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第28話 家なきハーレムファミリー
しおりを挟む俺たちは、麗華の家に向かって意気揚々と歩いていた。
「これで安心だ!麗華の家で匿ってもらおう!」というノリで、俺たち四人はハーレムパーティー気分を持ち続けていた。
「よーし、麗華の家で美味い飯でも出してもらおうぜ!」
俺が得意満面で胸を張り、先頭を切って歩く。
焔華も、雪華も、貴音も後ろをついてきて、まるで勝利した英雄の凱旋のような雰囲気だった。
貴音も少し不安げではあるが、期待に満ちた瞳で俺を見ている。
「麗華さんって、どんな人なの?怖い人じゃない?」
俺は自信満々に答えた。
「心配すんな!麗華は俺の情報網で完璧に把握してる!ちょっとツンデレっぽいけど、基本的にはいいヤツだからよ!」
そうこうしているうちに麗華の家に到着。
俺は堂々とドアをノックした。
――そして、ドアがギィー……と静かに開き、中から麗華が冷たい目で顔を覗かせた。
「何の用?」
おいおい、俺たちはハーレムの危機を救うためにここに来たんだぞ?
さっそく麗華に状況を説明してやる。
「麗華、ちょっと事情があってな。俺たち、しばらくお前の家に匿ってもらおうと思って……」
俺がニヤリと笑いながら言うと、麗華は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに険しい顔で口を開いた。
「……却下よ。」
「……は?」
あまりにあっさりした返事に、俺は一瞬フリーズした。
いや、待て待て。今のは聞き間違いだろ?俺たち、そんなに厄介者扱いされるようなことしたか?
「いやいや、俺たちの話を最後まで聞けよ!国に狙われてて、俺たち命がけなんだって!な?だからさ、少しだけでも匿ってくれないか?」
俺は急いで必死に説明した。
でも、麗華の顔はどんどん冷たくなっていく。
「却下。……帰って。」
「えぇっ!?なんで!?俺たち、ハーレムの一大事なんだぜ!?麗華の家で安全に――」
麗華はピシャリとドアを閉めかけながら、最後に冷たく言い放った。
「そんなの、私の知ったことじゃないわ。あなたたちでどうにかしてちょうだい。」
そして、バタンとドアは閉じられた。
俺たちは、麗華の家の前で完全に置き去りにされた。
「マジかよ……」
ドアがピシャリと閉じられ、俺たちは麗華の家の前で呆然と立ち尽くしていた。
でも、こんなところで諦めるわけにはいかねぇ!
俺はすぐに立ち直り、ドアに向かってトントンとノックした。
「おーい、麗華!ちょっと話を聞いてくれよ!まだ終わっちゃいねぇんだ!」
しばらくの沈黙の後、ドアがギィーと開いて、麗華が再び現れた。
彼女は不機嫌そうな顔をしていたが、俺はお構いなしに頼み続けた。
「頼む、麗華!俺たち、今ほんとにピンチなんだよ!国に狙われてるんだぜ?少しだけでも匿ってくれよ!」
麗華はジト目で俺を見つめ、ため息をついた。
「却下よ。」
「そこをなんとか!」
俺はすぐさま食い下がった。
麗華はドアを閉めかけるが、俺はその隙間に手を挟んで、粘り強く頼み続ける。
「麗華、麗華!俺たちがここで匿ってもらえなかったら、どうなるか分からないんだぜ!雪華も焔華も貴音も、みんな命がかかってんだ!」
すると、麗華は無表情で返した。
「私には関係ないわ。」
「関係ないとか言うなよ!助けてくれよぉぉぉぉ!!」
俺が必死に訴えると、麗華はさらに冷たい声で言った。
「飯田君。あなたの盗聴器、いつから使っていたのかしら?」
俺の心臓が一瞬止まった。
「えっ……いや、それは、その……ちょっと前から……?」
麗華はふっと笑い、ドアをピシャリと閉めかけた。
でも、俺はあきらめない!
「ま、待てよ!盗聴器のことはさておき!匿ってくれたら、俺だってちゃんとお礼するから!ちゃんと麗華のために役立つことするからさ!」
麗華は一瞬考え込むような仕草を見せたが、すぐに首を横に振った。
「……いやよ。」
「ちょっとだけでも頼むって!じゃあ、期間限定でいいんだ!一週間だけ!いや、三日!一日でもいい!せめて寝る場所だけ!」
俺は必死に下がり続けた。
貴音がジト目で俺を見ながらボソッと呟く。
「お兄ちゃん、なんかどんどん惨めになってない?」
でも、俺は諦めない!これが俺の粘り強さだ!
「麗華、俺のハーレムだって守らなきゃならないんだよ!助けてくれよ!麗華、頼むって!麗華ぁぁぁ!!」
ついに俺はドアに縋りついて頼み込んだ。
すると、麗華は再びドアを少しだけ開け、冷静に一言。
「却下」
そして、バタンとドアは閉じられた。
俺たちは、麗華の家の前で完全に置き去りにされた。
「マジかよ……」
俺は呆然と立ち尽くし、ドアをじっと見つめていた。
まさか、あの麗華が却下するなんて……!
