花衣ー皇国の皇姫ー

AQUA☆STAR

文字の大きさ
30 / 128
建国編

第19話 葛藤

しおりを挟む
「うーん、痛い…」

 頭の痛みで目を覚ます。どうやら、昨日ミィアン様と呑んだ後、そのまま布団で寝たらしい。

「あれ、ここは…?」

 目に入ってきたのは、いつもと違う光景。酔い潰れて働いていない頭がそれ理解するのに、ほんの少し時間が掛かった。

「あれ…?」

 隣で何かがもぞもぞ動いている。寝返りを打つように反対側を向くと、そこにいたのは。

「み、つるぎさまッ?」

 自分の口を押さえて大声が出るのを防ぐ。そこにいたのは、寝息を立てて眠りにつく御剣様だった。疲れているのか、一向に起きる気配はない。

「ど、どうしたら…あっ…」

 御剣様は寝ぼけながら、私を両手で抱き寄せてきた。御剣様の顔が、吐息が肌で感じるくらい近づいた。

 私は何とかこの場から離れようと、身体を小さく縮こめてもがくが、御剣様の抱擁からは中々抜け出せないでいた。

「み、御剣、さま…う、あっ」

 御剣様の吐息が耳に当たり、身体が痙攣する。体が熱くなり、呼吸が荒れてくる。抱き寄せていた手が背中から腕、胸に移動し、変な声を出してしまう。

「あ、アッ、やだ、そこ、そこはっ、あんっ」
「…千代?」
「え…」

 手の動きが止まり、声がしたと同時に時間が止まる。
 御剣様が私の目をじっと見つめていた。
 頭の中が真っ白になった。

「み、みつ、み…んんっ!」

 私が声を上げそうになると、御剣様は右手で私の口を塞ぐ。

「むぅ、ぅぅ、ぷはぁっ」
「しぃっ、静かに。今ここで誰かが来たら、流石にこの状況は説明できない。その、何だ。俺も状況が分からない。混乱しているんだ」
「…と、とりあえず。そ、その。ひだ…」
「えっ?」
「ひ、左手を離して下さいまし」

 緊張し過ぎて変な喋り方になった。すると、御剣様は慌てて私の胸から左手を離してくれた。

「す、すまない」
「あの、なぜ。御剣様が私の寝床に?」

 私の問いに、御剣様は首を傾げる。

「なぜって、ここは俺の部屋だ。こっちが聞きたい」
「はぇ…?」

 周りを見渡すと、余計なものが一切置かれていない。唯一、壁にふた振りの刀が立て掛けられている。

 ここは、紛れもなく御剣様の部屋だ。

 やってしまった…。

 うぅ、お許しください大御神様。巫女でありながら酔い潰れた挙句、御剣様の寝床に入りってしまう醜態を晒すとは。私、白雪千代、斎ノ巫女失格でございます。

 私は大御神様に対して懺悔した。

「また酔ったのか?」
「多分、昨日はミィアン様と飲んでましたので…」
「で、気づいたらここにいたと?」
「そ、その通りでございます。はい…」
「飲み過ぎには気をつけろと言ったじゃないか」
「うぅ…言い返す言葉もありません。その、申し訳ございませんでした。すぐに出ていきます」

