【R18】かみさまは知らない

Cleyera

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ワレラノカミヨ

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『ボク』の章はえっちがほとんど無いです





   ==
 

 かみはかつて我が子らに言った

 悪意を己の中に残してはならぬと

 人は己の中に湧き上がる悪意を消そうとしたが、それはひどく難しかった

 人は生きているだけで、腹の中に罪を溜め込んでしまう
 暴食、色欲、強欲、憂鬱、憤怒、怠惰、虚飾、傲慢

 人が集まれば人を憎み恨み、殺し合う結末のあまりに多いことよ
 そのような暴乱をかみが望むはずもないと知りながら、人は人を許容しない

 罪の全てを知らぬ者など、この世にいるはずもない
 まるで生まれたての赤子
 そうでなければ、そのような存在はかみそのものだろう

 かみは人に道を示した
 節制、剛毅、信仰、正義、希望、思慮、慈愛

 これらを用いて、腹の中の罪を打ち消せと
 誰一人として、今もなお、それはなされていないが

 ただ一つ、腹の中の罪を消す方法は見つかっている

 かみの身をもって罪をすすぐのだ
 かみの身の内に罪を注げば、それを行った者は誰よりも清浄となり、腹の中に溜め込んでいた罪は消える

 かみの身に注がれた人の罪は浄化され、人は許される

 そう、信じられていた
 かつてかみが大地に降りられていた間、人はそうやって罪を許されていた

 だがかみは空へ帰った

 その伝承が正しいのか、間違っているのか
 疑う者などいない

 かみが再び地に降りた
 その話だけはずっと長く、何百年も連綿と人の口に登り続けている

 けれどかみの身に罪を注ぎ許されたという話は流れてこない
 なぜなのか

 かみは人に試練を与えているのだ

 かみの身に罪を注いで、罪を許される者は選ばれし者であろう
 ならばかみに選ばれるようにと望んで、我こそはと立ち上がった者の誰一人として、まともなまま戻ることはなかった

 近づいただけでケモノとなりはて、かみの身を喰らいて破滅した者たち
 かみの存在の清浄さに耐えられず、かみに危害を加えて破滅した者たち

 かみに近づいた者たちは、みな同じように破滅した

 かみの怒りに触れたわけではない
 いついかなる時も、かみは人に哀れみと愛を向けてくださっている
 その身を汚されようとも壊されようとも、かみは我が子を愛し続けている

 ならばなぜ、人は許されぬのか

 許されぬならば、許させればよい
 巫がかみからの託をたまわる際に用いるゴマを焚き、ゴマの汁を飲み、ゴマの葉を薬として、道を繋げよ

 かみであっても地を歩く身を持つのであれば、ゴマが効くやもしれぬ
 かみを我らの手の内に

 かみよ、我らはかみの子であるのだから、全てが許されるはずなのだ
 長き悔恨の果てに再び地に降り立ったというのであれば、我らのために来たに違いないのだ

 さあ、かみを我らの手の内に

 
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