷静な声になる。
「本気?」
「ぜんぶ赤なんだ」
「マジ?」
「さっきちゆちゃんのも飲んだ」
「準備万端ってわけね」
「それと、あの件は、明日の夜、決行する」
「話したわけね」
「マリンとは夜に話す」
「あなたも参加するってわけ」
「うん」
「わかった。私もいく」
「助かる」
「じゃあ、ココは任せて」
「え?」
アカリが、急に力が抜けたように寝転がる。
「「アカリ」」「「アカリちゃん!」」
「セイシの声、気持ち良くて力抜けちゃうんだけど」
「「「ええー!?」」」
何だか演技がかっていて恥ずかしいと思ったが、周りは普通に驚いていて疑ってない様子だ。
すると、癖っ毛黒髪ショートのゆい子が、僕に近付いてきた。
「タマモトくん!そこ、凄いね」
僕の股間を指差すゆい子。
「え?……ま、まぁね、自慢のアレだからさ」
「そうなんだ。……触っても良いかな?」
ストレートなヤツが来た。
ゆい子も興奮しているようだ。
僕はゆい子にも測定器を近付ける。
届かない。
とりあえず、一旦、触ってもらおう。
「いいよ、好きなだけ触って」
「うん、ありがとう」
ゆい子の健康的な右手が、僕のズボン越しのペニスに触れる。
控え目さがかえってくすぐったくて気持ち良い。
りさの両手は、僕の鼠径部の辺りまで下ろしているので、一応、触りやすい様に配慮してくれているようだ。
「硬い……ですね、凄いな、むにむにしてるのに、芯がある感じ」
「好きにして良いよ」
「……はい」
ゆい子が触ってる間に、こっそりと悪魔測定器を当てた。
イエローが二つ。グリーンが一つ。
3指標を見る限り、それほどサキュバス化は進んでいない。
という事は、ステイだ。
あやかのようにオールグリーンではないが、ゆい子は放置で問題無いだろう。
今後どうなるか分からないが、緊急性は薄いと思って大丈夫なはずだ。
「タマモトくん、私の手、気持ちいいのかな?」
「……うん、ゆい子ちゃん可愛いし、凄い気持ちいいよ、だけど……」
「本当!?じゃあ、気持ち良くしてあげるね」
まずい、今出したら、抑制剤が放出されてしまう。
そうなったら、また12時間くらい掛かるぞ。
「えっと、……ちょっと待ってね」
「なんで?」
「それはね」
と、そうしていると、今度はきょうこが近づいてきた。
茶髪のポニーテール。アカリみたいにスポーティな感じと違って、ふんわりしたポニーだ。
マリンと仲良くなれるくらいだから、包容力もあるんだろうなと思った。身長は高くも低くもない。160前後くらいだろうか。
「りさちゃんとゆい子だけズルイわー、私も触ってみたいんやけど」
「じゃあ、一緒に触ろうよ」
「うん」
すると、ゆい子が根元を握り、きょうこが竿の部分を右手で握った。
きょうこはゆい子よりも色白で大人しい印象だ。
何となく独特な空気感があり、他のメンツとは全く違った世界で生きている様な雰囲気があった。
ん?
違った感じ?
僕は違和感を覚えながらも、悪魔測定器を当ててみる。
error(エラー)、再度測定を行ってください。
と、メッセージが出た。
……え?まさか、きょうこって。
「あの、今、何か当たりました?」
きょうこが僕の目を見る。
「いや、何でもないよ」
僕はサッと測定器をポケットにしまった。
まずい。測定できなかった。
だけど、こんな事は初めてだ。
そんなに回数は使ってないが、さっき、りさとゆい子に使ったのと同じ使い方、同じ腕の位置で測定したので、エラーになる可能性は低い。
考えられる可能性は3つ。
一つ目は、単なるエラーで、機械によるもの。
二つ目は、完全に人間だった場合は、オールグリーンではなく、エラーが起こるという可能性。コレは無さそうだが。
三つ目は、天使だった場合。
予想では、三つ目。
つまり、天使だったからエラーになったと考えるのが正しい気がする。
アカリに聞きたいが、何となくここではやめた方がいい気がする。
もし、天使だと自覚してたとしたら厄介だ。
僕らの味方か、敵かを判断する必要がある。
「あの、……私も触っていいですか?」
僕が声の主に視線を送ると、なんと、まふゆだった。
まふゆ。君も触りたいのか!?
「まふゆちゃんも触りたいの?」
「あの……おかしいですか?」
「そんな事は無いけど」
「では、失礼します」
近づいてくるまふゆ。
すると、りさが僕のズボンのベルトを外し始めた。
「せーちゃん、どーせなら、直接触ってもらいたいやろー、私が脱がせたるなぁ」
僕のスラックスとパンツが脱がされ、下半身が丸出しになる。
「「「「わぁああー」」」」
歓喜の声。マリンもなんだか嬉しそうにしている。
僕もさすがに下半身裸でこんなに見られると恥ずかしい。
ここでりさとやるなんて、そんな流れをどうやって作れば良いんだ。
「あの、……では、触りますね」
まふゆの綺麗ですべすべの両手が、僕の竿と亀頭を包み込む。
柔らかくて温かい感触に身悶えしそうになった。
動かさずに、握ったり緩めたりを繰り返していた。
「どうですか?私の手は気持ち良いですか?」
「……気持ちいいよ、まふゆちゃん」
「ふふ、そうですか、では、続けますね」
まふゆが嬉しそうにしている。
僕は悪魔測定器をまふゆに当てたかったが、スラックスが脱がされてしまってポケットから出せなくなってしまった。
だが、おそらくまふゆは、人間、もしくは、ほとんどサキュバス化は進行していないはずだ。
この感じで赤ということは無いと思いたい。
性欲だけで測定できるのかは不明だが、サキュバスという種類の性質上、積極性はかなり関連しているとは思う。
しかし、このままだと、りさの抑制をする前に手コキで簡単にイかされてしまいかねない。
だが、この子達を乱雑に扱うと、そもそもりさからの好感度が落ちる気もするし、難しい。
アカリ、ここは君の出番ではないか!?
