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第98話 ターニングポイント1
しおりを挟むその夜、俺はベッドに横になってもなかなか眠れなかった。頭の中はぐるぐると考え事でいっぱいだったからだ。
どの陣営につくべきか――黒瀬か、鳥丸か、それとも伊集院家か。どれも選びがたい。ここは人生の大きな分かれ道だ。
――なんか、今なら少女漫画の主人公の気持ちがわかる気がするぜ。
イケメンたちに次々と言い寄られて、どれを選べばいいか困ってる女の子……ああ、まさにそれだ。黒瀬は冷酷でカッコいいクール系、鳥丸は超金持ちでお調子者のハンサム。そして、伊集院家には俺の静香さん……。
「俺って、めちゃくちゃモテてるじゃねぇか!!」
――いや待て、これ俺の人生だぞ!? 自分でツッコんだものの、頭の中では、少女漫画風に3人のイケメン(黒瀬、鳥丸、静香さん)がそれぞれキラキラ輝きながら俺を見つめているシーンが浮かんでしまって、ますます混乱する。
気づけば俺の脳内は完全に少女漫画の世界に突入していた。
まず一人目は、黒瀬禍月。背後にダークなオーラをまとい、鋭い目つきで俺を射抜いてくる。まるで俺を試すように、片手を差し出しながら、低い声で囁く。
「雷丸、お前が欲しいんだ……俺と共に世界を正しに行こう」
――うわっ、かっこよすぎだろ!でも、お前は敵っぽいし、俺を狙ってんのか!?とか思いつつ、なんか引き寄せられそうだ!
次に現れたのは、鳥丸天道。彼は太陽のように輝く笑顔を俺に向けて、まるで王子様のような優雅さで手を差し伸べてくる。
「雷丸君、君が僕の跡継ぎになれば、君のハーレムをさらに豪華にできるよ!君と一緒なら、どんな夢だって叶えられるさ!」
――おいおい、なんでこんなに爽やかなんだよ!金持ちアピール半端ねぇし、正直ちょっと揺れる!俺のハーレムもこれでグレードアップか……?って、待て、違うだろ!!
そして……まさかの3人目、静香さんがキラキラと登場。彼女はいつも冷静でクールな雰囲気を保ちながらも、どこか優しげな眼差しで俺を見つめている。
「雷丸君……貴方が選んだ道がどれであっても、私は受け入れるわ。ただ、貴方にはここで心の平安を見つけてほしいの」
――静香さんまで!?いやいや、なんで俺にこんなに優しく語りかけてくるんだよ!?そりゃ、静香さんに言われたら……!って、待て待て待て、何この少女漫画展開!?
俺は頭を抱えたまま、心の中で叫んでいた。「なんで俺がイケメンに囲まれてる妄想してんだよ!?ハーレム王なのに、なんか違くねぇか!?」
「困った……俺、完全に少女漫画の世界に入り込んでる……!!」
そうやって悩み続けていたら、気づけば朝。今日一日で頭の中もハートもぐちゃぐちゃだ。ハーレム王も楽じゃねぇって、心底思い知った夜だった。
「よし、まずは状況を整理しよう――」
俺はベッドの上で、無駄に真面目な顔をして考え始めた。さすがハーレム王、頭の中もカオスになったらちゃんと整理する癖があるんだぜ!
まず、一番わかりやすいのは黒瀬。こいつは妖怪殲滅派のリーダーで、冷血な超エリートだ。でもな、大統領の後継として俺を育てるとか言ってたし、まぁ政治家ってのも悪くねぇな……でも、妖怪全滅とか怖ぇよ!俺のハーレムメンバーに妖怪がいるってこと分かってんのか?
次に、鳥丸天道――こいつは正反対。妖怪崇拝派のカリスマリーダーで、10兆円持ってる大富豪。正直、金の誘惑には弱ぇんだよな……ハーレム専用クルーザーとか、ハーレム専用プライベートアイランドとか、夢が広がりすぎて怖ぇ!でもあのテンション、毎日だと疲れるかもな。
最後に、静香さん率いる伊集院家。ここは中立派で、バランス重視って感じだ。静香さんはあんなこと言ってたけど……やっぱり俺にとっては特別なんだよなぁ。ハーレムの平和を守りたいって気持ちはやっぱりここに強く根付いてるし、みんながいるし……でも、静香さんは何もくれないって?いやいや、静香さんの笑顔だけで十分だぜ!なんてね。
――って、待て待て!なんか状況を整理してたはずなのに、頭の中が恋愛相談みたいになってるじゃねぇか!?俺って、こんな少女漫画の主人公みたいな悩み方するタイプだったか?
「くそっ……俺、どこに行きゃいいんだよ!!」
考えて、考えて、さらに考えた。
――そして、ついに決めた。
俺はスマホを取り出し、LINEの画面を開く。そこには、あの三人の名前が並んでいた。伊集院静香、黒瀬禍月、鳥丸天道。
指先である人物の名前をタップし、メッセージを打ち込む。
「話がある、この場所に来てほしい」
送信ボタンを押すと、すぐに既読がついた。待ち合わせ場所の情報も了承が返ってきた。
――俺は覚悟を決め、部屋を出た。ドアを閉めると同時に、心の中で決断が固まっていく。
「俺が目指すべき場所、守るべきものは……!」
階段を一段ずつ降りながら、次第に心臓の鼓動が早くなる。緊張するが、迷いはない。ハーレム王として、俺は自分のハーレムを守り抜く。それが俺の道だ!
「よし……行くぞ!」
そう呟きながら、俺は足を踏み出した。向かう先は――
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