蒼のタチカゼ

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第4章 対イド帝国ゲリラ部隊総本部『イグニカ』

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セツナが鉄拳を繰り出そうとした瞬間、別の方向からじいさんめがけてみぞおちへのボデイブローが

決まった。


「ひでぶっっ!!!」謎の叫び声を発してじいさんはうずくまった。

「ブラウ所長、暇そうですね・・・私達にはそんな暇ないと思いますけど?」


ものすごい圧がブラウを襲う。


「ちょ・・・ちょっとだけスキンシップをじゃな・・・」ちらっと上目遣いに彼女を見る。

「そんな暇はないと思いますけど!!?」

「そんなに怒らなくても・・・怖い」


じいさんはみぞおちを抑えながらしょぼくれた声を出した。


「セリナさん、ありがとう。それで定期健診の結果は?」


セリナは1枚の紙を差し出す。


「深縁モードを使った後遺症はなさそうだね、他の数値も問題ないよ」

「よかったぁ」セツナが感嘆の息をもらした。

「とはいえ、深縁モードを使う場面はしっかり見極めるじゃぞ!深縁モードはまだまだ不完全な

システムだからのぉ」


みぞおちをナデナデしながらブラウ所長が言う。


「このエロじじぃ、えらそうに」セツナがギリギリとこぶしを作る。

「武器のメンテナンスも終わってるよ」


そう言ってライフルと2丁拳銃を手渡された。


「サンキュー!」

「それと・・・これも」


と2本のダガーナイフをセツナに差し出した。

びくっと体を震わせるセツナ。やや間があった後


「・・・うん」


とナイフを受け取り腰の鞘に収納した。


「セリナさん色々ありがとね!そいじゃ」


手をひらひらさせながらセツナは研究所を後にした。

その後ろ姿を見ながら


「・・・そう簡単に昔の事はふっきれんか・・・」

「でしょうね」

「まるで呪い・・・じゃな」


そう言って2人はセツナの出て行った扉を見つめていた。


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セツナが研究所から出るとシンラが目の前に立っていた。


「シンラ、どうしたん?まだ研究所に用事でもあんの?」

「いや、あんたと任務が決まった」

「お!シンラと任務なんて久しぶりじゃん」セツナはニッと笑った。

「場所はヤナグラという村だ。1ヵ月前にニンゲンヘイキに村を襲撃されている」

「そうか・・・また襲撃を受けてるのかい?」

「それが・・・1ヵ月前の襲撃以来、多くの誤報が寄せられてる。それの調査が任務だ」

「誤報?」セツナは間抜けな声を上げた。

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