花衣ー皇国の皇姫ー

AQUA☆STAR

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傾国編

第6話 奇襲作戦

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「だから、私はただの商人でここに行商に来ただけですって」
「信用できるかよ」
「こいつ、絶対中央の間諜かなんかだ」
「えぇ、ちょっと、もぅ。誰か話のわかる方を呼んでくださいよぉ」
「何事?」

 砦の中庭で人だかりが出来ていた。何事かと様子を見にいくと、信濃さんが怪しい風貌の男を縄で文字通りぐるぐる巻きにして尋問していた。

 その縄で縛られている男は、あまり特徴のない平凡な顔つきをしていた。唯一の特徴といえば、丸い眼鏡を掛けているくらいか。

「おぉ、村長。いやぁ、砦の周りを警戒中にきょろきょろとしている奴を見つけて。怪しかったからひっ捕らえて来たんだ」
「ご苦労様、適当に処理しておいて」

 私は手刀を首に当てる仕草を見せる。

「ちょ、ちょっと待ってください命だけは!少しでも話を聞いてくださいよぉ」

 商人と言う割には、ボロ切れを羽織っていてみすぼらしい。商人でないとすれば物乞いか国側の間者にしか見えない。

 本来なら適当に処理するが、必死で懇願するその表情から、さすがに哀れに思ってしまった。とりあえず、男の身柄と持っていたものを政務室へと放り込んだ。

 尋問の開始だ。

「とりあえず、持ち物を出してみなさい」
「よぉ、商人さん。分かってると思うが、ちょっとでも変な動きをしてみろ。熱々沸たての熱湯風呂に簀巻きで放り込むからな」
「分かりましたから! そ、それでは…」

 目の前に広げられたのは、薬草、衣類、鉄の加工品、装飾品、織物と様々だった。中には、見ただけでもその価値が分かる位に美しい織物もあった。

 それに、この国では手に入らない嗜好品まで持っていた。

「これ、とても綺麗ですね…」
「驚いたな、こりゃ」
「商人ってのも間違いないかもな。まぁ、俺は信用していないが」
「あの、ま、まだ疑っているのですか…?」

 私もまだ疑っていた。たとえ商人であったとしても、肩書きだけならなんとでもなる。商人だと名乗って油断させ、刃物でぐさりと刺されるなんて可能性もある。

 しかし、ある声で私の不安は一気にかき消された。

「瑞穂、心配いらん。そいつは私の知り合いだ」
「えっ、この声…まさか、可憐お姉様?」

 入り口に立つのは、私の姉役の一人で修行の旅に出ていた可憐お姉様だった。

 帰ってくるのは、たぶん一年ぶりくらいだろう。可憐お姉様の顔を見た商人が、何度も頭を下げていた。

「おぉ、これはこれは可憐さん」
「久しいなヤムト。それに、元気そうだな瑞穂」
「お姉様こそ、お元気そうでなりよりです」
「先に村に帰ったが、皆ここにいると聞いてな。それにしてま、えらく物々しいな。墨染様は、村長は何処におられる?」

 仕方がなかった。私が村長になっている事も、お祖母様が亡くなったことも、お姉様が知っているはずなかった。
 私は、これまでの事をありのままにお姉様に話した。

「そうか…墨染様が」
「はい。私に全てを託され、常世へとお行かれました」
「ヤズラ、楽に死ねると思うな…」
「お姉様、待ってください」

 今にも一人で、皇城に殴り込みに行きそうなお姉様を引き止める。

「気持ちはよく分かります。ですが、一人では何も解決しません。今、私たちは戦いに向けて着々と計画を進めています。お姉様の力を貸していただけませんか?」
「無論、そのつもりだ。勝算はあるのか?」
「あんな奴に負けるくらいなら地獄に堕ちた方がましです。奴に勝つための策ならあります。私を信じてください」
「元より、私はこの村の人間だ。結果がどうなろうと、協力するのは当たり前だ。それに、可愛い妹分の頼みだ。喜んで力を貸そう」
「あ、あのぉ。そろそろよろしいですか、な?」

 完全に無視されていた商人、もといヤムトが口を開く。

「ヤムトと言ったかしら。まだ信用してないけど、お姉様の知り合いということで今回は放免とします」
「よ、よろしいのですか?」
「そこで一つ、見逃す条件として頼みたいことがあるの」

 ヤムトを見送るため、私と御剣は砦の外にやって来た。

「ご注文、確かに承りました」
「納期は明日よ。大丈夫かしら?」
「無問題です。大商人ヤムトの名にかけて、必ずや果たしてみせましょう」
「期待しているわ」

 少しして、弁当の包みを持った千代がやってくる。弁当を渡されるとは思っていなかったのか、ヤムトは困惑した表情を浮かべた。

「この様なものを頂いてよろしいのですか?」
「ここに来た時は間者扱いしたから、そのお詫びも兼ねてよ」
「左様ですか。では、有り難く頂戴します。それでは」

 ヤムトは私たちに一礼し、砦の外へと出て行った。本来であれば、後をつけて誰かと繋がっていないか確認したいところだけど、お姉様は心配いらないと言っていたので、放還する事にした。


 ◇


 月の綺麗な夜。
 一年ぶりに帰って来た可憐姉さんと、砦の櫓で盃を交わす。姉さんは瑞穂の姉役であるのと同時に、俺や瑞穂といった若衆の剣術指南役でもあった。

「そうか。私のいない間にそんな事があったなんて」

 姉さんにも思うところがあるのだろう。責任感の強い人だ。自分が留守にしていなければ、と思っているのだろう。

 だが、実際は姉さんがいても結果は変わらなかっただろう。別に、姉さんの実力を疑っているわけではない。

「姉さんは気負い過ぎる所がある。大事なのはこれからどうするか。戦が始まった以上、俺たちに残された選択肢は生き残ることだ。俺は瑞穂を必ず守り切る、たとえ道義に反し手を血で染めようと」
「そうか、それがお前の決意か」

 手元の盃に姉さんがお酌してくれる。溢れそうな位になみなみ注がれた水面に、月が照らし出されていた。

「御剣、瑞穂は、あいつは責任感が強い。それは良いことだ。だが反面、その責任感の重圧に押し潰されそうにもなる。お前だけだ。あいつを、瑞穂を守ってやってくれ」

 姉さんの言葉の真意は分からない。それが従者して主を守れという事なのか、それとも…


 ◇


 翌朝、私は村の顔役たちを集めていた。
 ついに、工作に出ていた三人衆と右京が戻って来たのだ。

「ただいま戻りました村長」
「こちらも」
「ご苦労様、早速だけど各人結果を報告して」
「北、西、南、どの砦にも火計は成功。砦は混乱に陥りました」
「こちらも上々って所だ。疑心暗鬼になった両軍は互いに上京を阻止しようと躍起だ。じきに潰し合いになる」

 ここまで上手くいくとは正直思わなかった。これで討伐軍の進軍に遅滞が生じるはずだ。向こうからしてみれば、四方から敵が迫っていると感じるはずだ。

「動くとすれば、今ね」
「おおっ、とうとうこちらから仕掛けるってか」
「このまま砦に篭っていても、大軍が包囲して兵糧攻めにあえば保たない。敵の足並みが崩れている時に、横っ腹から斬りかかる」
「斥候の報告では、討伐軍は現在西の街道のちょうどこの辺りにいると思われます」

 ひとりが街道を指差す。

「地の利ではこちらの方が有利。罠を張り、機動力を生かした少数で散発的に攻撃を仕掛ける。ここに誘導さえできれば、全員で一気に畳み掛ける」

 私は周りを見回すが、誰も異議を唱えない。

「作戦を決行する。武器を持て、出陣する!」
「「「オォ!!」」」

 私たちは戦の支度を整え、砦から街道に向けて出発する。前の戦とは違い、農具は槍に変わり、気休めではあるが統一のとれた部隊となっていた。


 ◇


 村から出発して一刻、街道から外れた場所に陣を構える事にした。敵から見つからないよう、馬たちは近くの洞窟に隠し、小さな集団に分かれて森の中へと隠れるようにした。

「この中で弓を使えるのは何人いる?」
「俺と信濃の親父さん、あとは」
「それなら俺が」

 そう言って手を挙げたのは、親父さんと一緒に防人をしている日々斗だ。日々斗は俺と同じように武家出身の武人だ。

「じゃあ、三人は馬を使って敵の野営地に奇襲を仕掛けて。敵の戦力は削ぐ必要はないから、あくまで威力偵察として。出来れば、大まかでいいから敵の数を把握してほしいかな」
「承知した」

 俺は親父さんと日々斗の三人で各々馬に乗り、敵の野営地へと向かった。
 日々斗の弓の実力については保証できる。なぜなら日々斗は、先の戦いで唯一弓を使って敵を圧倒していた。

 正直なところ、俺よりも日々斗の方が弓の扱いに長けている。

「大丈夫か、日々斗?」

 道中、緊張して表情が硬かった日々斗に声を掛けた。

「あ、あぁ。大丈夫、少し緊張して来た」
「心配すんな日々斗。いつも通り弓を構えて、矢をつがえ、射るだけだ。敵を人間だと思うな、狩りの獲物だと思って無心で射ったらいい」
「そうだな。いつも通り、いつも通り」
「おし、そろそろだぞ坊ちゃんたち」

 馬から降り、茂みで身を隠しながら前に進む。そこには、討伐軍と思われる軍団が幕を張り、野営を行なっていた。

「奴ら、完全に油断してやがるな」
「あいつらからしてみれば、たかが村一つの反乱だからな」
「敵はざっと200、馬は30か。こっちは頭数が60、馬が10」
「少し削っておきたいな」
「どうする?」
「二人はここで待っていてくれ」

 俺はひとりで野営地へと近づく。ちょうど、兵士のひとりが用をたすために茂みへと向かっていた。

「ふぁあ、ったく。朝から歩き続けたから足ががたついてやがる…」

 油断している兵士に後ろから近づき、小刀を抜いて一気に喉を描き切る。
 死体となった兵士の服を纏い、口元を布で覆って正体がバレないようにする。死体は見つからないように茂みの奥へと隠した。

「葦原の村の奴ら、今頃縮み上がっているだろうぜ」
「それにしても、たかが村一つの反乱にこんな人数で大丈夫なのか? 噂じゃ他の砦も襲撃を受けたって言うしよ」
「ばぁか、反乱って言ってもほとんどが農民だ。訓練を受けた俺たちには敵わねぇよ」
「それもそうだな」

 兵士たちに紛れ込み、手っ取り早く火をつけられそうな物資を探す。油を幕に撒けば火がつき易い。
 物資を運搬する台車の一つに、油が入った壺を見つけた。辺りを見渡して誰も見ていないのを確認し、壺を台車から持ち出す。

「んっ?」
「何だ、油臭いぞ」

 それを兵士たちの眠る天幕にまき散らし、最後に食料が積まれた一画へと繋げる。
 刀を抜き、持っていた小刀を使って刃同士を素早く擦り付ける。そこから出た火花が油に引火して、みるみるうちに火の手が回っていく。

