異世界帰りのハーレム王

ぬんまる兄貴

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第184話 富士の樹海22

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【霧羽視点】

 

 パチパチと薪がはぜる音が耳に届き、私はぼんやりと目を覚ました。視界に入ったのは、焚き火の向こうでこちらに気づき、ニカッと笑う雷丸の姿だった。


 
「お、起きたか、霧羽!」



 その明るい声に、私は微かに眉を動かす。すでに日は沈み、夜の静寂が辺りを包んでいる。焚き火の温かな光が雷丸の顔を照らし、揺れる影が私たちの間に不思議な距離感を作り出していた。


 私はぼんやりと記憶を手繰り寄せる。殲滅派の斑鳩に完敗し、夜嵐――そして銀嶺、黒塵、煌羽、影鷹が乱入してきて。そして……雷丸に助けられて――。


 
「私は……」



 呟くように口を開くと、雷丸が焚き火越しに軽く肩をすくめながら答える。


 
「気絶してたんだよ。」



 悔しさが胸を締め付ける。情けなさが込み上げて、思わず俯きながら小さく呟いた。


 
「すまない……負けた上に……足を引っ張ってしまったな……」



 すると、焚き火越しに雷丸が鼻で笑いながら軽く肩をすくめた。その顔には、いつもの軽いノリが浮かんでいる。


 
「気にすんなって!むしろ霧羽がぐったりしてたおかげで、“男気ダッシュ”する機会ができたんだからな!」



 雷丸の言葉に、私は思わず顔を上げた。……なんだ?その、聞いたこともない言葉は。興味が湧いてつい問い返してしまった。

 

「……男気ダッシュ?」


 
 その瞬間、雷丸は待ってましたと言わんばかりに胸を張り、得意げにニカッと笑った。

 

「おう!いかにカッコよく逃げるかって技だ!ただ走るんじゃなくて、こう、背中で語る感じでな!」


 
 背中で語る?何を?私は首を傾げる。だが、雷丸は気にする様子もなく、勢いよく話を続ける。

 

「まず霧羽を背負ってさ、俺の背中がこう、頼れる男のオーラを放つわけよ!」


 
 ふむ、頼れる男のオーラ……なるほど。雷丸の背中にそんなものが漂っていたのか?私はその場で思い返してみるが、正直あまり覚えていない。背負われていた間、視界がぼやけていたし、何より……気絶していたしな。

 

「周りには雷がビリビリ走って、地面を蹴るたびに小さな稲妻が散る!そんで、俺の風を切る疾走感が夜の山道を駆け抜けるんだ――」

 
 
 雷丸は焚き火を背に、大げさなポーズを取りながら“男気ダッシュ”を熱弁する。目は輝き、声には自信が満ちている。私もつい、引き込まれるように頷いてしまった。


 
「……なるほど。それはとても……カッコいい逃げ方だ。」


 
 言葉を選びながら返事をすると、雷丸はますます得意げに笑う。

 

「だろ!?お前も分かってきたな!俺の背中を見たら、何か感じるものがあっただろ?」


 

 雷丸が自信たっぷりにそう問いかけてきた。私は少しだけ考え、天狗として正しい答えを導き出そうとした。


 
「……そうだな。お前の背中を見て、山の急な崖道を登る熊の背中を思い出した。」


 
 自分でも完璧な例えだと感じて頷く。

 山では熊が背中で語るような存在感を放つのはよく知られていることだ。大地に根を張る木々の間を力強く駆ける熊――その姿と雷丸の“男気ダッシュ”は確かに重なるところがある。

 
 だが、雷丸は一瞬ポカンとした後、慌てて首を振った。


 
「いやいやいや!何だよ熊って!?熊と俺の背中を一緒にすんな!もっとこう、人間らしい例えで頼むよ!」



 雷丸が必死に訂正してくるのを見て、私は少し首をかしげた。


 
「熊は山の象徴の一つだ。力強さと威厳を備えた生物を例に挙げるのは、天狗として当然のことだろう。」

「俺、熊じゃねぇって!もうちょっと“男のカッコよさ”とか、そっち方面で考えてくれよ!」


 

