29 / 57
美月~ルナの冒険者養成スクール生活
ep24:美月視点⑭
しおりを挟む
ステータス上はアランよりも「命中」が高いのに、私の遠距離攻撃はちっとも的に当たらない。
次の授業は様々な武器を使ってみて自分に合うものを選ぶというものだったけど、私は早々に弓を諦めた。
「いいもん。近接で殴るもん」
「近接攻撃者になるなら、身体強化魔法を習っておきな」
いじけていた私に、教官リアムさんが言う。
ここでいう身体強化魔法とは、自己強化専用の魔法。
以前に私がアランにかけたものとは違う。
戦士系の人が使う、無属性の魔法だった。
「身体強化魔法はイメージというよりは、願いに近いんだ。力が強くなりたい、速く動けるようになりたい、そんな感じで願うことだ」
「……できた!」
「ほう、一度で覚えたか。素質があるようだな」
隠しているけど、私は光属性の身体強化魔法が使える。
聖女が使う身体強化魔法も「願い」が発動条件だった。
その応用がきくので、無属性の身体強化は難しいものではなかった。
「先生、僕もできました!」
「お前も近接向きか」
アランも、身体強化魔法をすぐに使えるようになった。
以前にお父さんの霊が力を貸してくれたことを思い出しながら強く願うと、身体強化が発動しやすいらしい。
あのとき力を貸したのはお父さんじゃなくて私なんだけど、それは言えないので守護霊パワーということにしておく。
その後も様々な武器を使ってみて、私は戦棍とかフランジバトルメイスとか呼ばれる打撃系武器を選んだ。
ゲームでも主人公が使う装備にあったので、扱いやすいのかもしれない。
ただ、ゲームではルナにメイスを持たせると、「殴り聖女」なんて笑いの種になっていたので、なんともいえない気分ではあった。
まあ、私は聖女ではなく冒険者なので、笑いの種になる心配はいらなそうだけどね。
「えいっ! わーい粉々になった~」
「お前……見た目と行動が合ってないぞ」
「見た目は可憐な乙女なのに、中身は撲殺キッズだな」
身体強化をかけてメイスで岩を殴って粉々にする私を見て、リアム先生は苦笑していた。
一緒に授業を受けている男性陣まで乾いた笑いを浮かべている。
「ルナ、凄いね! 僕もそれくらい強化できるようになりたいな」
アランだけは、通常運行だった。
彼はメイン武器に両手剣を選んだ。
筋力が飛び抜けて高いアランは、大きくて重い両手剣さえも短刀のように軽く素早く取り扱うことができた。
「メイス1本で岩を砕く少女に、デカい剣を片手で軽々と振り回す少年……お前ら名物コンビになるかもな」
リアム先生が、笑いながら言う。
ゲームにはなかったコンビ結成は、私が望む未来に向かっていた。
次の授業は様々な武器を使ってみて自分に合うものを選ぶというものだったけど、私は早々に弓を諦めた。
「いいもん。近接で殴るもん」
「近接攻撃者になるなら、身体強化魔法を習っておきな」
いじけていた私に、教官リアムさんが言う。
ここでいう身体強化魔法とは、自己強化専用の魔法。
以前に私がアランにかけたものとは違う。
戦士系の人が使う、無属性の魔法だった。
「身体強化魔法はイメージというよりは、願いに近いんだ。力が強くなりたい、速く動けるようになりたい、そんな感じで願うことだ」
「……できた!」
「ほう、一度で覚えたか。素質があるようだな」
隠しているけど、私は光属性の身体強化魔法が使える。
聖女が使う身体強化魔法も「願い」が発動条件だった。
その応用がきくので、無属性の身体強化は難しいものではなかった。
「先生、僕もできました!」
「お前も近接向きか」
アランも、身体強化魔法をすぐに使えるようになった。
以前にお父さんの霊が力を貸してくれたことを思い出しながら強く願うと、身体強化が発動しやすいらしい。
あのとき力を貸したのはお父さんじゃなくて私なんだけど、それは言えないので守護霊パワーということにしておく。
その後も様々な武器を使ってみて、私は戦棍とかフランジバトルメイスとか呼ばれる打撃系武器を選んだ。
ゲームでも主人公が使う装備にあったので、扱いやすいのかもしれない。
ただ、ゲームではルナにメイスを持たせると、「殴り聖女」なんて笑いの種になっていたので、なんともいえない気分ではあった。
まあ、私は聖女ではなく冒険者なので、笑いの種になる心配はいらなそうだけどね。
「えいっ! わーい粉々になった~」
「お前……見た目と行動が合ってないぞ」
「見た目は可憐な乙女なのに、中身は撲殺キッズだな」
身体強化をかけてメイスで岩を殴って粉々にする私を見て、リアム先生は苦笑していた。
一緒に授業を受けている男性陣まで乾いた笑いを浮かべている。
「ルナ、凄いね! 僕もそれくらい強化できるようになりたいな」
アランだけは、通常運行だった。
彼はメイン武器に両手剣を選んだ。
筋力が飛び抜けて高いアランは、大きくて重い両手剣さえも短刀のように軽く素早く取り扱うことができた。
「メイス1本で岩を砕く少女に、デカい剣を片手で軽々と振り回す少年……お前ら名物コンビになるかもな」
リアム先生が、笑いながら言う。
ゲームにはなかったコンビ結成は、私が望む未来に向かっていた。
0
あなたにおすすめの小説
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
9回巻き戻った公爵令嬢ですが、10回目の人生はどうやらご褒美モードのようです
志野田みかん
恋愛
アリーシア・グランツ公爵令嬢は、異世界から落ちてきた聖女ミアに婚約者を奪われ、断罪されて処刑された。殺されるたびに人生が巻き戻り、そのたびに王太子マクシミリアンはミアに心奪われ、アリーシアは処刑、処刑、処刑!
