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アオイが祭壇の隣の部屋の扉をノックする。
「何事だ。」
静かな低い低音の声が応える。
「アオイです。入ってよろしいですか?」
「ああ。この道で来るとは何があった?」
そこは神官長の自室だった。
「親父様、倭の国から来たユカです。祈りの間の壁から現れました。
ユカ、神官長のクオンで私の父だ。」
クオンは、アオイそっくりだったけど、髪に白い物が混じり厳しい顔立ちでニコリともしない。
「は、初めまして。
えっと、あの、、私帰りたいんだけど、どうしたら帰れますか?」
クオンは私の言葉より私の赤い腕輪に釘付けだ。
「それはユカ殿のか?」
「はい。御先祖から伝わる物です。これでさっき扉が開いたからビックリしました。」
クオンの目が一瞬、見開いた。そして何かを考えている。
「約束の物を待って来られたという事か?」
「あの~アオイからも聞かれたけど、それって何なんですか?この腕輪の事?」
「イヤ違う。が、腕輪を見せてもらおうか。」
外して渡すと彫り物をジッと見ている。
「これは我々が作った物で1000年前の物だ。我々は100年毎に彫る模様を変えるのだ。今はこれだ。」
とアオイと同じ花の模様を見せた。
「えっ!そんな昔の物だったの!ずっと家にあった物と聞いてたから。」
「他に何か伝わる物は?」
「翡翠の指輪があるけれど家にあるわ。」
私に腕輪を返しながらクオンが反応した。
「その指輪が約束の物の可能性が高い。是非、届けてもらいたい。我が一族は待ちわびている。
貴方が帰れる方法は神官長直系者のみの伝承で伝わっている。」
「じゃー帰れるのね!」
クオンが手で制する。
「ただ試した事がないから、やってみないとわからない。」
「親父様、私もついて行きたいです。
私が約束の物に触れれば反応するので、確かめたい。確実に持ち帰りたいんです。」
クオンはしばらくアオイの目を見ていた。
「わかった。では、早速、今から頼む。我々は長い間、待ち過ぎた。」
早速、3人は祈りの間に移動した。
祈りの間に着くと、クオンが祭壇に飾られている螺鈿細工をユカが出て来た岩に取り付ける。
「あっ!これ見た事あるよ。水晶も同じだ。
私はこれのついた扉に入ってこちらに来たの。でも、部屋が光ってないわね?
私が見たときは満月の夜で部屋の中は輝いてたわ。」
クオンが初めて笑った。
笑うとアオイの優しい感じにソックリだ。
「うむ。我々は月の一族だから問題ない。この身に月の光を宿しているのだ。クオン、頼んだぞ。」
「月の一族!?お月様ってこと?」
ユカはますます混乱してきた。
アオイが微笑んでユカと手を繋いでくる。
「はい、親父様。ユカ、怖くないよ。手を離さないでね。入ろう。」
手を引かれ真っ暗な壁の中の部屋に入った。
アオイが何かを唱えると指輪が光る。
部屋がボッーと明るくなった。
「親父様、必ず持ち帰ります」
外のクオンへ決意を伝え、ユカがここに来た時に横に引いて開けた石の扉を閉じた。
(ここに来た時は真っ暗だった。本当に帰れるの?)
