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第1章 尾崎と比嘉編
第14話 尾崎と美香のお泊り、2017年11月17日(金)
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2017年11月15日(水)
俺は水曜日に美香にメッセした。
金曜日にデートしましょ、と送ったら、「私、お泊りでも構いません!」なんて返ってきた。日曜日にキスしたから盛り上がったんだろうか?処女だもんなあ。大切にしてやらないと。
尾崎は「じゃあね、お泊りの下見をしに行こう」とレスした。
「下見ですか!美香、幸せです!もで、下見ですか?下見じゃつまらない・・・」なんて返ってくる。
「じゃあ、本番・・・って、いや、下見じゃないのを・・・」
「了解いたしました!お泊りセットを持参いたします!」やれやれ。まいったね。美香さん、本気だ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
尾崎と美香のお泊り、2017年11月17日(金)
遠藤実と早紀江が出会う日の数時間前のこと
金曜日の夕方、俺は美香のマンションのある駒込駅の改札口で彼女を待った。横断歩道の向こうからベージュのボストンバックを抱えている美香が見えた。
グレーの膝下丈のハイネックのリブニットワンピースに黒のストッキング姿だ。化粧も少し濃い目にしている。なるほど、この格好に合わせて、バッグと靴を選んだんだな。美香が大人っぽく見えた。俺は、キャメルのジャケットとチノパン、ニットタイだから、バランスしている。彼女が俺をみかけて頭を下げる。
「尾崎さん、お待ちになられました?」と美香。「今、来たところだ」
「あのぉ、この格好でよろしいでしょうか?」と両手を上げて、クルッと回って俺に見せた。
「いいね、大人の雰囲気だぜ」
「そうですか?よかった。こういう日にどのような服を着たらいいのかわかりませんでした。でも、尾崎さんのジャケットとチノパン、ニットタイにマッチしているかな?」
「バッチリだよ。さあ、行こうか」
美香が改札口の方に行こうとするので、俺は手を引っ張ってタクシー乗り場に連れて行った。
「え?電車じゃないんですか?」
「タクシーでホテルに乗りつけた方がいいんじゃないか?ボストンバッグ抱えて駿河台の坂を歩くのはなんとなくイヤなんだ」
「尾崎さん、考えていますね?」
「ちょっとね。ほら、乗った、乗った」と美香をタクシーに押し込む。
ホテルに着いた。俺らは、右手のフロントに行った。フロントの女性に「予約してある尾崎と申しますが」と言った。彼女は下を向いて、PCで確認している。「ハイ、尾崎様、一泊のご予定ですね?」と言われた。
「では、デポジットで三万円お預かりいたします」と彼女はカードをリーダーに差し込んで、レシートを渡してくれる。宿泊カードに記入する。
名前の欄で、尾崎紀世彦、尾崎美香と書いた。覗き込んでいる美香がニコッとした。「尾崎様、お荷物は?」「このボストンバッグだけですから、私たちで大丈夫」「ハイ、了解いたしました。お部屋は401号室となります」「401号室?池波正太郎が宿泊していた部屋じゃないですか?」「ええ、池波様が使われていたお部屋のひとつなんですよ。エレベータを出て、左手に回った廊下の奥になります。では、おくつろぎ下さい」とお辞儀をされた。
美香が「落ち着いたコンパクトなホテルで、尾崎さん、素敵です」と言った。エントランス正面のエレベーターのボタンを押そうとする。「美香、イヤじゃなければ、四階まで階段でいかないか?バッグは持つからさ」と美香のバッグを取り上げた。
「階段?」と言うので、エレベーターの左の螺旋階段を指差した。「うわぁ。いい。すごくいいです。ハイ、尾崎さん、階段にしましょう!」俺らは赤い絨毯を敷き詰めている階段をゆっくりと上った。
階段を上りながら、美香が「尾崎さん、尾崎美香って書きましたわね?尾崎さん、いつ私たちは婚姻届をだしたんでしょうか?」と俺の腕にぶら下がって、顔を見上げて聞いた。
