オムライス食べたい ~ゲーム漫画アニメの感想、それからオカルトや都市伝説について思ったこと書く意識の低いエッセイ~

ごったに

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現実を反面教師として脇役キャラクターについて考える話

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 本編とまったく関係ない話ですが、Youtube動画のオープニング、心底いらないと思っている筆者です。
 挨拶や小話や茶番ではなく、演者が出てくる前に流れる短いムービーのことです。
 いらねぇ……そこに金使うの、完全に自己満足や。

◎友人キャラをヘイト役にしないための話

 では、本題なのですが脇役の話です。
 脇役とは言っても、男性向けにおける友人キャラ的な立場のキャラクターについてです。
 そんなもんはいらん、主人公以外に男性キャラを出すな、というのももちろんアリだと思います。
 一方、エロゲギャルゲの強い影響を受けているメンバーは、単に好感度を教えてくれるキャラに留まらない友人キャラ肯定派です。
 少し前に、エロゲギャルゲの友人キャラポジションを主人公にしたラノベ群が出た時期もありましたね。
 あったんですよ。読んだことないんですけど。
 女性向けの悪役令嬢ものの、男性向け版だったのかもしれないと思ったりもしますが読んだことないので的外れかもしれません。
 本来の主人公キャラを差し置いて、本来不遇な悪役令嬢や友人キャラのポジションのキャラがモテまくっているんだが!?という狙いで「私/俺は主人公みたいにはなれないよ」と疲れた感じの現代人に夢を見させる構造だと思うから、合ってるとおもうんだけどな~。
 まあ、それはいいや。知らんから。
 個人的には作品に出すなら、友人よりも味方の胡散臭いおっさんのが面白いんじゃねぇかって思ったりもするんですよね~。でも先行作品を見るに、そういうおっさんキャラはシリーズが続いた後になんか倒して力を認めさせた後に追加してもいい、って感じなんですかね。

 友人キャラにしろおっさんキャラにしろ、やるべきでないキャラ造型だと思ってるのは「主人公の前で女キャラに対していいカッコしいのムーヴをする」というやつです。
 生物の本能として、同性を邪険にして異性にへつらってすり寄り、生殖の機会を得ようとする行動は理にかなっているとは、思います。
 具体的な話をすると、ぼーっとしてる主人公を使役して女キャラの荷物を肩代わりさせる、などの行動です。
 お前が持てや!!!!
 これは友人よりも、先輩などの年長者かもしれませんね。
 言ってしまえばこの行動をするキャラクターは、フェミ騎士とかチン騎士なわけです。
 現実でやられるとわかるのですが、強烈な敵愾心を喚起されます。
 もちろんケースバイケースではあるので、気を遣われる女キャラが薄幸の美少女とか結構な年少者であれば、主人公もぼーっとしていてスマンと思うケースもあるでしょう。
 ズタボロの綾波レイが、自分の代わりにエヴァに乗って戦おうとしてたら「僕がエヴァに乗ります!」と言いたくもなるでしょう。
 イケメンの担ぐ神輿に乗ってやってきて、優雅にジュース飲みながら「出撃だっる」とか言ってる女の代わりに乗れ、と言われたら反発もしたくなるでしょう。そんなシーンは、たぶん? ありませんけど。
 だからケースバイケースです。

 というのも、ほぼすべての男子はこれを経験して社会への強烈な不信感と粗雑に扱われることへの決して拭い去れない憎悪を抱いて大人になります。
 おもに小学校でそれを植え付けられます。
 女子と対立したときに、先生がどうも女子を贔屓している感じがする瞬間が必ずあります。
 あるんです。万有引力よりも慣性の法則よりも確実に存在します。
「先生が女だから、女の味方をするんだ」
 そういう仮定を立てて、「今は悪が世界を支配しているが、必ず最後は正義が勝つ」という救世主待望論に縋ります。
 ところが先生が男でも変わりません。
「このスケベジジイはロリコンで、自分の受け持つクラスの女に鼻の下を伸ばしてやがる」
 話にならん、となります。
 以前、Twitterで「それは男性教師が悪いのであって女子が悪いのではない。それなのに女子のせいにして、女を恨んでいたことに気が付いた。悪いのは男だ」みたいな勘違いの極みみたいな投稿が出回りましたが、教師の性別によらないことは上で述べた通りです。
 お前は高校卒業まで、すべての担任教師が男性教師だったんか?
 そうだったら、その勘違いを信じそうになるのもわから……いや、わかんねぇわ。
 じゃあ、誰が一体僕の味方になってくれるんだ?
 いつになったら、正義に味方してくれる人が現れるんだ?
 自力救済。やはり暴力、暴力はすべてを解決する。
 しねんだなぁ。
 小学校の高学年とかは、女子の方が成長が速かったりしますが、それでもぶん殴ると男子同士のそれより問題視されたりします。
「はい論破」でなんでも論争に勝ったような空気を作って相手を貶める子供が問題視されたりしますが、そんなの女子に限っては昔からです。
 なんでも「セクハラ」「差別」と言えば相手を黙らせられると、誤学習しているのは昔からいました。
 暴力はよくない、と教育はされるがすぐになんでも「セクハラ」「差別」と言うことを窘める教育って、されていますか?
 少なくとも筆者には、そういう教育がされているとは思えません。
 戦争に例えたら、戦車や戦闘機やミサイルや爆弾や生物兵器などはよくないとされてお互いに使っていなくても、相手側だけは一方的にこちらへの自虐史観教育や諜報活動や土地や企業の買収が野放しで、さらに相手側は自国民にこちらの国を悪魔化した洗脳教育を盛んにやって国旗を踏んで燃やして引き裂いてといったアピールをしているようなものです。

 ゆえに、主人公の前で女キャラにへつらって主人公を使役しようとするキャラクターは、ヘイト役になってしまうんですね。
 読者が忘却し、意識しないようにしている恨みつらみを強烈に喚起するので。
 へつらって、とは書いていますが体育会系っぽいキャラクターから「女子供にそんなことさせるな」的な命令をされるシーンを批判として馬鹿にして表現していること、伝わっていますか?
 これねぇ、大学でクソ鬱陶しいクラスから解放されて伸び伸びしているところに、サークルにいる体育会系の先輩とか、運転免許スクールの心肺蘇生法の講習の講師って形で再登場してくると、びっくりするんだよね。
 偏見だけど、イベント系のバイトにもこういうやついそう。
 男女平等(男女同権≒女尊男卑)でも男尊女卑(≒武士道)でも、我々は救われないんです。
 女尊男卑では女は男を包摂しないし、男尊女卑では男子たるもの女子を包摂せんで何とする、なので。
 逆に主人公が他の男性キャラクターを使役して、ヒロインなどを助けさせる描写も主人公へのヘイトが溜まると思います。
 いやー、主人公が愛されないキャラクターになると大変ですよ。
 作品の評価にも響きますからね。
 筆者は小説の先生から「主人公をどんなクズ野郎にしても、読者は勝手に美化して読んでくれるものです」と教わったのですが、体感として「そんなことないじゃん」と思っています。
 匙加減なのか、時代の変遷なのか、クズがなんらかの形で善に貢献する前提での発言だったのか。

 メンバーが勧めてくれたエロゲをやってみて「友人キャラって居てもいいじゃん」と思えたのは、「不快にならない程度でかつ笑えるマヌケ」だったからなんですよね。
 だから女子に対してカッコつけたとしても、それがスベってイベントにおける最終的な友人への評価が「憎めないマヌケ」になるのがベストなんだと思います。
 おっと、今『ダンダダン』の話したか?
 いいよな、坂田金太。友人キャラっていうのは、坂田金太なんだよ。
 ジジ? 知らない人ですねぇ。


◎人外ヒロインがメインヒロインの作品で、人間のヒロインって要らなくね?

 忘れもしませぬ。あれは拙僧が初めてライトノベル新人賞に投稿した作品に対し、返ってきた選評に書かれてあった文言のこと。
 主人公以外の人間キャラが妹しかいないことを取り上げ、それでは主人公の社会的な立ち位置がわからないと指摘されたこと!

 別に筆者は僧籍ではないがあのことを思い出すと、ンンンン! 
 某蘆屋道満な気分になるんですよねぇ!