アオイの手を更に強く握った。
「ユカ、大丈夫だよ。不安なら目をつぶってたらいいよ。じゃーはじめるよ。」
扉には模様が掘ってある。
アオイがそこに手を当て呪文を唱える。
一瞬にして光の渦が出現して七色の光が溢れて2人の体が浮き上がる。
そして来た時と同じように突然暗くなり地面に足が着いた。
2度目とはいえ、ドキドキしちゃう。
指輪の薄明かりの中、見覚えのある物をユカが見つけた。
「あっ!蔵だ!戻ったよ!私の家の蔵よ。」
そう言うと、蔵の扉を開いた。
そこは家の庭で空を見上げれば月が輝いていた。
「何事だ。」
静かな低い低音の声が応える。
「アオイです。入ってよろしいですか?」
「ああ。この道で来るとは何があった?」
そこは神官長の自室だった。
「親父様、倭の国から来たユカです。祈りの間の壁から現れました。
ユカ、神官長のクオンで私の父だ。」
クオンは、アオイそっくりだったけど、髪に白い物が混じり厳しい顔立ちでニコリともしない。
「は、初めまして。
えっと、あの、、私帰りたいんだけど、どうしたら帰れますか?」
クオンは私の言葉より私の赤い腕輪に釘付けだ。
「それはユカ殿のか?」
「はい。御先祖から伝わる物です。これでさっき扉が開いたからビックリしました。」
クオンの目が一瞬、見開いた。そして何かを考えている。
「約束の物を待って来られたという事か?」
「あの~アオイからも聞かれたけど、それって何なんですか?この腕輪の事?」
「イヤ違う。が、腕輪を見せてもらおうか。」
外して渡すと彫り物をジッと見ている。
「これは我々が作った物で1000年前の物だ。我々は100年毎に彫る模様を変えるのだ。今はこれだ。」
とアオイと同じ花の模様を見せた。
「えっ!そんな昔の物だったの!ずっと家にあった物と聞いてたから。」
「他に何か伝わる物は?」
「翡翠の指輪があるけれど家にあるわ。」
私に腕輪を返しながらクオンが反応した。
「その指輪が約束の物の可能性が高い。是非、届けてもらいたい。我が一族は待ちわびている。
貴方が帰れる方法は神官長直系者のみの伝承で伝わっている。」
「じゃー帰れるのね!」
クオンが手で制する。
「ただ試した事がないから、やってみないとわからない。」
「親父様、私もついて行きたいです。
私が約束の物に触れれば反応するので、確かめたい。確実に持ち帰りたいんです。」
クオンはしばらくアオイの目を見ていた。
「わかった。では、早速、今から頼む。我々は長い間、待ち過ぎた。」
早速、3人は祈りの間に移動した。
祈りの間に着くと、クオンが祭壇に飾られている螺鈿細工をユカが出て来た岩に取り付ける。
「あっ!これ見た事あるよ。水晶も同じだ。
私はこれのついた扉に入ってこちらに来たの。でも、部屋が光ってないわね?
私が見たときは満月の夜で部屋の中は輝いてたわ。」
クオンが初めて笑った。
笑うとアオイの優しい感じにソックリだ。
「うむ。我々は月の一族だから問題ない。この身に月の光を宿しているのだ。クオン、頼んだぞ。」
「月の一族!?お月様ってこと?」
ユカはますます混乱してきた。
アオイが微笑んでユカと手を繋いでくる。
「はい、親父様。ユカ、怖くないよ。手を離さないでね。入ろう。」
手を引かれ真っ暗な壁の中の部屋に入った。
アオイが何かを唱えると指輪が光る。
部屋がボッーと明るくなった。
「親父様、必ず持ち帰ります」
外のクオンへ決意を伝え、ユカがここに来た時に横に引いて開けた石の扉を閉じた。
(ここに来た時は真っ暗だった。本当に帰れるの?)
アオイの手を更に強く握った。
「ユカ、大丈夫だよ。不安なら目をつぶってたらいいよ。じゃーはじめるよ。」
扉には模様が掘ってある。
アオイがそこに手を当て呪文を唱える。
一瞬にして光の渦が出現して七色の光が溢れて2人の体が浮き上がる。
そして来た時と同じように突然暗くなり地面に足が着いた。
2度目とはいえ、ドキドキしちゃう。
指輪の薄明かりの中、見覚えのある物をユカが見つけた。
「あっ!蔵だ!戻ったよ!私の家の蔵よ。」
そう言うと、蔵の扉を開いた。
そこは家の庭で空を見上げれば月が輝いていた。
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