異世界帰りのハーレム王

ぬんまる兄貴

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第8話 ハーレム王への道

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【教室】



 2限目になって教室に戻ってきた伊集院麗華。
 その瞬間、俺の視界に飛び込んできたのは――



 麗華のすさまじい睨み!



 目つきがまるで、「今すぐお前を消し炭にしてやる」とでも言わんばかり。
 いや、冗談抜きで教室が数度下がったんじゃないかってくらい寒気がするぞ!?
 

 教室中が静まり返り、麗華の殺気に誰も近寄れない。
 そして、その視線の矛先は――完全に俺だ!


 そんな中、隣から聞こえたのは、石井のあの独特の声だった。


 
「飯田殿!伊集院殿がすごいにらんでいるでござるが、大丈夫でござるかぁ!?」



 おいおい、お前のそのテンション、大丈夫か!?
 俺は必死に平常心を保ちながら、石井に小声で答えた。


 
「黙れ、石井!これ以上刺激すんな!俺はもう崖っぷちなんだよ!!」

「でも、飯田殿!拙者、聞いたでござるよ!伊集院殿を保健室まで運んだとか!抱っこしたでござるな!?どうだったでござるか!?柔らかかったでござるか!?」

「ぐふっ!?」



 お前、そんな質問するな!思い出すと顔が赤くなるだろ!!
 

 確かに、気絶した麗華を保健室まで運んだのは俺だ。
 お姫様抱っこで、彼女の髪からふわっといい匂いがして――いやいや、冷静になれ俺!

 
 その瞬間、俺の方にズカズカと歩み寄る麗華。
 背後に黒いオーラが漂ってるんですけど!?


 
「飯田君――」



 麗華が低い声で話しかけてきた。


 
「……何か、言いたいことはあるかしら?」



 俺の頭の中で「終わった」という文字がぐるぐる回る。
 でも、ここで怯んだら俺力が廃る!勇気を振り絞り、俺は言った。


 
「あ、えっと……その、柔らかかったっす……じゃなくて!保健室まで運んだのは俺なりの誠意です!」



 教室中がざわつき始めた瞬間――


 
「……覚悟、しておいてね。」



 麗華は冷たい声を残して席に着いた。

 俺はその場で崩れ落ちそうになりながら、石井の方を振り返る。


 
「石井……俺、多分今日が人生の最終日だわ……」



 石井は無駄にキラキラした目で俺を見つめて言った。


 
「飯田殿、拙者、貴殿の勇姿を忘れぬでござる!」



 おい、勝手に俺を殉職扱いするな!!!





 ――――――――――――――

 

【自宅】


 
「今週末、京都に行くぞ!雪華!」



 俺はリビングで雑誌を見ていた雪華に向かって、バシッと宣言した。
 一瞬、ページをめくる手が止まり――


 
「えっ……えぇっ……!?」



 雪華の目が驚きに見開かれたかと思うと、次の瞬間、視線が泳ぎ始めた。
 顔が真っ赤になっていくのがわかる。

 

「きょ、京都……!?そそそそ、それはひょっとして……!」



 まるで蒸気機関車のように息を荒げる雪華。
 おい、どうした?京都って言っただけでそんなに動揺するか!?


 
「新婚旅行というものですか!!?」



 ガタン!と立ち上がる雪華。
 彼女の顔はもう茹で上がったタコみたいだ。


 
「し、新婚……?」



 俺も一瞬、言葉を失う。
 いやいや、待て待て!なんでそうなる!?


 
「違ぇよ!!ただの旅行だよ!!!」



 俺が慌てて全力で否定する。
 だが雪華は信じていない様子で、手で顔を覆いながらさらに深紅になる。


 
「で、でも……京都って言ったら……新婚旅行の定番って聞いたことが……!」



 おい、どこでそんな情報仕入れてきた!?
 俺は頭を抱えながら、冷静に説明することにした。


 
「いやいや、普通に観光だって!寺とか神社とか!ほら、歴史ある町並みとか!」

「……で、でも、それはカモフラージュで本当は新婚旅行なのでは……?」



 まだ疑ってる!!!
 しかも、ちょっと照れた笑顔が混じってるのがまた困る。

 

「ちげぇって!!雪華、落ち着けって!!!」

「……で、でも……その……私、ちゃんと白無垢を着て行った方がいいのでしょうか……?」

「白無垢いらねぇぇぇぇ!!!!!」



 俺の全力ツッコミがリビングに響き渡った。
 だが雪華の表情には、まだどこか期待するような輝きが……。

 ――いや待て、これ以上否定すると、逆に俺が悪者みたいになるじゃねぇか!?
どうすりゃいいんだよ、この空気!!!


