18 / 28
18 ちょっとした出来心
しおりを挟む
「ご飯食べて行ってくださいって言ったわりに、手抜きご飯でごめんなさい」
コートを脱いでコタツに入って貰っていた寺井さんの前に、出来上がったばかりの鍋うどんと白菜とベーコンの炒め物を出した。
(うーん、うちのコタツに狭そうに座っている寺井さんってめちゃくちゃ違和感ありすぎる)
1DKの部屋は週末に掃除したばかりだったから助かった。直ぐにエアコンも付けたけど、部屋が温まるまでは時間が掛るからと、2人も入ると目一杯の小さなこたつに入って貰った。
掛け布団は白に大きなオレンジと黄色のドット柄で、見た目が可愛い。だからそこにスーツ姿の男の人がテレビを見ているという、普通ならなんとも思わない姿が明らかに部屋に馴染んでいない。
(しかも、正座してるみたいだし・・・。そりゃあ、寝転がっていれるよりはずっといいけど)
横になって、片手で頭を支えてテレビを見ている姿だったら、それはそれで吃驚したと思うけど。でも、もうちょっとリラックスしても良いと思うんだけどなー。胡坐をかくとか。
「全然手抜きに見えませんけど。とても美味しそうです」
「手抜きですよー。あんまり料理は得意じゃないので、こういう手抜きばっかり作るんです。うどんは耐熱容器に全部の材料とネギと揚げを入れてレンジでチンして、仕上げに温泉卵を乗せただけだし、白菜とベーコンの炒めは、ごま油と鶏がらスープの顆粒で炒めて終わりですよ」
2人分作るのに20分程しかかかっていない。
私はいつもなら着替えをしてから料理をするのだけれど、今日はスーツの上にエプロンを付けて料理をした。エプロンを外し、寺井さんの対面に座ってコタツに入った。普段は1人が当たり前だから新鮮だ。
「自炊をほとんどしない私からすれば、とても手抜きに見えません」
「寺井さんはあまり自炊しない人なんですか?」
そういう男の人が多いとはよく聞くけど。仕事はきっちりする人だから、私生活の食事もきっちりとしているイメージを持っていた。
「精々休みの日ぐらいですね。後は殆どコンビニです。朝もほとんど食べないですし」
「朝食べないんですか?」
「コーヒーだけが多いですね」
「ええ!?朝ごはん食べないとお昼まで体もたなくないですか?」
私には無理。何か食べないと仕事が辛い。本当に時間がないときは、バランス栄養食をこそこそと会社で食べる程。
「もう慣れました。食べた方がいいことは分かってはいるんですけどね」
と苦笑い。
最近は全く食べない人も多いのは知っている。絶対に食べた方がいいと押し付けも出来ないからそれ以上は言わないことにした。
「寺井さん、冷めないうちに食べてください」
「ええ、では頂きます」
箸を手に取り寺井さんは温かいうどんから食べた。私も遅れて食べ始めた。寒い日のうどんはやっぱり美味しいな。
「美味しいですよ、とても」
「そ、そうですか、それは良かったです」
例え手抜きでも作ったものを褒められるのは嬉しい。
寺井さんはうどんを引き続き食べていたけれど、暖かいうどんは眼鏡を曇らせた。暫くはその状態で食べていたけど、やはり食べづらいらしくて一度眼鏡を外して、胸元からハンカチを取り出しレンズを拭いた。
私はその一連の動作をぽかんとしたまま見ていた。
「どうしました?桃子さん」
「顔が・・・」
眼鏡無しの顔を初めて見たけど、いつもと違う雰囲気にまじまじと見てしまった。
「ああ、凶悪でしょう?視力が随分悪いものですから、眼鏡を外すとつい目を細めてしまう癖があるんですよ。驚いたでしょう?」
「凶悪って程じゃあ・・・」
言ってしまってから、肯定してしまった、と後悔。焦って口を手で押さえても遅かった。
「いいんですよ、家族からも、友人達にもよく言われますから」
「ごめんなさい」
肩身を狭くして謝った。
「いえ、ほんとのことですから」
笑って何でもないと許してくれた。良かった。
食事が終わる頃に、食後のデザートとして寺井さんに貰ったお土産の和菓子とコーヒーを出した。
「和菓子ならお茶のほうが合うんですけど、うちにはお茶が無くて。インスタントコーヒーでごめんなさい」
「十分です。コーヒーは好きなので全然構いません」
私は空いた食器を一度シンクに下げてから再びコタツに座った。
「昨日も食べましたけど、和菓子二種類とも美味しかったです」
石川のお土産に貰ったきんつばと福うさぎ。私は昨日夕食の後に1つずつ食べた。きんつばは四角い形の粒あんの周りを小麦粉を水で溶かした生地で包んで焼いたもの。福うさぎは文字通りうさぎを形どった小さな蒸し饅頭。焼き印された耳と赤い着色の目が特徴で可愛い。
「それは良かったです」
それからはお菓子を食べながら、普段よく見るテレビ番組の話や、石川で行われた結婚式の話などをした。
