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番外編
42ー王 SS 可愛らしい妃に悶える僕
しおりを挟むああ、どうしよう。
可愛い。
嬉しい。
本当に僕は最低だ。
スノシティが、嫉妬している。
しかも、十八歳年下の弟に。
嬉しくならないわけがない。
だって、僕に幼い恋慕を向けるディジェテに嫉妬して、そんな自分に傷つくスノシティが可愛くて仕方ない。
スノシティが僕へ執着してくれていることは間違いない。
でも僕の中にある、どうしようもなく煮詰まってしまって、重たくて淀んだ気持ちとは違うことも理解していた。
スノシティの僕への信頼は揺るがない。
そこを揺るがせるつもりもない。
ディジェテに優しい声をかけるのは、スノシティが可愛く嫉妬して苦しむ姿が期待できるからだ。
あんなに辛そうな表情をするなんて、ああ、可愛いっ!!
いけない、興奮しすぎて勃った。
幼い弟を利用している僕自身、これが鬼の所業だと思う。
けれど、これこそがこの国の王族の正しい在り方だ。
どろどろに醜い愛憎が、この国を守る。
だから、お互いに執着していない前の国王と王妃ではこの国を支えきれなかった。
僕が前国王か前王妃に執着できればよかったのだけれど、無理だったから仕方ない。
これは、心の内から湧き上がるもので、意識的に相手を変えられはしない。
ディジェテとの初対面の日、本当はスノシティが幼い弟に執着したらどうしよう、と心配していた。
執着対象は一生に一人ではないから、僕から乗り換えてしまう可能性もないとは言い切れなかった。
それが蓋を開けたら、僕にとって最高の運びになった。
不安だった。
先日、二十五歳になったスノシティは、色気がダダ漏れる美人だ。
年を経るごとに美しくなっていく。
ずるいよ。
むっちりとした筋肉としっかりと弾力のある青みがかった白銀の被毛をまとった体は、しなやかで力強くて、見るものを魅了する。
薄青の瞳は優しくて、表情もいつも柔らかい。
美味しいものを食べている時の、幸せそうな姿は可愛い。
もう何年も抱いているのに、飽きることがない。
僕の陰茎を嬉しそうに根本まで咥えこんで、感じすぎて痛そうに喘ぐ声に、さらに興奮してしまう。
最近では、王妃が獣人の形をしていることで、元から獣人への嫌悪感情が少なかった庶民の中には、獣人を歓迎する雰囲気まであるという。
素晴らしい。
さすが僕のスノシティだ。
そこにいるだけで、誰もが愛さずにはいられない。
あんなに可愛い姿を見せてくれるなんて。
スノシティには悪いと思うけれど、もう少しだけ堪能させてもらおう。
心配しなくても、ディジェテには双子の二歳の妹、一才の妹、生まれたばかりの弟がいる。
適当なところで、僕に執着するな、と教えてやれば良い。
相手はディジェテ次第だが、妹の誰かを選んでくれたら揉めずに済む。
国の運営は有能な宰相候補を育てているし、スノシティと一緒に体術をこなせるくらいたくましい、新しい影も育ってきている。
五人も王子と王女が生まれたから、そろそろ種馬と産み腹も用済みかな。
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