 下手に否定し続けたら俺が悪者みたいだし、適当に流したら「やっぱり!」とか言われそうだし……!
 くそっ、このままじゃ埒があかねぇ!


 
 仕方ねぇ、本題に入るか――。


 
「……呪術師の連中に動きがあったんだよ!」




 話題を切り替える俺。すると、雪華はその一言で目をパチクリさせた。


 
「呪術師に動き?なんで分かるんですか?」



 よし、食いついた!俺は得意げに胸を張り、ポケットからあるモノを取り出した。

 

「盗聴器だ!!!」



 バァン!と堂々と机に置く俺の手のひらサイズの盗聴器。雪華は「えぇ……?」という顔をしているが、気にしない。


 
「実はな――伊集院麗華が気絶してる間に、こっそりこれを仕掛けておいたんだよ!」

「え、ええええ!?そ、それって犯罪じゃ……!?」

「バカヤロウ!正義のためだ!」



 俺は正論風な言葉で雪華の不安を強引に捻じ伏せる。
 まぁ、悪いのは麗華が俺を襲ってきたことだろ?
 多少の仕返しは許されるに決まってる!


 
「それで、何が分かったんですか……?」



 興味津々な雪華に向けて、俺は満面の笑みを浮かべながら伝えた。


 
「なんでも京都で女の子の狐の妖怪が見つかったらしい!」

「き、狐の妖怪……?」

「そう!それも、めちゃくちゃ可愛い女の子らしい!」



 俺は勢いに乗り、さらに畳みかける。

 

「だから京都に旅行がてら行って、その狐の妖怪を俺のハーレムメンバーに入れたいと思って!」

「……え?」



 雪華の表情が固まった。


 
「あ、もちろん雪華も大事なハーレムメンバーだぜ?だから安心し――」

「私、帰ります。」

「あっ待って待って待って待って!!!」



 俺は慌てて雪華を引き止める。だが、彼女の目は氷点下の冷たさを宿していた――。


 
 ……やべぇ、このままだと京都に行く前に俺が凍らされる!
 何とか言い訳を考えねぇと……!!

 
 凍てつく雪華の視線を前に、俺は全身から冷や汗をかいていた。
 このままだと本当に俺、文字通り氷漬けにされるぞ……!


 ――でも、諦めるわけにはいかねぇ!!
 俺の夢、俺の野望、それは「ハーレム王になること」なんだから!!


 俺は深呼吸をして、自信満々な顔を作り、雪華に向き直った。


 
「雪華、聞いてくれ!」

「……何ですか?」



 冷たい声。いや、この冷気は物理的に寒い。
 でも、ここで引いたら男が廃る!!

 

「俺のハーレムは、ただの女好きな集団じゃねぇ!」

「……どういうことですか?」



 雪華は少しだけ目を細めた。おっ、聞く気になったか?
 俺はここぞとばかりに言葉を続けた。

 

「俺のハーレムは――絆の集団なんだ!!」

「……絆?」



 雪華が首を傾げる。よし、悪くない反応だ!


 
「そうだ!俺のハーレムは、ただの好き好きクラブじゃねぇ。お互い助け合い、支え合い、そして笑顔を共有する集団なんだ!」

「…………」



 雪華の表情が微妙に緩んだ気がした。俺はさらに畳みかける!

 

「だって考えてみろよ!雪華、お前は俺に助けられただろ?」

「はい……助けてもらいました。」

「次は俺がお前に助けてもらう番だ。そして、お前が困ったときは、ハーレムの他のメンバーも助けてくれる。そうやってお互いを支え合うんだ!」

「……そ、それは、少し素敵かもしれません……」



 ――行けるぞ、このまま押し切る!!

 

「そう!そして俺たちが力を合わせれば、呪術師だろうが妖怪だろうが、どんな困難だって乗り越えられるんだ!」

「……でも、他の女の人と仲良くするのは、ちょっと嫌です……」



 うっ、急ブレーキか!?
 でも、ここで引き下がるわけにはいかねぇ!!


 
「雪華、だからこそ言うんだ。お前は俺の一番のハーレムメンバーだ!」

「……え?」

「お前が俺の右腕だ!いや、左腕でもいい!お前がいなきゃ俺のハーレムは成り立たないんだよ!!」



 雪華は驚いた顔で俺を見つめ、少しだけ頬を赤らめた。


 
「そ、そういうことなら……私も……頑張ります!」



 よし、決まった!!!
 俺は心の中でガッツポーズを決めた。

 こうして、雪華も俺のハーレムという名の絆の集団を認めてくれることになったのだった――。

 次は京都で狐っ子を探すぞ!!!



 
 
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