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美月~ルナの幼年期
ep02:美月視点②
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その日、電車に乗っていた私と陽太と華蓮は、映画を見たり買い物したり、楽しい休日を過ごして帰る途中だった。
見た映画のタイトルは【星空の彼方~亡国の王子~】。
私と華蓮がハマッているゲームの外伝をアニメ化した映画で、ファンからの評価はかなり高い。
恋愛シミュレーションゲーム【星空の彼方】は、4つの属性のメイン攻略対象と、闇属性をもつ隠し攻略対象との交流を深めていくゲームだ。
映画【星空の彼方~亡国の王子~】の主人公アストルは、ゲームでは敵キャラとして登場する。
全属性の魔法と優れた剣術をもつ金髪碧眼の美青年で、プレイヤーたちから「ラスボスより強い」とまで言われる、最高難度の敵でもあった。
アストルは、本来なら聖女ルナと共に魔王と戦う勇者となる筈だった。
けれど、アストルの力を利用しようと考えた魔王は、彼が未熟な子供のうちに連れ去り、自我を封じてしまう。
魔王に操られるままルナたちと戦うアストルは、斃されたことにより魔王に施された精神の封印が解ける。
生命力が尽きた肉体から解放されたアストルの霊は、ルナと攻略対象たちに勇者の力を分け与え、魔王を倒す奥義を授ける、というシナリオになっていた。
「あのチート級の力を10年前から使えていれば、魔王を倒せたのにな」
「でもそれじゃ、ルナや攻略対象たちが活躍できないよね」
「そういえば、制作裏話に『アストルは攻略対象にする予定だったけど、強すぎるから敵キャラにした』って書いてあったわ」
前売り券限定特典が入ったペーパーバッグを手に、私たちは映画を見た感想を話す。
映画はアストルの誕生から幼少期までの話で、魔王に精神を封じられるまでの経緯を伝えるものとなっていた。
「アストルの幼少期、天使以外の何者でもないわ」
「推しの幼少期が尊すぎて辛い」
途中の駅で下車していった女子高生たちも、同じ映画の話をしていた。
アストルは攻略対象じゃないのに、ゲームのキャラクター人気投票で1位になるようなキャラだ。
推しにしているファンの数は、メイン攻略対象よりも多いかもしれない。
だからこそ映画ができたわけで、映画館は連日満席、グッズも飛ぶように売れている。
「アランの過去も映画化しないかなぁ」
「っていうかそれ、ゲーム序盤にあるだろ」
「あれはルナの過去であって、アランが主役じゃないわ」
「美月ちゃんってば、本当にアラン大好きよね」
話している間に電車はいくつかの主要な駅で停まり、乗客はみんな降りていった。
私たちが降りるのは、この路線の終点にあたる駅だ。
高架を進む電車の窓から、沈みつつある太陽と夕焼けが見える。
空の彼方が金色に輝き、茜色とのグラデーションを描き出す。
それが、私たちがこの世界で最後に見た夕空だった。
見た映画のタイトルは【星空の彼方~亡国の王子~】。
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けれど、アストルの力を利用しようと考えた魔王は、彼が未熟な子供のうちに連れ去り、自我を封じてしまう。
魔王に操られるままルナたちと戦うアストルは、斃されたことにより魔王に施された精神の封印が解ける。
生命力が尽きた肉体から解放されたアストルの霊は、ルナと攻略対象たちに勇者の力を分け与え、魔王を倒す奥義を授ける、というシナリオになっていた。
「あのチート級の力を10年前から使えていれば、魔王を倒せたのにな」
「でもそれじゃ、ルナや攻略対象たちが活躍できないよね」
「そういえば、制作裏話に『アストルは攻略対象にする予定だったけど、強すぎるから敵キャラにした』って書いてあったわ」
前売り券限定特典が入ったペーパーバッグを手に、私たちは映画を見た感想を話す。
映画はアストルの誕生から幼少期までの話で、魔王に精神を封じられるまでの経緯を伝えるものとなっていた。
「アストルの幼少期、天使以外の何者でもないわ」
「推しの幼少期が尊すぎて辛い」
途中の駅で下車していった女子高生たちも、同じ映画の話をしていた。
アストルは攻略対象じゃないのに、ゲームのキャラクター人気投票で1位になるようなキャラだ。
推しにしているファンの数は、メイン攻略対象よりも多いかもしれない。
だからこそ映画ができたわけで、映画館は連日満席、グッズも飛ぶように売れている。
「アランの過去も映画化しないかなぁ」
「っていうかそれ、ゲーム序盤にあるだろ」
「あれはルナの過去であって、アランが主役じゃないわ」
「美月ちゃんってば、本当にアラン大好きよね」
話している間に電車はいくつかの主要な駅で停まり、乗客はみんな降りていった。
私たちが降りるのは、この路線の終点にあたる駅だ。
高架を進む電車の窓から、沈みつつある太陽と夕焼けが見える。
空の彼方が金色に輝き、茜色とのグラデーションを描き出す。
それが、私たちがこの世界で最後に見た夕空だった。
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