【R18】かみさまは知らない

８ ボク

イズレノヒニカ

　

　＝　とある祭司の残した書の残骸　＝



　世界はゆっくりと　　している
　いずれ、全ての　　が死に絶えるだろう

　我ら　　は愚かであった

　終末へ至る道は、　が自らの意志を持ち、その手で　　始めた
　　　　　の　　を閲覧する事ができた者は、過去の　　　の愚かさを嘆く

　その　　愚かさの支払いに、世界の滅びを招いた
　繁栄は　　と共に去る

　なにもかも、もう遅い



　この　　　等は迷い込んだ
　見も知らぬ　　世界　　　　へと
　呼吸すらままならぬ　　の前に、██が現れた
　闇に怯える　　等の前、朔夜に██が舞い降りた

　我が　　　の祖等へ、██は救いの手を差し伸べた



　その██は美しかった
　汚れなき清廉な白き心持ちて、　　を愛した
　美しき██は清らかでありながら、　　を理解した

　食べられるもの、食べられぬもの、安全な場所、危険な場所、を　　に教えた██は、現人神として崇められた

　██は　　と共に暮らした
　幾日すぎても歳を取らず、見目は変わらず
　何十年が過ぎても、██は　　　のごときいとけなさであった



　恐れが起きた
　愚かな　　は恐れた
　全てを、自らを、そして██を

　恐れは　　を汚し
　我　　　は、　　　した

　なにも得られず、なにも成さず、なにも戦わず
　我らの　　は██を恐れ、そして壊れた



　愚かな　　のために身を粉にしてくれた██を、　が殺した
　全てを失った　　　は嘆き　　を　　　た

　██は生き返った

　悲しげに訴える██を、　は殺した
　狂い　　に苦しむ姿　　　　のごとく



　なぜか　　に似た姿をしている██
　けれど　ではない██
　悲しいほど　　に似た姿をしているのに、　　　ではない事が恐ろしい

　何度も、何度も、生き返る██を、　　は殺した
　我が　の祖は、愚かにも神に背を向けた

　██は　　であった
　現人ではなく、本物の██だった



　殺しても殺しても、██は死なぬ
　██を殺せと　等は歌う

　██は悲しみにくれつつ身を　　へ差し出した



　██は　　を見捨て
　██に見放された世は、すべからく　　る

　始めに██を恐れた者は誰であったのか
　なぜ██を恐れたのか



　神はおわした
　神よ、世を滅ぼしたまえ、　　を赦したまえ

　全てが赦されし時は、全てが失われし時であろう

　いと高き　　　より見ておられる
　我が　　の祖は、愚かなりと