 私は横を向いてこの状況から逃げようとするが、御剣様に両手首を掴まれる。

「み、御剣様?」
「その、何だ。俺も一応粗相してしまったから、謝りたいんだが」

 はだけた寝間着の胸元には、私が以前作った幸運を呼ぶ御守りが下げられていた。

「それ、着けてくれていたのですね」
「幸運を呼ぶ御守り、だったよな。まだ、幸運は俺には訪れていないが」

 御剣様はそう言われるが、私は首を横に振る。

「いいえ、あれから幾度となく戦いがありましたが、こうして何事もなくここにいることが、御剣様にとって幸運なのかもしれませんね」

 そう言うと、御剣様はふっと笑ってくれた。

「そうか。千代がそう言うのなら、本当にそうなのかもしれないな」

 御剣様はそう言うと、上から覗き込むのをやめて隣に移動する。

「非礼を詫びる、
「もう、私をからかわないで下さい」
「すまん。俺は先に出るから、後から出てくれ。一緒に出ると、何か勘違いが起こるかもしれないからな」

 鼓動が早くなる中、私は無意識に布団から出ようとした御剣様の服の袖を掴んでいた。

「あの…」
「ん?」
「もう少し、一緒にいて下さい…」

 あぁ、私ったらなんて事を口走ってるのだろうか。自分で聞いても、恥ずかしくなるような一言だった。

「………」

 恥ずかしがる私を尻目に、御剣様は頭を掻くと、何も言わずにスッと布団の中に戻ってくれた。背中を向けているが、拒否している訳ではなさそうだった。

 私は、ゆっくりと御剣様に話を始めた。今までの思い出話を、とてもゆっくりと。


 ◇


 日は流れる。

 返答期限の当日、ついに迦ノ国から使者がやってきた。

 その代表、いかにも武人と言わんばかりの風体をした大柄な男が、不敵な笑みを浮かべながら口を開いた。

 この男、名をジュラと言い、軍の指揮権を持つ左大臣で、迦ノ国では右大臣オルルカンに次ぐ三番目に権力を持っている。

 彼の態度は外交のそれとは言えず、ただ強弁でかつ非礼だった。

「して、皇国の皇よ。返答はいかに?」

 社交辞令もなく、一国の皇相手にいかにも見下したかのような物言いだった。目上の立場にある者に対する敬意は一切感じられない。

 その場にいた全員の視線が私に集まる。私は使者から視線を逸らさず、少し睨みを効かせながら答えた。

「答えは否、従えない。これは私がたとえ死のうと、変わらない答えよ」
「ほう、我らには従えないと?」
「貴国に従ったところで、我が国の臣民が平和で充実した生活を送れる保証はない。貴国は他国への積極的な領土拡張を図り、その尖兵として送り込むために、占領地の国民を徴兵していると聞く」

 全土統一を目指す野心家、ウルイが皇である迦ノ国は、典型的な軍事大国として栄えている。

 国家予算の半分以上を軍事費につぎ込み、自国領からは高給を餌にして職業軍人を集め、植民地からは強制的に兵士を徴兵している。

 私が彼に従うと言った暁には、私は何らかの形で処刑され、皇国の国民は兵士として大半が徴兵されるだろう。

「私は自国の民を売るつもりはない」

 その答えを聞くと、彼は立ち上がると腹を抱えて笑いだした。

「…ふふ、ふはっはっはっはっ!」
「何がおかしい?」
「御剣、やめなさい」

 その笑いに、御剣が怒りをあらわにするが、私は今にも刀を抜きそうになる御剣を小声で制した。

「全く、下手に出ていればいい気になりおって。たかが小国の三流の小娘に何が出来る!」

 そう言って、足元に置かれていた卓を蹴り飛ばす。私の方向に載せられていた食器類や食事が飛び散るが、私は微動だにせずジュラを見据える。

 あまりに常識を逸した行動に、仁も立ち上がる。

「貴様!」
「手を出すな!」

 私は部下たちを一喝して制した後、改めてジュラを見据える。

「貴方の行為言動、全てが非礼ね。一方的な要求をした挙句、癇癪を起こしてこの場をめちゃくちゃにする。では私は、これを貴国の意思と捉える。そして一つ忠告しておくわ。外交の是非は使者の素質によって決まるものよ。気をつけたほうがいいわ」
「それがどうしたと言うのだ?」
「使者とはいわゆる国家の代表。使者の言動、行動一つのそれひとつが、その国の皇の言動であり、行動である。あなたが今やった事は、非礼を行ったばかりではなく、自らの皇の顔に泥を塗ったという事よ」
「はははっ、まさか、お前は自分を我が君と同等であると⁇妄言も甚だしい。これ以上は時間の無駄だ。もう一度確認するが、従えないという返答でいいのであるな⁇」

 どうやら、この男に何かを言ったところで、結果は代わりそうにない。

「では改めてあなた方にお伝えさせていただく。即刻、この国から立ち去りなさい。そして、あなた方の皇に伝えなさい。我らは礼には礼を持って応えるが、そちらが我らの土地を侵略せんとするなら、大御神の加護のもと、我らは最後まで抗う」
「ははは、あの様なまやかしの神に神頼みとは、笑わせてくれる。ようし、分かった。小娘、お前の言葉、確かに受け取った。せいぜい、我らがこの城に再び来るまで、部屋の隅で震えているんだな!」

 ジュラは使者たちを連れ、謁見の間から出て行く。彼らが出て行くと、皆が私のもとに集まってきた。

「姉様!」
「聖上、お怪我はありませんか!?」
「みっちゃん、大丈夫?」
「うん。ちょっと汚れたけど問題ないわ」
「あいつら、絶対に許さん!」
「皆、落ち着いて」

 私がそう言うと、その場にいた全員が落ち着きを取り戻した。

「さてと、これで改めて皇国は迦ノ国と戦火を交えることになる訳だけど。ヤムト、いるかしら?」
「はいはい、ここにおりますとも」

 まるで最初からその場にいたかの様に、ヤムトが謁見の間に現れる。

「お金さえ払えば、何でも用意出来るのよね?」
「はい、人間以外なら用意できますが」
「これから戦争が始まるから、人はいくらでも欲しいけど、それよりも戦いにおいて大事なことがあるわ。情報よ」
「情報でございますか?」
「教えて欲しいのは、迦ノ国という国、その皇ウルイ、国の重要人物、関楼ノ砦を襲った女、兵の質、そして弱点」
「分かりました。では、この価格でいかがでしょう?」

 ヤムトが弾いた算盤を見せてくる。全く、ふんだくるにしては額が桁違いだ。

 私は今後の国の行く末に関わる事であったので、言われた通りの価格を受け入れた。


 ◇


「迦ノ国、西に位置する大国。ご存知かと思われますが、この皇国が建国される以前の緋ノ国時代から、皇国とは戦争状態にあります。皇の名はウルイ、この者、智と武を兼ね備えた皇であります」
「どんな人物なの?」
「一言で言えば、野心家でしょうか。元々、地方に散らばる豪族たちを纏め上げ、自らを天命を受けし皇、天子を名乗り、わずか一代で迦ノ国という一大国家を作り上げた者です。ゆえに、天下統一を目論み、四方に戦争を仕掛け、朝廷すら危険視する程です」
「我が国と比べると?」
「国土、人口、兵力、どれもこの皇国の三倍以上となります」
「ヤムト、ウルイを始め、迦ノ国の重要人物について教えてちょうだい」
「はい。皇であるウルイは、狩猟民族出身で文武両道の猛将であります。自ら戦の先陣に立ち、先の緋ノ国との戦では、一瞬にして200人切り倒したという実力の持ち主です。その側近である右大臣オルルカンは、建国当初からウルイに付き従い、絶大な信頼を寄せられています。軍師、いわゆる采配師であり、巧妙な策をいくつも投じてきます」
「私が緋ノ国の侍大将だった頃も、彼の戦術、采配には幾度となく苦しめられました」
「続けてもよろしいですかな?」
「いいわよ、続けて」
「はい。そして、先程皇様に無礼を働いたのが、左大臣のジュラ。右大臣のオルルカンが智に、左大臣のジュラが武に秀でております」
「私たちの力の差を踏んで、左大臣をけしかけてきたって訳ね…」
「本来、他国との会談に使者として大臣が足を運ぶことはありませんからね」
「そう。あとは、もう耳に入ってると思うけど、関楼ノ砦を襲った女について教えて」
「はいはい。これは私個人的な意見でございますが、迦ノ国と戦をするにあたって、彼女については十分に注意していただく必要があるかと」
「危険なのは間違いないが。あの実力、油断ならないな」
「先の戦いで皆さんが対決したのが、ルージュ、またの名をピュラという者です。彼女は二重人格者であり、元々は荒吐と呼ばれる組織に属していた暗殺者です」
「荒吐…」
「可憐お姉様はご存知ですか?」
「私は聞いたことある。確か、どの国に属することもなく、ただ彼らは、自らが崇拝する大いなる母の言に従って暗殺を繰り返すと聞く」
「彼女はその荒吐の中でも、一番の実力の持ち主でした。先程申し上げたように、彼女の中には二つの人格が存在しています。一方は知的で冷静に思考を行うルージュ。もう一方は、ただ本能のままに殺戮を繰り返すピュラ。ただの元暗殺者というだけなら、あなた方にかかれば何とかなるでしょう。しかし、危険なのは彼女が呪詛痕の持ち主であり、なおかつ呪術の加護を受けているということです」


 ◇


 ヤムトの説明に、その場にいた皆は一様に口を閉じた。現状、皇国が迦ノ国に対抗するには、明らかに力不足だった。瑞穂ですら、これからの事について悩んでいる。

 せめて、他国からの援助があれば状況は変わるかもしれないが、迦ノ国の国力を恐れた周辺国は、公に援助を表明していない。

 それでも、皇国が負ければ次は自分たちの番だと言うことは、分かりきったことだ。だから、公というではないが少なくとも裏では食料や物資の融通、人夫の援助は取り付けている。

 それほど、迦ノ国という存在は周辺国にとって脅威であった。皇国が倒れれば、次は自国ということだ。なら、言い方を悪くすれば皇国を防波堤とすることで、自国に及ぶ影響を少なくすることも可能だ。いわば、今回の皇国と迦ノ国の動向は、各国の関心を寄せる事象となり得ていると言うことだ。

 会場が重い空気に包まれる中、ただひとりこの状況を楽しむ人間がいた。他国の者でありながら、皇国に助太刀を申し出た琉球の狂姫ミィアンだった。

「何や、えらい面白そうやなぁ」
「ミィアン?」

 緊張が張り詰めた空間で、よくそんなことを言えるなと感心する。

「なぁ、瑞穂はん。これからどうするん。瑞穂はんが良ければ、うちひとりでお隣さん潰しに行くけど?」
「ちょ、何を言って…」
「さらっと怖いこと言うなよ…」

 その会話を聞いていた瑞穂の表情が、少し明るくなった。

「ふふ、あはは。なんか、ミィアンのおかげで悩んでいるのが馬鹿らしくなった。くよくよしたって仕方がないわ、啖呵切ったし、盛大に抗ってやりましょう」
「やってやるか」
「さて、どうしましょうか、聖上」
「こうなったら、とことんやろう。いずれ、迦ノ国とは正面きってぶつかるのは覚悟していた。それが早まって今になっただけだ」
「そうね。それに、私たちを舐め腐ったあいつ、捻り潰してやるわ」
「あぁ、やってやろう」
「異議なし」
「皆がそう言ってくれるなら、作戦を考えた甲斐もあったわ」
「驚きました。すでに作戦を考えておいでとは…」

 瑞穂は交渉の準備を進めるのと同時に、侵攻のあったその日の夜から作戦の立案にも着手していた。

「では、これより作戦を説明する。まず、現在北の第3軍及び東の第4軍から戦力の増援が到着し、南の第5軍の水兵からは水軍陸戦隊を編成している。第3、4、5軍は第1、2軍に臨時編入。指揮権は右京、そして可憐お姉様に一任する」
「お任せを」
「任せておけ、瑞穂」

 瑞穂は目の前の地図に、筆で印をつけていく。

「迦ノ国の事だから、すでに国境地帯には大部隊を結集させているはず。そうでしょう、ヤムト?」
「特別大特価でお教えいたしましょう。御察知の通りですね」
「抜け目がないわね。まぁ、いいわ。開戦となれば、怒涛の勢いでこちら側に雪崩れ込んで来るでしょうね。幸い、国境から関楼ノ砦は離れている。第1軍は引き続きこの場所の防衛、苦戦した場合は後方へと撤退。ざっくりとした説明だけど頼むわ右京」
「承知いたしました」
「軍を動かす作戦は大きく分けて二つある。敵の行動次第では、その南側に配置している第2軍、お姉様の部隊を遊撃部隊として、第1軍を攻める敵軍を攻撃。恐らく、山間に布陣する第2軍側を避けて、ほぼ全戦力を第1軍が守る関楼ノ砦の突破に集中させるはず」
「だが、早々に敵の出方を決めつけるのは危険だぞ、瑞穂。仮に敵が私たちの方へ攻めてきたときはどうする?」
「それがもう一つの作戦。その場合は可能な限り敵戦力を削り、後退。敵をこちらに引き込んでほしいの」

