異世界帰りのハーレム王

ぬんまる兄貴

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第137話 ワールドカップ32

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 歓喜に震えるチームメイトたちと抱き合い、頭をグシャグシャに撫でられる。

 
 涙を流しながら笑い、声を張り上げる仲間たちの姿に、俺もつられて笑った。
 俺たちは”勝った”んだ――ワールドカップで、スペイン相手に。
 

 その余韻に浸りながら、ふと背後に”巨大な影”を感じる。

 
 そこにいたのは――


 カルロス・トーレス。
 

 スペインの無敵の闘牛が、でかい体を堂々と揺らしながら俺の前に立っていた。
 汗にまみれ、息を荒くしながらも、その顔には――晴れやかな笑顔が浮かんでいた。
 



「……雷丸、お前やっぱり最高だ!!!」


 
 その瞬間、ガシッ!!!と俺の手を掴む。


 
 ――いや、掴むってレベルじゃねぇ!!!


 
 ゴリゴリの握力で、俺の手をガッチリと握り潰さんばかりに締め上げる。
 まるで”握力測定機”を全力でぶっ壊しにかかっているような力強さ。



「お、おい、力強すぎだろ!? 手が折れちまうって!!!」


 
 必死に叫ぶが、カルロスはニカッと笑ったまま、一向に緩める気配がない。
 そのまま、さらにグイッ!!と俺の腕を引っ張り―

 

「えっ、おい……?」


 
 ――持ち上げられた。

 まるでぬいぐるみみたいに、軽々と片手で。


 
「お、おいおい!!またかよ!!!」



 気づけば俺は、カルロスに片手で持ち上げられ、頭の上へと掲げられていた。


 
 観客席がどよめき、仲間たちが大爆笑する。



 そして――


 
 実況席が興奮の声を上げる。

 

「な、なんと!!!試合を決めた飯田雷丸選手が、カルロス・トーレス選手に片手で持ち上げられています!!!」
「これは、先日SNSで話題となった”トーレス選手の人間トロフィーパフォーマンス”ですね!!!」



 カルロスは豪快に笑いながら俺を誇らしげに掲げ続ける。
 その姿は、まるで優勝トロフィーを掲げる王者のようだった。

 
 観客席ではスペインサポーターまでもが拍手を送り、日本サポーターは涙を流しながら笑っていた。
 

 
「おいおい!!誰か止めろ!!!俺はトロフィーじゃねぇんだぞ!!!」


 
 しかし、カルロスは降ろす気ゼロ。
 むしろさらにポーズを決めながら、カメラに向かって笑顔を振りまいている。


 
「ははは!! これが俺からの祝福だ!!!」
 
「どんな祝福だよ!? 俺を降ろせぇぇぇぇ!!!!」


 
 俺の絶叫が響く中、スタジアムは笑いと歓声に包まれていた。
 この日、日本代表はワールドカップで歴史を作った――色んな意味で。



 
 ――――――――


 
 
 ホテルの部屋に戻るなり、俺はスマホを取り出し、迷うことなくビデオ通話を立ち上げた。
やっぱり、まずはハーレムメンバーに勝利を報告しないとな!



 通話の接続音が鳴り、数秒後――


 
〈ピッ〉



 画面に映し出されたのは、すでにスタンバイしていた5人の美しき女性たち。


 雪華、焔華、貴音、麗華、そして静香さん――俺の誇るハーレムメンバー!


 みんな興奮した様子で画面の向こうから俺を見つめている。
 まだ俺が何も言っていないのに、全員の視線がキラキラと輝き、期待に満ちているのが伝わる。



 次の瞬間――


 
「雷丸様!!!すごかったです!!!」



 勢いよく声をあげたのは雪華だった。
 画面越しにも伝わる興奮と喜び。
 白銀の髪をふわりと揺らしながら、目を潤ませ、まるで歓喜の涙を流しそうな勢いだ。


 
「もう……!もう……!どうしようかと思いましたよ!!
 最後のシュート、すごすぎて心臓が止まりそうでしたぁ!!!」



 彼女の可憐な表情が、今は完全にファン少女のそれになっている。


 頬は紅潮し、目はうるうる。手をぎゅっと握りしめている姿が妙に可愛い。



 すると今度は、焔華が画面に割り込んできた。


 
「さすが雷丸じゃぁぁぁ!!!!」

 


 まるで歓喜の雄叫びのように叫びながら、今にも飛び跳ねそうな勢いで前のめりになっている。
 
 

「最初から最後まで、目を離せなかったわ!
 特に、最後の”雷速フェイント”じゃ!あれは反則じゃ!
 カッコよすぎて、心臓に悪い!!」



 そう言って、焔華はポンポンとソファのクッションを叩いている。
 どうやら感情の行き場がなくなってしまったらしい。



「お兄ちゃん!!」


 
 次に元気いっぱいの妹は、俺を見つめながら飛び跳ねる勢いで声を上げる。


 貴音の瞳がキラキラと輝き、画面の向こうでぴょんぴょんと跳ねながら、勢いよく声を上げた。


 
「お兄ちゃん! 超すごかった!! 世界一かっこいい!!」


 その無邪気な笑顔と全力の褒め言葉に、思わず口元が緩む。


 
「そうだろそうだろ!」



 俺が胸を張ると、貴音はさらに興奮した様子で手をぶんぶんと振り回しながら続ける。
 
 