食べ終えた頃、寺井さんがテーブルの上の食器を集め出した。
「後の片づけは私がします」
「えっ、いいですよ。私やりますから」
シンクにはまださっきの食器も置いたままになっている。
「作って貰ったのですから、これぐらいさせてください」
寺井さんはそう言うとテーブルに手を突き立ち上がろうとして、動けず顔を顰めた。
「どうしたんですか、寺井さん?」
急に体に不調でも現れたのだろうか。心配して声をかけた。
「済みません・・・足が痺れてしまって。動けません」
余りにも情けなさそうにいうので、私は可笑しくて堪えきれずに笑ってしまった。
「ふふっ」
最初は控えめに笑っていたのだが、もう一度痺れに耐えている姿を見てしまったら止まらなくなってしまった。
「あはははは」
駄目だ、ツボに入った。可笑しすぎる。悪いとは思ったけれど、止められなかった。
「・・・笑いすぎです、桃子さん」
笑いが止まらない私が面白くないのだろう、ふて腐ったような顔をしている。
「ご、ごめんな、さい。なんだか、ふふっ、可愛いなって、思ってしまって」
「っ、可愛いなんて、どこがですか。こんな情けない姿をしてる私のどこが。―――でも、いいです、桃子さんのそんな楽しそうな笑顔が見れましたから。むしろ本望です」
痺れた足は少し治まってきたらしく、座り直して両足を伸ばしてきた。長い足先は私の方まで伸びて来たので、思わず出来心でやってしまった。指先でツンツンと。
「~~~桃子さんっ」
「つい」
えへ。
あれ、もしかして怒らせちゃった?真顔になった寺井さんにじいーっと見つめられた。
「片づけしてきますねー」
雲行きが怪しくなってきた。私が悪いのは確実なので、ゆっくりと目線を外し、ここは一旦洗い物をしてこようと逃げることにした。私は立ち上がろうとすると、その前に寺井さんの手が素早く動いた。
「きゃっ」
腕をぐいと引っ張られて、私は寺井さんの上に倒れ込んでしまった。
私は一瞬閉じた目を開くと、すぐ目の前は眼鏡があってぶつかりそうな距離だった。
「!」
顔がっ、顔がとんでもなく近いっ。
もう少し勢いが強かったら、お互いの顔がぶつかっていたかもしれない。向かい合わせで抱きしめられた形になっている。
わーっっっ、嘘ーっ!?
「・・・仕返しです」
寺井さんはそう言うと、顔を少し斜めに傾けると私の後頭部に手を当てた。ゆっくりと近づいてくる寺井さんに思わず私はぎゅっと目を閉じた。
暗くなった視界に感じたのは、頬に柔らかくて温かい何か。
目を開けると、至近距離に悪戯が成功したことを喜ぶかのように笑う顔が。
「ここは、桃子さんから付き合いますと返事を貰ってからにします」
そう言って寺井さんは自分の指で私の唇を撫でた。
コートを脱いでコタツに入って貰っていた寺井さんの前に、出来上がったばかりの鍋うどんと白菜とベーコンの炒め物を出した。
(うーん、うちのコタツに狭そうに座っている寺井さんってめちゃくちゃ違和感ありすぎる)
1DKの部屋は週末に掃除したばかりだったから助かった。直ぐにエアコンも付けたけど、部屋が温まるまでは時間が掛るからと、2人も入ると目一杯の小さなこたつに入って貰った。
掛け布団は白に大きなオレンジと黄色のドット柄で、見た目が可愛い。だからそこにスーツ姿の男の人がテレビを見ているという、普通ならなんとも思わない姿が明らかに部屋に馴染んでいない。
(しかも、正座してるみたいだし・・・。そりゃあ、寝転がっていれるよりはずっといいけど)
横になって、片手で頭を支えてテレビを見ている姿だったら、それはそれで吃驚したと思うけど。でも、もうちょっとリラックスしても良いと思うんだけどなー。胡坐をかくとか。
「全然手抜きに見えませんけど。とても美味しそうです」
「手抜きですよー。あんまり料理は得意じゃないので、こういう手抜きばっかり作るんです。うどんは耐熱容器に全部の材料とネギと揚げを入れてレンジでチンして、仕上げに温泉卵を乗せただけだし、白菜とベーコンの炒めは、ごま油と鶏がらスープの顆粒で炒めて終わりですよ」
2人分作るのに20分程しかかかっていない。
私はいつもなら着替えをしてから料理をするのだけれど、今日はスーツの上にエプロンを付けて料理をした。エプロンを外し、寺井さんの対面に座ってコタツに入った。普段は1人が当たり前だから新鮮だ。
「自炊をほとんどしない私からすれば、とても手抜きに見えません」
「寺井さんはあまり自炊しない人なんですか?」
そういう男の人が多いとはよく聞くけど。仕事はきっちりする人だから、私生活の食事もきっちりとしているイメージを持っていた。
「精々休みの日ぐらいですね。後は殆どコンビニです。朝もほとんど食べないですし」
「朝食べないんですか?」
「コーヒーだけが多いですね」
「ええ!?朝ごはん食べないとお昼まで体もたなくないですか?」
