異世界帰りの僕が100人斬りの勇者だなんてまだ誰にも知られていない ~帰還した元勇者の爛れたラブコメディ~

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生贄の対価

2 / 100 | 初芝 朋花

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| 藤堂 京介


 泣き腫らし、粗相までしてしまった初芝さんは浴室で着替えてきた。
大分落ち着いてきたので、聞いてみる。


「待たせてごめん。…それで、救いって?」

「まあ、宗教じゃないから聞いてほしい」


 僕は腐っても勇者だ。そこに助けを求める人がいるのなら手を差し伸べてしまうどうしようもない性分だった。

 生贄の姫、身代わりになろうとする妹。迫害を恐れた魔族と人間の混血児、異国から違法に連れて来られた奴隷の子、引き裂かれた許嫁、いっぱい間違えたし、いっぱい失敗したし、いっぱい後悔した。

 何度力不足を痛感したかわからない。早く日本に帰るためにと焦燥感もあったけど、結局見過ごせなかった。

 そして、救世大教会にある過去の勇者の記録。その中にあった、勇者物語にはない、生々しい記録の数々。

『偽善勇者の末路』と題されたそれには、何も対価を要求しなかった勇者は最後には勇者の力をほとんど失っていたことが書かれていた。その勇者は本当は欲しいものがあったのに、自分を偽り、他人を助けていた。対価が要らないのならばと人々の要求は無遠慮に増え、大きなものとなった。

 僕は偽善でもいいじゃないか、人が救われるのなら、と最初は思っていた。格好つけるのも男だし、なんて。

 だけど、自分を騙す行為は魔力を衰退させる。それはアレフガルドの魔法の真実だった。強大な力をつける召喚勇者も例に漏れない。大きな力を偽って使えば、その分大きな報いを受けてしまう。魔王に負けた勇者の話だった。

 無節操に救い、対価を求めそうにない僕に、過去の記録から危機感を覚えた教会は力のついていない今のうちにと、手を打ってきた。

 聖女ルトワによる悟りの魔法でも覗いてもらったけど、生来の心根は評価されつつも、私は旅に着いてはいけませんからと、血の涙を流しながら懇願された。
 罪悪感からか、救いには対価を。偽りには報いを。

 この価値観を徹底的に身につけた。

 世の中にフィフティフィフティは無い。が、アレフガルドを救う勇者はそれを求めなければならない。と。


「葛川達には愛香に手を出そうとしたことに後悔してもらおうとは思ってるんだ」

「…」


「今までの僕を見てきたから信じる事はできないとは思うけどね」 

「…ううん」


「結果的に初芝さんの願いは黙ってても叶うと思う」

「…うん」


「黙ってやり過ごして結果だけを望むか、対価を用意し、当事者として葛川に復讐するか」

「…」


「どちらが、君と君の友人の救いになるか」

「…」


「僕はその選択を尊重するよ」

「藤堂、くんは…」


 知ってしまった以上、救わない選択肢はない。けど、愛香を利用しようとした事実がわかった以上は覚悟を確認させてもらう。

 勝手に救われるか、当事者となるか。


「君の心情を知ってしまったから一応確認、だね。まあ、酷い言い方だけど、所詮は他人なんだから君が負担するものでもないし。ただ、その場合は退場しておいて」

「…他人じゃないわ。メグミは私にとって唯一だった。愛香を生贄だなんて、葛川と同じだった。いや葛川より酷い。わたし、どうかしてた。ごめんなさい。そんなわたしが差し出せる対価なんて、その、あるのかわからないけど…どうか私とメグミを救って欲しい」


 瞳の色は覚悟、決意の色だった。

 ああ、わかったよ。

 僕の好きな、綺麗な色だ。

 それに、対価は正直なところ、何でも良いんだ。自身の心に見合うものならば。それこそ紅茶なんかでもご馳走してくれただけでも良い。


「…うん、君の覚悟は確かに受け取った。僕に任せて。これからよろしくね。対価云々はまた追々…」


 そうやって話が終わる瞬間だった。

 目を閉じて静かに聞いていた愛香は、勢いよく立ち上がり、その大きな目をカッと見開いて拳を振り上げ、決意を口にした。


「わたしのこれからの道のりは、正に修羅っ!」

「愛香っ!?」


「この咎人たる成瀬愛香が通らなければならない、果てしない道っ!」

「愛香何したのっ? 藤堂くん!」


 そうして愛香は一人でブツブと呟き始めた。


「私に足りないもの…贖罪……軋轢をフラットに……朋花ちゃんの罪悪感を消す……京ちゃんの対価……未羽ちゃんへの牽制…そうだ! 朋ちゃん耳貸して?」

「…え? うん、いいけど……」





 そして───2時間が経った。


「ごめんなさいっ ごめんなさいっ」

「朋花はちゃんと謝れて偉いね」

「ん、偉いよね」


 朋花には浅いところを微振動させながらゆっくり突く。指の腹に水の魔法で緩い膜を作り、風の魔法で微細に揺らし、そうして愛香の小さなピンクの乳首を上下に摘み、クニクニする。


「ワぁ、カラセられ、りゅ、わ、からせられてましゅ! あ、らめ、そこ!」

「そっか。朋花はわかるんだ、賢いね」

「あ、ぁん、か、かしこっ、だ、ねっ」


 あ、ごめん。奥を突いてつい撫で撫でてしまった。可愛いから仕方ないね。

 あ、止まんない。愛香には火の魔法で温めた手のひらを使い、胸を揉みしだく。


「あ、藤堂く、ん、藤堂、くん、きましゅ!くるっ! くる!くる!きてるからッッ!」

「教えてくれるなんて、朋花は優しいな」

「うん、や、優しぃ!っね」


 愛香を促し、朋花の乳首をイジメさせる。空いた両手に水魔法で極薄い粘膜を作り愛香のお股をイジメる。さらに朋花の奥を撫で撫でする。


「愛香、さ、先っぽ、ぃ、弄、るぅの、ダメダメダメ、何かきます、きますっ」

「可愛、ぃいよ、朋ちゃん、素敵! だょ、んー! わたし、も、イきゅッ!」

「二人とも可愛いよ」


 愛香と朋花を四つん這いにし、愛香は指の腹で中からお腹側をトントンする。

 ここだな。

 すぐさま、水の魔法で小さな熊手のように変え、感覚部位の領土を広げるように柔らかく搔く。

 朋花は長いストロークに変えた。


「死に、まっ、しゅっ、もう死にまっ、しゅ! あ───っ!」

「そっか、朋花を死なせたくないから最後にするね」

「あ”あ"  ダメッ!」


 先に愛香を昇らせ、朋花のお尻を鷲掴みし、高速ストロークと微振動を組み合わせて奥を撫でと突きで扉との再会を繰り返す。


「わかんないわかんないわかんない、ーあーっあーっあぁーっくるっ!!」

「朋花、イくね、あ、あィくっ、愛香、お願い!」

「あはぁ…あ! 待ってたよっ! んくっんくっんくっ…ぃくっ」


 最初にお願いされた通り、愛香の口に精液を出す。

 果てた余韻の最中だったせいか、愛香はアヘった顔のままでも飲み干した。

 少し曲がった片手ピースを添えて。……天才かな?





「…京ピにワカラセられちゃった」

「朋花が可愛いのが悪いよね」


「…愛香、京ピにワカラセられちゃった」

「後で撮った動画、一緒に見ようね」


 対価は愛香によって提案され、朋花により受理され、二人によって可決された。


 具体的にはハメ撮りだった。


 対価には、こういうの求めるつもりなかったんだけど……愛香、本当は怒ってたんじゃないの?

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