98 / 189
第98話 ターニングポイント1
しおりを挟むその夜、俺はベッドに横になってもなかなか眠れなかった。頭の中はぐるぐると考え事でいっぱいだったからだ。
どの陣営につくべきか――黒瀬か、鳥丸か、それとも伊集院家か。どれも選びがたい。ここは人生の大きな分かれ道だ。
――なんか、今なら少女漫画の主人公の気持ちがわかる気がするぜ。
イケメンたちに次々と言い寄られて、どれを選べばいいか困ってる女の子……ああ、まさにそれだ。黒瀬は冷酷でカッコいいクール系、鳥丸は超金持ちでお調子者のハンサム。そして、伊集院家には俺の静香さん……。
「俺って、めちゃくちゃモテてるじゃねぇか!!」
――いや待て、これ俺の人生だぞ!? 自分でツッコんだものの、頭の中では、少女漫画風に3人のイケメン(黒瀬、鳥丸、静香さん)がそれぞれキラキラ輝きながら俺を見つめているシーンが浮かんでしまって、ますます混乱する。
気づけば俺の脳内は完全に少女漫画の世界に突入していた。
まず一人目は、黒瀬禍月。背後にダークなオーラをまとい、鋭い目つきで俺を射抜いてくる。まるで俺を試すように、片手を差し出しながら、低い声で囁く。
「雷丸、お前が欲しいんだ……俺と共に世界を正しに行こう」
――うわっ、かっこよすぎだろ!でも、お前は敵っぽいし、俺を狙ってんのか!?とか思いつつ、なんか引き寄せられそうだ!
次に現れたのは、鳥丸天道。彼は太陽のように輝く笑顔を俺に向けて、まるで王子様のような優雅さで手を差し伸べてくる。
「雷丸君、君が僕の跡継ぎになれば、君のハーレムをさらに豪華にできるよ!君と一緒なら、どんな夢だって叶えられるさ!」
――おいおい、なんでこんなに爽やかなんだよ!金持ちアピール半端ねぇし、正直ちょっと揺れる!俺のハーレムもこれでグレードアップか……?って、待て、違うだろ!!
そして……まさかの3人目、静香さんがキラキラと登場。彼女はいつも冷静でクールな雰囲気を保ちながらも、どこか優しげな眼差しで俺を見つめている。
「雷丸君……貴方が選んだ道がどれであっても、私は受け入れるわ。ただ、貴方にはここで心の平安を見つけてほしいの」
――静香さんまで!?いやいや、なんで俺にこんなに優しく語りかけてくるんだよ!?そりゃ、静香さんに言われたら……!って、待て待て待て、何この少女漫画展開!?
俺は頭を抱えたまま、心の中で叫んでいた。「なんで俺がイケメンに囲まれてる妄想してんだよ!?ハーレム王なのに、なんか違くねぇか!?」
「困った……俺、完全に少女漫画の世界に入り込んでる……!!」
そうやって悩み続けていたら、気づけば朝。今日一日で頭の中もハートもぐちゃぐちゃだ。ハーレム王も楽じゃねぇって、心底思い知った夜だった。
「よし、まずは状況を整理しよう――」
俺はベッドの上で、無駄に真面目な顔をして考え始めた。さすがハーレム王、頭の中もカオスになったらちゃんと整理する癖があるんだぜ!
まず、一番わかりやすいのは黒瀬。こいつは妖怪殲滅派のリーダーで、冷血な超エリートだ。でもな、大統領の後継として俺を育てるとか言ってたし、まぁ政治家ってのも悪くねぇな……でも、妖怪全滅とか怖ぇよ!俺のハーレムメンバーに妖怪がいるってこと分かってんのか?
次に、鳥丸天道――こいつは正反対。妖怪崇拝派のカリスマリーダーで、10兆円持ってる大富豪。正直、金の誘惑には弱ぇんだよな……ハーレム専用クルーザーとか、ハーレム専用プライベートアイランドとか、夢が広がりすぎて怖ぇ!でもあのテンション、毎日だと疲れるかもな。
最後に、静香さん率いる伊集院家。ここは中立派で、バランス重視って感じだ。静香さんはあんなこと言ってたけど……やっぱり俺にとっては特別なんだよなぁ。ハーレムの平和を守りたいって気持ちはやっぱりここに強く根付いてるし、みんながいるし……でも、静香さんは何もくれないって?いやいや、静香さんの笑顔だけで十分だぜ!なんてね。
――って、待て待て!なんか状況を整理してたはずなのに、頭の中が恋愛相談みたいになってるじゃねぇか!?俺って、こんな少女漫画の主人公みたいな悩み方するタイプだったか?
「くそっ……俺、どこに行きゃいいんだよ!!」
考えて、考えて、さらに考えた。
――そして、ついに決めた。
俺はスマホを取り出し、LINEの画面を開く。そこには、あの三人の名前が並んでいた。伊集院静香、黒瀬禍月、鳥丸天道。
指先である人物の名前をタップし、メッセージを打ち込む。
「話がある、この場所に来てほしい」
送信ボタンを押すと、すぐに既読がついた。待ち合わせ場所の情報も了承が返ってきた。
――俺は覚悟を決め、部屋を出た。ドアを閉めると同時に、心の中で決断が固まっていく。
「俺が目指すべき場所、守るべきものは……!」
階段を一段ずつ降りながら、次第に心臓の鼓動が早くなる。緊張するが、迷いはない。ハーレム王として、俺は自分のハーレムを守り抜く。それが俺の道だ!
「よし……行くぞ!」
そう呟きながら、俺は足を踏み出した。向かう先は――
0
あなたにおすすめの小説
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
学年一可愛いS級の美少女の令嬢三姉妹が、何故かやたらと俺の部屋に入り浸ってくる件について
沢田美
恋愛
名門・雄幸高校で目立たず生きる一年生、神谷悠真。
クラスでは影が薄く、青春とは無縁の平凡な日々を送っていた。だがある放課後、街で不良に絡まれていた女子生徒を助けたことで、その日常は一変する。救った相手は、学年一の美少女三姉妹として知られる西園寺家の次女・優里だった。さらに家に帰れば、三姉妹の長女・龍華がなぜか当然のように悠真の部屋に入り浸っている。名門令嬢三姉妹に振り回されながら、静かだったはずの悠真の青春は少しずつ騒がしく揺れ始める。
~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。
スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~
榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。
彼はその日から探索者――シーカーを目指した。
そして遂に訪れた覚醒の日。
「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」
スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。
「幸運の強化って……」
幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。
そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。
そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。
だが彼は知らない。
ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。
しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。
これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~
エース皇命
ファンタジー
学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。
そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。
「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」
なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。
これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。
※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる