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第32話 ハーレム王国建設計画
しおりを挟む俺たちはついに、伊集院家で泊まることが許された。
麗華の母親である静香さんに啖呵を切ってやった結果、ついにこの大豪邸に泊まることができたのだ。
ふかふかの布団に座り込み、俺はホッと一息つきながら、得意満面の笑みを浮かべた。
「ふぅ、さすが俺だな。やっぱり異世界帰りのハーレム王には伊集院家も逆らえねぇみたいだな!」
そんな俺の言葉に、焔華が腕を組んで大きく頷く。
「うむ、雷丸よ、そなたは我らの王に相応しい。わしもこの布団のふかふか具合に感動しておる!」
焔華は布団に突っ伏しながら、ゴロゴロと転がっている。
一方、雪華は少し困惑した表情で周囲を見回していた。
「でも……雷丸様、本当にこれで大丈夫なんですか?静香さん、何か裏があるような気がして……」
雪華の言葉に、俺は大きく胸を張って笑い飛ばす。
「おいおい、心配すんな!俺の交渉術は完璧だ。静香さんだって俺の魅力にやられたんだよ!」
貴音が布団にちょこんと座りながら、冷めた目で俺を見ていた。
「……お兄ちゃん、そんなに自信満々だとまた何かやらかすんじゃないの?」
「なんだよ!信じろよ!俺がハーレム王だってことを!」
俺は胸を張り、布団の上であぐらをかきながら宣言する。焔華が枕を抱え、雪華がきっちり正座している中、俺たちの緊急作戦会議が始まった。
「まずだ!俺が学校に行ってる間、焔華と雪華には伊集院家を守ってくれ!」
「ほう、ここにおれというのか?」
焔華が枕から顔を上げて、不思議そうに目を細める。
「ああ、この豪邸は安全だが、油断は禁物だ。お前たちには屋敷の見回りを頼む。焔華の火の力と雪華の氷の力なら、どんな敵が来てもひとたまりもないだろう!」
焔華はにやりと笑い、拳を握りしめる。
「任せておけ!わしの炎が屋敷を完全に守ってみせるわ!」
「いや、燃やしちゃダメだからな!?守るだけだからな!?」
一方、雪華は微笑みながら静かに頷いた。
「雷丸様、私もできる限りお手伝いします。ですが……私の氷で室温が下がりすぎないよう気をつけますね。」
「そ、それも頼む……!」
そして俺は、隣で何か食べている貴音の方を向き、真剣な目を向けた。
「貴音、お前は絶対に登下校は俺と一緒だ!分かったな?」
貴音は目を丸くして、口に入れたお菓子をもごもごさせながら答える。
「え?でも、お兄ちゃんの学校と私の学校、全然方向違うよ?」
「いいから一緒に行動しろ。国に狙われてるんだぞ!?愛しの妹であり、ハーレムの一員であるお前を一人にさせるわけにはいかねぇだろ!」
その言葉に貴音の顔が真っ赤になり、恥ずかしそうに手を胸に当てる。
「……お兄ちゃん、なんか……すごくかっこいい……!」
「だろ!?」
俺はドヤ顔で胸を張ると、全員の顔を見渡して大きく頷いた。
「よし!これで決まりだな!俺たちのハーレム連携で、どんな敵が来ても怖くねぇ!」
焔華は布団の上でゴロゴロしながら言った。
「ふむ、わしらがいれば問題なかろう。それに、雷丸がおるからな!」
雪華はふわりと微笑みながら、手を胸の前で軽く合わせる。
「雷丸様、どうかよろしくお願いしますね。」
「おう、任せとけ!」
そして貴音が恥ずかしそうに呟く。
「……お兄ちゃん、ありがとう。私、がんばるね!」
俺はその言葉にじーんと感動しながら、全員を見回して拳を突き上げた。
そして、思いついた計画を高らかに宣言する。
「そして俺!俺はこの伊集院家で更なるハーレム拡大を狙おうと思う!」
部屋中の空気がピタリと止まる。
「……狙いは麗華だ!」
――――バタン!
布団を敷いていた焔華が盛大にひっくり返る。雪華は正座のまま手を滑らせ、近くの湯呑みを倒しそうになる。
貴音は目をまん丸くしながら、口をパクパクさせている。
「お、お兄ちゃん!?何を言ってるの!?」
自信満々に語る俺に、焔華が額を押さえて溜息をつく。
「お主……本当にそれができると思っておるのか?」
雪華は再び湯呑みを持ち直し、静かに微笑みながらも冷や汗を垂らしている。
「雷丸様、計画を立てるのは素晴らしいことですが……それは現実的なのでしょうか?」
貴音はついに我慢できず、俺の袖を引っ張りながら必死に止めようとする。
「お兄ちゃん、本当にやめて!麗華さんはお兄ちゃんみたいなタイプを一番嫌うんだから!絶対に失敗するよ!」
俺は3人の心配を一蹴し、ドヤ顔で宣言した。
「大丈夫だって!俺は異世界帰りのハーレム王だぞ?麗華の一人や二人、落とすのは簡単だっての!」
そして俺は、一歩踏み込んだ野望を口にする。
「それだけじゃねぇ!なんなら静香さんもハーレムに入れちゃう!!麗華の次は静香だな!!」
貴音の顔が真っ青になるのが見てわかるくらい、一瞬で場の空気が凍りついた。
「お、お母様まで!?お兄ちゃん、何考えてるの!?それ絶対アウトでしょ!」
雪華は静かにため息をつきながら冷静に言う。
「雷丸様……さすがにそれは危険すぎます。命を賭けるおつもりですか?」
一方、焔華は布団の上で大笑いしながら、腹を抱えて転げ回っている。
「わははは!わしの知る中で最も無謀な男よ!これほど笑わせてくれる奴はおらんわ!」
俺はそんな3人の反応を余裕の笑みで受け流し、さらに堂々と胸を張る。
「本気も本気、大真面目だ!考えてみろ、静香さんは麗華の母親で、この豪邸の当主だぜ?俺が彼女をハーレムに迎え入れたら、俺たちはこの豪邸を手に入れるどころか、呪術師界でも盤石の立場になる!」
貴音は顔を真っ赤にして半泣きになりながら叫ぶ。
「お兄ちゃん、やめて!もう無理!本当に怒られるよ!!お母様なんて絶対落とせるわけないから!」
雪華は溜息をつきながら、冷静な表情で言った。
「雷丸様、それはさすがに”ハーレム計画”の規模を超えています。むしろ”戦争”計画に近いかと……。」
焔華は布団をバシバシ叩きながら大笑いを続ける。
「ふははは!わし、静香がどんな顔するか見てみたいぞ!是非とも挑むがよい!」
一方で、貴音はというと、顔を真っ赤にしながら半泣きで俺の袖を引っ張り、必死に止めにかかってくる。
「お兄ちゃん!本当にやめて!麗華さんもお母様も、そんなこと言ったら絶対に激怒するよ!怒られるどころじゃ済まないから!」
だが、俺の決意は揺るがない。なぜなら、俺は異世界帰りのハーレム王だ!
麗華も静香も、俺のハーレムに入る未来しか見えないんだ!
俺は拳を握りしめ、青白いオーラを全身に纏い始めた。
――そうだ、俺力(おれりょく)をフルチャージする時が来た!
「俺はモテモテだ、俺はハーレム王だ、俺は静香と麗華を手に入れる!」
その宣言に、貴音は「やめてぇぇぇ!!!」と全力で叫ぶ。
雪華は「あぁ、もう止めるのは無理ですね……」とため息交じりで呟き、焔華は布団をバシバシ叩きながら涙を流し続けている。
だが、俺の覚悟は完璧だ。
まずは麗華、次に静香――俺のハーレム王国建設計画は、今ここに始まったんだ!
――――――――――――
翌朝――
俺は廊下に正座させられていた。
正面には麗華が腕を組み、氷のように冷たい視線を俺に向けている。隣では静香が優雅な微笑みを浮かべながらも、目だけはまるで獲物を狙う鷹のように鋭い。
「飯田君。昨日の『ハーレム宣言』について、詳しくお聞かせいただけるかしら?」
静香の柔らかな声が鋭い針のように刺さる。
俺は冷や汗を垂らしながら、「いや、その……あれは、まぁ、ジョークというか……?」と弱々しく言い訳をするが、麗華が冷たく言い放つ。
「ジョークで私とお母さんを巻き込むなんて、あなた本当に最低ね。」
後ろでは、焔華が布団の陰から小声で囁いている。
「くっくっく……雷丸、お主、本当に挑むとはな。結果は惨敗じゃが。」
雪華はため息をつきながら呟く。
「雷丸様、やはり”戦略”と”無謀”は違うということですね……」
貴音は「あぁ……お兄ちゃん……」と顔を覆いながら頭を抱えている。
俺は正座のまま、心の中でそっと叫んだ。
――俺力、まだ足りなかったか……!?
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