「試合見ながら、ずっと応援してたんだから!もう、ゴール決めたときなんて、私、家の中で”ぎゃああああ!”って叫んじゃったよ!」



 うん、それは容易に想像できる。
 というか、近所迷惑になってないか心配だ……。



「飯田君」



 麗華が落ち着いた声で語りかける。
 その視線には優しさと労いが込められている。


 
「結果は素晴らしかったけど、途中で宙に浮いてた時は、本当に大丈夫なのかって心配したわよ。」

「……あ、あぁ、あれな…………。でも、ちゃんと着地したからノーダメージだ!」



 俺が胸を張ると、麗華は小さくため息をつく。


 
「ならいいけど。」



 そして、一言。


 
「お疲れ様、カッコよかったわよ。」



 ――でた、ツンデレ!



「雷丸君。」



 静香さんが優雅な微笑みを浮かべながら口を開く。
常に落ち着いている彼女だが、その表情からは確かな喜びと誇りが伝わってくる。


 
「私……本当に胸がいっぱいで、言葉にできないくらい感動したわ。
正直、こんなに心を揺さぶられる試合を観たのは初めてよ。」



 画面越しにも伝わる、柔らかな眼差し。
 それは、まるで優しく見守る母親のようでもあり、ひとりの女性としての敬意も感じられるものだった。


 
「あなたが最後まで諦めず、全力を尽くして勝ち取った勝利……
私は、あなたのそんな姿がとても誇らしいわ。」



 そう言って、静香さんは優しく微笑んだ。



 ――なんというか。



 俺、めっちゃ愛されてるな!!!


 画面の向こうで、俺を称え、喜び、祝福してくれる彼女たち。
 その笑顔を見ているだけで、全身に幸せが広がっていく。


 
「……よし!!これで優勝して、もっとカッコいいところ見せてやるよ!」



 そう宣言すると、画面越しのハーレムメンバーたちは一斉に歓声を上げた。



「言いましたね!? 絶対優勝ですよ!!!」



 雪華が目を輝かせながら、勢いよく叫ぶ。
 まるで推しのライブでコールを入れるかのような興奮ぶりだ。


 
「約束ですからね!? 雷丸様が優勝するって、私はもう信じてますから!!!」



 顔を紅潮させ、両手を胸の前でぎゅっと握りしめる姿が可愛らしい。



「その言葉、忘れるでないぞ?」



 焔華が腕を組みながら、ニヤリと笑う。
 その表情は、期待と興奮に満ちていた。


 
「ワシがここまで惚れた男じゃ! ならば、世界の頂点に立ってみせるんじゃな?」



 まるで戦国時代の武将のような言い回しで、俺の覚悟を煽ってくる。



「お兄ちゃん、めっちゃ楽しみにしてるからね!」



 貴音は画面越しに満面の笑みを見せながら、小さく跳ねている。


 
「決勝戦、ぜったい観るよ!! もう、応援の準備もバッチリだからね!」

「そっかそっか! お前の声援があれば、俺はもっと強くなれるな!」

「うん! だから、頑張ってね!」



 妹の無邪気な笑顔を見ていると、ますます負けるわけにはいかねぇって気持ちが湧いてくる。



「本当に調子いいんだから……。」



 麗華はため息混じりにそう言いながらも、その瞳には確かな信頼が宿っている。


 
「まったく……そういう自信満々なところ、ちょっとずるいわよね。」

「ははっ、俺だからな!」



 そう得意げに言うと、麗華はくすっと微笑んだ。
 その微笑みは、どこか嬉しそうだった。



「最後まで、全力で戦いなさいね。」



 最後に、静香さんが静かに、しかし力強く言葉を紡ぐ。
その声は優しくもあり、どこか母性的な温かさを感じさせる。


 
「あなたの戦いは、もう十分に誇れるものよ。でも、ここで終わらせるつもりはないでしょう?」

「ああ、もちろんだ!」

「なら、迷わず突き進みなさい。あなたが選んだ道を――最後まで。」



 画面越しの静香さんの眼差しに、俺は深く頷いた。



「よし!! ぜってぇ優勝するから、楽しみにしてろよ!!!」



 再び力強く宣言すると、彼女たちは一斉に「うん!」と頷いた。


 俺はスマホを握りしめながら、深く息を吸う。
 ハーレムメンバーの期待、応援――全部が、俺の力になる。


 この瞬間、俺は確信した。


 
 “俺は、優勝する”



 そして――
 この勝利を、彼女たちに捧げるんだ!!!


 
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