「ねぇーまふゆー、私も生でちんぽ触りたいんだけど」
ゆい子がまふゆに声を掛ける。
「あ、……はい、そうですよね、では、交代しますか?」
「一緒に握れば良いじゃん、ねっ、その方がタマモトくんも嬉しいでしょ?」
ゆい子の明るい笑顔が僕に向けられる。
可愛い純粋な笑顔に、僕も頷くしか選択肢は無かった。
「う、うん、そりゃ、みんなでやってくれた方が嬉しい……けど」
「ねー!じゃあさ、みんなでシコってあげよーよー!」
ゆい子が周りに言う。
ちょ、……みんな?
それはまずい。
今は、抑制剤を飲んでいて!
ぐっ!
ゆい子の一声で、背後から鼠径部をさすっていたりさが、僕の睾丸を両手で包み込む。
ゆい子の右手と、きょうこの左手がちんぽの根元を挟んで絡まり、竿の真ん中はまふゆが右手で握る。
「じゃあ、私も入るわ!」
そう言いながら、マリンも左手でまふゆの右手を巻き込むように握り、中指と親指の輪が、皮の剥けたカリ首の段差をキュッと握って埋めた。
マリンの指の輪っかが気持ち良くて声が出る。
「あ、ちょ、マリン、それは」
「おおー?参謀タマモト、だらしねぇなー、私の指の刺激、マジで効くだろー?もっと楽しんで良いぜ」
アカリ、何とかしてくれと目で訴えたが、アカリは両手を合わせ、拝む様に僕を見つめる。
『ごめんセイシ、耐えてくれ』
と、目で訴えるような顔だ。
これでマリンにイかされたりしたら、同僚に妨害されてるみたいなもんだろと、複雑な気持ちになった。
「あのさ、マリン、君までやることは無いんじゃないかな」
「ふふん!何言ってんだよ、参謀タマモトのおかげで、こうして優勝できたんだ!……てことは、私が1番気持ち良くしてあげる義務がある、そうだろ?」
そんな義務は無い。
「マリン……、うっ、ちょっ、あっ!」
マリンの中指と親指の輪っかが左右にクリクリと動かされ、快感に身悶える。
まふゆの右手がシコシコと上下に動き、根元を掴むゆい子ときょうこの手も握ったり緩めたりを繰り返した。
りさは睾丸にサワサワと優しく刺激を与えて、僕の身体の震えを楽しんでいるようだ。
「あの、玉元くん、私も触ってもいいかな?」
あやかが皆んなに手コキされている僕に声を掛けて近付いてきた。
「あやかも?」
「えっと、…………うん、なんか楽しそうだなって思って」
「そんな理由?」
「うん、私も玉元くんに気持ち良くなってもらいたいし……ダメかな」
真面目な委員長が上目遣いでえっちな頼み事をしてくる。
そんなの、断る事はできない。
本当は今に関しては断りたいのだが。
「そりゃ、あやかなら歓迎だけど、触る場所、無いんじゃないかなぁとか思ったりするんだけど」
「え?あるじゃん、ほら」
キュッと、丸出しの亀頭を右の手の平で包み込むあやか。
僕はビクン、と、身体が跳ねる。
「ぁあ!!」
「玉元くん、凄い嬉しそう」
亀頭をあやかの柔らかい手の平で包み込まれた事によって、僕の男性器は6人の女の子の手の中にすっぽり収まる。
りさ、ゆい子、きょうこ、まふゆ、マリン、あやか。
みんなの柔らかい手が揉み揉みグリグリさわさわシコシコと動き、今にも射精しそうになる。
気持ちいい事に文句はない。
文句は無いが、色々と、今ではないのだ。
耳元で、りさが呟く。
「ねぇ、せーちゃん、誰の手コキが1番好きなん?」
「……そんなこと言われても」
「私に決まってるでしょ?」
と、マリン。
「私も気持ち良くないですか?」
まふゆが乗ってくる。
「私達の手も良いよねぇー?」
「ねぇー!」
ゆい子ときょうこが2人で顔を見合わせる。
「意外とせーちゃんが好きなのって、部長の手の平なんとちゃう?」
僕とあやかの目が合う。
あやかは頬を赤らめている。
「玉元くん、先っぽ、凄いヌルヌルしてきてるよ?感じてる?」
あやかが、僕の亀頭を手の平でぐるぐると撫で回した。
僕は腰をビクビクと上下に動かす。
「「「あー!」」」「「ふふっ」」「もぅ」
みんなが僕の身体の反応に嬉しそうな声を上げた。
くちゅくちゅ、くちゅくちゅと、部室内に手コキの音が響き渡り、室内温度も上昇しているように感じた。
外はもう夜だ。
18時はとっくに過ぎている。
遅くなると、先生が見回りに来るので、こんな事をしていたらとんでもないことになる。
もっとも、ここはサキュバス学院。
大事になることは無いだろうが、活動に制限が設けられる可能性はある。
正直、射精してしまいたい。
だが、それはダメだ。
りさを抑制しなくては。
だが、この状態からどうやって抜ければ。
「ふふっ、せーちゃん見てたら、なんか身体が熱なって来たわ、むずむずして来て、何やろ、もっとせーちゃん感じたいわー」
りさが興奮している。
ん?
そうか、簡単だ。
直接言えば良いんだ。
なんで気付かなかったんだろう。
こんな簡単な事に。
「りさ!」
「どないしたん?」
「僕、りさとやりたい」
みんなが一斉に僕らの顔を見る。
「ええの?部長やなくて」
「うん、今、僕がやりたいのは時見りさ、君なんだ」
「ふーん、せーちゃんとえっち」
みんなの手コキが止まり、目線が、僕に背後から抱きついているりさに集まる。
りさの反応が気になるんだろう。
「…………ええよ、せーちゃん、気持ち良くしてなぁ」
りさのサキュバス抑制、最後のチャンス。
……だと信じたい。
今まで生きてきて、性欲に関しては、単に遺伝子による子孫繁栄の機能だとしか思っていなかった。
もちろん、気持ち良くなる行為だというのも、それを人類が求めるには欠かせない要素の一つだ。
でなければ、やるのが面倒という理由だけで人類が滅んでしまう。
そういう意味では、今回の行為は、全く違った目的を有している。
これは、天使、悪魔、人間の戦いだ。
サキュバス化抑制。
そのためには、彼女を絶頂させなくてはならない。
もし失敗してイかせられずに中で射精すれば敗北。
この場合、りさは僕の精子を取り込んでサキュバス化する。
そうなると、僕は生気を吸われる事になるだろう。
僕は初めて、セックスバトルに挑む。
先にアカリとちゆはマリンと合流しているはずなので、そこまで心配することはないと思うが、まだ多少の不安はある。
委員長のあやかもいるので、さすがにマリンが馴染めていないという事はないと思いたいが、どうなのだろう。
ケルビンの話では、マリンに双子の夢魔の事は任せるべきだというニュアンスだったが、正直、今のマリンを見ていて素直に応じるには安直過ぎる。
もちろん、ケルビンの言う事は正しいが。
いずれにせよ、部室に行ったら、マリンと話し合わなくてはと思った。
部室の扉で、段ボールに描かれた写真部の看板を見る。
中から黄色い歓声が聞こえる。
随分と盛り上がってるようだ。
そう言えば、今日は誰がいるんだろう?
まふゆや、りさも居るのだろうか?
僕としては、りさがいると何となく気になってしまうので、できれば休みだった方が良かったのだが、盛り上がってる声の中に、明らかにりさの関西弁が混じっていた。
普段の状態であれば、りさがいるのは、むしろ嬉しいくらいなのだが、今は深刻な状況下にいるため、浮かれて気を緩めているわけにもいかない。
早めにマリンを連れ出して話をしなくては……。
ガラッと、部室のドアを開ける。
すると、歓声は消えて、その場の全員が僕の方を見た。
何となく気恥ずかしい気持ちになった。
女の子の集団から一斉に視線を注がれて恥ずかしくない男はそうそう居ないと思う。
それもそうだが、とりあえず歓声の正体が分かった。
なんと、マリンとアカリが腕相撲をしていた。
中央にくっ付けている机の上に腕を乗せて、互いに踏ん張っているマリンとアカリ。
応援していたメンツは、ちゆ、りさ、きょうこ、あやか、ゆい子、まふゆ、の6人だ。
まふゆもりさも居たが、メンツとしては今日は少ない方かも知れない。
入ると、早々にりさが抱きついて来た。
「せーちゃん、会いに来てくれたんやなぁ」
身長165くらいの巨乳に正面から抱き締められてびっくりしたが、柔らかくて良い香りがする彼女に抵抗出来ない。
僕がそのままの状態で棒立ちになってると、りさの背後からちゆの声がした。
「あぁあああー!時見さんダメなんだー!!」
ときみ?
そういや、確か、りさの苗字は時見だった。
時見理佐が、彼女のフルネームだ。
僕は抱きつかれたままで、アカリとマリンに近付いていく。
アカリが口を開いた。
「遅かったじゃん、もう決勝なんだけど」
「決勝?」
次はマリンが反応する。
「参謀タマモトが来る前に、腕相撲大会を始めたんだ!そんで、今からアカリと私で優勝争いしてるわけ。タマモトもやるか?」
「遠慮します」
腕相撲大会なんてしたら、そんなのこの2人が勝ち抜くに決まってるだろう。
何の意味があるんだ。
とは思ったが、みんなが楽しんでるなら、水を差すのも悪い。
せっかくなので観戦しとこうと思った。
これはちゆとアカリ、どっちかが提案したんだろうな。
予想では、ちゆが言い出したのだろう。教室では楽しそうに審判してたからなぁ。
「お兄ちゃん!どっちに賭けるの?」
「え?なに?お金賭けてるの?」
「お金じゃないけど、クレープは賭けてるよ」
「そうなんだ」
何かとクレープを欲しがるちゆ。とはいえ、みんな好きだとは思うが。
「玉元くんも賭けていいよ」
委員長あやかが、落ち着いた口調で僕に言った。
「今から賭けても間に合うの?」
「うん、1番勝ち星が多い人が、1番負けた人に奢ってもらうんだけど、一回当てるごとに、ひと口食べる権利も貰えるって言うお得なキャンペーンなんだよ」
なるほど、賭けて当たった数が多ければ、いっぱい食べられるということか。
でも、それだと優勝した人がそんなに食べられない可能性もあるが、クレープ自体はまぁまぁ大きいから、それくらいなら平気なのだろうか。
それで言うと、女の子達がシェアしてるクレープに男の僕が混じって良いのか心配になる。
「……うーん、だけど、僕のひと口って他の子より大きいと思うし、量が少なくなったら悪いよ」
「あー、お兄ちゃん、そんなに当てられる自信あるんだ!ふふー、まだ分かんないよー。そ、れ、と、も、賭けるのが怖いの?弱虫だねー!よわむしー!!ふふふっ」
ちゆが煽ってくる。なんだか興奮して頬が赤らんでいる。
相変わらず、ちゆの反応は素直で可愛い。
ちゆ的にも、ここで僕が賭けた方が面白いと踏んでいるなら、ノッてあげた方が盛り上がるかもしれない。
「何だとー!?なら、僕も賭けてやるよ!」
「お兄ちゃん単純だねぇー!ちゆと被ったらダメだよ」
2択だったら50%で被るんだが……。
「玉元くん、どうする?」
「えっと……じゃあ、アカリ」
「はぁ!? 私の方が強いんだけど!!」
マリンがキレている。
「ごめんごめん、……なら、マリンに賭けるよ」
「参謀なら当然だなっ!」
マリンの謎理論が発動しているが、ぶっちゃけどっちでも良いので、マリンが喜ぶならそうしよう。
「お兄ちゃん、ちゆと被らなかったね、危ない危ない」
という事は、ちゆはアカリに賭けたのか。ある意味、関係値的には当然か。
アカリの方がちゆと仲が良さそうだもんな。今後は分からないが。
「マリンちゃん、タマモトくん来たら声大きなったなぁ、さっきとテンション全然ちゃうやん」
きょうこが、関西弁でマリンに突っ込む。
「そそ、そんなこと、あるわけねーだろが」
マリンがあからさまに照れている。
耳が真っ赤だ。
そんなに意識しているのか?
