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勇者エリシオ編
第5話:SETA社の魔道具
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花と果実の国・シエム。
年間通して様々な花蜜やフルーツを生産する農業の国は、様々な国から商人たちが訪れて賑わう。
「この国はいつ来ても良い香りがするね」
若い男女20名ほどを引き連れて、当代のSETA社長・拓郎は王城内を歩いていた。
甘い花の香りが漂う城内は、白い石造りの内装に色とりどりの花が飾られていて目を楽しませてくれる。
拓郎たちが通ると壁際に寄って一礼する侍女や侍従たちも、髪や胸元に生花を飾っていた。
「来たか、拓郎」
王城地下、防衛用の大規模な魔道具が設置された場所に拓郎の父・哲郎が居た。
まだ40代の哲郎は社長の座を息子に譲ってアーシアの国々を回り、大型魔道具のメンテナンスを請け負っている。
「初見学の技術者20名を連れて来ました」
物珍しそうに辺りを見回している人々を片手で示して、拓郎は言う。
「この世界の魔道具について、どこまで学んだかな?」
哲郎が技術者たちに問いかける。
「SETA学園の必修科目は全員学びました。その後それぞれ興味のある分野に進んでいます」
20名の中で最年長の女性が答えた。
技術者たちを父に預けて、拓郎はマイクロチップの転移アプリを起動する。
「父さん、ちょっとプルミエまで行って来ますね」
「ああ行っておいで。こちらには夕食会までに戻ってくれればいい」
「分かりました」
そしてシエムからプルミエへ、拓郎は瞬時に移動した。
プルミエ王城地下にはSETAの研究室がある。
拓郎はそこへ移動すると、マイクロチップの通信機能を使ってクロードに連絡を入れた。
しばらくして、王宮魔法教師が教え子の第三王子を連れて研究室に現れる。
扉をノックして入って来た2人のうち、ここに入るのが初めてだったエリシオは、興味深そうに室内の様々な魔道具に視線を巡らせた。
「凄い、お城の地下にこんなところがあったんだね」
「エリシオはここに来るのは初めてだったかな?」
「うん」
特に敬語など使わない気軽な会話は、プルミエ王家と瀬田家では普通の事。
王家の祖先アリア王妃と瀬田家の祖先アリサは姉妹で、拓郎とエリシオも遠縁にあたる。
「とりあえず、現在の魔力を調べてみようか」
そう言って、拓郎はエリシオにカードのような形状の魔道具を持たせた。
手にしたカードの液晶パネルに似た部分の数字が目まぐるしく動き、やがて全てが9になって停止した後、数字は消えて∞マークが現れる。
「………なるほどね」
それを見て呟いた後、カードを返却してもらって机に置き、拓郎は創造魔法の術式を起動した。
SETA社の魔道具は量産されている物は日本の製造工場に任せているが、今回のように特注で作る物は瀬田家の人間が作っている。
エリシオの右手首に装着されている銀のブレスレットは、去年拓郎が作った物だった。
1年で更に増えた魔力をセーブ出来る新たな魔道具を、拓郎は創造魔法を使って作り上げてゆく。
拓郎の両手の間で、小さな魔法陣が回転する。
1つの魔法陣に新たな魔法陣が重なってゆき、6つの重なり合う魔法陣は白い光を放つとブレスレットに形を変えた。
水晶に似た透明な石が嵌め込まれた銀のブレスレットは、見た目はこれまでの物と似ているが性能は遥かに高くなっている。
「古いのを外して、これを着けてみて」
拓郎に言われ、エリシオは今着けている物をはずして拓郎が持つ物と交換し、新しい品を右手首に装着した。
続いて拓郎はシャボン玉のような透明な球体の中に蝋燭を入れた物を作り出す。
蝋燭はまだ未使用の状態で火はついていない。
「動作テストをしよう。この蝋燭に火をつけてみて」
「はい」
エリシオは新たなブレスレットを着けた右手を球体にかざす。
「小発火」
リラックスした調子の声で唱えると、球体の中の蝋燭にポッと火がついた。
「出来た…」
「今はこれで良さそうだね」
成功に安堵するエリシオに微笑み、拓郎が言う。
「また1年くらいして魔力が上がったら新しいのを作るよ」
「ありがとう!」
嬉しそうに笑う子供の頭を、20代青年がヨシヨシと撫でた。
その後、初めて入った研究室に興味津々なエリシオに、拓郎は魔道具の数々を見せて説明する。
魔道具は拓郎が作った最近の物だけでなく、遥かな昔に祖先の史郎が作った物もある。
拓郎はエリシオとクロードを研究室の奥にある転送陣へ案内した。
「エリシオは王族の中でも特に魔力が高いから、これを知っておいてもらいたい」
と言う拓郎に連れられて行った転送陣の先には、鮮やかな青色に染め上げられた大型魔道具があった。
「これは何?」
エリシオは問う。
「その透明な部分から中を見てごらん」
拓郎に言われ、透明な蓋越しに中を覗き込むと、カプセル状の魔道具の中に誰か寝ているのが見えた。
エリシオよりやや小柄なくらいで、年頃は同じように思える子供。
灰色で腰の辺りまである長い髪、目は閉じているので色合いは分からない。
肌は血の気が無く真っ白で、ピクリとも動かないので死んでいるように見える。
「封印専用魔道具:Azure cradle。986年前に魔王を封じた物だよ」