「え?知らなかった?生まれる前から俺らの婚姻届は提出済みだったはずだけど?」
「尾崎さん、私の胸にズキッとすること言ってくれますわね?美香、うれしいです」と腕を引っ張る。
部屋のキーを差し込んで、ドアを開けた。ボストンバッグはとりあえず床においておいて、美香をお姫様抱っこして、部屋に入った。美香は真っ赤になって俺の胸に顔をうずめた。「尾崎さん、は、恥ずかしいです」
ベッドに美香をおろした。思っていたより美香は軽かった。「うわぁ、私、幸せです。死んじゃいそうです」とベッドに大の字になった。でも、すぐ起き上がって、部屋を見回す。
「ねえ、尾崎さん、畳部屋でダブルベッドですよ!籐の椅子で窓は障子!桐の箪笥!世界中で経験のない女性は無数にいて、今、この瞬間も何百何千人もの女性が男性に初めてをあげているんだろうけど、その中の何人が、こういう部屋で初めてをもらってもらうと思いますか?尾崎さん!一生モノです!美香、泣けてきます」
「たまたま、キャンセルがあったのがこの部屋で偶然だった。でも、電話で予約した時にフロントが『和室でございますけどよろしいですか?』って言ってもらえてラッキーだと思ったけどね。スイートルームじゃないけど、 川端康成や三島由紀夫が泊まった部屋は絶対に和室だと思ったんだ。それが池波正太郎が泊まった部屋って、ラッキーだよな?」
「うん、私たちの上には、幸運の星がピカピカ輝いているのかも。あ!靴脱がないと。和室ですものね。ほら、尾崎さんも靴脱いで。上着も」と美香は言って、自分のと俺のをクローゼットにしまった。彼女が籐の椅子に座わる。俺も美香の正面に座った。
「さあ、尾崎紀世彦さん、比嘉美香をどうやって尾崎美香にしてくださるんでしょうか?散文的な私としては、尾崎紀世彦さんのお手順をお聞きしたい」
「ベッドに大の字のままだったら、おおいかぶさって、キスしたのにね?」
「あ!失敗しました!やり直します?」と舌を出して、いつもの変顔。
「まあまあ、散文的な尾崎美香さん。今、六時じゃないか?明日のチェックアウトまで十八時間もあるんだよ」
「それって、すごいですねずっと一緒にいられるんですね」
「そうだろう?それでさ、俺は、キミ曰くのその手順を考えました」
「フムフム?」
「テレビドラマとか、映画とか、小説とか、あれ参考になんないよ。一時間とかで完結しないといけないから、ラブシーンは、十数分だし、処女がいきなり抱かれて、その後、どうするんだろう?と思ってさ。端折ってるよね?」
「そうですよねえ、時間を持て余しますよ」
「それだけじゃないよ。美香が『痛くないかな?』とか気にしてたけど、いったん、その、あれだ、あれをしてしまったら、散文的に言うと、その後、ずっとヒリヒリして痛いんじゃないの?」
「おお!確かに!」
「だろう?美香は今何を考えているの?」
「え?え?・・・どうなんでしょう?何かな?・・・まずですね、尾崎さんがヒリヒリなんて言うから、『痛い』のかな?って思い浮かびました。それから、ヒリヒリしている私を尾崎さんがどう思うんだろう?どう扱うんだろ?って。もう出来ないのか?もったいない!とか思うのかなって。尾崎さん、楽しくないですよね、と思いました。考えると、処女ってやっかいですよね」
「俺のことを考えてくれて、ありがとう。今、六時だろ?一階の天ぷら屋さんはもう開いている。もうちょっとしたら天ぷら屋さんに行くけど、それまで」と俺は自分のボストンバッグをかき回した。
「ほら!」と瓶を三本とりだす。ワイングラスも二個。「赤白ワインと日本酒。美香、飲める?これ少し呑んで、もうちょっとお話しようよ」
「あ!美香にお酒を呑ませて、リラックスさせようということ?確かに、まだ緊張してます。ハイ、いただきます」
「よし、じゃあ、ワインでも飲もうか?」と俺はグラスに赤ワインを注いて美香にわたした。「俺らに」「私たちに」と乾杯をする。
「尾崎さん、楽しいです。静かだあ~。東京のど真ん中とは思えない」
