72 / 89
第72話 2015トラベル
しおりを挟む
その後、東京と広島での撮影を終えて、薫は休息を過ごす。広島の原爆資料館は衝撃的だった。シャワーを浴びて、エアコンに当たりながら、素麺をすすった。熱帯のマレーシア・シンガポール、そして、中国の中でも、3大ボイラーと呼ばれる武漢・南京・重慶の猛暑はキツかったようだ。家の庭で、娘の京香と桃香と一緒に水遊び。
「パパー。」
今年で5歳になる長女の京香、幼稚園の年中組。幼稚園での、プール遊びも楽しんでいるようだ。次女の桃香は、2歳だが、少しずつ自分で立とうとしている。娘達と無邪気に遊び、童心に還る薫。子どもたちが寝静まった夜、薫は久美に、今後の夢を語る。
「久美ちゃん、俺ね。いつか、自分で芸能事務所を立ち上げたい、って思ってるんよ。」
薫の突然の告白に、久美は驚いたが、すぐに落ち着いた。
「薫君らしくていいや。私もね、薫君と一緒にグラビア撮影していた時が、1番楽しかった。薫君と一緒なら、私も出来るかな?でも、京香と桃香は、まだ小さいけど…。」
「そこは、俺が今までの経験で培った人脈と稼いだ印税とかで、何とかする。立ち上げるに当たっては、具体的なプランを立てるし、出資者や親会社を探す。俺は、グラビア撮影で思った。「「写真というのは、人の人生のほんの一部を切り取ったもの。あとで見た時に美しい、と思えるようにするもの。写真家はそういう仕事」」やと。」
これは、薫の父親が、写真家として活動していた時の言葉。後に、薫がグラビア写真集を見て、被写体のグラビアアイドルの水着姿や制服姿に惹かれ、ジュニアアイドルなら、蕾の状態の可愛さと未熟なカラダを、グラビアアイドルなら、成熟したカラダと大人の女の色気を、写真として収めたい、と思うきっかけになった。グラビアカメラマンになった薫は、数々の女子中高生の制服・水着・ヌードグラビアを撮影し、その可愛さを引き出した。その経験を基に、今度は自分が、グラビアアイドルを発掘し、育成して、羽ばたたせてあげたい、夢へと向かう背中を押してあげたい、と決心した。久美は、コップに入った麦茶を飲み干して呟く。
「薫君、一緒に頑張ろう。」
「あぁ。京香と桃香もな。」
博信と、今後について話した。サッカー関係の撮影だが、2018年のロシアW杯まではオファーを停止することにした。グラビアアイドルの事務所立ち上げの準備と運営のためである。
「そうか。頑張れよ。」
一方、W杯アジア2次予選は、6月の試合が終わった時点で波乱が起きていた。グループCでは香港が2連勝し、グループDでは格下と思われていたグアムが、トルクメニスタン・インドを破り、2連勝で首位に立った。日本は1分 勝ち点1で4位にいる。ここから巻き返せるか。
21th2018FIFAW杯ロシア大会 アジア2次予選
2015年9月3日 第2戦 VSカンボジア H
4位からの巻き返しを狙う日本。引いて守るカンボジア。その牙城は、アンコールワットのようだ。28分に本田圭佑のゴールで先制し、前半は1‐0で折り返す。後半に入ると、50分に吉田麻也、61分に香川真司が決め、3‐0で勝利した。日本は1勝1分、カンボジアは3連敗となった。
「ここからや。」
2015年9月8日 第3戦 VSアフガニスタン N
アフガニスタンは、内戦のため、アウェイゲームを中立地のイラン・テヘランで開催。香川真司と岡崎慎司が2点決め、森重真人と本田圭佑も決めて、6-0でアフガニスタンを一蹴した。
2015年10月8日 第4戦 VSシリア N
シリアも内戦のため、アウェイゲームは中立地となり、オマーン・マスカットで開催。3連勝で首位に立つシリアに苦戦し、前半は0-0で折り返す。後半に反撃し、55分に本田圭佑がPKを決めて先制。70分に岡崎慎司、88分に宇佐美貴史が決めて、3-0で勝利。3勝1分で首位に浮上した。
10月の試合が終わった時点で、順位はこうなった。
1 シリア 4 0 1 18 5 12
2 日本 3 1 0 12 0 10
3 シンガポール 3 1 1 7 2 10
4 アフガニスタン 1 0 4 3 18 3
5 カンボジア 0 0 5 1 16 0
シリアが首位に立ち、日本とシンガポールが勝ち点で並ぶ。予想外なのが、シンガポールの健闘だ。GKイルハン・マブフートを中心とした堅守で、ここまで5試合で2失点に抑えている。過去に東南アジアサッカー選手権で、4度の優勝を誇る実績があるだけに、ポテンシャルは高いのかもしれない。