 ご指摘ごもっともとは思ったのですが、執筆当時の筆者は「ラノベ主人公といえば10代が王道! ならば人間に絶望していたあの時期に必要だったのは、人間でも動物でもない可能性! 神、悪魔、精霊、妖精、なんかそういうやつ!」と無意識に感じており、友人キャラも人間のヒロインも要らぬ! という思いがあったような気がします。
 だいたい、10代の学生を主人公にして学校を舞台にすればいじめについて書きたくなるのが陰キャの必然でありましょう!
 先の小説の先生も「10代(学生)を描くことははいじめを描くこと」と仰っていましたし。
 主人公の社会的立ち位置を描くとなれば、学校やバイト先や部活などを描くことになると思いますが、それらはすべて組織と言い換えることができましょう。
 組織といえば、ヒエラルキー。ヒエラルキーといえば、いじめ、上下関係というのが付き物。それがリアリズムではなかろうか、と。
 プロのラノベ作家にはそこをねじ伏せて、いじめをパージして作品をこしらえておられる方が大勢いらっしゃいます。
 なんだろう、最近の筆者は読書量が学生時代に比べてクソ減ってるので、「いじめ描くとかただの悪手では?」という当然の認識が崩れているのかもしれません。
 けれど、単純に学校とか組織に属している描写をしなければ、いじめ問題に触れなくて済むし、その分バトルに紙幅を割くこともできる。当時の筆者は、超絶合理的な判断をしていたんじゃなかろうか。
 人間のヒロインも、出さなくていいし。
 同じことを考えた多くの書き手は、ゆえに異世界転生ファンタジーを書くのだと思います。
 異世界転生ファンタジーには、人間のヒロインもいる?
 いやいや、あれは現代日本の十代女子モチーフじゃないでしょ。
 あれらヒロインは種族が人間であっても、現代ファンタジーにおける女神とか妖精と同類だと筆者は思っています。
 もっと言えば、異世界転生ファンタジーの「奴隷商人から買ったヒロイン」的な人格の女子は、現代日本にいますか?
 いないでしょう?

 異性は天使ではなく、欲望を持った人間個人で、ギブアンドテイクやこちらが関係性に適したロールで接することを求めてくるんですよ。

 失礼、アンチキリスト者でありながら天使という比喩は不適切かもしれませんが、多くの人に伝わるイメージとして利用させていただきました。
 ガチ天使とか、だいたいクリーチャーと大差ないですからね。
 ああ、愚か、愚か。禁教令の取っ払われた明治以降に広まった、過度に美化されたキリスト教のイメージの数々よ。
 友人キャラのトピックで触れましたが、我々は女尊男卑はもちろん男尊女卑ですら救われないんですよ!!
 どちらでも守られず、虐げられ、重機の下位互換のように扱われるだけですからね!!
 読者や作者の救済に一切寄与しないヒロインなんて、必要なんですか!?
 個人的な話になりますが筆者は『這いよれ!ニャル子さん』の暮井珠緒(人間ヒロイン)よりもハス太(邪神で男の娘)の方がずっと可愛くてずっと好きです。
 ハス太はニャル子と同様に、真尋への熱烈な愛情表現をするが、暮井は真尋への好意自体がシリーズ(序盤や終盤はともかく)中盤ではかなり曖昧だったように記憶しています。
 現代日本の社会通念上、ニャル子やハス太のような愛情表現は憚られるものがあるでしょうし、クー子のように「私はニャル子と結婚して子供も産むが、少年(真尋)には私の子を産んでもらう」という宇宙的な愛情表現は輪をかけて無理だからだ。
 尋常の女子の生態を超えた好意を寄せたとしても「こいつら人間じゃないしな」で、読者の思考停止を喚起するヒロインしか読者を救済しないと思うんです。
 暮井の存在理由は、それこそ主人公・八坂真尋の学校での描写をするならせっかくだし人間のヒロインも出しておくか、とか邪神ヒロインたちとの対比とかそういうところにあると思うんですよね。
 やむを得ない理由で文量を削らなければならない、となった時に真っ先に削られるヒロインではないか。筆者はそう思うのです。

 ほら! 要らないんだよ、人間ヒロイン!!

 昔の作品のメインヒロインは、しばしば作品の説明役などを負わされて装置化してしまい、読者人気でサブヒロインに負けがちだったものです。
 同様に人間ヒロインは、主人公の社会的立ち位置とかいう作品主題にあんまり関係ないけどなんとなく必要な気がする程度の説明に付随してくる、オマケみたいなもんなんですって。

 そして人間ヒロイン不要説は、ラブコメは男性読者をまったく救わない説→萌えの発明にも繋がっているんです。

(参考)
『風流間唯人の女災対策的読書・第71回 高橋留美子の誇り高き敗北――男の子たちは、女の子と対等になりたかった』
 https://youtu.be/pF_4tbLJw8U?si=kUaaU0sb7WSZ0few
(女災チャンネル 様)

 知っていますか? 『うる星やつら』のラムちゃんは元々ゲストキャラだったことを。
 参考動画様では、「普通の女の子」との「現実の恋愛」をトレースした「ラブコメ」では男性読者は救われないために、宇宙から来たヒロインとの恋愛を読者が望み、高橋留美子先生がそれに応えた様が解説されています。

 ラブコメを得意とするメンバーが「普通の女の子」ヒロインが好きと語っていたことは、参考動画様でのラブコメ解説と符号したなぁ、としみじみしたものでした。
 主人公の献身や英雄的行動によってヒロインを何らかの形で救済し、ヒロインが好意で応える。
 この仕組みをメンバーも強調して「ラブコメの書き方」と力説していたが、それはまさしく『負けヒロインが多すぎる!』で語られていたように〝取引〟に過ぎないのだ。
 ちなみにラブコメことラブコメディーは、英語ではRomantic comedyである。
 そこで描かれるのが愛ではなく恋に留まることを、ドライなまでに教えてくれる。

 いや~、『負けイン』は『俺ガイル』と同じレーベルから出てるし、しかも新人賞獲った一発目の一巻で構造を取引だって言ってるの、今思えばレーベルの稼ぎ頭にケンカ売ってるようなもんですよ。アナーキーだなぁ!!
 ハチマンは原則、献身と自己犠牲でヒロインを救済すべく奔走してるもんな。
 ラブコメって軟派なようで、実はマッチョイズムなんですね~~~。
 ちなみにアニメで聞いた覚えがないので、確認するなら原作をあたってくれ。
 つまりラブコメの構造に対して「それができたら苦労はせん!」と大仰なジェスチャー付きで嘆く我々を、ラブコメは包摂しないのだ。
 参考動画様を拝見して、筆者は初めてなろう系作品的なヒロインが登場したことに納得がいった。
 ラブコメの問題点を超克するヒロイン像が、主人公をヨイショするだけの装置的なヒロインや買ってきた奴隷のヒロインなのだ、と。
 
 主人公にヒロインが惚れる理由は、必要ありません。
 ヒロイン、ただ主人公を愛しなさい……出会いがしらに。

 これが真理とはな。
 茫然として天を仰ぐしかない。
 なお筆者は、参考動画様の制作者の方とTwitterでやり取りしたことが一度だけある。
 エロゲやソシャゲのライティングの経験がおありのようで、その話になった際、無条件で主人公に惚れたりするようなヒロインはかなり嫌いだと仰られていた。
 うーん……人間って、難しいな。言葉って、欠陥ありすぎるツールだな。

 なんにせよ、ヒロイン像に悩んできた筆者にとってそもそも感情の取引を描くラブコメの構造が読者を救わないという前提は、一種の光明だったように思う。
『這いよれ!ニャル子さん』のメインヒロインのニャル子だって主人公に惚れた理由は、任務で保護対象となった主人公に一目惚れしたから、だったしな。
 そういうのでいいんだよ、そういうので。
 もちろんこれは(バトルものにおける)貴種流離譚(≒血統主義)と同様の危険性も孕んでいる。
 要するに先祖や父親がスゲーやつだったことが、主人公が強かったり特別だったり選ばれし者だったりする理由・根拠である物語である。
 つまり「俺は普通の家の子だから、主人公になれないんや」と白けられる可能性あるよ、ってこと。
 同様に「俺に一目惚れしてくれる美少女なんかおるわけないから、俺はぼっちなんじゃ」と受け取られるリスクがある。
 ラブコメだって「そんな都合よく俺が美少女を助けられる機会も発生せんし、勇気もないわ」なので、どういう構造でもそれは付きまとう。
 一目惚れですらない無条件の好意を寄せるヒロインの出る作品への反発は、あまりに現実味がないがゆえに未だに根強いし。
 もうこれギャンブルじゃな。

 それを考えるとですね……〝バブみを感じてオギャる〟という概念が長期的に続くジャンルとして定着しなかったことはとても惜しかったと思うんです。
 現実感のなさを問おうとすれば「いや、これギャグでしょ」とセルフツッコミで封じる〝無粋と思われたくない自分〟が出てきてくれるお蔭で、笑って読める。
 あれだけが、ガチ救済コンテンツになり得たのではないか。
 筆者にはそう思えてなりません。
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