偏屈恋愛奇譚

橋本健太

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第1章 17歳 〜思春期少年少女と狂気の社会人〜

第7話 おじさんの一獲千金旅(前編)

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 しばらく経ち、高山陽一と再会。彼はバラエティ番組の収録で海外に行っていたそうだ。
「海外に行ってたんですか?」
「あぁ、波乱万丈やったで。」
西成の彼のアパートに遊びに行ったゆかり。学校帰りと言うこともあり、制服である。小さな部屋に入り、彼はゆかりに飲み物を出した。
「これはな、鴛鴦茶(インヨンティー)と言ってな、珈琲とミルクティーを混ぜた飲み物なんや。」
「へぇ、中々洒落てるやん。」
ゆかりは、鴛鴦茶を一口飲む。珈琲のほろ苦さとミルクティーの甘さが交わり、上質なハーモニーを奏でる。
「オジサン、どこに行ってたんですか?」
「あぁ、それはな、オンエア観てからのお楽しみや。」
彼から放送日を告げられ、ゆかりはその日を心待ちにしていた。

 5月17日、テレ東系列の特番で19時台のゴールデンタイムのバラエティ番組が放送された。
「アジアギャンブル紀行 ~香港・マカオ・シンガポール~」
ちゃぶ台を囲み、家族で番組を観る。この日の夕食は、焼餃子とエビチリ。中華スープを啜り、ゆかりは一息つく。
(あ、あのオジサンや。)
司会が軽快な口調で進行する。
「はい、『アジアギャンブル紀行』の始まり始まり~!!記念すべき第1弾!!我々は今、香港に来ております!!」
九龍半島南部の主要エリア 尖沙咀(チムサーチョイ)の尖沙咀プロムナード。海を隔てて、香港島が見え、IFCモール・香港上海銀行・中国銀行のビルが聳え立つ。出演者は、こうだ。

司会 中村裕也・尾崎優子
出演者 高山陽一
    パイナップル太郎
    ウニボンバー 谷田部和志
    ウニボンバー 和田謙二郎
    栗原楓
    斎藤朱里  
その他 現地のギャンブラー

2日間、各エリアでギャンブルゲームを行い、各ラウンドで順位をつける。現地ギャンブラーは、各エリアにも同行。3ヶ国廻り、最後の国でファイナルステージを行なう。
「私、司会の中村裕也と、」
「尾崎優子がお送りします。」
出演者の自己紹介。
「ギャンブル大好き、スーパーギャンブラーの高山陽一!!」
細身で黄色いシャツを着た中年男性。
「好きな果物 パイナップル!好きなジュースはパインジュース!でも、酢豚にパイナップル入れないで!トークは任せろ!パイナップル太郎です!!」
パイナップル風の髪型をしている。芸人 パイナップル太郎 42歳。沖縄県出身。実家はパイナップル農家。
「見た目はトゲトゲ、中身はフニフニ、ウニボンバーの谷田部和志!!」
「お前のハートをぶっ刺すぜ!!ウニボンバーの和田謙二郎だ。」
若手お笑いコンビ ウニボンバー。トンガリ頭の黒ジャンパーの谷田部和志 28歳。神奈川県出身。トランプゲームに詳しい。スキンヘッドの黒Tシャツの和田謙二郎 28歳。東京都出身。カジノ経験者。強烈なキャラクターの男性陣が続いたので、清涼剤として、セクシーな女性陣が登場。
「どうも、『奴隷ゲーム』でセブンスパーティー 将軍務めた女戦士、栗原楓。」
茶髪ショートでスレンダーな女性。栗原楓 33歳。千葉県出身。グラビアアイドル。既婚者でもある。ダーツはプロ並みの腕前。
「同じく、グラビアアイドル。魅惑のサキュバス 斎藤朱里。」
黒髪ウルフカットの豊満な身体つきの女性。斎藤朱里 23歳。グラビアアイドル。AV女優でもある。自己紹介が済み、簡単なエリア紹介。

1 香港 ~Hong Kong~
正式名称:中華人民共和国香港特別行政区
面積:約1104㎢
人口:約750万人
言語:北京語・広東語・英語

 早速、一同はオープントップバスに乗り、ネイザンロードを北上していく。看板が頭上スレスレの中を駆け抜ける。
「すごいわ。ジャッキー・チェンの映画で観たことはあるけど、ホンマにこんな風になってるんやな!」
昔見たジャッキー・チェン映画の光景が、リアルにあると知って感激する母。ゆかりは、長い箸で餃子を掴んで、白飯と共に口に運ぶ。いつかは、香港に行ってみたい、と言う気持ちがわく。ネイザンロードを北上し、九龍エリアから離れた新界エリアに移動。新界の沙田(シャティン)にある沙田競馬場に到着。ここは、1978年に開場した香港ジョッキークラブが管轄する競馬場である。ここで2レースで勝負する。
「ギャンブルバトル 香港ラウンド!!最初は宿決め、競馬ゲーム!!」
ここでは、まだゲストは出てこない。6人で馬券を買い、通常の競馬と同様に行なう。当選者を勝者として、落選者を敗者とする。観ているゆかり達は、香港に競馬のイメージが無いので、意外に思っていた。
「香港にも、競馬場あるんやな。」
ゆかりは、競馬には興味無いので、この辺は流し見。結果はこうなる。

勝者 パイナップル太郎
   ウニボンバー 谷田部和志
   ウニボンバー 和田謙二郎
敗者 高山陽一
   栗原楓
   斎藤朱里

 時刻は夜になり、ホテルへ移動する。勝者は香港最高級ホテルの、ザ・ペニンシュラ香港に宿泊。その佇まいから「東洋の貴婦人」と呼ばれている。
「うっひょ~!!金持ちの世界だ~!!」
「スゲェ所だ。」
勝者の3人は上機嫌な様子。北京ダックやガチョウのローストに舌鼓を打つ。
「美味い!!」
「こんな美味いチキンあるんだな。」
一方、敗者は尖沙咀の重慶大厦と言うカオスなゲストハウスに泊まる。
「出た。重慶大厦…。」
「どうなってるの?」
「オモロイ所やな。」
複雑に入り組んだゲストハウス。下には、インド系の人達が経営するインド料理店がある。魔境でいただくインド料理は格別。
「カレーはどこで食うても美味いな!!」
「そうね。」

 香港ラウンド2戦目、ここでゲスト登場。場所は、九龍半島の繁華街 旺角(モンコック)。ここにある雀荘で、麻雀バトル。
「現地のゲストに登場してもらいます。」
黒髪ショートの、黒いチャイナドレスの美少女。
「ネイホウ!!アリー・チャンです。」
プロギャンブラー アリー・チャン 29歳。香港九龍半島生まれ。麻雀は強い。雀荘に行き、麻雀バトル。
「麻雀ね。中々複雑なゲームやね。」
複雑な麻雀バトルを、ゆかりは、まったりお茶を飲みながら観戦。

 ここでは、ホームのアリーと、パイナップル太郎、栗原楓が強さを見せる。
「よし、ツモだ!!」
「リーチよ!!」
香港人のアリー。ここで格の違いを見せつける。
「国士無双!!!」
「嘘だろ…。」
香港ラウンドは、ここで終了。次はマカオへ移動。
「あのオジサン、有り金持つかな?」
ゆかりはワクワクしながら、番組を観る。
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