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美月~聖女の力はひたすら隠す
ep32:美月視点㉒
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「あなたの推し活を邪魔する気は無いから安心して。その代わり、ダンジョンイベントのときに手伝ってもらえる?」
「いいよ。そのときはアランも連れて行くね」
「アランがあんなに強くなるとは予想外だったわ」
レイカは、私が聖女であることを秘密にしてくれるらしい。
でも、攻略対象たちのダンジョンイベントは、聖女の力が無ければ切り抜けられない。
私は手伝うことを約束した。
誘えばアランもついてくる筈。
アランは命中率の低さを補えば今のレグルスたちよりも強いから、頼れる存在になると思う。
「じゃあ、手伝ってほしいときはギルドに指名依頼を出すから、よろしくね」
「うん、任せて」
転生者同士すっかり打ち解けた私たちは、次のイベントをどう進めるか、簡単な打ち合わせを済ませた。
次のダンジョンイベントの敵も、誰か1人を強化すればクリアできる。
アランを連れて行けば、攻略対象に聖女の力がバレない。
「これ、孤児院のみんなと食べてね。こっちのお菓子は、街の門番にあげて」
「ありがとう! 門番のお兄さんにも渡しておくね」
お茶とお菓子を御馳走になった後、私は再び馬車に乗せてもらってアルリシャ家を出た。
貴族街と平民街を隔てる門の手前で馬車を降りて、門番のお兄さんに菓子が入った紙袋を手渡す。
「お兄さん、これアルリシャのお嬢様から差し入れです」
「おっ! アルリシャ家のマカロンか。美味いんだよなぁこれ」
お兄さんは甘いもの好きなのか、嬉しそうにふにゃりと笑った。
私は門をくぐり、美味しいと噂のマカロンが入った大きな紙袋を大事に抱えて、孤児院へと足早に歩きだした。
◇◆◇◆◇
「ただいま~」
「おかえり、ルナ!」
「今夜は御馳走だよ!」
「セアンヴレお兄ちゃんが作りに来てくれたの!」
孤児院の玄関扉を開けた途端、肉の焼けるいい匂いがする。
興奮気味の孤児院仲間たちが駆けてきて、嬉しいお知らせをしてくれた。
(良かった! 無事だったのね)
紙袋を抱えたまま厨房へ行ってみると、元気そうなセアンヴレがいた。
レグルスの誕生日は昨日だから、ゲーム通りなら寝込んでいる筈だけど。
ミサンガの不運除けが効いたのか、怪我をしている様子は無い。
「ルナ! お前のミサンガ凄いな!」
……って、レグルスまでいるし!
よく見たら護衛のアルデバランもいる。
2人とも子供用エプロン着けて、レグルスは木ベラ、アルデバランはお玉を持ってる。
料理、手伝ってたの?
「セアンヴレさん、階段から落ちたのに怪我しなかったって」
アランもいる。
彼も子供用エプロンつけて、手にはポテトマッシャーを持ってる。
厨房の中では、年長組の子がエプロン着けて作業の真っ最中だった。
え? 何? みんなで手伝ってたの?
「セアンヴレさん、大丈夫だったの?」
「うん。足を滑らせて寮の階段から落ちてしまったけど、替えのクッションを入れたワゴンにスッポリはまって怪我をせずに済んだんだよ」
心配して聞いてみると、セアンヴレは照れくさそうに笑って話してくれた。
自分の不注意みたいに言ってるけど、階段から落ちたのは多分セアンヴレを妬んだ先輩料理人の仕業ね。
「シャンス草のミサンガは幸運のお守りって言われてるが、こんなに効果があるとは思わなかったぞ」
「それは多分、セアンヴレさんの日頃の行ないが良いからですよ」
「きっと、神様が幸運倍増させてくれたんですね」
「そうか」
レグルスが言うと、厨房に入ってきた孤児院スタッフたちが微笑んで言う。
セアンヴレが無事だったのは善人だからと聞いて、レグルスは嬉しそうに笑った。
きっと昨日の誕生日パーティでは、美味しい料理を作ってもらえたんだろうね。
(シナリオが変わったからまだ何か起きるかもしれないし、コッソリ追加付与しとこう)
付与魔法がバレなかったのをいいことに、私はセアンヴレのミサンガにもうひとつ魔法を付与した。
光属性魔法:ル・カルマ
この魔法は、敵の攻撃を反射する効果をもつ。
セアンブレに危害を加えようとする者は、自らの行ないによって傷つく。
つまり、因果応報ね。
この付与魔法が発動するようなことが、セアンヴレに起きないことを祈っておくわ。
「いいよ。そのときはアランも連れて行くね」
「アランがあんなに強くなるとは予想外だったわ」
レイカは、私が聖女であることを秘密にしてくれるらしい。
でも、攻略対象たちのダンジョンイベントは、聖女の力が無ければ切り抜けられない。
私は手伝うことを約束した。
誘えばアランもついてくる筈。
アランは命中率の低さを補えば今のレグルスたちよりも強いから、頼れる存在になると思う。
「じゃあ、手伝ってほしいときはギルドに指名依頼を出すから、よろしくね」
「うん、任せて」
転生者同士すっかり打ち解けた私たちは、次のイベントをどう進めるか、簡単な打ち合わせを済ませた。
次のダンジョンイベントの敵も、誰か1人を強化すればクリアできる。
アランを連れて行けば、攻略対象に聖女の力がバレない。
「これ、孤児院のみんなと食べてね。こっちのお菓子は、街の門番にあげて」
「ありがとう! 門番のお兄さんにも渡しておくね」
お茶とお菓子を御馳走になった後、私は再び馬車に乗せてもらってアルリシャ家を出た。
貴族街と平民街を隔てる門の手前で馬車を降りて、門番のお兄さんに菓子が入った紙袋を手渡す。
「お兄さん、これアルリシャのお嬢様から差し入れです」
「おっ! アルリシャ家のマカロンか。美味いんだよなぁこれ」
お兄さんは甘いもの好きなのか、嬉しそうにふにゃりと笑った。
私は門をくぐり、美味しいと噂のマカロンが入った大きな紙袋を大事に抱えて、孤児院へと足早に歩きだした。
◇◆◇◆◇
「ただいま~」
「おかえり、ルナ!」
「今夜は御馳走だよ!」
「セアンヴレお兄ちゃんが作りに来てくれたの!」
孤児院の玄関扉を開けた途端、肉の焼けるいい匂いがする。
興奮気味の孤児院仲間たちが駆けてきて、嬉しいお知らせをしてくれた。
(良かった! 無事だったのね)
紙袋を抱えたまま厨房へ行ってみると、元気そうなセアンヴレがいた。
レグルスの誕生日は昨日だから、ゲーム通りなら寝込んでいる筈だけど。
ミサンガの不運除けが効いたのか、怪我をしている様子は無い。
「ルナ! お前のミサンガ凄いな!」
……って、レグルスまでいるし!
よく見たら護衛のアルデバランもいる。
2人とも子供用エプロン着けて、レグルスは木ベラ、アルデバランはお玉を持ってる。
料理、手伝ってたの?
「セアンヴレさん、階段から落ちたのに怪我しなかったって」
アランもいる。
彼も子供用エプロンつけて、手にはポテトマッシャーを持ってる。
厨房の中では、年長組の子がエプロン着けて作業の真っ最中だった。
え? 何? みんなで手伝ってたの?
「セアンヴレさん、大丈夫だったの?」
「うん。足を滑らせて寮の階段から落ちてしまったけど、替えのクッションを入れたワゴンにスッポリはまって怪我をせずに済んだんだよ」
心配して聞いてみると、セアンヴレは照れくさそうに笑って話してくれた。
自分の不注意みたいに言ってるけど、階段から落ちたのは多分セアンヴレを妬んだ先輩料理人の仕業ね。
「シャンス草のミサンガは幸運のお守りって言われてるが、こんなに効果があるとは思わなかったぞ」
「それは多分、セアンヴレさんの日頃の行ないが良いからですよ」
「きっと、神様が幸運倍増させてくれたんですね」
「そうか」
レグルスが言うと、厨房に入ってきた孤児院スタッフたちが微笑んで言う。
セアンヴレが無事だったのは善人だからと聞いて、レグルスは嬉しそうに笑った。
きっと昨日の誕生日パーティでは、美味しい料理を作ってもらえたんだろうね。
(シナリオが変わったからまだ何か起きるかもしれないし、コッソリ追加付与しとこう)
付与魔法がバレなかったのをいいことに、私はセアンヴレのミサンガにもうひとつ魔法を付与した。
光属性魔法:ル・カルマ
この魔法は、敵の攻撃を反射する効果をもつ。
セアンブレに危害を加えようとする者は、自らの行ないによって傷つく。
つまり、因果応報ね。
この付与魔法が発動するようなことが、セアンヴレに起きないことを祈っておくわ。
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