悠生が息をする為の方法

七々虹海

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煙草の味

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 一服?が終わったらしいおっさんがこっちに向かってきて隣に腰かけた。たばこを吸う姿はかっこいいと思うけど、旨いんだかなんだか分からない未知のもの。背が伸びなくなりそうなもの。あとはよく分からないから、ただ煙いってだけ。

「味が気になりますか?覚えさせてあげますよ」
 下唇を親指で少し引っ張られながら口の中に舌が入ってきた。うっ、まずい。たばこを吸った後だからか苦い。それとも大人のキスってこんななのか。気持ち悪くはないけれど苦いって気持ちばかりの中、途中から変わった。苦いのは変わらないのに下半身に直結してくる。
 
「っは、はぅっ、」
酸素が欲しくて舌をねぶられてる以上に開いてしまう唇。漏れる声。酸素。苦い。苦しい。気持ちいい。酸素をくれ。

 おっさんは余裕なのかもしれないが、こっちは初心者なんだ。そんなに攻められたら、、下半身も意志を持ち初めて困る。
「はぁ、はぁっ、っん、はぁっ、」
「ちょっと息苦しかったですか?堪らないですね、その顔。苦しくて酸素を欲しがってるようにも煽ってるようにも見えるその顔」
俺は今そんな顔してるのか…。
「もっと欲しいんですか」
「ちがっ、」
 今度は後ろ頭をがっちり抑えられて、身動き取れなくして貪られる。舌を痺れるくらいに吸われてから、舌の裏側。歯茎。おっさんの舌がどこを触ってもびくびくしてしまう。
 たばこって、媚薬でも入ってんの?

 強い力で抑えつけてきてた手は段々と柔らかい触りかたになって髪を撫で始める。この間も思ったけど、頭を撫でられるのは気分的にいい。好きだ。

 ボスに頭を撫でられたのが良い思い出として残ってるのかもしれない。良い思い出なんかじゃなくなってるのに。

「くすっ。もうこんなになって。若いですね」
 いつの間にかズボンの中、侵入してた片手。もっと、直接触ってほしい気持ちと、手癖の悪い大人だなって気持ち。
 トランクスの上から形をなぞられ、歯列もなぞられ、頭の中がわけがわからない。
「…出したい」
「素直な良い子です」

 額にキスされ、手の動きが早まった。
「他人の手でされたことあります?」
「ねぇよ、バカっ」
「自分でするより気持ちよくないですか?この辺りとか、堪らない気持ちになりません?」

 もう分からないから、喋らないでほしい、他人の手で与えられる強い快感から逃れたい。こんなの知らない。他人の前で涎が出てしまったのもどうしようもなく恥ずかしい。おっさんが沢山キスしてきたから涎が溜まってたのかもしれないけど、キスしてない今俺が気持ちよくて垂らしてるだけに見えるだろうが。早く解放されたい。

 初めてされた手コキ?はものの数分だったみたいだけど、長い時間に感じてぐったりと力が抜けた。
「ふぅん、苦味は薄いですね」 
手についた俺の精液をペロっと味見したおっさんが呟いてる。これ以上恥辱を味あわせないでほしい。
「夕飯、今用意しますからね」
「……その手、石鹸でよく洗えよな」

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