10回目の人生にして、ようやく貧乏男爵令嬢アリーに生まれ変わった。
もう王太子や聖女には関わらない!と心に決めたのに、病弱な弟のために王宮の侍女として働くことに。するとなぜか、王太子マクシミリアンは聖女ミアには目もくれず、男爵令嬢アリーを溺愛し始めて……。
(頭を空っぽにして笑えることを目指したコメディです。2020年に執筆した作品です。本作を読みたいというお声があったため再掲します)
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】 メイドをお手つきにした夫に、「お前妻として、クビな」で実の子供と追い出され、婚約破棄です。
BBやっこ
恋愛
侯爵家で、当時の当主様から見出され婚約。結婚したメイヤー・クルール。子爵令嬢次女にしては、玉の輿だろう。まあ、肝心のお相手とは心が通ったことはなかったけど。
父親に決められた婚約者が気に入らない。その奔放な性格と評された男は、私と子供を追い出した!
メイドに手を出す当主なんて、要らないですよ!
お兄ちゃんは、ヒロイン様のモノ!!……だよね?
夕立悠理
恋愛
もうすぐ高校一年生になる朱里には、大好きな人がいる。義兄の小鳥遊優(たかなしゆう)だ。優くん、優くん、と呼んで、いつも後ろをついて回っていた。
けれど、楽しみにしていた高校に入学する日、思い出す。ここは、前世ではまっていた少女漫画の世界だと。ヒーローは、もちろん、かっこよくて、スポーツ万能な優。ヒロインは、朱里と同じく新入生だ。朱里は、二人の仲を邪魔する悪役だった。
思い出したのをきっかけに、朱里は優を好きでいるのをやめた。優くん呼びは、封印し、お兄ちゃんに。中学では一緒だった登下校も別々だ。だって、だって、愛しの「お兄ちゃん」は、ヒロイン様のものだから。
──それなのに。お兄ちゃん、ちょっと、距離近くない……?
※お兄ちゃんは、彼氏様!!……だよね? は二人がいちゃついてるだけです。
聖女は支配する!あら?どうして他の聖女の皆さんは気付かないのでしょうか?早く目を覚ましなさい!我々こそが支配者だと言う事に。
naturalsoft
恋愛
この短編は3部構成となっております。1話完結型です。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
オラクル聖王国の筆頭聖女であるシオンは疑問に思っていた。
癒やしを求めている民を後回しにして、たいした怪我や病気でもない貴族のみ癒やす仕事に。
そして、身体に負担が掛かる王国全体を覆う結界の維持に、当然だと言われて御礼すら言われない日々に。
「フフフッ、ある時気付いただけですわ♪」
ある時、白い紙にインクが滲むかの様に、黒く染まっていく聖女がそこにはいた。
酒の席での戯言ですのよ。
ぽんぽこ狸
恋愛
成人前の令嬢であるリディアは、婚約者であるオーウェンの部屋から聞こえてくる自分の悪口にただ耳を澄ませていた。
何度もやめてほしいと言っていて、両親にも訴えているのに彼らは総じて酒の席での戯言だから流せばいいと口にする。
そんな彼らに、リディアは成人を迎えた日の晩餐会で、仕返しをするのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる