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2 ボク
ワレラノカミヨ
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『ボク』の章はえっちがほとんど無いです
==
かみはかつて我が子らに言った
悪意を己の中に残してはならぬと
人は己の中に湧き上がる悪意を消そうとしたが、それはひどく難しかった
人は生きているだけで、腹の中に罪を溜め込んでしまう
暴食、色欲、強欲、憂鬱、憤怒、怠惰、虚飾、傲慢
人が集まれば人を憎み恨み、殺し合う結末のあまりに多いことよ
そのような暴乱をかみが望むはずもないと知りながら、人は人を許容しない
罪の全てを知らぬ者など、この世にいるはずもない
まるで生まれたての赤子
そうでなければ、そのような存在はかみそのものだろう
かみは人に道を示した
節制、剛毅、信仰、正義、希望、思慮、慈愛
これらを用いて、腹の中の罪を打ち消せと
誰一人として、今もなお、それはなされていないが
ただ一つ、腹の中の罪を消す方法は見つかっている
かみの身をもって罪をすすぐのだ
かみの身の内に罪を注げば、それを行った者は誰よりも清浄となり、腹の中に溜め込んでいた罪は消える
かみの身に注がれた人の罪は浄化され、人は許される
そう、信じられていた
かつてかみが大地に降りられていた間、人はそうやって罪を許されていた
だがかみは空へ帰った
その伝承が正しいのか、間違っているのか
疑う者などいない
かみが再び地に降りた
その話だけはずっと長く、何百年も連綿と人の口に登り続けている
けれどかみの身に罪を注ぎ許されたという話は流れてこない
なぜなのか
かみは人に試練を与えているのだ
かみの身に罪を注いで、罪を許される者は選ばれし者であろう
ならばかみに選ばれるようにと望んで、我こそはと立ち上がった者の誰一人として、まともなまま戻ることはなかった
近づいただけで化獣となりはて、かみの身を喰らいて破滅した者たち
かみの存在の清浄さに耐えられず、かみに危害を加えて破滅した者たち
かみに近づいた者たちは、みな同じように破滅した
かみの怒りに触れたわけではない
いついかなる時も、かみは人に哀れみと愛を向けてくださっている
その身を汚されようとも壊されようとも、かみは我が子を愛し続けている
ならばなぜ、人は許されぬのか
許されぬならば、許させればよい
巫がかみからの託をたまわる際に用いるゴマを焚き、ゴマの汁を飲み、ゴマの葉を薬として、道を繋げよ
かみであっても地を歩く身を持つのであれば、ゴマが効くやもしれぬ
かみを我らの手の内に
かみよ、我らはかみの子であるのだから、全てが許されるはずなのだ
長き悔恨の果てに再び地に降り立ったというのであれば、我らのために来たに違いないのだ
さあ、かみを我らの手の内に
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かみはかつて我が子らに言った
悪意を己の中に残してはならぬと
人は己の中に湧き上がる悪意を消そうとしたが、それはひどく難しかった
人は生きているだけで、腹の中に罪を溜め込んでしまう
暴食、色欲、強欲、憂鬱、憤怒、怠惰、虚飾、傲慢
人が集まれば人を憎み恨み、殺し合う結末のあまりに多いことよ
そのような暴乱をかみが望むはずもないと知りながら、人は人を許容しない
罪の全てを知らぬ者など、この世にいるはずもない
まるで生まれたての赤子
そうでなければ、そのような存在はかみそのものだろう
かみは人に道を示した
節制、剛毅、信仰、正義、希望、思慮、慈愛
これらを用いて、腹の中の罪を打ち消せと
誰一人として、今もなお、それはなされていないが
ただ一つ、腹の中の罪を消す方法は見つかっている
かみの身をもって罪をすすぐのだ
かみの身の内に罪を注げば、それを行った者は誰よりも清浄となり、腹の中に溜め込んでいた罪は消える
かみの身に注がれた人の罪は浄化され、人は許される
そう、信じられていた
かつてかみが大地に降りられていた間、人はそうやって罪を許されていた
だがかみは空へ帰った
その伝承が正しいのか、間違っているのか
疑う者などいない
かみが再び地に降りた
その話だけはずっと長く、何百年も連綿と人の口に登り続けている
けれどかみの身に罪を注ぎ許されたという話は流れてこない
なぜなのか
かみは人に試練を与えているのだ
かみの身に罪を注いで、罪を許される者は選ばれし者であろう
ならばかみに選ばれるようにと望んで、我こそはと立ち上がった者の誰一人として、まともなまま戻ることはなかった
近づいただけで化獣となりはて、かみの身を喰らいて破滅した者たち
かみの存在の清浄さに耐えられず、かみに危害を加えて破滅した者たち
かみに近づいた者たちは、みな同じように破滅した
かみの怒りに触れたわけではない
いついかなる時も、かみは人に哀れみと愛を向けてくださっている
その身を汚されようとも壊されようとも、かみは我が子を愛し続けている
ならばなぜ、人は許されぬのか
許されぬならば、許させればよい
巫がかみからの託をたまわる際に用いるゴマを焚き、ゴマの汁を飲み、ゴマの葉を薬として、道を繋げよ
かみであっても地を歩く身を持つのであれば、ゴマが効くやもしれぬ
かみを我らの手の内に
かみよ、我らはかみの子であるのだから、全てが許されるはずなのだ
長き悔恨の果てに再び地に降り立ったというのであれば、我らのために来たに違いないのだ
さあ、かみを我らの手の内に
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