「ほんと、静かだな。あ!美香、スマホ出して」
「え?これ?」と美香がアイフォンを出した。俺も出して「電源切っておこう。誰にも邪魔されないように」と言った。「着信とか親や知り合いから電話とか。気が散るだろう?切っておいて、あとで電話しておけばいいから」とは言った。
「わかりました。エイ!切りました」
「よし、これで邪魔は入らない・・・ねえ、美香、ベッドに行かない?」と俺が言うと、美香が真っ赤になった。
「もう?」
「美香が想像していることはまだ、お預け。ちょっと、ハグして、キスするくらいって、どうかな?」
「恥ずかしい・・・ちょ、ちょっと待って下さいね。深呼吸します。尾崎さん、ワインをもう一杯いただけますか?」ワインを注いであげると、一息に飲み干してしまった。立ち上がって、ベッドに大の字になってしまう。
「さあ、どうぞ!尾崎さん!まな板の上の美香です!」と目をギュッとつぶって言う。やっぱり、美香は変わってる、と思った。俺は美香の横に寝転がる。
「まな板の上の美香さん、横になって」と美香の首の下から左手を差し入れて、肩を抱いた。美香の両手は俺らの間に。右手を美香の背中に回す。美香の額が俺の真ん前に。思わず額にキスしてしまう。美香の息が首筋にかかる。俺は美香の額を額で押して、顔を仰向かせる。肩を抱き寄せる。目があった。ドキドキする。美香が目をつぶる。唇を押し当てて軽くキスする。美香が唇を開いてくる。ピタッと唇を合わせた。この前はここまでやっていたよな。美香の舌を追いかけて、絡み合わせた。
右手で美香の背中をさすった。美香の両手が俺らの間でモゾモゾしている。臆病そうに手の甲でちょっと俺のをズボンの上から触った。それから、裏返して、手のひらを俺のにそえた。軽く握られる。
右手を背骨に沿ってゆっくりと触っていく。脇腹を触ったりして、背中をさまよわせる。徐々にお尻の方に手を動かして、お尻は触らないで、太ももを触った。美香がモゾモゾして、両脚をすり合わせるのがわかる。美香のスカートの中に手をいれた。
俺は、唇をもっと密着させて、美香の舌を絡める。頭に血が上る。美香がフイゴみたいに息を荒げている。もっと、舌をネットリ絡めた。美香も俺の舌を追って絡めてきた。
太ももから膝のほうにソフトに触っていった。太ももの内側に指を移して、内側をなであげる。美香がビクッと体を震わせる。俺が何もしないのに、美香は左足を持ち上げて、俺の太ももにのせた。左足を絡めてきて、俺の太腿を押した。腰を押し付けてくる。
美香が俺のを握りしめてくる。俺はワンピースに手を入れて、ストッキング越しにパンティーの縁を触った。美香のあそこの真ん中のスジ沿いに人差し指を当てて、なで上げる。美香が唇を離してのけぞった。「アア、ダメ、尾崎さん、ダメですぅ」とすすり泣く。
美香のお尻をなでたり、手のひらで握ってもんだりした。美香は左手を俺らの間から抜いて、俺の首に回した。今度は美香が俺の唇を探って、自分から舌を俺の口に差し入れて、舌を絡めてくる。美香がためた唾を吸った。美香も自分から俺の唾をチューチュー吸う。
パンティーをストッキング越しに触っていると、だんだん湿ってくるのがわかった。俺はちょっと体を離した。リブニットワンピースの上から美香の胸を触る。
美香のブラはノンワイヤーブラだった、薄手のブラみたいで、ワンピースごしなのに、美香の胸の形がわかる。ふっくらしてる。乳首もわかった。ちょっと固くなっているような。俺は指で乳首を挟んで優しく握った。美香がのけぞって深くため息をついた。「アン」と可愛い声をだす。
「尾崎さん、私の胸、ちっちゃくありませんか?」と囁く。
「いいや、俺の手の大きさにちょうどいい。ピッタリとフィットしているよ。わかる?」
「ハイ、わかります。気持ちいいです。あの~、ええっと・・・自分で触るのと違います・・・もっといいです・・・は、恥ずかしい」
「痛くないよね?」
「大丈夫です・・・服、脱ぎますか?脱いだほうがいいですか?」
「それは後で。今は美香を抱きしめているだけで満足」
「私も。私も抱かれているだけでもすごくいいです。暖かくて安心しちゃいます・・・あの、その、尾崎さんの唾、いっぱい飲んじゃいました」
「俺もだよ。ワインの味がした」
「こういうのって、みんなしてるのかしら?」
「わかんないな。でも、なんか美香と交換している気がする」
「私も。一体になっちゃうような。ボォ~としちゃういました。ずっとずっとキスしていて下さい」
「ああ」
また、美香の背中に手を回して抱きしめた。キスしながら美香の体を触り続ける。美香が身悶えする。腰を押し付けてくる。俺もたまらなくなって、美香の腰に押し付ける。美香が右手で俺のものをギュッと握った。
イカン、俺の方が我慢できなくなってくる。俺は唇を離した。「美香、ダメだ、出ちゃうぜ」と言った。美香が俺を見つめて「え?これが?」と右手で俺のをもっとギュッと握りしめる。「そ、それがだよ。勘弁して」と言うと「感じちゃったんですか?」と言う。
「感じるも何も、俺だって、頭がボォーっとするよ。出ちゃうよ」
「私も。恥ずかしい」と俺のシャツに顔をうずめる。「恥ずかしいです。自分から動いちゃいました。私、勝手に体が動いちゃって。尾崎さんの体を脚で挟んじゃうし。もう、尾崎さんが欲しくて欲しくてたまりません。どうしよお、好きです。好きで好きでたまりません」と顔をシャツにすりつけて、イヤイヤしている。ジーンときた。美香を抱きしめる。
「まな板の上の美香さんが暴れちゃった?」
「ハイ、料理される前に暴れちゃいました・・・」
「感じた?」
「いっぱい感じました。ちょっと逝っちゃったかな。意識とんじゃったんです。自分でするのと全然違います」
「美香のあそこ、触っちゃたな」
「私も尾崎さんのあそこ、握っちゃっいました」
「我慢できなくなった」
「そんなに?・・・あ、あのね、尾崎さん?」
「何?」
「この固いの、かなり大きいなって思うんだけど、私の中に入るのかしら?」
「入らないと、一生、美香は処女のままだよ?」
「それ、イヤです!」
「大丈夫だよ。痛くないように、二人で明日まで楽しめるように散文的に手順は考えているよ」
「本当?」
「うん」
「ねえねえ?」とまだシャツに顔をうずめている。
「なんだい?」
「あとで、この固いのを」とギュッと握られる。思わずのけぞってしまう。「見せて下さい。従兄弟が小学校の頃のを見ましたが、大人のを見たことがありません。じっくり観察したい!」とシャツに顔をうずめたまま、ヒィヒィ笑っている。「あ~、恥ずかしいこと言ってますね、私って。恥じらいってものがなくなったのかしら?」
「美香、もうここまで来ると、俺とキミとの間で、恥ずかしいってあまりないんじゃないの?どんどん恥ずかしいハードルが下がってるよ」
「まだ、慣れてません。明日になれば、もうどうにでもなれで、尾崎さんとの間に恥ずかしいってなくなっているかも。それって、おイヤ?」
「イヤどころか、生まれる前に婚姻届だしてあるんだから、そっちが普通じゃないか?」
「そおか。これでまた一歩前進で、尾崎美香さんに近づいた?」
「明日までに、全身、尾崎美香さんになっちゃうんじゃない?」
「あ!それいいです!今から、比嘉って止めて、尾崎美香って署名する練習します!」
「もう、今晩、赤ちゃん、作っちゃおうか?」
「・・・私、今日、安全日ですよ?」
「冗談です。さって、何時かな?あれ?もう七時ちょっと前だよ?」
「ウソ!さっきまで六時過ぎだったじゃないですか?そんなに私たち抱き合っていたんですか?」
「時間たつの、早いね?」
「え~、もう一時間以上たったんですか?残り、十七時間しかない!」
「美香、十七時間もある、って思えばいいじゃないか?」
「女の子は、こういう時間が永遠に続いたら、って思うものなんです」
「あのね、美香、まだ、キミ、処女のままだよ?」
「あら?私、もう処女なくなっちゃったと思ってました。こういう時間が永遠に続いたら私、マリア様になっちゃいますね。メインイベントはまだ残っていましたわね」
「そのメインイベントの前に、腹ごしらえ、しないか?お腹すかない?」
「そう言えば、腹ペコです」
「一階の天ぷら屋さんに行こうよ?」
「賛成!」
俺は水曜日に美香にメッセした。
金曜日にデートしましょ、と送ったら、「私、お泊りでも構いません!」なんて返ってきた。日曜日にキスしたから盛り上がったんだろうか?処女だもんなあ。大切にしてやらないと。
尾崎は「じゃあね、お泊りの下見をしに行こう」とレスした。
「下見ですか!美香、幸せです!もで、下見ですか?下見じゃつまらない・・・」なんて返ってくる。
「じゃあ、本番・・・って、いや、下見じゃないのを・・・」
「了解いたしました!お泊りセットを持参いたします!」やれやれ。まいったね。美香さん、本気だ。
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尾崎と美香のお泊り、2017年11月17日(金)
遠藤実と早紀江が出会う日の数時間前のこと
金曜日の夕方、俺は美香のマンションのある駒込駅の改札口で彼女を待った。横断歩道の向こうからベージュのボストンバックを抱えている美香が見えた。
グレーの膝下丈のハイネックのリブニットワンピースに黒のストッキング姿だ。化粧も少し濃い目にしている。なるほど、この格好に合わせて、バッグと靴を選んだんだな。美香が大人っぽく見えた。俺は、キャメルのジャケットとチノパン、ニットタイだから、バランスしている。彼女が俺をみかけて頭を下げる。
「尾崎さん、お待ちになられました?」と美香。「今、来たところだ」
「あのぉ、この格好でよろしいでしょうか?」と両手を上げて、クルッと回って俺に見せた。
「いいね、大人の雰囲気だぜ」
「そうですか?よかった。こういう日にどのような服を着たらいいのかわかりませんでした。でも、尾崎さんのジャケットとチノパン、ニットタイにマッチしているかな?」
「バッチリだよ。さあ、行こうか」
美香が改札口の方に行こうとするので、俺は手を引っ張ってタクシー乗り場に連れて行った。
「え?電車じゃないんですか?」
「タクシーでホテルに乗りつけた方がいいんじゃないか?ボストンバッグ抱えて駿河台の坂を歩くのはなんとなくイヤなんだ」
「尾崎さん、考えていますね?」
「ちょっとね。ほら、乗った、乗った」と美香をタクシーに押し込む。
ホテルに着いた。俺らは、右手のフロントに行った。フロントの女性に「予約してある尾崎と申しますが」と言った。彼女は下を向いて、PCで確認している。「ハイ、尾崎様、一泊のご予定ですね?」と言われた。
「では、デポジットで三万円お預かりいたします」と彼女はカードをリーダーに差し込んで、レシートを渡してくれる。宿泊カードに記入する。
名前の欄で、尾崎紀世彦、尾崎美香と書いた。覗き込んでいる美香がニコッとした。「尾崎様、お荷物は?」「このボストンバッグだけですから、私たちで大丈夫」「ハイ、了解いたしました。お部屋は401号室となります」「401号室?池波正太郎が宿泊していた部屋じゃないですか?」「ええ、池波様が使われていたお部屋のひとつなんですよ。エレベータを出て、左手に回った廊下の奥になります。では、おくつろぎ下さい」とお辞儀をされた。
美香が「落ち着いたコンパクトなホテルで、尾崎さん、素敵です」と言った。エントランス正面のエレベーターのボタンを押そうとする。「美香、イヤじゃなければ、四階まで階段でいかないか?バッグは持つからさ」と美香のバッグを取り上げた。
「階段?」と言うので、エレベーターの左の螺旋階段を指差した。「うわぁ。いい。すごくいいです。ハイ、尾崎さん、階段にしましょう!」俺らは赤い絨毯を敷き詰めている階段をゆっくりと上った。
階段を上りながら、美香が「尾崎さん、尾崎美香って書きましたわね?尾崎さん、いつ私たちは婚姻届をだしたんでしょうか?」と俺の腕にぶら下がって、顔を見上げて聞いた。
「え?知らなかった?生まれる前から俺らの婚姻届は提出済みだったはずだけど?」
「尾崎さん、私の胸にズキッとすること言ってくれますわね?美香、うれしいです」と腕を引っ張る。
部屋のキーを差し込んで、ドアを開けた。ボストンバッグはとりあえず床においておいて、美香をお姫様抱っこして、部屋に入った。美香は真っ赤になって俺の胸に顔をうずめた。「尾崎さん、は、恥ずかしいです」
ベッドに美香をおろした。思っていたより美香は軽かった。「うわぁ、私、幸せです。死んじゃいそうです」とベッドに大の字になった。でも、すぐ起き上がって、部屋を見回す。
「ねえ、尾崎さん、畳部屋でダブルベッドですよ!籐の椅子で窓は障子!桐の箪笥!世界中で経験のない女性は無数にいて、今、この瞬間も何百何千人もの女性が男性に初めてをあげているんだろうけど、その中の何人が、こういう部屋で初めてをもらってもらうと思いますか?尾崎さん!一生モノです!美香、泣けてきます」
「たまたま、キャンセルがあったのがこの部屋で偶然だった。でも、電話で予約した時にフロントが『和室でございますけどよろしいですか?』って言ってもらえてラッキーだと思ったけどね。スイートルームじゃないけど、 川端康成や三島由紀夫が泊まった部屋は絶対に和室だと思ったんだ。それが池波正太郎が泊まった部屋って、ラッキーだよな?」
「うん、私たちの上には、幸運の星がピカピカ輝いているのかも。あ!靴脱がないと。和室ですものね。ほら、尾崎さんも靴脱いで。上着も」と美香は言って、自分のと俺のをクローゼットにしまった。彼女が籐の椅子に座わる。俺も美香の正面に座った。
「さあ、尾崎紀世彦さん、比嘉美香をどうやって尾崎美香にしてくださるんでしょうか?散文的な私としては、尾崎紀世彦さんのお手順をお聞きしたい」
「ベッドに大の字のままだったら、おおいかぶさって、キスしたのにね?」
「あ!失敗しました!やり直します?」と舌を出して、いつもの変顔。
「まあまあ、散文的な尾崎美香さん。今、六時じゃないか?明日のチェックアウトまで十八時間もあるんだよ」
「それって、すごいですねずっと一緒にいられるんですね」
「そうだろう?それでさ、俺は、キミ曰くのその手順を考えました」
「フムフム?」
「テレビドラマとか、映画とか、小説とか、あれ参考になんないよ。一時間とかで完結しないといけないから、ラブシーンは、十数分だし、処女がいきなり抱かれて、その後、どうするんだろう?と思ってさ。端折ってるよね?」
「そうですよねえ、時間を持て余しますよ」
「それだけじゃないよ。美香が『痛くないかな?』とか気にしてたけど、いったん、その、あれだ、あれをしてしまったら、散文的に言うと、その後、ずっとヒリヒリして痛いんじゃないの?」
「おお!確かに!」
「だろう?美香は今何を考えているの?」
「え?え?・・・どうなんでしょう?何かな?・・・まずですね、尾崎さんがヒリヒリなんて言うから、『痛い』のかな?って思い浮かびました。それから、ヒリヒリしている私を尾崎さんがどう思うんだろう?どう扱うんだろ?って。もう出来ないのか?もったいない!とか思うのかなって。尾崎さん、楽しくないですよね、と思いました。考えると、処女ってやっかいですよね」
「俺のことを考えてくれて、ありがとう。今、六時だろ?一階の天ぷら屋さんはもう開いている。もうちょっとしたら天ぷら屋さんに行くけど、それまで」と俺は自分のボストンバッグをかき回した。
「ほら!」と瓶を三本とりだす。ワイングラスも二個。「赤白ワインと日本酒。美香、飲める?これ少し呑んで、もうちょっとお話しようよ」
「あ!美香にお酒を呑ませて、リラックスさせようということ?確かに、まだ緊張してます。ハイ、いただきます」
「よし、じゃあ、ワインでも飲もうか?」と俺はグラスに赤ワインを注いて美香にわたした。「俺らに」「私たちに」と乾杯をする。
「尾崎さん、楽しいです。静かだあ~。東京のど真ん中とは思えない」
「ほんと、静かだな。あ!美香、スマホ出して」
「え?これ?」と美香がアイフォンを出した。俺も出して「電源切っておこう。誰にも邪魔されないように」と言った。「着信とか親や知り合いから電話とか。気が散るだろう?切っておいて、あとで電話しておけばいいから」とは言った。
