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ヒメと明彦4、良子・芳芳編
第23話 良子の家1、明彦と雅子が来た!
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20世紀のいつか、良子大学1、芳子大学1、明彦大学2、雅子大学3
今朝、芳から電話があった。私の方はダメ、情報なし、と言う。こっちも同じだと。今日で最後に明彦が美姫と会った日曜以降、6日経っている。男の家に転がり込むのは勝手だけど、捨て台詞、あてつけみたいな手紙を明彦にだけ出して、音沙汰なし!だけど、どこに消えたのよ!ワガママ娘!見つけたら、またビンタしてやる!
ファンも私も感じてるけど、何かひっかかるのよね、この手紙。なぜ家に連絡しない?明彦にだけ?『ボーイフレンドができました。もう明彦にいろいろ言われるのはたくさん!好きな人ができたので明彦から逃げます!私にもう構わないで下さい』って、なに?明彦にかまって欲しい、探して欲しいの逆説話法?
あの小娘め!私と明彦に内緒で去年の秋から春の間にボーイフレンドを作ってたってこと?そういえば、時折、一人でどっかに行ってたような。尻軽女め!明彦だけで十分じゃないの!私がとっちゃう・・・取れないんだな、これが。彼と私は合わないから。体の相性は合っても、私は彼のタイプじゃないんだ。さらに、私は彼好みの女になろうとすることができない。良い子の良子を悪い子の悪子が邪魔する。彼が私好みの男子になればいいって?それはダメだね。
ファンの方が見込みがありそうだ。パパもママもお出かけでいないので、お留守番で電話番をして、ファンからの電話を待つとしましょう。お昼は・・・面倒!店屋物にしよう!と思って玄関に注文しようと行ったら電話がなった。ファンだろう。
ファンじゃなかった。
「もしもし、高橋さんのお宅で・・・」
「明彦!連絡、遅い!なぜ早く電話してこなかったのよ!」
「ぼくは良子の家の電話番号を知らないじゃないか?」
「あ!あら、そうだった。直接、私に電話をかける用事はないものね」
『直接、私に電話をかける用事はないものね』って、悔しい。美姫を通してしか成立しない関係なの?体の関係だけで、他につながりはないのかよ!あ~あ、とはいえ、私が彼のアパートに電話して話済んじゃうから必要なかったわね。明彦と二人だけでアパートにいても、話ははずむけど、美姫がいないとセックスしなかったものね。なんか癪だわ。
「美姫のママに良子の家の番号をさっき聞いたんだ」
「まったく。こっちは、美姫を探しているっていうのに。いくら仲がこじれても、彼女だったでしょ?美姫のあなた宛の手紙見たわよ。美姫のママが見せてくれて、コピーを取ったの」
「じゃあ、読んだろ?『だんだん私の心は明彦から離れていきました。日曜日に、明彦、私にボーイフレンドができたら、キミ、どうする?と聞いたけど、真面目に受け取ってくれなかったよね?そう、私、ボーイフレンドができました。もう明彦にいろいろ言われるのはたくさん!好きな人ができたので明彦から逃げます!私にもう構わないで下さい』ってことで、ぼくは彼女に逃げられた男と思っていた。ガミガミと大学進学の話を言い過ぎたと思っていた」
「『思っていた』?過去形ね。ああ、電話じゃじれったいわ。今、どこなの?」
「石川町の改札口だ」
「早く私の家に来なさい。走って来なさい」
「ああ、そのつもりで来たんだ」
「お腹、すいてるんだから!注文はあなたが来てからにする」
「え?なんの話?」
「いいえ、こっちの話。20分、差し上げます!」
『思っていた』という過去形、彼も何かあの手紙変だと思ったのかな。だったら、私とファンのお手伝いができるわね。
きっかり20分。玄関のチャイムが鳴った。20分、間に合ったわね、明彦、お昼、なんにする?といいかけた。明彦と一緒にいる女性が・・・一瞬、美姫が見つかったのね、と思ったが、美姫じゃない。でも、似てる。
「ええっと・・・明彦、どちらさまですか?」
「え~、彼女は小森雅子さんで、ぼくの大学の先輩で、同じ美術部で、え~・・・」
「小森雅子さん?小森雅子さん?・・・まさか、あの美姫がうめいていた、スケッチブックの Masako Komori ?」
「そういうことだ、良子」
「ううう~、明彦、いろいろと説明していただくことがありそうね?ね?」
小森雅子さんが「高橋良子さん、私、小森雅子と申します。初めまして。初めましてですが、仲里美姫さんを通じて、名前だけは広まっているみたいですね?明彦から良子さんのお話を聞きました」という。ふ~ん、私の話を明彦から聞いた。なるほどね。
「とにかく、お二人ともお入りください」私はスリッパを揃えた。頭の中は、この新しい登場人物へのクエスチョンマークで一杯。しかし、雅子さん、体型、服装が美姫そっくり。そうか、美姫が髪の毛を軽い茶色に染めたのが、雅子さんが染めていたからって言っていたわね?逆なのか?雅子さんが美姫に似せているってことなのか?