11月になり、薫は会社設立のプランを建てる。本拠地は、京都府京都市。阪急電鉄 京都河原町駅周辺の雑居ビルに、オフィスを構える。出資者をどうするかだ。喜美子にも相談した。
「薫君、芸能事務所持つとね?すごかよ。」
「あぁ、計画は立ててある。出資者をどうするかや。」
「そうやけんね。事務所の社長さんにも相談してみるけん。」
「ありがとうな。」
「良かよ。薫君も社長やけんね。」
親友の喜美子にも協力してもらえそうだ。これで何とかなりそう。
「後は、社員を…。まず、俺が社長か?」
ロシアW杯は3年後、翌年には設立して、2017年には本格的に開業という計画を立てた。
2015年11月12日 第5戦 VSシンガポール A
アウェイ4連戦の後半戦は、東南アジアでの連戦となった。勝ち点で並ぶ両者の一戦。3万人を超す観客が見守るアウェイゲーム。日本は20分に、金崎夢生のゴールで先制すると、26分に本田圭佑のゴールで追加点を奪い、2-0で折り返す。シンガポールも反撃するが、日本は守りきり、88分に吉田麻也のダメ押しで3-0と快勝。首位に立った。
「よっしゃ!!」
2015年11月17日 第6戦 VSカンボジア A
アウェイ4連戦ラストは、カンボジアで対戦。カンボジアは6連敗で敗退決定。都市国家シンガポールとは打って変わって、牧歌的な発展途上国のカンボジア。首都プノンペンのオリンピックスタジアムは、芝が荒れており、パスが繋がらない。苦戦を強いられ、前半は0-0で折り返す。51分にオウンゴールで先制、90分に本田圭佑がPKを決めて、2-0で勝利。
グループE
1 日本 5 1 0 17 0 16
2 シリア 5 0 1 20 6 15
3 シンガポール 3 1 3 8 7 10
4 アフガニスタン 2 0 4 6 18 6
5 カンボジア 0 0 7 1 21 0
シンガポールに引き分けた日本だったが、その後は5連勝で首位を奪った。シリアと一騎打ちになる。2015年は、アジアを冒険し、その中で新たな夢を見つけた。
「来年、京都にグラビアアイドル事務所を、立ち上げるぞ!!!」
「薫君。そしたら、私は社長秘書でええかな?」
「もちろん!!!」
「パパー。」
今年で5歳になる長女の京香、幼稚園の年中組。幼稚園での、プール遊びも楽しんでいるようだ。次女の桃香は、2歳だが、少しずつ自分で立とうとしている。娘達と無邪気に遊び、童心に還る薫。子どもたちが寝静まった夜、薫は久美に、今後の夢を語る。
「久美ちゃん、俺ね。いつか、自分で芸能事務所を立ち上げたい、って思ってるんよ。」
薫の突然の告白に、久美は驚いたが、すぐに落ち着いた。
「薫君らしくていいや。私もね、薫君と一緒にグラビア撮影していた時が、1番楽しかった。薫君と一緒なら、私も出来るかな?でも、京香と桃香は、まだ小さいけど…。」
「そこは、俺が今までの経験で培った人脈と稼いだ印税とかで、何とかする。立ち上げるに当たっては、具体的なプランを立てるし、出資者や親会社を探す。俺は、グラビア撮影で思った。「「写真というのは、人の人生のほんの一部を切り取ったもの。あとで見た時に美しい、と思えるようにするもの。写真家はそういう仕事」」やと。」
これは、薫の父親が、写真家として活動していた時の言葉。後に、薫がグラビア写真集を見て、被写体のグラビアアイドルの水着姿や制服姿に惹かれ、ジュニアアイドルなら、蕾の状態の可愛さと未熟なカラダを、グラビアアイドルなら、成熟したカラダと大人の女の色気を、写真として収めたい、と思うきっかけになった。グラビアカメラマンになった薫は、数々の女子中高生の制服・水着・ヌードグラビアを撮影し、その可愛さを引き出した。その経験を基に、今度は自分が、グラビアアイドルを発掘し、育成して、羽ばたたせてあげたい、夢へと向かう背中を押してあげたい、と決心した。久美は、コップに入った麦茶を飲み干して呟く。
「薫君、一緒に頑張ろう。」
「あぁ。京香と桃香もな。」
博信と、今後について話した。サッカー関係の撮影だが、2018年のロシアW杯まではオファーを停止することにした。グラビアアイドルの事務所立ち上げの準備と運営のためである。
「そうか。頑張れよ。」