「わかりました。エイ!切りました」
「よし、これで邪魔は入らない・・・ねえ、美香、ベッドに行かない?」と俺が言うと、美香が真っ赤になった。
「もう?」
「美香が想像していることはまだ、お預け。ちょっと、ハグして、キスするくらいって、どうかな?」
「恥ずかしい・・・ちょ、ちょっと待って下さいね。深呼吸します。尾崎さん、ワインをもう一杯いただけますか?」ワインを注いであげると、一息に飲み干してしまった。立ち上がって、ベッドに大の字になってしまう。
「さあ、どうぞ!尾崎さん!まな板の上の美香です!」と目をギュッとつぶって言う。やっぱり、美香は変わってる、と思った。俺は美香の横に寝転がる。
「まな板の上の美香さん、横になって」と美香の首の下から左手を差し入れて、肩を抱いた。美香の両手は俺らの間に。右手を美香の背中に回す。美香の額が俺の真ん前に。思わず額にキスしてしまう。美香の息が首筋にかかる。俺は美香の額を額で押して、顔を仰向かせる。肩を抱き寄せる。目があった。ドキドキする。美香が目をつぶる。唇を押し当てて軽くキスする。美香が唇を開いてくる。ピタッと唇を合わせた。この前はここまでやっていたよな。美香の舌を追いかけて、絡み合わせた。
右手で美香の背中をさすった。美香の両手が俺らの間でモゾモゾしている。臆病そうに手の甲でちょっと俺のをズボンの上から触った。それから、裏返して、手のひらを俺のにそえた。軽く握られる。
右手を背骨に沿ってゆっくりと触っていく。脇腹を触ったりして、背中をさまよわせる。徐々にお尻の方に手を動かして、お尻は触らないで、太ももを触った。美香がモゾモゾして、両脚をすり合わせるのがわかる。美香のスカートの中に手をいれた。
俺は、唇をもっと密着させて、美香の舌を絡める。頭に血が上る。美香がフイゴみたいに息を荒げている。もっと、舌をネットリ絡めた。美香も俺の舌を追って絡めてきた。
太ももから膝のほうにソフトに触っていった。太ももの内側に指を移して、内側をなであげる。美香がビクッと体を震わせる。俺が何もしないのに、美香は左足を持ち上げて、俺の太ももにのせた。左足を絡めてきて、俺の太腿を押した。腰を押し付けてくる。
美香が俺のを握りしめてくる。俺はワンピースに手を入れて、ストッキング越しにパンティーの縁を触った。美香のあそこの真ん中のスジ沿いに人差し指を当てて、なで上げる。美香が唇を離してのけぞった。「アア、ダメ、尾崎さん、ダメですぅ」とすすり泣く。
美香のお尻をなでたり、手のひらで握ってもんだりした。美香は左手を俺らの間から抜いて、俺の首に回した。今度は美香が俺の唇を探って、自分から舌を俺の口に差し入れて、舌を絡めてくる。美香がためた唾を吸った。美香も自分から俺の唾をチューチュー吸う。
パンティーをストッキング越しに触っていると、だんだん湿ってくるのがわかった。俺はちょっと体を離した。リブニットワンピースの上から美香の胸を触る。
美香のブラはノンワイヤーブラだった、薄手のブラみたいで、ワンピースごしなのに、美香の胸の形がわかる。ふっくらしてる。乳首もわかった。ちょっと固くなっているような。俺は指で乳首を挟んで優しく握った。美香がのけぞって深くため息をついた。「アン」と可愛い声をだす。
「尾崎さん、私の胸、ちっちゃくありませんか?」と囁く。
「いいや、俺の手の大きさにちょうどいい。ピッタリとフィットしているよ。わかる?」
「ハイ、わかります。気持ちいいです。あの~、ええっと・・・自分で触るのと違います・・・もっといいです・・・は、恥ずかしい」
「痛くないよね?」
「大丈夫です・・・服、脱ぎますか?脱いだほうがいいですか?」
「それは後で。今は美香を抱きしめているだけで満足」
「私も。私も抱かれているだけでもすごくいいです。暖かくて安心しちゃいます・・・あの、その、尾崎さんの唾、いっぱい飲んじゃいました」
「俺もだよ。ワインの味がした」
「こういうのって、みんなしてるのかしら?」