あやかの話によると、マリンは僕の話ばかりしていたと言ってたけど、この感じを見る限り本当っぽいな。
「ちゆちゃん、私はいつでも大丈夫だよ」
アカリが審判のちゆに声を掛ける。
ちゆがマリンとアカリのしっかり組まれた手の上にちょこんと右手を乗せた。
心なしか緊張感がある。
「そういやさ、他のみんなはどっちに賭けたの?ちゆちゃんはアカリだって分かったけど」
僕が質問してみる。
「私はアカリちゃん」
と、あやか。
「私も」
と、ゆい子。ちなみにゆい子の名前はゆいで、ゆい子はニックネームだ。
跳ねた癖っ毛が特徴の、黒髪ショート。明るくて人懐っこい元気な子だ。
そういや前に、あやかとの関係を聞かれて、グイグイ来るタイプだなと思った。
「私もアカリさんです」
真面目な黒縁メガネで黒髪ショートのまふゆが控えめに言う。
この子は副部長で、1年生。部長のあやかのことを尊敬していて、性格が良さそうな子だ。
まふゆの性格的にも、アカリとは相性が良さそうな気がする。
「せーちゃん♫、私マリンちゃんに賭けてんねん、勝ったら口移しでクレープ食べさせたるなぁー」
りさが僕に背後からガッツリ抱きついて耳元で囁く。
「なんて事言うんだりさ」
「あーっ!お兄ちゃん、あーっ!」
また騒ぐちゆ。
もう、あーっ、しか言えてない。
ちゆの否定的な感情だけは伝わるので良いのだが、どうして欲しいのかはよく分からない。
「私もマリンちゃんです」
茶髪ポニーテールの、ふんわりした雰囲気のきょうこが言う。
きょうこはマリンと今日で仲良くなったそうなので、マリンに賭けるのも納得だ。
一応、まとめると、ちゆ、あやか。ゆい子、まふゆ、の4人がアカリ。
りさ、きょうこ、僕の3人がマリンというわけだ。
何となくこれだけで勢力図が理解できる。
偶然にも関西弁の2人、りさ、きょうこがマリンに賭けている。
僕も初めはアカリに賭けようとしていたから、純粋に賭けたのは2人だけだ。
きょうこは仲良くなって無かったら賭けなかったかも知れないから、それで言うと純粋にマリンに賭けたのはりさだけ。
ある意味で、りさは独特で周囲に影響を受けにくい性格をしていると言える。
僕がりさに惹かれたのは、そういう部分も影響しているのだろうか?
と、そんな事を思っていると、りさが更に強く僕を抱き締めてくる。
柔らかい胸が背中に当たる。
吐息も左耳にハァハァと掛かって、恥ずかしい。彼女がわざとやってるように感じる。
普通に勃起してしまうので、できれば離して欲しいが、気持ちいいので僕からは離れたくない。
反則も良いとこだ。
彼女の両手が下腹の辺りで交差しており、腕が股間のモノに当たりそうだった。
また前と同じ様な事になっている。
みんな腕相撲に夢中なので、りさの方へは注意が向いてないようだ。
正直、りさのすらっとして柔らかい手に触れて欲しいと思ってしまうが、今はそんな場合ではない。
考えないようにしなくては。
そう思っていると、ちゆが真剣な表情で右手に力を込めている。
「では、よーい、…………」
真剣な顔になるアカリとマリン。
なんだかんだで、どっちが勝つのかは気にはなっている。
おそらく、ちゆもこの戦いには参加しているはずなので、勝敗の付け方がトーナメント方式であれば、アカリかマリンどっちかには負けているはずだ。
りさの両手の力も強くなる。
なかなかスタートを言わないちゆ。
よーい、と、言ってから20秒くらい経っている。
いつスタートするんだろう?
と、思っていると、アカリが口を開いた。
「ちょ、……ちゆちゃん、まd」
「スタートっ!!」
アカリが、まだ、の、だを言う直前にスタートと言うちゆ。
ぐんっ、と、マリンがアカリの腕を倒し、ギリギリのところで耐えるアカリ。
コレは危ない。
「ぐぬぬぬ、ぬ、ふしゅーっ!」
アカリが右手に力を込めながら唸る。まるでボクサーみたいな声が漏れている。
彼女の綺麗な手と腕に血管が浮き出て、本気度が伝わって来た。
凄い踏ん張りだ。
マリンの猛攻に耐え、なんとか定位置まで戻した。
ここからが本番だ。
しかし、ちゆ、自分がアカリに賭けているにも関わらず、こんな芸人の天丼ネタみたいなことして大丈夫なのかと思った。
アカリにフェイントを入れるのが癖になっているのかも知れない。
本人は満足気だ。
なんだろう?
