【完結】婚約破棄された公爵令嬢、やることもないので趣味に没頭した結果

バレシエ

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お手伝いを禁じられてしまいましたわ

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「またまたお母さまったら御冗談を~」
「いい、オリビア? これは冗談ではないの。あなたが昨日からお手伝いをした場所を覚えている?」
「もちろんですわ。厨房と洗い場に、屋敷のお掃除と庭木の剪定……あっ先程お父様のお手伝いもしました!」
「お父様のところにまで行っていましたか、それは知りませんでした……」

 そう言うとお母さまは、額に手を当て呆れたようにため息をつかれました。

「あなたが挙げたすべての場所で仕事の遅れが出ています。実際に昨夜、夕食の時間が遅れたでしょう?」
「そんなまさか……。で、でも皆喜んでくれましたわ!」
「気をつかわれたのですよ」
「気を……つかわれた……」

 その言葉を聞いて、わたくしの中の何かがガラガラ崩れていく音がしました。

 そんな……。わたくしはただ皆が忙しそうだから、少しでも力になれればと思っただけなのに……。

「あなたの気持ちはとても嬉しいのですが、もう少し周りを見て行動しなさい」
「申し訳ありませんでした……」
「今日一日反省するように。良いですね?」
「はい……」
「それと……」

 お母さまが窓の外を指差します。

「もしかして、あの庭木はあなたが剪定したものですか?」
「はい、自信作です! 少し時間が掛かってしまいましたが、見違えるほど可愛くなったと思います!」
「そうですか……頑張りましたね……」
「はい!」

 そこにはわたくしが昨日丹精込めて剪定した庭木がありました。

 どれも動物の形をイメージしていて、さながら小さな動物園のようです。

 お母さまもこれには感動してくださったのではないでしょうか?

 灯りを灯しながら夜を徹してカットした甲斐がありましたわ!



「ふむ。手持無沙汰に戻ってしまいましたわね」

 自室でベッドの上に寝転がりながら呟きます。

 お手伝いも禁じられてしまいましたし、することがありません。

 これからどうしましょうか?

「そういえば、この前買ってきた本がまだ読み終わっていなかったはずですわ」

 学園を卒業する前に読んでいた恋愛小説が途中であることを思い出しました。

 ここ数日のドタバタですっかり忘れていたのです。

 わたくしは身体を起こして立ち上がりました。

「ソフィアならこの辺に入れているはず……あっ、ありました」

 学園の荷物整理はすべてソフィアにお任せしていたので本の場所が分かりませんでしたが、そこは長年の付き合いのあるわたくしです。

 自室の本棚の中にお目当ての本を見つけました。

『王子さまと貧乏男爵令嬢の禁じられた遊び』という本です。

 シリーズ物なのでたっぷり五巻もあります。

 これなら読み越えもありますし、しばらく時間を潰せるのではないでしょうか?

 あぁ、楽しみですわ!
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