隣では、焔華がふんふんと頷きながら、口に手を当てて考え込んでいる。
「ふむ、麗華は中立タイプじゃったな。つまり、わしらの問題には介入せんというわけか。……なるほど。」
「いやいや、納得してる場合じゃねぇだろ!」
俺は叫んだが、貴音がジト目で呟いた。
「……お兄ちゃん、盗聴器でそんなに麗華さんの家のことを把握してるなら、もう少し彼女の気持ちも察してあげたら?」
「おいおい、まさかここまで冷たくされるなんて予想外だろ!」
俺が言い訳をしようとしたその時、雪華が静かに溜め息をつきながら一言。
「さて、麗華さんの家はダメみたいですし……他の対策を考えましょうか、雷丸様?」
みんなの冷静な反応に、俺は肩を落としながらうなだれた。
「はぁ……次の手を考えるしかねぇのかよ……」
いや、待てよ……ここは一つ、作戦を変えるしかないな。
俺はニヤリと笑い、小声でみんなに言った。
「よし、みんな。俺に任せろ。とっておきのネタがあるんだ。」
焔華が狐耳をぴこぴこと動かしながら首を傾げた。
「ほぅ、どんな手を使うつもりじゃ?」
雪華は冷静に不安げな目を俺に向ける。
「……雷丸様、まさか、また奇策では?」
いやいや、奇策じゃねぇ。これは必勝の奥義だ。
俺は自信たっぷりにドア越しに声をかけた。
「おーい、麗華!開けてくれよ!俺たち、本当に困ってるんだって!」
ドアの向こうから、麗華の冷たい声が返ってくる。
「却下よ。帰って。」
「……ふむ、そうくるか。」
俺は一瞬、うんうんと頷き、そして――ニヤリと悪い笑みを浮かべた。
「いいのか、麗華?」
ドア越しに俺の声が響く。麗華は返事をしないが、俺は構わず続ける。
「俺さぁ……前にお前の家の盗聴器で、麗華がトイレに入ったときの音、ぜーんぶ聞いてたんだぜ?」
その瞬間、空気が凍りついた。いや、実際は麗華の家のドアが一瞬揺れた気がする。俺は確信した。これ、完全に効いてるぞ。
「あの時さぁ、麗華がトイレで『ブリッ』って音を立てたの、今でもよーく覚えてるんだよなぁ~。しかも、その後、便器の水を流す音とかも、めっちゃクリアに聞こえてさ……あれ、麗華って案外普通の人間だなって思ったよ?」
焔華が横で目を丸くし、雪華は手で顔を隠しながらも、肩が震えている。
貴音は絶句して、俺を見つめている。
だが、俺は手を緩めない。これが俺の最終兵器だからな。
「なぁ、麗華。もしドアを開けてくれないなら、俺、この話をみんなに広めるけど……どうする?」
ドアの向こうで沈黙が続く。俺はさらに攻めることを決意。
「お前、あの時、確か2回目の『ブリッ』が……」
ガチャリッ!突然、ドアが勢いよく開いた。その瞬間、麗華が現れる。顔は羞恥で真っ赤になり、今にも泣き出しそうな目で俺を睨んでいる
「……やめて………………入れるから」
その一言に、俺は勝利を確信し、ニヤリと笑った。
「ほらな、やっぱり開けてくれたじゃん。」
その瞬間、麗華の顔がさらにすごいことになった。片方の目はピクピクと痙攣し、眉間には深い皺が刻まれ、口元は今にも毒を吐きそうに震えている。
「飯田雷丸………………いつか絶対に殺す」
俺はヘラヘラ笑いながら、手を上げて言った。
「わかったわかった、もう言わないから!じゃあ、俺たち入れてくれるんだよな?」
麗華は大きなため息をつき、渋々ドアを開ける。俺は得意気に振り返り、メンバーにウィンクを飛ばした。
なんだかんだで、俺の粘り強さと悪知恵が功を奏したな!
焔華が苦笑い。「さすがじゃのぅ、雷丸。わしはトイレの話で勝負が決まるとは思わんかったわ。」
雪華もやれやれという顔で肩をすくめる。「……雷丸様、もっと他に普通の方法はなかったのですか?」
貴音は完全に呆れ顔でため息をつき、俺に一言。「お兄ちゃん、次はもっとまともに頼んでよ……。」
でも、なんだかんだで麗華の家への潜入に成功した。これでハーレムパーティーの続行が可能だ!俺は拳を突き上げながら、力強く宣言した。「さぁ、みんな!麗華の家で新たな宴を始めるぞ!」
麗華が小声でボソリと呟いたのが聞こえた。「なんでこんな奴らを入れちゃったんだろう……。」だが、そんなの気にしない!俺たちのハーレム劇場は続くのだ!!
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