 国境から伸ばした線が、どんどん皇国領土へと侵入していく。そして、ある場所に来るやいなやバツ印をつける。

「彦辺見峡谷か」
「えぇ、ここに侵入してきた敵の主力を、包囲殲滅して一気に叩く。戦況は刻々と変わる。もしかすると、想定していない事態に陥るかもしれない。そこで、改めて指揮系統を一元化し、突発的な状況の変化に対応しようと思う」

 全軍の指揮を侍大将である仁に。第1軍の指揮を可憐姉さん。第2軍を右京。皇都防衛の指揮はリュウとローズに任せた。

「他の皆は、私と共に第6軍として動いてもらうわ」

 瑞穂は立ち上がり、鉄扇を広げる。

「地の利はこちらにある。作戦の詳細は逐一各将、各長に伝えるわ。皆、行くわよ!」
「「「オゥ!」」」

 かつてない規模で行われる、国家間同士の戦争が始まろうとしていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」

(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。 王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。 風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。

異世界転移物語

月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……

大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。 それが約50年前。 聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。 英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。 俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。 でも…英雄は5人もいらないな。

偽夫婦お家騒動始末記

紫紺
歴史・時代
【第10回歴史時代大賞、奨励賞受賞しました!】 故郷を捨て、江戸で寺子屋の先生を生業として暮らす篠宮隼(しのみやはやて)は、ある夜、茶屋から足抜けしてきた陰間と出会う。 紫音(しおん)という若い男との奇妙な共同生活が始まるのだが。 隼には胸に秘めた決意があり、紫音との生活はそれを遂げるための策の一つだ。だが、紫音の方にも実は裏があって……。 江戸を舞台に様々な陰謀が駆け巡る。敢えて裏街道を走る隼に、念願を叶える日はくるのだろうか。 そして、拾った陰間、紫音の正体は。 活劇と謎解き、そして恋心の長編エンタメ時代小説です。

アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~

ma-no
ファンタジー
 神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。  その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。  世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。  そして何故かハンターになって、王様に即位!?  この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。 注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。   R指定は念の為です。   登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。   「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。   一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

皇帝陛下の寵愛は、身に余りすぎて重すぎる

若松だんご
恋愛
――喜べ、エナ! お前にも縁談が来たぞ! 数年前の戦で父を、病で母を亡くしたエナ。 跡継ぎである幼い弟と二人、後見人(と言う名の乗っ取り)の叔父によりずっと塔に幽閉されていたエナ。 両親の不在、後見人の暴虐。弟を守らねばと、一生懸命だったあまりに、婚期を逃していたエナに、叔父が(お金目当ての)縁談を持ちかけてくるけれど。 ――すまないが、その縁談は無効にさせてもらう! エナを救ってくれたのは、幼馴染のリアハルト皇子……ではなく、今は皇帝となったリアハルト陛下。 彼は先帝の第一皇子だったけれど、父帝とその愛妾により、都から放逐され、エナの父のもとに身を寄せ、エナとともに育った人物。 ――結婚の約束、しただろう? 昔と違って、堂々と王者らしい風格を備えたリアハルト。驚くエナに妻になってくれと結婚を申し込むけれど。 (わたし、いつの間に、結婚の約束なんてしてたのっ!?) 記憶がない。記憶にない。 姉弟のように育ったけど。彼との別れに彼の無事を願ってハンカチを渡したけれど! それだけしかしてない! 都会の洗練された娘でもない。ずっと幽閉されてきた身。 若くもない、リアハルトより三つも年上。婚期を逃した身。 後ろ盾となる両親もいない。幼い弟を守らなきゃいけない身。 (そんなわたしが? リアハルト陛下の妻? 皇后?) ずっとエナを慕っていたというリアハルト。弟の後見人にもなってくれるというリアハルト。 エナの父は、彼が即位するため起こした戦争で亡くなっている。 だから。 この求婚は、その罪滅ぼし? 昔世話になった者への恩返し? 弟の後見になってくれるのはうれしいけれど。なんの取り柄もないわたしに求婚する理由はなに? ずっと好きだった彼女を手に入れたかったリアハルトと、彼の熱愛に、ありがたいけれど戸惑いしかないエナの物語。

処理中です...