私には無理。何か食べないと仕事が辛い。本当に時間がないときは、バランス栄養食をこそこそと会社で食べる程。
「もう慣れました。食べた方がいいことは分かってはいるんですけどね」
と苦笑い。
最近は全く食べない人も多いのは知っている。絶対に食べた方がいいと押し付けも出来ないからそれ以上は言わないことにした。
「寺井さん、冷めないうちに食べてください」
「ええ、では頂きます」
箸を手に取り寺井さんは温かいうどんから食べた。私も遅れて食べ始めた。寒い日のうどんはやっぱり美味しいな。
「美味しいですよ、とても」
「そ、そうですか、それは良かったです」
例え手抜きでも作ったものを褒められるのは嬉しい。
寺井さんはうどんを引き続き食べていたけれど、暖かいうどんは眼鏡を曇らせた。暫くはその状態で食べていたけど、やはり食べづらいらしくて一度眼鏡を外して、胸元からハンカチを取り出しレンズを拭いた。
私はその一連の動作をぽかんとしたまま見ていた。
「どうしました?桃子さん」
「顔が・・・」
眼鏡無しの顔を初めて見たけど、いつもと違う雰囲気にまじまじと見てしまった。
「ああ、凶悪でしょう?視力が随分悪いものですから、眼鏡を外すとつい目を細めてしまう癖があるんですよ。驚いたでしょう?」
「凶悪って程じゃあ・・・」
言ってしまってから、肯定してしまった、と後悔。焦って口を手で押さえても遅かった。
「いいんですよ、家族からも、友人達にもよく言われますから」
「ごめんなさい」
肩身を狭くして謝った。
「いえ、ほんとのことですから」
笑って何でもないと許してくれた。良かった。
食事が終わる頃に、食後のデザートとして寺井さんに貰ったお土産の和菓子とコーヒーを出した。
「和菓子ならお茶のほうが合うんですけど、うちにはお茶が無くて。インスタントコーヒーでごめんなさい」
「十分です。コーヒーは好きなので全然構いません」
私は空いた食器を一度シンクに下げてから再びコタツに座った。
「昨日も食べましたけど、和菓子二種類とも美味しかったです」
石川のお土産に貰ったきんつばと福うさぎ。私は昨日夕食の後に1つずつ食べた。きんつばは四角い形の粒あんの周りを小麦粉を水で溶かした生地で包んで焼いたもの。福うさぎは文字通りうさぎを形どった小さな蒸し饅頭。焼き印された耳と赤い着色の目が特徴で可愛い。
「それは良かったです」
それからはお菓子を食べながら、普段よく見るテレビ番組の話や、石川で行われた結婚式の話などをした。
食べ終えた頃、寺井さんがテーブルの上の食器を集め出した。
「後の片づけは私がします」
「えっ、いいですよ。私やりますから」
シンクにはまださっきの食器も置いたままになっている。
「作って貰ったのですから、これぐらいさせてください」
寺井さんはそう言うとテーブルに手を突き立ち上がろうとして、動けず顔を顰めた。
「どうしたんですか、寺井さん?」
急に体に不調でも現れたのだろうか。心配して声をかけた。
「済みません・・・足が痺れてしまって。動けません」
余りにも情けなさそうにいうので、私は可笑しくて堪えきれずに笑ってしまった。
「ふふっ」
最初は控えめに笑っていたのだが、もう一度痺れに耐えている姿を見てしまったら止まらなくなってしまった。
「あはははは」
駄目だ、ツボに入った。可笑しすぎる。悪いとは思ったけれど、止められなかった。
「・・・笑いすぎです、桃子さん」
笑いが止まらない私が面白くないのだろう、ふて腐ったような顔をしている。
「ご、ごめんな、さい。なんだか、ふふっ、可愛いなって、思ってしまって」
「っ、可愛いなんて、どこがですか。こんな情けない姿をしてる私のどこが。―――でも、いいです、桃子さんのそんな楽しそうな笑顔が見れましたから。むしろ本望です」
痺れた足は少し治まってきたらしく、座り直して両足を伸ばしてきた。長い足先は私の方まで伸びて来たので、思わず出来心でやってしまった。指先でツンツンと。
「~~~桃子さんっ」
「つい」
えへ。
あれ、もしかして怒らせちゃった?真顔になった寺井さんにじいーっと見つめられた。
「片づけしてきますねー」
雲行きが怪しくなってきた。私が悪いのは確実なので、ゆっくりと目線を外し、ここは一旦洗い物をしてこようと逃げることにした。私は立ち上がろうとすると、その前に寺井さんの手が素早く動いた。
「きゃっ」
腕をぐいと引っ張られて、私は寺井さんの上に倒れ込んでしまった。
私は一瞬閉じた目を開くと、すぐ目の前は眼鏡があってぶつかりそうな距離だった。
「!」
顔がっ、顔がとんでもなく近いっ。
もう少し勢いが強かったら、お互いの顔がぶつかっていたかもしれない。向かい合わせで抱きしめられた形になっている。
わーっっっ、嘘ーっ!?