「えっ?!」
拓郎の言葉に、エリシオは驚きの声を上げて固まった。
年間通して様々な花蜜やフルーツを生産する農業の国は、様々な国から商人たちが訪れて賑わう。
「この国はいつ来ても良い香りがするね」
若い男女20名ほどを引き連れて、当代のSETA社長・拓郎は王城内を歩いていた。
甘い花の香りが漂う城内は、白い石造りの内装に色とりどりの花が飾られていて目を楽しませてくれる。
拓郎たちが通ると壁際に寄って一礼する侍女や侍従たちも、髪や胸元に生花を飾っていた。
「来たか、拓郎」
王城地下、防衛用の大規模な魔道具が設置された場所に拓郎の父・哲郎が居た。
まだ40代の哲郎は社長の座を息子に譲ってアーシアの国々を回り、大型魔道具のメンテナンスを請け負っている。
「初見学の技術者20名を連れて来ました」
物珍しそうに辺りを見回している人々を片手で示して、拓郎は言う。
「この世界の魔道具について、どこまで学んだかな?」
哲郎が技術者たちに問いかける。
「SETA学園の必修科目は全員学びました。その後それぞれ興味のある分野に進んでいます」
20名の中で最年長の女性が答えた。
技術者たちを父に預けて、拓郎はマイクロチップの転移アプリを起動する。
「父さん、ちょっとプルミエまで行って来ますね」
「ああ行っておいで。こちらには夕食会までに戻ってくれればいい」
「分かりました」
そしてシエムからプルミエへ、拓郎は瞬時に移動した。
プルミエ王城地下にはSETAの研究室がある。
拓郎はそこへ移動すると、マイクロチップの通信機能を使ってクロードに連絡を入れた。
しばらくして、王宮魔法教師が教え子の第三王子を連れて研究室に現れる。
扉をノックして入って来た2人のうち、ここに入るのが初めてだったエリシオは、興味深そうに室内の様々な魔道具に視線を巡らせた。
「凄い、お城の地下にこんなところがあったんだね」
「エリシオはここに来るのは初めてだったかな?」
「うん」
特に敬語など使わない気軽な会話は、プルミエ王家と瀬田家では普通の事。
王家の祖先アリア王妃と瀬田家の祖先アリサは姉妹で、拓郎とエリシオも遠縁にあたる。
「とりあえず、現在の魔力を調べてみようか」
そう言って、拓郎はエリシオにカードのような形状の魔道具を持たせた。
手にしたカードの液晶パネルに似た部分の数字が目まぐるしく動き、やがて全てが9になって停止した後、数字は消えて∞マークが現れる。
「………なるほどね」
それを見て呟いた後、カードを返却してもらって机に置き、拓郎は創造魔法の術式を起動した。
SETA社の魔道具は量産されている物は日本の製造工場に任せているが、今回のように特注で作る物は瀬田家の人間が作っている。
エリシオの右手首に装着されている銀のブレスレットは、去年拓郎が作った物だった。
1年で更に増えた魔力をセーブ出来る新たな魔道具を、拓郎は創造魔法を使って作り上げてゆく。
拓郎の両手の間で、小さな魔法陣が回転する。
1つの魔法陣に新たな魔法陣が重なってゆき、6つの重なり合う魔法陣は白い光を放つとブレスレットに形を変えた。
水晶に似た透明な石が嵌め込まれた銀のブレスレットは、見た目はこれまでの物と似ているが性能は遥かに高くなっている。
「古いのを外して、これを着けてみて」
拓郎に言われ、エリシオは今着けている物をはずして拓郎が持つ物と交換し、新しい品を右手首に装着した。
続いて拓郎はシャボン玉のような透明な球体の中に蝋燭を入れた物を作り出す。
蝋燭はまだ未使用の状態で火はついていない。
「動作テストをしよう。この蝋燭に火をつけてみて」
「はい」
エリシオは新たなブレスレットを着けた右手を球体にかざす。
「小発火」
リラックスした調子の声で唱えると、球体の中の蝋燭にポッと火がついた。
「出来た…」
「今はこれで良さそうだね」
成功に安堵するエリシオに微笑み、拓郎が言う。
「また1年くらいして魔力が上がったら新しいのを作るよ」
「ありがとう!」
嬉しそうに笑う子供の頭を、20代青年がヨシヨシと撫でた。
その後、初めて入った研究室に興味津々なエリシオに、拓郎は魔道具の数々を見せて説明する。
魔道具は拓郎が作った最近の物だけでなく、遥かな昔に祖先の史郎が作った物もある。
拓郎はエリシオとクロードを研究室の奥にある転送陣へ案内した。
「エリシオは王族の中でも特に魔力が高いから、これを知っておいてもらいたい」
と言う拓郎に連れられて行った転送陣の先には、鮮やかな青色に染め上げられた大型魔道具があった。
「これは何?」
エリシオは問う。
「その透明な部分から中を見てごらん」
拓郎に言われ、透明な蓋越しに中を覗き込むと、カプセル状の魔道具の中に誰か寝ているのが見えた。
エリシオよりやや小柄なくらいで、年頃は同じように思える子供。
灰色で腰の辺りまである長い髪、目は閉じているので色合いは分からない。
肌は血の気が無く真っ白で、ピクリとも動かないので死んでいるように見える。
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「えっ?!」
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