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第164話 富士の樹海2
しおりを挟む俺はベッドに寝転びながら、スマホを片手にSNSを眺めていた。投稿したばかりの「俺実はめっちゃ妖怪好きなんだよね!!なんか妖怪の情報プリーズ!!」に、瞬く間に大量のリプライが集まっていた。
「お、さっそく来た来た!」
画面をスクロールすると、妖怪の情報がズラリ――と思いきや、その内容は玉石混交、いやほぼ石だった。
「うちの近所に河童いるよ!」「妖怪って言ったらトイレの花子さんっしょ!」「牛の頭が見える、家の冷蔵庫にいたんだ!」とか、役に立たなそうな情報ばっかりだ。
「おいおい、真剣に探してんのにトイレの花子さんって……。どこのトイレにいるんだよ」
さらにスクロールしていくと、あるリプライが目に止まった。
「ハーレム王!!富士の樹海で天狗いた!!しかもめっちゃ美人!!」
「……おおっ!?これは……!」
思わず画面を二度見した。富士の樹海、しかも美人の天狗!?これはかなり気になる情報じゃねぇか!
でも、コメント欄を見てみると、周りの反応は「嘘乙」「はいはい、次のネタ待ってるぞ」「美人の天狗とかお前の妄想だろ?」とか、完全に相手にされてない。みんな信じてないみたいだが、俺の直感が「これは本物かも?」って叫んでる。
俺はすぐさま、その「富士の樹海で美人の天狗を見た!」って書き込んだアカウントにDMを送ることに決めた。こんな情報、逃すわけにはいかねぇ!
「よっ、ハーレム王だ!その天狗の話、もう少し詳しく教えてくれないか?」
送信ボタンを押すと、早速、スマホの画面をじっと見つめる。数分の沈黙――からのピコッ、返信が来た!
「マジで聞きたいの?信じてくれる?」
「もちろん!俺の妖怪愛に偽りなしだ!」
しばらくの間、投稿者はドキドキを煽るような「……」の入力中マークを繰り返したが、ついに「実はさ…」と前置きしながら語り始めた。その話はこうだ――彼が富士の樹海を探検していたとき、ふと霧の中から羽を持った美しい天狗が現れたらしい。長い黒髪に鋭い目つき、背中には見事な黒い羽。彼女の凛とした表情の中には、少し寂しげな雰囲気も漂っていたそうだ。
「その天狗、何かを探しているような目をしてたんだ…」
おお!なんか妙にリアルじゃねぇか!俺の妖怪ハンターの勘がビビッと反応してるぞ。これは間違いなく本物だ!俺はさらに食い気味で返信を返した。
「よし、その天狗に会いに行く!場所、教えてくれ!」
投稿者がちょっと驚いた絵文字を送ってきたあと、樹海の中でも比較的人が行かないようなスポットを教えてくれた。さっそく富士の樹海に向かう準備を始める俺。鏡の前で髪をかき上げ、「天狗が見惚れるイケメン、完璧だな」と軽くチェックして、気合いも十分。
「ハーレム王の新章、スタートだ!」
――――――――――
その日の茶の間は、まるで秘密結社のアジトみたいだった。全員が円卓に座り、せんべい片手に俺のテンションMAXな天狗の噂話に耳を傾けている。これが俺のハーレムたちとの作戦会議。言い換えれば、ハーレム作戦の第一歩ってわけだ!
隣では焔華が「ふむ、天狗とはな……」とまるで仙人のような渋い顔で相槌を打ちながら、ポリッとせんべいを齧る。なんだ、その妙に深い表情は?お前絶対何もわかってねぇだろ。
その隣では雪華が、やっぱりせんべいをかじりながら「天狗ですか~」とほんわか微笑んでる。どんな話をしても、全てに和む反応を出すのが彼女らしいよな。おかげで俺も、なんかほんわかしてくる。
麗華もクールな顔でせんべいをつまみ、黙々と食べている。その表情、もはや美食のレベルに見えてきた。いや、そんなに味わうものじゃないから!普通のせんべいだよ?
貴音はと言うと、せんべいを小さくかじりながら「天狗……仲良くなれるかな……?」と顔を赤らめて聞いてきた。まるで新しい先生が来るって聞いた小学生みたいに、ソワソワしてるじゃねぇか!
そんなこんなで俺がその後も「美人の天狗」とか「新メンバー加入のチャンス!」とかますますテンションを上げながら語り続けていた。その場の空気もだんだん盛り上がってきたところで――。
静香がふと、湯飲みをゆっくりと置いた。その動作があまりにもスムーズで、何か特別な雰囲気を醸し出している。静かで洗練された動きに、全員が一瞬で彼女に注目した。
静香は落ち着いた表情で、柔らかな声で話し始めた。
「確かに、天狗がいる可能性は高いわね……。」
全員が耳をそばだてる中、静香の言葉は続く。
「富士山は日本でも特に霊的な力が強い場所として知られているわ。そして、呪術師の間でも富士山で天狗を目撃したという話が多いの。特に最近、富士山周辺で強力な霊力の波動が確認されているそうよ。それが天狗と関係している可能性は否定できないわ。」
その言葉に、俺の心は一気に沸騰した。
「じゃあ、やっぱり天狗がいる可能性は高いんだな!?俺の妖怪センサーは正しかったぜ!」と、思わず拳を握りしめる。
静香は微笑みを浮かべながら優雅に頷いた。そして、再び湯飲みをテーブルに置き、俺たちに向き直って言った。
「じゃあ雷丸君たちに調査をお願いするわ。私たちのハーレムに、天狗の華を添えるために。」
「任せてくれ、静香さん!」
俺は気合たっぷりで拳を握りしめた。頭の中では、美人の天狗と肩を並べての俺の未来が、鮮やかに思い描かれていた。このミッションが成功すれば、ハーレム王としての新しいステージが開ける!
静香さんが満足げに微笑んで、「きっと素敵な出会いになるわよ。ハーレム王として、期待しているわ、雷丸君」と最後に一言。
よし、俺はもう準備万端だ!ハーレム王として、新たな仲間を迎えるために、全力で突き進むだけだぜ!
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