異世界帰りの僕が100人斬りの勇者だなんてまだ誰にも知られていない ~帰還した元勇者の爛れたラブコメディ~

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ほのぼの

楽園

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| 斉藤 博之


「さあ、次は誰だ? さや? 愛? 久美? 美穂? アヤ? それとももっかいみんなでするか?」

「次わたしだけがいいー」
「えーまた? 久美、あんた一回多いってあーしも!」


「よっしゃ! 二人同時だ! 壁に手をつけ!」


 おーおー、絶景じゃん、二人ともケツにおできと肌荒れしてるけど、最近これが可愛いく見えて仕方ない。

 毛深い背中も愛おしい。

 汗っかきで、恥ずかしいって最初言ってたのに、俺だけに躊躇なく見せてくれる。

 ケツ穴もバラ色でいやらしい。そこからコードが出ているが、俺は気にしない。


「いやーん、やった! ライトきてきて」

「もう! マコト、私も同じだけ突いてよ! 差つけたら怒るかんね!」

「当たり前だろ? おら、いくぜ!」


 俺はここに来て何日経つかわかっていない。

 わかっているのはここにいる女の子が飛び切りステキなやつばかりだってことだけだった。

 心と身体が満たされたなら顔なんてどうでも良いことで。


「おま、もう濡れ濡れかよ」

「当たり前だよぉ。ねーレン、早くぅ」


 みんな股を濡らして笑顔で俺を待ってくれている。

 それに、フェラ顔なんて、ブスの方が断然可愛い。咥えた瞬間の顔がたまらない。

 AVなんかで綺麗な女優ほど、フェラ顔はブサイクだ。綺麗なものを壊す趣味は俺にはない。


「う、イク!」

「もーそんなにわたしのおまんこが良いの~嬉しい~」


 早漏なのは仕方ねー。お前らが俺の脳を興奮させるんだ。

 むしろ可愛いお前らが悪い。

 藤堂のやつはわかってたんだな。

 ありがとうよ、藤堂。こんな愛の巣を用事してくれてよ。

 お前こそが勇者様だぜ!

 まだまだイクぜ!


「うら~うら~」

「ちょっと! おっそい! 愛が足りない! もっと早く! あっ、そう、あっ、そ、あん、いい、いいよ! ターちゃん! いけそう、かも! もっとおまんこ突いて!」


 まったく可愛い奴らだぜ! 正直今体重がどれくらいかわかってないが、全力で愛すぜ! うっ!

「え? もうお漏らししたの? もー早い~こんだけ? 全然垂れてこないじゃない!」

「いや~出しっぱなしでさ~ごめんよ~」

「嘘嘘~中出し嬉しい! ちゅ、ちゅ」

「ヤマト~次あーし~ほら、もう濡れてんだからさ~」

「私も、おちんぽください。ローターだけだと切ないです」

「よっし、重なってくれ! 美穂、お前もだ! 三人同時だ!」


「うわっ、エロ! なんか跳び箱みたいだし」

「ほんとだ~みんな後ろから見たらやらし~よ~垂れてる垂れてる」


 ここは、楽園だ!

 おっしゃぁ! もっぱつイクぜ!





 休憩を少し挟んでいたら、葛川さんが話しかけてきた。

 どうやら今日中までしかここを使えないようだった。

 長いようで、短いような。

 そんな楽園生活だった。


「すみません。これから身辺整理をせねばならず。藤堂さんは好きにしろとおっしゃっていたのですが、やはりきちんとしたいので」


 藤堂が何をしたのかわからないが、どうやら葛川さんは出るところに出て、最終的には捕まるらしい。

 この人には随分とお世話になった。

 着替えに、食事、精力剤、アフターピルからオモチャまで、至れり尽くせりだ。

 こんなに良い人なのに、一体なぜだろうか?


「ああ、人攫いと、麻薬と、強姦と、監禁と。あとAV販売ですね」

「……」


 全然良い人じゃなかった。

 極悪人だった。

 驚愕の新事実だよ。

 藤堂は一体何をしたらこんなやつを顎で使えるんだ。

 こえーよ。

 久しぶりに小物センサーが顔出してきたよ。


「あはは、もうしませんよ。藤堂さんに歯向かうやつがいたらその限りじゃありませんが。どれくらいかわかりませんが、初犯ですしね。また戻ってきますよ。まあ私より親の方が大変でしょう」

「……親、ですか?」


 そういえば、葛川っていやあ、政治家一家の葛川なのか?


「ええ、その父と祖父に女子高生の援交を斡旋してましてね。ははは。政治家仲間にもね。それを今度大暴露するんです。ははは」

「……」


 やべぇ。

 それも聞きたくなかった。

 めっちゃニュースになるやつじゃん…

 母ちゃん応援してなかったか? たしか六期ほど当選してる怪物だったような…

 選挙のとき気をつけよ…


「ねー難しい話? まだ終わんないの?」

「あー、失礼。そんな訳ですので、マコトくんを巻き込みたくはないので、ギリギリよりは早めの方が宜しいかと思い、伝えておきました。親戚連中もここの物件、欲しそうでしたから」

「…わかりました。明日の朝には出ます」


 正直すぐ出たい。

 小物センサーがびんびんに反応している。

 でもこいつらの身嗜みとかもあるだろうし、な。

 綺麗に身支度させてやってからここを出たい。


「あ、そうそう。マコトくん。次からは気をつけて。多分天養市は和光家が幅を利かせるでしょう。それはつまり夜光組も出てきます」

「…はあ」


 和光はわからないが、夜光組っていやあ、武闘派だ。結構夜の繁華街で幅を利かせてるって話だ。でもそれは、俺と関係なくないか? ああ、もしかしたらまた恋アポとかで俺が? いや、ないない。


「藤堂さんの幼馴染の女の子がそのどちらにもいるので、もしかしたらドンパチがあるかも、です。だから繁華街では気をつけて。どちらも一度拝見しましたが、目がヤバかったんですよ。まあ、私の予感ですけどね。ははは。流石藤堂さん」

「……」


 あいつ、学校のヤンデレだけじゃねーのかよ…権力持ったヤンデレとか、ガチヤバすぎんだろ。

 しかも幼馴染?

 どんなラブコメだよ。

 殺伐としすぎてコメディになんかなりゃしねーよ。任侠の世界じゃねーか。人死ぬやつじゃねーか。

 いったいどんな星に生まれりゃ、そんな目に遭うんだ。あんな良いやつがいったい何やったってんだ。

 可哀想すぎだろ…

 泣けてくる…


 俺は恩人である勇者藤堂の冥福を、一人祈った。

 南無。
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