応接間に二人を通した。さて。「さて、二人とも、お腹すいてません?ちょうど、明彦を待って店屋物を注文しようと思っていたの。何にします?私は、カツ丼と天ぷら蕎麦が食べたいの。お付き合いしていただけない?」と聞いた。
「良子、カツ丼と天ぷら蕎麦?二つもか?」
「悪い?私、大変お腹がすいているのよ!雅子さん、お付き合いしない?」
「ええ、私もお腹がすいてます。同じものという付和雷同で勘弁してね」あら、話のテンポが素敵ね?訛があるわね?関西人?
「明彦!同じものでどうかしら?いいわね?」
「いいわね!って言うんだから、同じもの。良子は言い出したら聞かないからな」
「よくおわかりのこと。注文選択終了」
配達が来るまで、雅子さんが軽く自己紹介した。明彦が喋ろうとしたら、言いにくいでしょ?私が自己紹介します、と自分から切り出した。やっぱり関西人、京都出身。へぇ~、明彦が方言フェチって知らなかった。5月に明彦がバイトを減らして、美術部に入部した、というのは電話で聞いたけど、それから雅子さんが気になってたんだ。
でも、告白したのが昨日?それで、初セックスが昨日?私から誘ったようなものです、って、雅子さん、正直だ。明彦は石川町まで来る電車の中で、美姫と私のことを説明したのね。あ~あ、私の立場ってのも微妙だなあ。明彦が浮気したって状況ではないもの。言ってみれば、第1夫人の美姫が勝手に出奔、勝手にお別れ、残された私、第2夫人は美姫抜きでは彼とは関係を保てない、ってことだもの。これ、寂しいわよね?
今朝、芳から電話があった。私の方はダメ、情報なし、と言う。こっちも同じだと。今日で最後に明彦が美姫と会った日曜以降、6日経っている。男の家に転がり込むのは勝手だけど、捨て台詞、あてつけみたいな手紙を明彦にだけ出して、音沙汰なし!だけど、どこに消えたのよ!ワガママ娘!見つけたら、またビンタしてやる!
ファンも私も感じてるけど、何かひっかかるのよね、この手紙。なぜ家に連絡しない?明彦にだけ?『ボーイフレンドができました。もう明彦にいろいろ言われるのはたくさん!好きな人ができたので明彦から逃げます!私にもう構わないで下さい』って、なに?明彦にかまって欲しい、探して欲しいの逆説話法?
あの小娘め!私と明彦に内緒で去年の秋から春の間にボーイフレンドを作ってたってこと?そういえば、時折、一人でどっかに行ってたような。尻軽女め!明彦だけで十分じゃないの!私がとっちゃう・・・取れないんだな、これが。彼と私は合わないから。体の相性は合っても、私は彼のタイプじゃないんだ。さらに、私は彼好みの女になろうとすることができない。良い子の良子を悪い子の悪子が邪魔する。彼が私好みの男子になればいいって?それはダメだね。
ファンの方が見込みがありそうだ。パパもママもお出かけでいないので、お留守番で電話番をして、ファンからの電話を待つとしましょう。お昼は・・・面倒!店屋物にしよう!と思って玄関に注文しようと行ったら電話がなった。ファンだろう。
ファンじゃなかった。
「もしもし、高橋さんのお宅で・・・」
「明彦!連絡、遅い!なぜ早く電話してこなかったのよ!」
「ぼくは良子の家の電話番号を知らないじゃないか?」
「あ!あら、そうだった。直接、私に電話をかける用事はないものね」
『直接、私に電話をかける用事はないものね』って、悔しい。美姫を通してしか成立しない関係なの?体の関係だけで、他につながりはないのかよ!あ~あ、とはいえ、私が彼のアパートに電話して話済んじゃうから必要なかったわね。明彦と二人だけでアパートにいても、話ははずむけど、美姫がいないとセックスしなかったものね。なんか癪だわ。
「美姫のママに良子の家の番号をさっき聞いたんだ」
「まったく。こっちは、美姫を探しているっていうのに。いくら仲がこじれても、彼女だったでしょ?美姫のあなた宛の手紙見たわよ。美姫のママが見せてくれて、コピーを取ったの」
「じゃあ、読んだろ?『だんだん私の心は明彦から離れていきました。日曜日に、明彦、私にボーイフレンドができたら、キミ、どうする?と聞いたけど、真面目に受け取ってくれなかったよね?そう、私、ボーイフレンドができました。もう明彦にいろいろ言われるのはたくさん!好きな人ができたので明彦から逃げます!私にもう構わないで下さい』ってことで、ぼくは彼女に逃げられた男と思っていた。ガミガミと大学進学の話を言い過ぎたと思っていた」
「『思っていた』?過去形ね。ああ、電話じゃじれったいわ。今、どこなの?」
「石川町の改札口だ」
「早く私の家に来なさい。走って来なさい」
「ああ、そのつもりで来たんだ」
「お腹、すいてるんだから!注文はあなたが来てからにする」
「え?なんの話?」
「いいえ、こっちの話。20分、差し上げます!」
『思っていた』という過去形、彼も何かあの手紙変だと思ったのかな。だったら、私とファンのお手伝いができるわね。
きっかり20分。玄関のチャイムが鳴った。20分、間に合ったわね、明彦、お昼、なんにする?といいかけた。明彦と一緒にいる女性が・・・一瞬、美姫が見つかったのね、と思ったが、美姫じゃない。でも、似てる。
「ええっと・・・明彦、どちらさまですか?」
「え~、彼女は小森雅子さんで、ぼくの大学の先輩で、同じ美術部で、え~・・・」
「小森雅子さん?小森雅子さん?・・・まさか、あの美姫がうめいていた、スケッチブックの Masako Komori ?」
「そういうことだ、良子」
「ううう~、明彦、いろいろと説明していただくことがありそうね?ね?」
小森雅子さんが「高橋良子さん、私、小森雅子と申します。初めまして。初めましてですが、仲里美姫さんを通じて、名前だけは広まっているみたいですね?明彦から良子さんのお話を聞きました」という。ふ~ん、私の話を明彦から聞いた。なるほどね。
「とにかく、お二人ともお入りください」私はスリッパを揃えた。頭の中は、この新しい登場人物へのクエスチョンマークで一杯。しかし、雅子さん、体型、服装が美姫そっくり。そうか、美姫が髪の毛を軽い茶色に染めたのが、雅子さんが染めていたからって言っていたわね?逆なのか?雅子さんが美姫に似せているってことなのか?
応接間に二人を通した。さて。「さて、二人とも、お腹すいてません?ちょうど、明彦を待って店屋物を注文しようと思っていたの。何にします?私は、カツ丼と天ぷら蕎麦が食べたいの。お付き合いしていただけない?」と聞いた。
「良子、カツ丼と天ぷら蕎麦?二つもか?」
「悪い?私、大変お腹がすいているのよ!雅子さん、お付き合いしない?」
「ええ、私もお腹がすいてます。同じものという付和雷同で勘弁してね」あら、話のテンポが素敵ね?訛があるわね?関西人?
「明彦!同じものでどうかしら?いいわね?」
「いいわね!って言うんだから、同じもの。良子は言い出したら聞かないからな」
「よくおわかりのこと。注文選択終了」
配達が来るまで、雅子さんが軽く自己紹介した。明彦が喋ろうとしたら、言いにくいでしょ?私が自己紹介します、と自分から切り出した。やっぱり関西人、京都出身。へぇ~、明彦が方言フェチって知らなかった。5月に明彦がバイトを減らして、美術部に入部した、というのは電話で聞いたけど、それから雅子さんが気になってたんだ。
でも、告白したのが昨日?それで、初セックスが昨日?私から誘ったようなものです、って、雅子さん、正直だ。明彦は石川町まで来る電車の中で、美姫と私のことを説明したのね。あ~あ、私の立場ってのも微妙だなあ。明彦が浮気したって状況ではないもの。言ってみれば、第1夫人の美姫が勝手に出奔、勝手にお別れ、残された私、第2夫人は美姫抜きでは彼とは関係を保てない、ってことだもの。これ、寂しいわよね?
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