「・・・仕返しです」
寺井さんはそう言うと、顔を少し斜めに傾けると私の後頭部に手を当てた。ゆっくりと近づいてくる寺井さんに思わず私はぎゅっと目を閉じた。
暗くなった視界に感じたのは、頬に柔らかくて温かい何か。
目を開けると、至近距離に悪戯が成功したことを喜ぶかのように笑う顔が。
「ここは、桃子さんから付き合いますと返事を貰ってからにします」
そう言って寺井さんは自分の指で私の唇を撫でた。
0
あなたにおすすめの小説
定時で帰りたい私と、残業常習犯の美形部長。秘密の夜食がきっかけで、胃袋も心も掴みました
藤森瑠璃香
恋愛
「お先に失礼しまーす!」がモットーの私、中堅社員の結城志穂。
そんな私の天敵は、仕事の鬼で社内では氷の王子と恐れられる完璧美男子・一条部長だ。
ある夜、忘れ物を取りに戻ったオフィスで、デスクで倒れるように眠る部長を発見してしまう。差し入れた温かいスープを、彼は疲れ切った顔で、でも少しだけ嬉しそうに飲んでくれた。
その日を境に、誰もいないオフィスでの「秘密の夜食」が始まった。
仕事では見せない、少しだけ抜けた素顔、美味しそうにご飯を食べる姿、ふとした時に見せる優しい笑顔。
会社での厳しい上司と、二人きりの時の可愛い人。そのギャップを知ってしまったら、もう、ただの上司だなんて思えない。
これは、美味しいご飯から始まる、少し大人で、甘くて温かいオフィスラブ。
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
不遇な令嬢は次期組長の秘めたる溺愛に絡め取られる。
翼 うみ
恋愛
父の会社を立て直す交換条件のため、ほぼ家族に身売りされた形で関東最大級の極道・桜花組の次期組長に嫁入りしたジェシカ。しかし母を亡くして以降、義母と義妹に虐げられていたジェシカは実家を出られるなら、と前向きだった。夫となる和仁には「君を愛することはない」と冷たく突き放される。それでもジェシカは傷つくことはなく、自分にできることを探して楽しんでいた。
和仁には辛い過去がありそれ故に誰のことも愛さないと決めていたが、純真で健気なジェシカに段々と惹かれてゆき――。
政略結婚から始まる溺愛シンデレラストーリー。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
シンデレラは王子様と離婚することになりました。
及川 桜
恋愛
シンデレラは王子様と結婚して幸せになり・・・
なりませんでした!!
【現代版 シンデレラストーリー】
貧乏OLは、ひょんなことから会社の社長と出会い結婚することになりました。
はたから見れば、王子様に見初められたシンデレラストーリー。
しかしながら、その実態は?
離婚前提の結婚生活。
果たして、シンデレラは無事に王子様と離婚できるのでしょうか。
子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちだというのに。
入社して配属一日目。
直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。
中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。
彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。
それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。
「俺が、悪いのか」
人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。
けれど。
「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」
あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちなのに。
星谷桐子
22歳
システム開発会社営業事務
中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手
自分の非はちゃんと認める子
頑張り屋さん
×
京塚大介
32歳
システム開発会社営業事務 主任
ツンツンあたまで目つき悪い
態度もでかくて人に恐怖を与えがち
5歳の娘にデレデレな愛妻家
いまでも亡くなった妻を愛している
私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる