Strawberry Film

橋本健太

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第25話 2001スイーツ

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   21世紀最初の夏が終わり、繁忙期も終わって、ゆったりした日々が続いた。
「薫君、来年の夏はもっと忙しくなるとよ。」
「日韓W杯やな。W杯間近で撮れるとか楽しみや。」
今回は、W杯初のアジア&共同開催ということで、日本と韓国の往復となる。薫にとって、韓国はまだ未知の領域である。日本から韓国までは、飛行機で約2時間。時差は無く、現地ですぐに行動出来るが、薫が心配なのは、食事である。薫は辛いものが苦手で、韓国料理のキムチ・スンドゥブなどが口に合わない。
「辛いものアカンから、心配やけどな。」
「そこは、大丈夫やけんね。焼き肉とかあるから。」

   秋になり、涼しくなってきた頃、女子中高生の制服や水着姿のグラビア撮影に、勤しむ日々が続いた。カメラマンとしての経験を買われ、単独で撮影を任されることが増えた。
「ジュニアアイドルの、一番可愛い時期をしっかり可愛く撮りたいな。」
紅葉が舞う時期、16歳ぐらいの子を撮影。彼の地元の京都の祇園で、和服を着て、和室で撮る。
「いいね。日本の美という感じやね。」
「薫さん、照れていますか?」
和服をはだけさせ、大きくなりかけの乳房とふんどしに包まれたお尻を、余すところなく撮影。他にも、神戸では北野異人館の喫茶店で、制服姿で撮影。
「コーヒー美味しい…。」
「違いが分かるんやね。」
仕事の合間、来年の日韓W杯に向けての準備も進めた。日韓W杯の地区予選も終盤になり、世界各地で激戦が繰り広げられていた。ヨーロッパでは、ドイツはイングランドに大敗するなど苦戦を強いられ、プレーオフに回された。イングランド・イタリア・スペイン・ポルトガルなどの強豪国は順当に突破を決めたが、オランダが敗退と番狂わせが起きた。アフリカでは、セネガルが初出場を決めた一方、カメルーン・南アフリカ・チュニジアは順当に出場を決めたが、ナイジェリアは苦戦を強いられた。アジアでは、中東の雄 サウジアラビアが順当に突破した。東アジアからは、眠れる獅子 中国が初出場を果たした。
「へぇ、中国も出るんや…。」
北中米カリブ海からは、メキシコ・アメリカ・コスタリカが出場を決めた。南米では、アルゼンチンが悠々の首位通過を果たし、エクアドルが初出場を果たした。ブラジルは大苦戦して、辛うじて3位で突破した。パラグアイ・ウルグアイも出場を決めた。

 12月になり、日韓W杯の組み合わせ抽選会の様子が、TVで放送され、薫達と編集長は注意深く見守った。
「強豪との対決は、避けられるやろ。」
「どことなるんやろうな…。」
組み合わせの結果、グループステージはこうなった。

17th2002FIFAW杯日韓大会
グループステージ
グループA
フランス
セネガル
ウルグアイ
デンマーク

グループB
スペイン
スロベニア
パラグアイ
南アフリカ

グループC
ブラジル
トルコ
中国
コスタリカ

グループD
韓国
ポーランド
アメリカ
ポルトガル

グループE
ドイツ
サウジアラビア
アイルランド
カメルーン

グループF
アルゼンチン
ナイジェリア
イングランド
スウェーデン

グループG
イタリア
エクアドル
クロアチア
メキシコ

グループH
日本
ベルギー
ロシア
チュニジア

日本と韓国は、開催国のためポット1に当てられたので、強豪との対決は避けられた。グループA~Dは韓国、グループE~Hは日本で開催となった。
「どこも面白そうやな。」
「グループAとグループFは、死のグループですね。」
薫は、この組み合わせなら、突破は可能だと踏んだ。
(今の日本代表の勢いなら、勝ち点は上げられるよな。後は代表のメンバー次第。)
次に、W杯開催都市が決まり、編集長はホワイトボートに記入して、皆と打ち合わせする。

日韓W杯開催都市
韓国
ソウル・仁川・釜山・水原・全州
光州・大田・大邱・蔚山・西帰浦

日本
札幌・宮城・茨城・埼玉・横浜
新潟・静岡・大阪・神戸・大分

来年の1月に、班のメンバーを決め、移動するルートを確定させる。この日の会議は、ここで終了。

    12月下旬、年内最後の撮影。「シュークリーム」の2002年1月号の撮影として、神戸の有馬温泉に行った。モデルは、倉橋優子と桜木真優。有馬温泉の旅館で食事し、その後のデザートの所を撮影。
「いい顔いい顔。」
浴衣姿を撮影。部屋でビキニ姿となり、その様子を撮る。
「真優ちゃん、ムッチムチで可愛い。」
「優子ちゃん、オッパイ大きい🖤」
撮影が終わり、一緒に混浴。
「今年はどうやった?」
「私は、水泳で国体目指します。なので、来年の春には、グラビアを卒業しようと思ってます。」
突然の告白に、薫は驚いた。
「えっ?!卒業すんの?!」
「はい。これから実業団入って、水泳続けようかな、って思ってます。」
「そうか、頑張りや。」
来年は、日韓W杯の撮影がある薫。フィーバーの予感を感じていた。
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