異世界帰りの僕が100人斬りの勇者だなんてまだ誰にも知られていない ~帰還した元勇者の爛れたラブコメディ~

墨色

文字の大きさ
92 / 156
悪魔の討伐

クエストクリア

しおりを挟む
| 藤堂 京介


 軽く説明すると、四人は全員狂っていた。

 葛川は女役をかなり強く噛みながら。
 下出は女役を薄く切り刻みながら。
 上田は女役を恫喝しながら。
 中田は女役を殴りながら。

 はっきり言ってドン引きだった。何かしらそうなった原因はあるのだろうが、結果だけでいい。

 その結果が狂ってる。

しかも、僕の幻惑で理想の相手になっているはずなのに、だ。ちなみにタコ2号は普通にオラオラ系だった。

 やっぱりこのウィズ、のせいかな。とりあえず致す前には服用させていた。普段の様子に出来るだけ近づけたかったし。

 朋花も長月さんもリモートのメグミさんも黙って見ていた。

 こんなもの見たくはないが、現場監督としては見るしかない。

 当然逃げたり、抵抗したりする時にはADになった僕が拘束をかけたり、殴って戻したり、な時は洗浄と、忙しく動いていた。

 一周した時にはもう面倒になっていた僕は、葛川兄に映像の確認をとり、我慢してウィズを抜き、四人一気に幻惑をかけ、組んず解れつに変えた。


 なんというか、こう、高校生男子の性愛模様の極地が撮れたと思う。名作の予感がする。みんなラブで真剣で兜で合わせてナメクジだ。

 15歳の本能と性欲に従ってこなしている。

 ウィズの時と違い、なんか平和だ。コレ……最後は連結しそうだな。環状線だな。でも少し足りないな。タコ2号も発車するか。

 それに、みんな良い笑顔だ。える。
やっぱりウィズ、要らないな。

 うんうん。これ以上の名作は出来まい。これ、大ヒット間違い無しじゃないかな。


「いや京ピ……コレきもいっしょ」

「………DA.YO.NEー」





 そして、最後は目出し帽ーイズ×四人。全員幻惑なし、回復なし、洗浄なし、ウィズなし、のなしなしなしのなしだ。

 つまり、本物の陵辱だ。


 ここまではエリカの案での表のソフト面。

 ここからは裏、つまり彼女達のスタート地点。分岐した本来の未来の始まり。

 ごめんね。こっちからでもいいと思ってたんだけど、エリカにどうしても、って頼まれててね。裏から撮るとこいつら壊れたまんまだろうし。


 さっきまでは所詮、同格との戯れ。

 従属させたスライムと野良スライムを戦わせても、ヌルいだけ。

 力で言うことを聞かせてきたやつの末路は、より大きな力によって壊されるということ。

 それが暴力の世界のどうしようもない真理。

 欲しがりたちの夢の跡。

 お前たちもそうやってメグミさんや長月さんたちにしてきたんだろ。

 次はお前たちに番が廻ってきただけだ。


「さあ、尊厳崩壊のリフレクト! 始めようじゃないか! きっと朝まで寝かさないよ!」

「「「「もう嫌だぁぁぁぁ───」」」」」


 死ねぇ──────タコがぁぁ!





 まだまだ続いているが、葛川兄に許可をとり、オーリーに来てソファに座って天井のシーリングファンを眺めている。

 目出し帽ーイズは僕が止めるまで嬲ってくれるだろう。

 これで討伐達成かな。

 あとは今回の動画を被害者たちに配ったり、エリカに渡してクズ一族に追い込みかけたりだったかな? 

 今朝のエリカからのメッセでは、お祖父さんとお父さんがとても喜んでいたそうな。

 昨日もすごく喜んでたな。





「真弓? 大丈夫? 顔がニヤけ過ぎてヤバいけど」

「もー、麻実こそ…でもこの二人よりマシじゃない?」


「きょんくんのやっぱり串刺し公……」

「お仕置きしゅごい…」


「…だな。でも……すごかった。立てない…こんなにいっぱい…」

「……うん。お腹の中…あちゅいよぉ……」


「───京介さん、その、魔法で……私たちを操っていたり……していますか?」

「操る? ああ、魅了とか? ないよ。あれは僕が使うと魔法を失うからね」

「失う、ですの?」


「うん、そういう誓約。嘘は元々苦手でさ。父さんとの約束だしね。それと魔法を紐付けてて。で、魅了の供物には嘘が必要でね。だからパラドックスって言うのかな? 出来るけど出来ない。使った瞬間に僕の魔法はこの世から消えて無くなり、使えなくなる。ただ…ちょっと違うけど、精神干渉系なら幻惑の魔法は使えるよ。永続ではないし、ちょっと変なのだけど。…使ってみるね」

「えっ! ……あら?……何も…起きませんわ。……効果はなんですの?」


「あれ? ……今みんなの姿が理想的な男性に見えてると思うんだけど……僕の姿、百合の花に見えない? ホストの魔法、って言うんだけど…薔薇よりかなり弱いのは確かだけど……元々なら効果ないのかな? それなら嬉しいけど…それに、魔法が使えるようになったのは最近だよ。小学生の時はもちろん使えなかったよ。…エリカ?……どうしたの? うわ!」

「───京介さぁん! やっぱり! 私の心は! 間違ってなかったのですわ! 誘拐されそうになった時! 助けていただいたあの日から! ずっとお慕いしておりましたわ! それに周りはみんな百合の花に見えますわ! つまりこれは京介さんの魔法を私の恋心が跳ね返したという事でしょう? 嬉しぃですわー! はぁ…ステキ………あら? つまりこれは……踏絵に……出来…ますわね………くすくす」

「そう…見えるんだね。嬉しいよ。踏絵?」


「いえ、こちらの話ですわ! 京介さん。いろいろとお願いしても宜しいですか? 今回の件も、学校での暴行の件も、私もお手伝いしたいのです」

「そっか、円卓か……うん、それは嬉しいね。どうやら僕は力しか振るえないみたいでさ。いろいろと考えてくれると嬉しいな」


「この、和光エリカにお任せくださいませ! 必ずや京介さんのお力になってみせますわ! …でも、まずは、その、こ、このステキな百合の花に囲まれた花園で、も、もう一度、し、縛って、その───」


 ごくり。





 いろいろ終わってから、息も絶え絶えの中、我が家に是非一度お越しください、ませ…ガクッと言っていたな。

 そのうちお邪魔させてもらおう。

 そう思い出していると、朋花がやって来た。


「京ピ…メグミが話したいって」

「ああ、もう良いの? …僕は君を救えたかな?」


『…まだ、気持ちの整理はついていませんけど…あんなに恐ろしかった葛川たちが、情け無い顔で助けを求めて…それを見たら一歩前に進めたんだ、救われたんだ、…と思います。…それに長月先輩にも謝れましたし…お話出来ましたし…本当にありがとうございました』


 画面の向こうのメグミさんは、少し表情が柔らかくなってみえる。まあ、まだ陵辱シーンを見ただけだ。彼女達は今スタートラインに立ったばかりだ。

 ナイフで傷付けたのは長月さんにだったのか。


「それはよかった。あとの事は任せてね。そうそう、女の子は笑顔じゃないとね。これからは素敵な未来が待ってるよ。もし身体に傷があったら長月さんみたいに治してあげるからね」

「京ピ……藤堂くん。本当にありがとう。私のために、メグミのために…私だけじゃ、ど、うにも、ぐす、でぎ、ながっだと、思う、ひっく」

『朋、花…ぅぅ』


「……ああ、いいんだよ。朋花の願い、叶って良かったよ。メグミさん、早く帰ってきて朋花を抱きしめてあげてね」

『はい…まずは夏休みに会いだいと思いまず、ぐすっ、朋花、私の、ために、あり、がとぉ…うわぁ──ん…』

「メグミ、メグミぃ、メグ、ミぃ……」


 リモートでも、お互いのことを思い合い、感じ合えるもんなんだな。まあ、良かった良かった。

「うんうん。うん?……あれ? 長月さんは?」


「それは……」





 "檻"に戻ると、紺のセーラー服に赤いタイをきっちりとつけて、いい顔でムチを振るう長月さんが居た。


「あっは、もっと、もっとよ! 声を出しなさい! 天上のご主人様に聞こえるようにもっと頑張るのよ! 歌うように! 響くように! 声高らかにぃ!」

「ぎゃ、うぎぁ、ぁあ──!」


 長月さんは、後ろから目出し帽ーイズに陵辱されているクズどもを前からビシビシ、ムチっていた。


「小さくって、汚い声ね。ご主人様に申し訳ないでしょう? ね、もっと、もっとよ────!」


「…長月さん?」

「あ、ご主人様ぁ! この豚どもの声、届きましたかぁ? ほら、もっと頑張って鳴きなさい! 豚どもが!」

「ぐぁ、あ"───!」


 ここ防音なの知ってるよね? どれだけ頑張らせても届かないよ……天上って天井? 

 まるで性格が違うけど、僕は何もしていない。ご主人様? 僕のことかな? 主従契約は結んでないけど……


「なんか、やるきスイッチ入ったみたいだし」

『そういえば…中学の時の部活での渾名がスポコン!女王でした。普段はとても優しい先輩だったんですけど部活では……』


「ほら! ご主人様の前でしょう! 今頑張らないでいつ頑張るの! ほらほらぁ、もっと、もっとよ! こんなザマで防音壁に勝てると思ってるの! しっかり声を出しなさぁい!」

「ぎはっ、ぶへ、え? あ"───っ!」


「……楽しそうだし、いい顔だし───」

「あきらめたら! そこで! 試合終了でしょうが! この豚どもぉ!」


 ──ま、いっか。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

勇者のハーレムパーティー抜けさせてもらいます!〜やけになってワンナイトしたら溺愛されました〜

犬の下僕
恋愛
勇者に裏切られた主人公がワンナイトしたら溺愛される話です。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...