 彼の切実な訴えに、私は再び思案する。どうやら、雷丸の求める“カッコよさ”は熊では足りないらしい。


 
「ならば……滝を飛び越えるサルの背中だ。」

「サル!?いや待て、もっと悪化してるじゃねぇか!!」


 
 雷丸が大声でツッコミを入れる。私は今度はどこがいけなかったのか分からず、さらに首をかしげた。


 
「サルは山での俊敏さと知恵を象徴している。滝を飛び越える姿はまさにお前の“男気ダッシュ”そのものだと思うが?」

「いやいや!もっとさ、ヒーローっぽいやつがいいんだよ!」


 
 彼の反論に私は考えを巡らせるが、いまいち納得がいかない。山における動物たちは、どれもその力強さや機敏さで語られるべき存在だ。それを否定されるとは、人間の考え方は本当に不思議だ。


 
「では……崖を滑り落ちる鹿の背中ではどうだ?」

「いや、それ完全に事故だろうが!!」


 
 雷丸が全力でツッコミを入れ、頭を抱える。


 
「雷丸、お前は文句ばかりだな。自然は我々天狗にとって最も尊ぶべきものだ。お前ももう少し自然に感謝するべきだと思うが。」

「いや、俺そんなナチュラリストキャラじゃねぇから!!」



 どうやら人間には、人間独特の価値観があるようだ――興味深い。



「お前たち人間の考え方は、なかなか難しいな。」

「いや、普通だろ!お前が特殊なんだよ!」


 
 雷丸が勢いよく突っ込んでくるが、私はその言葉を軽く流しつつ、心の中でやはり熊が一番正確なたとえだったと結論づけた。


 そして、不満そうに焚き火の前で転げ回る雷丸を見て、ふと思ったことを口にした。

 

「でも、雷丸が一生懸命だったのは分かる。私を守るために、全力で走ってくれたのは……その、嬉しかった。」


 
 その一言に、雷丸がピタリと動きを止めた。そして、焚き火越しにこちらを見て、少しだけ赤くなった顔で小さく呟いた。

 

「……な、なんだよ、そういうのは先に言えよな……。」


 
 私はその様子を見て、胸の奥が少しだけ暖かくなるのを感じた。やはり雷丸は、不思議と頼れる存在なのかもしれない。

 

 ふと、雷丸が焚き火に目を向けながら言葉を続けた。


 
「それにしても、霧羽のお義父さん、怖かったぜ。あの冷たい目、人間をまるでゴミでも見るかのようなあの態度……天狗って全員あんな感じなのか?」

 

 雷丸の冗談っぽい雰囲気は消え、純粋な疑問が浮かぶ顔になっていた。その問いに、私は少しだけ考え込んだ後、静かに答える。


 
「そうだな……天狗たちの中には、人間を害であり敵だと考える者が多い。それが当たり前だと思われているし、夜嵐もそうだ。」



 ふと焚き火の光が揺れる中、雷丸が顔を上げて問いかけた。


 
「なるほどな……でもさ、なんで天狗の中で、霧羽だけは、共存できるって思ってくれるんだ?その理由は?」


 
 彼の瞳には真剣な色が宿っていた。軽口を叩いてばかりの雷丸から、こういう質問が飛んでくるのは少し意外だった。私は少し考え込み、炎のゆらめきを見つめながら静かに口を開いた。


 
「理由……か。」


 
 言葉を選ぶように、慎重に思いを巡らせる。天狗として生まれ育ち、父である夜嵐の教えを受けてきた日々。その中で、どうして私は他の天狗とは違う考えを持つようになったのか――。


 
「……きっと、母の影響だと思う。」


 
 焚き火に照らされた私の影が、地面に伸びて揺れる。雷丸が首を傾げた。


 
「お母さん?」


 
 私は静かに頷き、続けた。


 
「私の母は人間だった。だから、私の中には、人間の血が流れている。」


 

 その一言に、雷丸の顔が驚きで少し強張る。焚き火の明かりに照らされた彼の目には、信じられないという色が浮かんでいた。それでも私は、その反応を気にすることなく、続けて言葉を紡ぐ。

 

「母は、妖怪と人間が共に生きられる世界を夢見ていた。互いを理解し、手を取り合うことができると信じていたんだ。」

 

 私の声は、いつの間にか少し震えていた。焚き火の音が静寂の中で響く。

 

「だけど……母はその志半ばで命を落とした。人間と妖怪の対立の中で、彼女の命は奪われた。」

 

 雷丸は口を開きかけたが、何も言わずに私を見つめている。その沈黙が、かえって私の心に重く響いた。

 

「でも、母の夢は私が引き継ぐ。簡単なことじゃないのは分かっている。それでも、母が信じた世界を諦めたくないんだ。」

 

 焚き火の揺れる光に包まれながら、私は静かにそう語った。言葉を発するたびに、母の笑顔やその優しい声が胸に浮かぶ。心の奥底にある想いを口にするのは、どこか不安でもあり、少しだけ勇気が必要だった。

 

 その時、焚き火越しに雷丸の視線が私を捉えた。彼はじっと見つめ、少しだけ口元を引き締めている。そして、低く真剣な声で言葉を絞り出した。

 

「……すげぇな」

 

 その一言が、私の心を不意に打った。彼は驚いたような、それでいてどこか感心しているような顔をしている。焚き火の光がその顔を揺らし、彼の目に強い輝きが宿っているのが分かった。

 

 次の瞬間、雷丸はその勢いを増した。

 

「すげぇよ!霧羽!!」

 

 その言葉は、焚き火の爆ぜる音よりも強く響いた。あまりにも突然で勢いがありすぎて、私は思わず目を丸くした。ただ過去を話しただけなのに、どうして彼はそんなに熱くなれるのか――不思議だった。

 

 しかし、雷丸はそのまま止まらずに続けた。

 

「普通さ、どれだけ強い意志を持ってたって、周りに流されちまうもんだよ。でもお前は、どんな環境にいようと自分の信念を曲げなかったんだろ?それって、すげぇよ霧羽!!本当にすげぇ!!」

 

 彼の声は熱を帯びていて、まるで自分のことのように誇らしげだった。その勢いに押され、私は思わずぽかんとする。

 

「いや……そんなことは……」

 

 思わず否定しようとしたけれど、彼の熱意に圧されて言葉が詰まる。焚き火の光に照らされた彼の笑顔は、どこか不思議な力を持っているようだった。



「なんか、色々納得したわ!そうだよな、それほど強烈な意志力を持ってるお前が、崇拝派に対して“夜嵐の考えに同意します!”なんて、死んでも言うわけねぇよな!」

 

 その言葉に驚いて彼を見つめると、雷丸は急に頭をかきながら、少しだけ申し訳なさそうな顔をした。

 

「だからさ……あの時、俺、怒ったりしたけど……悪かった!お前の気持ち、ちゃんと考えてやれてなかったんだよな……。」

 

 私は何か返そうとしたが、雷丸はそれを遮るように、力強い声で続けた。

 

「でもな!今分かったんだ、お前はそのままでいい!!いや、むしろそのままがいい!!」

 

 焚き火の音が彼の言葉に重なり、山の静寂に響く。それはどこか荒削りで、熱っぽくて、だけど嘘のない言葉だった。

 

「お前のその真面目さ、誠実さ、愚直さ、頑固さ……全部気に入った!」

 

 その一言に私は、言葉を失った。気づけば焚き火の温かさとは違う、胸の奥がじんわりと暖かくなる感覚に包まれていた。

 

「……雷丸、そうやって何でも簡単に褒めるのは軽率だぞ。」

 

 つい口をついて出た言葉だったが、心の中では不思議と雷丸の言葉が響いていた。雷丸はニカッと笑い、指で焚き火を指し示す。

 

「軽率じゃねぇよ。俺は本気だ。ただ、褒める時は全力で褒めるのが俺の流儀なんだよ!」

 

 その言葉に、私は思わず小さく吹き出した。彼の真っ直ぐさが滑稽にすら思えたが、それが妙に心地よかったのも事実だった。

 
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