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美月~聖女の力はひたすら隠す
ep31:美月視点㉑
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日本語で書かれたメッセージ。
私を転生者だと確信しているような内容。
彼女の顔はゲームで見かけた気がするのに、どのシーンだったのか思い出せない。
気になることがありすぎて、私はメッセージカードに書かれた場所へ向かった。
エトワール王国の首都ウルバンは、中心に王城があり、その周囲を貴族たちの屋敷が囲み、それを平民たちの家や商店などが囲む。
私が暮らしている孤児院から貴族の家へ行くには、平民街と貴族街を隔てる門を通る必要があった。
「私はルナです。レイカ様のお屋敷へ行きます」
「ああ、聞いてる。迎えの馬車が来るから、そこのベンチに座って待ってな」
ちょっと丁寧な口調で門番に声をかけると、すんなり通してくれた。
迎えの馬車まで用意してくれるなんて、気前がいいお嬢様ね。
「ルナ様、お待たせしました。どうぞお乗り下さいませ」
しばらくして迎えに来たのは、パステルブルーとパールホワイトでカラーリングされた、可愛いデザインの馬車だった。
ゲームで見た記憶は無い。
ミニゲーム「貴族の馬車当てクイズ」は陽太にお任せだったから、私には馬車のデザインを見ても、どの貴族家の物か分からなかった。
乗り心地の良い馬車に運ばれて行った先には、馬車と同じカラーリングの屋敷があった。
正門をくぐり、手入れされた庭園の一角で馬車から降りた私は、お迎え役の侍女に案内されて庭園を進む。
フリージアに似た様々な色彩の花が咲いていて、フルーティーで甘い香りが漂っている。
小さな池があって、そこには水連に似た白い花が浮かんている。
池の近くを通り抜けると、水色の丸屋根と白い円柱で造られた西洋風の東屋が見えてきた。
東屋には白い丸テーブルと椅子があって、テーブルには菓子が並べられている。
2つの椅子の片方には、海色のドレスを着た水色髪の少女が座っていた。
「ルナ様をお連れしました」
「ご苦労様。二人だけで話したいから、みんな下がってちょうだい」
「畏まりました」
お茶を淹れ終えると、侍女たちはみんな離れていく。
東屋には、少女と私だけが残った。
「ようこそ。まだフルネームは名乗ってなかったわね。私はレイカ・エータ・ラ・アルリシャ。レイカと呼んでくれたらいいわ。敬語も使わなくていいから、楽に話して」
椅子の1つに座っていた水色髪の少女が、微笑みを浮かべつつ名乗る。
アルリシャというファミリーネームを聞いて、私はようやく彼女が誰か思い出した。
ゲームでは、悪役令嬢カレンの取り巻きだった女生徒だ。
でも、ゲームのアルリシャ嬢とは、雰囲気と髪型が全然違う。
ゲームのアルリシャ嬢は、いつも主人公を睨む意地悪そうな少女だった。
今ここにいるレイカは、ちょっと気の強そうな顔立ちではあるけれど、穏やかな笑みを浮かべている。
髪型は、ゲームでは腰までのばしたストレートロングなのに、こちらでは肩に届く辺りで前下がりワンレングスカットされている。
「ここに来たということは、あなたはやはり転生者ね?」
確認するように問われて、私は頷く。
隠す必要はなさそう。
そんなことを問うのなら、レイカも転生者だよね。
「聞いてもいい? どうしてエトワール国立学院に入学しなかったの?」
「推しに誘われて、冒険者養成スクールに入学したから」
「推し? 冒険者養成スクールに攻略対象なんていたかしら?」
「攻略対象じゃないよ、ゲームではチュートリアルしか出てこない子」
「えっ? ……あ、そっか、それでアランと一緒にいたのね」
レイカは私の推しが誰かすぐに理解したみたい。
彼女は溜息混じりに呟いた。
「……はぁ。学院に主人公も悪役令嬢もいないし、シナリオ改変され過ぎて先が読めないわ」
悪役令嬢がいないと聞いて、私はドキッとする。
華蓮ちゃんは学院に入らずに、どうしているの?
「知ってる? カレンは社交界に一切出てこないまま、ソレイユ王国へ行っちゃったそうよ」
「えっ? 滅亡した国に?」
「滅亡してないわ。光の防壁がソレイユ島全体を覆って、ペリルの攻撃を防いだの」
「それって、もしかして……」
「……ソレイユにも転生者がいるんでしょうね」
更なる転生者とシナリオ改変の情報。
この世界はもう、ゲームとは全然違う物語になってしまったのね。
私たちのゲーム知識は、どこまで通用するんだろう?
私を転生者だと確信しているような内容。
彼女の顔はゲームで見かけた気がするのに、どのシーンだったのか思い出せない。
気になることがありすぎて、私はメッセージカードに書かれた場所へ向かった。
エトワール王国の首都ウルバンは、中心に王城があり、その周囲を貴族たちの屋敷が囲み、それを平民たちの家や商店などが囲む。
私が暮らしている孤児院から貴族の家へ行くには、平民街と貴族街を隔てる門を通る必要があった。
「私はルナです。レイカ様のお屋敷へ行きます」
「ああ、聞いてる。迎えの馬車が来るから、そこのベンチに座って待ってな」
ちょっと丁寧な口調で門番に声をかけると、すんなり通してくれた。
迎えの馬車まで用意してくれるなんて、気前がいいお嬢様ね。
「ルナ様、お待たせしました。どうぞお乗り下さいませ」
しばらくして迎えに来たのは、パステルブルーとパールホワイトでカラーリングされた、可愛いデザインの馬車だった。
ゲームで見た記憶は無い。
ミニゲーム「貴族の馬車当てクイズ」は陽太にお任せだったから、私には馬車のデザインを見ても、どの貴族家の物か分からなかった。
乗り心地の良い馬車に運ばれて行った先には、馬車と同じカラーリングの屋敷があった。
正門をくぐり、手入れされた庭園の一角で馬車から降りた私は、お迎え役の侍女に案内されて庭園を進む。
フリージアに似た様々な色彩の花が咲いていて、フルーティーで甘い香りが漂っている。
小さな池があって、そこには水連に似た白い花が浮かんている。
池の近くを通り抜けると、水色の丸屋根と白い円柱で造られた西洋風の東屋が見えてきた。
東屋には白い丸テーブルと椅子があって、テーブルには菓子が並べられている。
2つの椅子の片方には、海色のドレスを着た水色髪の少女が座っていた。
「ルナ様をお連れしました」
「ご苦労様。二人だけで話したいから、みんな下がってちょうだい」
「畏まりました」
お茶を淹れ終えると、侍女たちはみんな離れていく。
東屋には、少女と私だけが残った。
「ようこそ。まだフルネームは名乗ってなかったわね。私はレイカ・エータ・ラ・アルリシャ。レイカと呼んでくれたらいいわ。敬語も使わなくていいから、楽に話して」
椅子の1つに座っていた水色髪の少女が、微笑みを浮かべつつ名乗る。
アルリシャというファミリーネームを聞いて、私はようやく彼女が誰か思い出した。
ゲームでは、悪役令嬢カレンの取り巻きだった女生徒だ。
でも、ゲームのアルリシャ嬢とは、雰囲気と髪型が全然違う。
ゲームのアルリシャ嬢は、いつも主人公を睨む意地悪そうな少女だった。
今ここにいるレイカは、ちょっと気の強そうな顔立ちではあるけれど、穏やかな笑みを浮かべている。
髪型は、ゲームでは腰までのばしたストレートロングなのに、こちらでは肩に届く辺りで前下がりワンレングスカットされている。
「ここに来たということは、あなたはやはり転生者ね?」
確認するように問われて、私は頷く。
隠す必要はなさそう。
そんなことを問うのなら、レイカも転生者だよね。
「聞いてもいい? どうしてエトワール国立学院に入学しなかったの?」
「推しに誘われて、冒険者養成スクールに入学したから」
「推し? 冒険者養成スクールに攻略対象なんていたかしら?」
「攻略対象じゃないよ、ゲームではチュートリアルしか出てこない子」
「えっ? ……あ、そっか、それでアランと一緒にいたのね」
レイカは私の推しが誰かすぐに理解したみたい。
彼女は溜息混じりに呟いた。
「……はぁ。学院に主人公も悪役令嬢もいないし、シナリオ改変され過ぎて先が読めないわ」
悪役令嬢がいないと聞いて、私はドキッとする。
華蓮ちゃんは学院に入らずに、どうしているの?
「知ってる? カレンは社交界に一切出てこないまま、ソレイユ王国へ行っちゃったそうよ」
「えっ? 滅亡した国に?」
「滅亡してないわ。光の防壁がソレイユ島全体を覆って、ペリルの攻撃を防いだの」
「それって、もしかして……」
「……ソレイユにも転生者がいるんでしょうね」
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この世界はもう、ゲームとは全然違う物語になってしまったのね。
私たちのゲーム知識は、どこまで通用するんだろう?
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