「わかんないな。でも、なんか美香と交換している気がする」
「私も。一体になっちゃうような。ボォ~としちゃういました。ずっとずっとキスしていて下さい」
「ああ」
また、美香の背中に手を回して抱きしめた。キスしながら美香の体を触り続ける。美香が身悶えする。腰を押し付けてくる。俺もたまらなくなって、美香の腰に押し付ける。美香が右手で俺のものをギュッと握った。
イカン、俺の方が我慢できなくなってくる。俺は唇を離した。「美香、ダメだ、出ちゃうぜ」と言った。美香が俺を見つめて「え?これが?」と右手で俺のをもっとギュッと握りしめる。「そ、それがだよ。勘弁して」と言うと「感じちゃったんですか?」と言う。
「感じるも何も、俺だって、頭がボォーっとするよ。出ちゃうよ」
「私も。恥ずかしい」と俺のシャツに顔をうずめる。「恥ずかしいです。自分から動いちゃいました。私、勝手に体が動いちゃって。尾崎さんの体を脚で挟んじゃうし。もう、尾崎さんが欲しくて欲しくてたまりません。どうしよお、好きです。好きで好きでたまりません」と顔をシャツにすりつけて、イヤイヤしている。ジーンときた。美香を抱きしめる。
「まな板の上の美香さんが暴れちゃった?」
「ハイ、料理される前に暴れちゃいました・・・」
「感じた?」
「いっぱい感じました。ちょっと逝っちゃったかな。意識とんじゃったんです。自分でするのと全然違います」
「美香のあそこ、触っちゃたな」
「私も尾崎さんのあそこ、握っちゃっいました」
「我慢できなくなった」
「そんなに?・・・あ、あのね、尾崎さん?」
「何?」
「この固いの、かなり大きいなって思うんだけど、私の中に入るのかしら?」
「入らないと、一生、美香は処女のままだよ?」
「それ、イヤです!」
「大丈夫だよ。痛くないように、二人で明日まで楽しめるように散文的に手順は考えているよ」
「本当?」
「うん」
「ねえねえ?」とまだシャツに顔をうずめている。
「なんだい?」
「あとで、この固いのを」とギュッと握られる。思わずのけぞってしまう。「見せて下さい。従兄弟が小学校の頃のを見ましたが、大人のを見たことがありません。じっくり観察したい!」とシャツに顔をうずめたまま、ヒィヒィ笑っている。「あ~、恥ずかしいこと言ってますね、私って。恥じらいってものがなくなったのかしら?」
「美香、もうここまで来ると、俺とキミとの間で、恥ずかしいってあまりないんじゃないの?どんどん恥ずかしいハードルが下がってるよ」
「まだ、慣れてません。明日になれば、もうどうにでもなれで、尾崎さんとの間に恥ずかしいってなくなっているかも。それって、おイヤ?」
「イヤどころか、生まれる前に婚姻届だしてあるんだから、そっちが普通じゃないか?」
「そおか。これでまた一歩前進で、尾崎美香さんに近づいた?」
「明日までに、全身、尾崎美香さんになっちゃうんじゃない?」
「あ!それいいです!今から、比嘉って止めて、尾崎美香って署名する練習します!」
「もう、今晩、赤ちゃん、作っちゃおうか?」
「・・・私、今日、安全日ですよ?」
「冗談です。さって、何時かな?あれ?もう七時ちょっと前だよ?」
「ウソ!さっきまで六時過ぎだったじゃないですか?そんなに私たち抱き合っていたんですか?」
「時間たつの、早いね?」
「え~、もう一時間以上たったんですか?残り、十七時間しかない!」
「美香、十七時間もある、って思えばいいじゃないか?」
「女の子は、こういう時間が永遠に続いたら、って思うものなんです」
「あのね、美香、まだ、キミ、処女のままだよ?」
「あら?私、もう処女なくなっちゃったと思ってました。こういう時間が永遠に続いたら私、マリア様になっちゃいますね。メインイベントはまだ残っていましたわね」
「そのメインイベントの前に、腹ごしらえ、しないか?お腹すかない?」
「そう言えば、腹ペコです」
「一階の天ぷら屋さんに行こうよ?」
「賛成!」
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