好きな子に意地悪したいみたいな、そういう感情があるのだろうか?
ゆかの時も、本気を出して良い勝負をさせようと、背中の羽根を広げさせてあげていた。
単純に対等な勝負を見たいだけなのだろうか。
だとしたら、元々の実力があるアカリに対して、少しハンディーを設けるという目的で、スタートをズラしているのかも知れない。
僕がそんなことを考察しているうちに、勝負は善戦してくる。アカリが持ち直しているのだ。
2人の腕がプルプルと震えて、なかなか緊迫感がある。
やはり、サキュバス同士、良い勝負だ。
そんな事を思っていると、僕の股間がギュッと掴まれる。
「ぅっ!」
一瞬声が出たが、周囲は誰も気付いていない。
りさが、僕のモノを右手で握ったのだ。
僕は左肩のりさの横顔を見るが、目線はアカリとマリン2人に注がれており、真剣に観戦している。
だが、りさの右手は僕のモノをズボンの上から上下に動かしていた。
みるみる大きくなる僕の大事な部分。
待て待て、なんでこんなに堂々と握れるんだ。
たしかに、みんな腕相撲に集中している。
とはいえ、一瞬でも見られたら気がつく。
僕は彼女の右手の甲に自分の右手を重ねて離そうとしたが、力強く抵抗するりさ。
無理矢理離そうとするとむしろ意地になるかも知れないので、一旦僕は力を緩めた。
離そうとはしたものの、手で弄られて気持ちいいのは変わりない。
といって、そのままで良い状況とは言えないだろう。
僕は念の為に、常に携帯している悪魔測定器をポケットからこっそり出して、りさの腕に当ててみた。
ヤバい。
まさかのオールレッド。
3指標が、赤。
オールレッドは、悪魔であれば全てそうなるので、基本的にこうなると既に悪魔になっているという意味だ。
だが、りさはまだサキュバス化してないように見える。
背中に羽根があるようにも見えない。
もしかして、羽化の直前なのか?
僕は、りさにこっそり耳打ちする。
「りさ」
「んん?」
「聞きたい事があるんだけど」
「なんなん?」
「……些細なことでも良いんだけど」
りさが艶っぽく微笑む。
本当に美女だなと思った。
「ん……?なに?なんもしてへんで」
なんもしてへんワケは無かろう。
正直に答えてくれるとは限らないが、試してはみよう。
「りさ、最近、身体に変化とかない?」
「なんなん急に」
「こう、背中がむず痒いとか、そういうやつ」
「うーん、何も無いかなぁ、せーちゃんどないしたん?」
「いやあのさ、りさの手が、その」
「うちの手が、……んんー?」
ギュッと竿の部分を握られ、ダメだと思いつつも、気持ち良くて胸も熱い。
見習いサキュバスだとは思っていたが、ここまでサキュバス化が進行しているとは思いもしなかった。
一瞬でも人間かもと思った自分を殴りたい。
……一応サキュバスになる前は人間ではあるのだが。
しかし、ある意味チャンスかもしれない。
彼女は今、欲情している。
もし、今の時点でサキュバス化してないのだとすれば、抑制できる可能性はある。
どーせ赤になっているなら、どう転んでもサキュバス化は免れない。
だったら、いっそのこと、やってしまった方が良い。
確か、抑制剤は、射精後12時間ほどで作られるとケルビンは言っていた。
ちゆに協力して貰うとして、生成はできているだろうか?
直近の射精からだと、あの公園だが、まだ7時間ほどしか経過してない。とは言え、それより前にも何度か射精はしているし、中出しではないが、朝、ちゆに口内射精もしている。
そう考えると、たぶん生成できているはず。
あとは、事情を言ってちゆのしっぽから抑制剤を吸わなくては。
僕はちゆの肩をサッと引き寄せる。
「ふぁわわわ」
引っ張ってびっくりしたのか、ちゆが可愛い声を出す。
「なにお兄ちゃん」
「ちゆちゃん、しっぽ出して」
「むぅ、なんで」
僕はちゆの右耳に囁く。
「りさが赤だ。抑制する。最後のチャンスかも」
「え!?時見さんが」
「うん」
ちゆはりさの横顔を見た後、りさの伸びた手が僕の股間をガッツリ掴んでいる所を目撃する。
「ほよほよほよっ!」
変な声を上げるちゆ。今気付いたようだ。
驚きと恥ずかしさが同時に巻き起こった表情だ。
「ちゆちゃん、しっぽ」
「うん、優しく吸ってね」
ちゆの顔が赤くなり、ちゆのスカートがめくれてパンパンの風船みたいになっている悪魔のしっぽが現れた。
見事なしっぽ♠️だ。
僕は、彼女のしっぽを掴むと、ピクンとちゆの身体が震えたのが分かった。
悪魔のしっぽ♠️の先が、ヌルヌルとヌメっていて、テカテカしている。
明らかに抑制剤が溜まっている状態だ。
僕はりさの死角になるように角度を付け、ちゆのしっぽを一気に吸った。
ちゅうううう、と、吸うと、スポーツドリンク味のゼリーが口の中に広がる。
正直、クセはあるが、かなり美味しい。
エナジードリンクを飲んだ後のようなスッキリ感があった。
飲んでいると、ちゆがビクビクと身体を震わせていて、そのまま僕にもたれかかる。
まるでイった時のような痙攣をしている。
ちゆの手を取ると、赤くなって熱い。汗をかいている。顔を覗くと、額も汗だくだった。
僕はペラペラになったちゆのしっぽ♠️から手を離した。
「ちゆちゃん、大丈夫?」
「ふにゅー、……優しく……って……いっだのに…………」
「ごめん、痛かった?」
「ぎもぢ良がった……」
気持ち良かったのか……、じゃあ、良いのか。
「ちゆちゃん、ごめん」
「ふぇええ」
ちゆが、その場にへたり込んだ。
なんだか悪い事したようだ。
だが、僕の身体はかなり精力が漲っている。
さっそくりさが僕の身体の変化に気付いた。
「せーちゃん、硬い、こんなに硬なるんや、触り心地ええなぁ」
ちゆのしっぽを吸ったのは一瞬だったので、みんな腕相撲に夢中で気付いてなかった。
りさも僕のを握ってはいたものの、腕相撲自体は真剣に観戦していたので僕の動きは気にならなかったようだ。
急に硬さが増したせいで気付かれたが。
これで準備はできたが、問題は、りさに興奮して貰う方法についてだ。
何かいい方法は無いだろうか?
「ぬううううー!!」
アカリがマリンを倒し掛かっている。
マリンも必死の形相ではあるが、さすがに劣勢といった雰囲気だ。
まふゆとゆい子はテンションが上がっていて、「いけいけー!」と、掛け声をしている。
ゆい子は前から元気な子なので普通だが、まふゆも同じように頬が紅潮して楽しそうだ。
逆に、きょうこはマリンのすぐそばで苦しい顔をしている。
マリンの表情を真似しているのか、凄い熱の入り方だ。共感力が強いのか、まさに共闘しているように見える。
それだけ良い子なのだろう。
戦いも終盤といったところか、ここでマリンが巻き返せなければ、勝負は終わりだ。
と、アカリが勝つかと思ったその時、マリンの視線が僕の方へ移る。
今まで、苦しい顔をしていたマリンの表情が少し緩み、ニヤニヤし始めた。
原因は明白だ。
マリンの視線は僕の顔と股間を行き来していた。
つまり、今しがた最高の勃起状態となった僕のアレを見てテンションが上がったようだ。
マリンが叫ぶ。
「良いもん持ってんなぁ!参謀タマモトおおおおお!!!」
「なっ!!」
アカリが驚くと同時に、そのままの勢いで押し返し、マリンがアカリの手の甲を机に叩きつけた。
「わぁー!!!」「キャー!!!」
部室内に黄色い歓声がこだまする。
マリンの逆転勝利。
きょうこのテンションが上がり、あやかに抱きついていた。
華々しい逆転劇ではあったが、まさかの決着に僕の勃起が関係してくるとは誰が予想しただろうか。
ある意味コレも、ちゆのアシストと言えなくもない。
しっぽ♠️の効果は絶大だ。
だが、ここで不味いのは、今のマリンの発言で、全員に僕の勃起が見られた事だ。
今更と言えば今更なメンツもいるが、きょうこやまふゆ、ゆい子に関しては僕のコレを見るのは初めてだ。
みんなが僕の股間を凝視して固まっている。
ちゆは部室の絨毯の上で脱力して寝転がっているので、今僕のアレを見ているのは、りさ、マリン、アカリ、きょうこ、まふゆ、ゆい子、あやかの7人だ。
この状況で、りさとのセックスへ持っていくのはなかなか難しそうだ。
マリンとも明日の事で相談したいし、抑制するにしてもサクッと終わらせたいと思う。
そんな即席セックスなんて、どうすれば良いんだ?
一応、すでに僕はギンギン状態なのだし、挿入は容易いだろうけど、どうすれば。
そうだ!
アカリに相談だ。
「アカリ!」
「はい!」
アカリが緊張している。なぜ?
「ちょっとこっちに来て」
「……セイシ、もしかして」
「なに?」
「ううん、分かった。そっち行くね」
アカリが右肩に掛かっていたポニーテールをサッと手で払うと僕の方へ来る。
何だかアカリがセクシーだ。
アカリが僕の両手を優しく掴む。
僕はアカリの耳元で囁いた。
「りさが赤だ。抑制したい」
アカリはそれを聞いて急に冷静な声になる。
「本気?」
「ぜんぶ赤なんだ」
「マジ?」
「さっきちゆちゃんのも飲んだ」
「準備万端ってわけね」
「それと、あの件は、明日の夜、決行する」
「話したわけね」
「マリンとは夜に話す」
「あなたも参加するってわけ」
「うん」
「わかった。私もいく」
「助かる」
「じゃあ、ココは任せて」
「え?」
アカリが、急に力が抜けたように寝転がる。
「「アカリ」」「「アカリちゃん!」」
「セイシの声、気持ち良くて力抜けちゃうんだけど」
「「「ええー!?」」」
何だか演技がかっていて恥ずかしいと思ったが、周りは普通に驚いていて疑ってない様子だ。
すると、癖っ毛黒髪ショートのゆい子が、僕に近付いてきた。
「タマモトくん!そこ、凄いね」
僕の股間を指差すゆい子。
「え?……ま、まぁね、自慢のアレだからさ」
「そうなんだ。……触っても良いかな?」
ストレートなヤツが来た。
ゆい子も興奮しているようだ。
僕はゆい子にも測定器を近付ける。
届かない。
とりあえず、一旦、触ってもらおう。
「いいよ、好きなだけ触って」
「うん、ありがとう」
ゆい子の健康的な右手が、僕のズボン越しのペニスに触れる。
控え目さがかえってくすぐったくて気持ち良い。
りさの両手は、僕の鼠径部の辺りまで下ろしているので、一応、触りやすい様に配慮してくれているようだ。
「硬い……ですね、凄いな、むにむにしてるのに、芯がある感じ」
「好きにして良いよ」
「……はい」
ゆい子が触ってる間に、こっそりと悪魔測定器を当てた。
イエローが二つ。グリーンが一つ。
3指標を見る限り、それほどサキュバス化は進んでいない。
という事は、ステイだ。
あやかのようにオールグリーンではないが、ゆい子は放置で問題無いだろう。
今後どうなるか分からないが、緊急性は薄いと思って大丈夫なはずだ。
「タマモトくん、私の手、気持ちいいのかな?」
「……うん、ゆい子ちゃん可愛いし、凄い気持ちいいよ、だけど……」
「本当!?じゃあ、気持ち良くしてあげるね」
まずい、今出したら、抑制剤が放出されてしまう。
そうなったら、また12時間くらい掛かるぞ。
「えっと、……ちょっと待ってね」
「なんで?」
「それはね」
と、そうしていると、今度はきょうこが近づいてきた。
茶髪のポニーテール。アカリみたいにスポーティな感じと違って、ふんわりしたポニーだ。
マリンと仲良くなれるくらいだから、包容力もあるんだろうなと思った。身長は高くも低くもない。160前後くらいだろうか。
「りさちゃんとゆい子だけズルイわー、私も触ってみたいんやけど」
「じゃあ、一緒に触ろうよ」
「うん」
すると、ゆい子が根元を握り、きょうこが竿の部分を右手で握った。
きょうこはゆい子よりも色白で大人しい印象だ。
何となく独特な空気感があり、他のメンツとは全く違った世界で生きている様な雰囲気があった。
ん?
違った感じ?
僕は違和感を覚えながらも、悪魔測定器を当ててみる。
error(エラー)、再度測定を行ってください。
と、メッセージが出た。
……え?まさか、きょうこって。
「あの、今、何か当たりました?」
きょうこが僕の目を見る。
「いや、何でもないよ」
僕はサッと測定器をポケットにしまった。
まずい。測定できなかった。
だけど、こんな事は初めてだ。
そんなに回数は使ってないが、さっき、りさとゆい子に使ったのと同じ使い方、同じ腕の位置で測定したので、エラーになる可能性は低い。
考えられる可能性は3つ。
一つ目は、単なるエラーで、機械によるもの。
二つ目は、完全に人間だった場合は、オールグリーンではなく、エラーが起こるという可能性。コレは無さそうだが。
三つ目は、天使だった場合。
予想では、三つ目。
つまり、天使だったからエラーになったと考えるのが正しい気がする。
アカリに聞きたいが、何となくここではやめた方がいい気がする。
もし、天使だと自覚してたとしたら厄介だ。
僕らの味方か、敵かを判断する必要がある。
「あの、……私も触っていいですか?」
僕が声の主に視線を送ると、なんと、まふゆだった。
まふゆ。君も触りたいのか!?
「まふゆちゃんも触りたいの?」
「あの……おかしいですか?」
「そんな事は無いけど」
「では、失礼します」
近づいてくるまふゆ。
すると、りさが僕のズボンのベルトを外し始めた。
「せーちゃん、どーせなら、直接触ってもらいたいやろー、私が脱がせたるなぁ」
僕のスラックスとパンツが脱がされ、下半身が丸出しになる。
「「「「わぁああー」」」」
歓喜の声。マリンもなんだか嬉しそうにしている。
僕もさすがに下半身裸でこんなに見られると恥ずかしい。
ここでりさとやるなんて、そんな流れをどうやって作れば良いんだ。
「あの、……では、触りますね」
まふゆの綺麗ですべすべの両手が、僕の竿と亀頭を包み込む。
柔らかくて温かい感触に身悶えしそうになった。
動かさずに、握ったり緩めたりを繰り返していた。
「どうですか?私の手は気持ち良いですか?」
「……気持ちいいよ、まふゆちゃん」
「ふふ、そうですか、では、続けますね」
まふゆが嬉しそうにしている。
僕は悪魔測定器をまふゆに当てたかったが、スラックスが脱がされてしまってポケットから出せなくなってしまった。
だが、おそらくまふゆは、人間、もしくは、ほとんどサキュバス化は進行していないはずだ。
この感じで赤ということは無いと思いたい。
性欲だけで測定できるのかは不明だが、サキュバスという種類の性質上、積極性はかなり関連しているとは思う。
しかし、このままだと、りさの抑制をする前に手コキで簡単にイかされてしまいかねない。
だが、この子達を乱雑に扱うと、そもそもりさからの好感度が落ちる気もするし、難しい。
アカリ、ここは君の出番ではないか!?
「ねぇーまふゆー、私も生でちんぽ触りたいんだけど」
ゆい子がまふゆに声を掛ける。
「あ、……はい、そうですよね、では、交代しますか?」
「一緒に握れば良いじゃん、ねっ、その方がタマモトくんも嬉しいでしょ?」
ゆい子の明るい笑顔が僕に向けられる。
可愛い純粋な笑顔に、僕も頷くしか選択肢は無かった。
「う、うん、そりゃ、みんなでやってくれた方が嬉しい……けど」
「ねー!じゃあさ、みんなでシコってあげよーよー!」
ゆい子が周りに言う。
ちょ、……みんな?
それはまずい。
今は、抑制剤を飲んでいて!
ぐっ!
ゆい子の一声で、背後から鼠径部をさすっていたりさが、僕の睾丸を両手で包み込む。
ゆい子の右手と、きょうこの左手がちんぽの根元を挟んで絡まり、竿の真ん中はまふゆが右手で握る。
「じゃあ、私も入るわ!」
そう言いながら、マリンも左手でまふゆの右手を巻き込むように握り、中指と親指の輪が、皮の剥けたカリ首の段差をキュッと握って埋めた。
マリンの指の輪っかが気持ち良くて声が出る。
「あ、ちょ、マリン、それは」
「おおー?参謀タマモト、だらしねぇなー、私の指の刺激、マジで効くだろー?もっと楽しんで良いぜ」
アカリ、何とかしてくれと目で訴えたが、アカリは両手を合わせ、拝む様に僕を見つめる。
『ごめんセイシ、耐えてくれ』
と、目で訴えるような顔だ。
これでマリンにイかされたりしたら、同僚に妨害されてるみたいなもんだろと、複雑な気持ちになった。
「あのさ、マリン、君までやることは無いんじゃないかな」
「ふふん!何言ってんだよ、参謀タマモトのおかげで、こうして優勝できたんだ!……てことは、私が1番気持ち良くしてあげる義務がある、そうだろ?」
そんな義務は無い。
「マリン……、うっ、ちょっ、あっ!」
マリンの中指と親指の輪っかが左右にクリクリと動かされ、快感に身悶える。
まふゆの右手がシコシコと上下に動き、根元を掴むゆい子ときょうこの手も握ったり緩めたりを繰り返した。
りさは睾丸にサワサワと優しく刺激を与えて、僕の身体の震えを楽しんでいるようだ。
「あの、玉元くん、私も触ってもいいかな?」
あやかが皆んなに手コキされている僕に声を掛けて近付いてきた。
「あやかも?」
「えっと、…………うん、なんか楽しそうだなって思って」
「そんな理由?」
「うん、私も玉元くんに気持ち良くなってもらいたいし……ダメかな」
真面目な委員長が上目遣いでえっちな頼み事をしてくる。
そんなの、断る事はできない。
本当は今に関しては断りたいのだが。
「そりゃ、あやかなら歓迎だけど、触る場所、無いんじゃないかなぁとか思ったりするんだけど」
「え?あるじゃん、ほら」
キュッと、丸出しの亀頭を右の手の平で包み込むあやか。
僕はビクン、と、身体が跳ねる。
「ぁあ!!」
「玉元くん、凄い嬉しそう」
亀頭をあやかの柔らかい手の平で包み込まれた事によって、僕の男性器は6人の女の子の手の中にすっぽり収まる。
りさ、ゆい子、きょうこ、まふゆ、マリン、あやか。
みんなの柔らかい手が揉み揉みグリグリさわさわシコシコと動き、今にも射精しそうになる。
気持ちいい事に文句はない。
文句は無いが、色々と、今ではないのだ。
耳元で、りさが呟く。
「ねぇ、せーちゃん、誰の手コキが1番好きなん?」
「……そんなこと言われても」
「私に決まってるでしょ?」
と、マリン。
「私も気持ち良くないですか?」
まふゆが乗ってくる。
「私達の手も良いよねぇー?」
「ねぇー!」
ゆい子ときょうこが2人で顔を見合わせる。
「意外とせーちゃんが好きなのって、部長の手の平なんとちゃう?」
僕とあやかの目が合う。
あやかは頬を赤らめている。
「玉元くん、先っぽ、凄いヌルヌルしてきてるよ?感じてる?」
あやかが、僕の亀頭を手の平でぐるぐると撫で回した。
僕は腰をビクビクと上下に動かす。
「「「あー!」」」「「ふふっ」」「もぅ」
みんなが僕の身体の反応に嬉しそうな声を上げた。
くちゅくちゅ、くちゅくちゅと、部室内に手コキの音が響き渡り、室内温度も上昇しているように感じた。
外はもう夜だ。
18時はとっくに過ぎている。
遅くなると、先生が見回りに来るので、こんな事をしていたらとんでもないことになる。
もっとも、ここはサキュバス学院。
大事になることは無いだろうが、活動に制限が設けられる可能性はある。
正直、射精してしまいたい。
だが、それはダメだ。
りさを抑制しなくては。
だが、この状態からどうやって抜ければ。
「ふふっ、せーちゃん見てたら、なんか身体が熱なって来たわ、むずむずして来て、何やろ、もっとせーちゃん感じたいわー」
りさが興奮している。
ん?
そうか、簡単だ。
直接言えば良いんだ。
なんで気付かなかったんだろう。
こんな簡単な事に。
「りさ!」
「どないしたん?」
「僕、りさとやりたい」
みんなが一斉に僕らの顔を見る。
「ええの?部長やなくて」
「うん、今、僕がやりたいのは時見りさ、君なんだ」
「ふーん、せーちゃんとえっち」
みんなの手コキが止まり、目線が、僕に背後から抱きついているりさに集まる。
りさの反応が気になるんだろう。
「…………ええよ、せーちゃん、気持ち良くしてなぁ」
りさのサキュバス抑制、最後のチャンス。
……だと信じたい。
今まで生きてきて、性欲に関しては、単に遺伝子による子孫繁栄の機能だとしか思っていなかった。
もちろん、気持ち良くなる行為だというのも、それを人類が求めるには欠かせない要素の一つだ。
でなければ、やるのが面倒という理由だけで人類が滅んでしまう。
そういう意味では、今回の行為は、全く違った目的を有している。
これは、天使、悪魔、人間の戦いだ。
サキュバス化抑制。
そのためには、彼女を絶頂させなくてはならない。
もし失敗してイかせられずに中で射精すれば敗北。
この場合、りさは僕の精子を取り込んでサキュバス化する。
そうなると、僕は生気を吸われる事になるだろう。
僕は初めて、セックスバトルに挑む。
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