「か、火事だぁ!」
「火を消せ! 早く!」
「ギャア!? た、助けてくれぇ!」

 天幕の中から火達磨になった兵士たちが飛び出し、のたうち回る。まだ息のある兵士を数人斬り倒し、速やかに撤退する。

 その後も弓で見張りを倒したり、鏃に油を塗りつけ火をつけた矢を幕に射ったりと、数回に分けて陣を攻撃する。敵が体制を整える前に撤退する事で、追撃を躱す事に成功した。

 すると敵は、こちらの思惑通り見張りを増やした。いつ襲ってくるか分からない上、行軍で疲労が溜まっている。士気の低下や疲労の蓄積は避けられないだろう。


 ◇


 御剣たちの奇襲が成功し、敵は私たちが罠を仕掛けた場所に移動を開始していた。

「来たわ、まずは先頭の奴らを片付けましょう」

 行軍する敵の姿を、草木の影からじっと見つめる。
 そして、入り組んだ街道のある場所に先頭の集団が差し掛かる。

「今よ!」

 罠を発動するように合図を出す。大きな物音と共に、巨木が前後の進路を塞ぐように倒れる。
 突然の出来事に兵士たちは動揺し、隊列が乱れた。

「なっ、なんだ!?」
「今だ! 全員ぶっ倒せ!」

 作戦の第一段階、敵の主力を分断する。
 身動きが取れなくなったところを、右京や信濃を筆頭に茂みに身を潜めていた村人たちが、武器を手に両側から挟撃を仕掛けた。

「くそ、罠だ!」
「向こうはどうなっている!?」

 運良く罠にかからなかった外側は、何とか内側の仲間を助けようと木を登ろうとする。

「待ってろ、今そっちに行く!」
「味方の心配をしている暇はないぞ」
「なっ、ぐあっ!?」

 作戦の第二段階は、御剣やお姉様を筆頭にした斬り込み隊が後続の敵に襲いかかる。二人の後ろに槍を一列に構えた村人たちが続く。

「前へ!」
「「「前へ! 前へ!」」」

 私の号令で、槍衾がゆっくりと前進する。狭い街道で後ろは後続がいて動けない。
 身動きが取れなくなった先頭集団は槍に刺されていく。

「停止!」
「「「停止!」」」
「早駆け前!」
「「「おらおらおらぁ!」」」

 雄叫びを上げ、槍を構えながら一斉に走り出す。
 ただでさえ士気が低下した上、この迫力に萎縮した敵は、我先と来た道を逃げていく。

「深追いは無用! 私たちの勝利よ!」
「勝った! 勝ったぞ!」
「負傷者を確認! 捕虜は必要ない、逃げる者は追うな!」

 取り残された兵士たちが我先へと逃げていく。

 逃げた兵士がまた自分たちに刃を向けるかもしれない。
 しかし、私たちは兵士ではない。捕虜を取ったところで正直扱いに困ってしまう。

「勝ち鬨を上げろ!」
「「「えいえいおぉ!」」」

 村人たちの歓声がこだました。


 ◇


「煤木村衆、総勢128名、参陣!」
「乙富村衆、総勢210名、助太刀に参った!」

 敵を撃退した私たちは、他の村から駆けつけてくれた援軍を歓迎する。
 煤木と乙富は古くから付き合いがある為、村人たちは大いに喜んだ。話によると、右京が国中の集落や村に呼びかけ、その多くが続々と反乱に同調していた。

 右京の手腕によるものもあるが、皆この戦いにかける想いは一緒だ。心に秘めた想いが合致したことで、集ってくれたのだ。

「これだけ集まるたぁ思わなかったぜ」
「こう見ると、壮観だな」

 確かに壮観だった。だが、私はそれだけでは不安が拭えなかった。

「…」
「どうした瑞穂?」
「まだ、まだ足りないわ」
「これだけ集まったのにか?」
「まだ、正面を切って戦うには足りないわ。相手は国軍、何か一つでも駄目押しできるものがあれば…」

 数が増えたとしても、現状のままでは、いずれ物量の差で不利になる。
 しかし、どうすれば。

「報告します! 砦北方より一団、騎馬集団が接近中です!」
「どこの部隊!?」
「旗印より確認、騎馬集団は北東に位置する由良の集落の者たちと思われます!」

 由良、確か決まった場所に定住せず、家畜と共に平野を移り住む騎馬民族だったはず。彼らが味方でこちら側に付くとなれば、大きな戦力になる。

「御剣、彼らと接触するわ。ついてきなさい」
「御意」

 私は御剣を連れ、彼らに接触する為砦を出発した。


「これは、葦原の村長。村長自らお出迎えとは、感謝致しまする」

 由良の騎馬集団に接触した私は、彼らの姿を見て唖然とした。
 その半分以上が女性と子供で、男性もほとんどが何処かしらに傷を負っていた。
 集落の長、嶺が私の前へとやってきた。彼自身、身体中に傷があり、片目も布で巻かれているが血が染み出していた。

「一体何が…」
「我らが集落も、中央に襲撃されました。もともと我らは定住の地を持たない民族です。それゆえに、国から要求されていた貢物を揃えることができず、反乱という濡れ衣を着させられ、そして、この様な有り様に」
「私たちのせいで…」
「何を仰いますか。遅かれ早かれ、我が集落の命運は決まっておりました」

 嶺が馬を降り、私の前に首を垂れる。それに同調するように、由良の集落の民全員が私の前に跪いた。

「瑞穂様、どうか我が民をお救いください。由良の族長嶺、そして民全員、あなたに力を貸す所存であります」

 今の私に、彼らの願いを断る理由などなかった。
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