一方、W杯アジア2次予選は、6月の試合が終わった時点で波乱が起きていた。グループCでは香港が2連勝し、グループDでは格下と思われていたグアムが、トルクメニスタン・インドを破り、2連勝で首位に立った。日本は1分 勝ち点1で4位にいる。ここから巻き返せるか。
21th2018FIFAW杯ロシア大会 アジア2次予選
2015年9月3日 第2戦 VSカンボジア H
4位からの巻き返しを狙う日本。引いて守るカンボジア。その牙城は、アンコールワットのようだ。28分に本田圭佑のゴールで先制し、前半は1‐0で折り返す。後半に入ると、50分に吉田麻也、61分に香川真司が決め、3‐0で勝利した。日本は1勝1分、カンボジアは3連敗となった。
「ここからや。」
2015年9月8日 第3戦 VSアフガニスタン N
アフガニスタンは、内戦のため、アウェイゲームを中立地のイラン・テヘランで開催。香川真司と岡崎慎司が2点決め、森重真人と本田圭佑も決めて、6-0でアフガニスタンを一蹴した。
2015年10月8日 第4戦 VSシリア N
シリアも内戦のため、アウェイゲームは中立地となり、オマーン・マスカットで開催。3連勝で首位に立つシリアに苦戦し、前半は0-0で折り返す。後半に反撃し、55分に本田圭佑がPKを決めて先制。70分に岡崎慎司、88分に宇佐美貴史が決めて、3-0で勝利。3勝1分で首位に浮上した。
10月の試合が終わった時点で、順位はこうなった。
1 シリア 4 0 1 18 5 12
2 日本 3 1 0 12 0 10
3 シンガポール 3 1 1 7 2 10
4 アフガニスタン 1 0 4 3 18 3
5 カンボジア 0 0 5 1 16 0
シリアが首位に立ち、日本とシンガポールが勝ち点で並ぶ。予想外なのが、シンガポールの健闘だ。GKイルハン・マブフートを中心とした堅守で、ここまで5試合で2失点に抑えている。過去に東南アジアサッカー選手権で、4度の優勝を誇る実績があるだけに、ポテンシャルは高いのかもしれない。
11月になり、薫は会社設立のプランを建てる。本拠地は、京都府京都市。阪急電鉄 京都河原町駅周辺の雑居ビルに、オフィスを構える。出資者をどうするかだ。喜美子にも相談した。
「薫君、芸能事務所持つとね?すごかよ。」
「あぁ、計画は立ててある。出資者をどうするかや。」
「そうやけんね。事務所の社長さんにも相談してみるけん。」
「ありがとうな。」
「良かよ。薫君も社長やけんね。」
親友の喜美子にも協力してもらえそうだ。これで何とかなりそう。
「後は、社員を…。まず、俺が社長か?」
ロシアW杯は3年後、翌年には設立して、2017年には本格的に開業という計画を立てた。
2015年11月12日 第5戦 VSシンガポール A
アウェイ4連戦の後半戦は、東南アジアでの連戦となった。勝ち点で並ぶ両者の一戦。3万人を超す観客が見守るアウェイゲーム。日本は20分に、金崎夢生のゴールで先制すると、26分に本田圭佑のゴールで追加点を奪い、2-0で折り返す。シンガポールも反撃するが、日本は守りきり、88分に吉田麻也のダメ押しで3-0と快勝。首位に立った。
「よっしゃ!!」
2015年11月17日 第6戦 VSカンボジア A
アウェイ4連戦ラストは、カンボジアで対戦。カンボジアは6連敗で敗退決定。都市国家シンガポールとは打って変わって、牧歌的な発展途上国のカンボジア。首都プノンペンのオリンピックスタジアムは、芝が荒れており、パスが繋がらない。苦戦を強いられ、前半は0-0で折り返す。51分にオウンゴールで先制、90分に本田圭佑がPKを決めて、2-0で勝利。
グループE
1 日本 5 1 0 17 0 16
2 シリア 5 0 1 20 6 15
3 シンガポール 3 1 3 8 7 10
4 アフガニスタン 2 0 4 6 18 6
5 カンボジア 0 0 7 1 21 0
シンガポールに引き分けた日本だったが、その後は5連勝で首位を奪った。シリアと一騎打ちになる。2015年は、アジアを冒険し、その中で新たな夢を見つけた。
「来年、京都にグラビアアイドル事務所を、立ち上げるぞ!!!」
「薫君。そしたら、私は社長秘書でええかな?」
「もちろん!!!」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる