中華乃蠱惑 （南少佐シリーズ②）

上海租界の誘惑２

第四章：上海租界の誘惑

中国人家政婦の誘惑

　南は千鶴と辰麿の育児を助けるため、秀蘭シューランを雇った。20歳そこそこの彼女は、絹のチャイナドレスに包まれた美貌の持ち主だった。そのドレスは深い藍色で、両脇に大胆なスリットが刻まれ、歩くたびに白い太腿がチラリと覗いた。細身の体にぴたりと沿う布地は、彼女の華奢な肩と柔らかな腰の曲線を際立たせ、漆黒の髪が背中に流れて蠱惑的な影を落とした。英語を流暢に操る秀蘭シューランは、静かな微笑みと控えめな仕草で南の周囲に寄り添った。

　ある蒸し暑い夕暮れ、南が書斎でロシア租界の報告書をまとめていると、秀蘭シューランが現れた。彼女は銀のトレイに冷えたジャスミン茶を乗せ、「少佐様、少しお疲れのようですね。お茶でもいかがですか？」と柔らかく言った。トレイを机に置く際、深いスリットから太腿が露わになり、絹の裾がそっと擦れる音が静寂を破った。秀蘭シューランは南の隣に立ち、肩を軽く寄せて、「こんな暑い日は、心も体も緩めてあげたいわ」と囁いた。彼女の指先が書類の端をなぞり、さりげなく南の手の甲に触れた。ジャスミンの香りが彼女の髪から漂い、蠱惑的な眼差しが南の横顔を見つめた。

　南は一瞬、彼女の熱い気配に心が揺らいだ。秀蘭シューランの白い肌と柔らかな声が、アフリカでのアビツェとマリアムを思い出させた。だが、彼は穏やかに目を閉じ、微笑みを浮かべて言った。「秀蘭シューラン、君の気遣いは嬉しいよ。でも、私にはクララとヘレナがいるんだ。彼女たちだけで十分だよ。」その声は優しく、彼女を傷つけないよう配慮が込められていた。秀蘭シューランの瞳が一瞬曇ったが、彼女は「そうですね、少佐様は幸せ者です」と小さく笑い、静かに書斎を後にした。

　その夜、秀蘭シューランは自室に戻った。狭い部屋には木製の寝台と小さな鏡台があるだけだった。彼女はチャイナドレスを脱ぎ、薄い寝衣に着替えたが、南の優しい拒絶が心に残り、肉欲が疼いて収まらなかった。窓から差し込む月光の下、秀蘭シューランは寝台に腰掛け、目を閉じた。彼女の手がゆっくりと寝衣の裾をたくし上げ、白い太腿を撫でた。指先が秘部に滑り込むと、「少佐様…」と小さく呟き、熱い吐息が漏れた。彼女の動きが徐々に激しくなり、秘部から愛液が滴り、寝衣を濡らした。南の顔を思い浮かべながら、秀蘭シューランは自らを慰め、肉欲を静かに収めた。やがて彼女は寝台に横たわり、満たされぬ想いを胸に眠りに落ちた。

　翌朝、秀蘭シューランは深い悔悟に駆られた。彼女は南への誘惑がクララとヘレナに知れれば、一家の平穏を乱すと悟った。朝食の準備を終えた後、秀蘭シューランはクララとヘレナが客間で茶を飲む場に赴き、膝をついて土下座した。「クララ様、ヘレナ様、昨夜、私、少佐様を誘惑してしまいました。正直に申し上げて、心からお詫びします」と頭を下げ、声が震えた。クララは静かに秀蘭シューランを見つめ、「秀蘭シューラン、あなたの正直さを認めます。過ちは誰にでもあるわ。首にはしないよ」と穏やかに許した。彼女の敬虔な心は、悔い改める者を拒まなかった。

　だが、ヘレナは異なる反応を示した。彼女は秀蘭シューランを見下ろし、碧眼に狡猾な光を宿らせて言った。「秀蘭シューランは性欲を持て余しているんだわ。同じことが起こらないとも限らない。では、私が彼女の欲情を鎮めてあげるわ。」ヘレナは立ち上がり、秀蘭シューランの手を取って自室へと導いた。クララが「ヘレナ、何を…」と止めようとしたが、ヘレナは「叔母様、心配しないで。私が上手くやるわ」と微笑み、ドアを閉めた。

　ヘレナの部屋は薄暗く、カーテン越しの朝陽が柔らかな影を落としていた。彼女は秀蘭シューランをベッドに座らせ、「秀蘭シューラン、あなた、旦那様に触れられなくて疼いてるのね？」と囁いた。秀蘭シューランが「そんな…」と否定しかけたが、ヘレナは彼女の顎を指で持ち上げ、唇を重ねた。柔らかく熱いキスに秀蘭シューランの体が震え、抵抗が溶けた。ヘレナは自らの旗袍を脱ぎ、白い肌と豊満な胸を露わにした。「私の体であなたの欲を満たしてあげる」と甘く誘い、秀蘭シューランのチャイナドレスのスリットを広げた。

　ヘレナの手が秀蘭シューランの太腿を滑り、秘部に触れると、秀蘭シューランが「あぁ…」と小さく喘いだ。ヘレナは秀蘭シューランの乳房を揉み、舌で乳首を転がしながら、「ほら、あなた、こんなに濡れてるじゃない」と嘲うように笑った。秀蘭シューランの秘部から愛液が溢れ、ヘレナの指がそれを掻き混ぜた。彼女は秀蘭シューランをベッドに押し倒し、自らの秘部を秀蘭シューランの顔に近づけた。「舐めて。私を感じて」と命じ、秀蘭シューランの唇に押しつけた。秀蘭シューランは戸惑いながらもヘレナの愛液を舐め、その甘い味に溺れた。ヘレナが「あぁ…秀蘭シューラン、上手よ」と喘ぐと、秀蘭シューランの肉欲は抑えきれず、ヘレナの体に舌を這わせた。

　二人の汗と吐息が部屋を満たし、ヘレナは秀蘭シューランの秘部に指を沈めながら自らも腰を振った。「秀蘭シューラン、あなた、私の虜ね」と囁き、秀蘭シューランの喘ぎが絶頂に達するまで弄んだ。秀蘭シューランは「ヘレナ様…」と呟き、ヘレナの成熟した肉体に魅了され、彼女の虜となった。行為が終わり、秀蘭シューランは放心したようにベッドに横たわり、ヘレナは満足げに微笑んだ。「これで、もう旦那様を誘惑しないわね？」と囁き、秀蘭シューランの額にキスを落とした。

欧米人の誘惑

　社交界でのクララとヘレナの活躍が続く中、アメリカ人実業家ジェームズ・ハリソン・カーターが南一家の前に現れた。30代前半のジェームズは、鋭い灰色の瞳と金髪を後ろに撫でつけた精悍な男で、上海のアメリカ租界で貿易会社を経営していた。英国租界の舞踏会で初めて出会った際、彼はヘレナに近づき、「君のような美人は上海の宝石だ」と微笑み、名刺を差し出した。クララにも丁寧に挨拶し、「少佐夫人、お噂はかねがね」と握手を求めた。だが、南はその視線に隠れた野心を感じ取った。ジェームズは表向き紳士的だったが、裏では愛人エレノア・マーガレット・デービスを使って情報や利権を探る男として知られていた。

　ジェームズの誘惑は巧妙だった。ある夜、フランス租界の舞踏会で彼はヘレナをダンスに誘った。黒いタキシードに身を包んだ彼は、ヘレナの手を取り、ワルツの調べに合わせて彼女を導いた。「君の瞳はエメラルドより美しい」と囁き、彼女の耳元に唇を近づけた。ヘレナの頬が紅潮し、「そんな…」と呟きながらも、彼の手が腰に回ると体が熱くなった。クララは遠くからその光景を見やり、「ヘレナ、気をつけなさい」と鋭く警告したが、ヘレナは「叔母様、少し楽しむだけよ」と笑って流した。ジェームズはさらに、「今夜、僕の別邸で君を独占したい」と誘い、彼女の指先にキスを落とした。ヘレナの心は揺れ、肉欲が疼いた。

　数日後、ジェームズの愛人エレノア・マーガレット・デービスが南の邸宅を訪れた。赤毛と緑の瞳を持つ妖艶な婦人で、社交界ではその奔放さで悪名高い。彼女は薄いシャンパン色のドレスを纏い、胸元を低く開けて豊満な胸を強調していた。ジェームズの唆しを受けたエレノアは、南に近づき、「少佐、こんな退屈な夜を私で彩ってみない？」と甘く囁いた。彼女はドレスをたくし上げ、白い太腿を露わにし、指先で南の胸を撫でた。甘い香水が漂い、彼女の緑の瞳が南を誘うように輝いた。南は一瞬、アフリカの姉妹を思い出し、彼女の熱い肌に惹かれかけたが、「エレノア、君は魅力的だよ。でも、私にはクララとヘレナがいるんだ。家族が全てだ」と穏やかに拒んだ。エレノアは唇を噛み、「残念ね」と去った。

　一方、ヘレナはフランス租界の舞踏会でエドワード・チャールズ・スペンサーとその妹イザベル・ローズ・スペンサーに絡まれた。英国貴族の息子エドワードは、濃紺の燕尾服を着こなし、「君を上海の王女に」と囁いてヘレナをバルコニーへ連れ出した。彼の手が彼女の肩を滑り、唇が耳元に触れると、「君の肌は絹のようだ」と甘く誘った。そこにイザベルが現れ、黒いドレスから覗く白い腕でヘレナの手を握った。「私も君を愛したい」と囁き、彼女の腰に指を這わせた。エドワードがヘレナの首筋にキスを落とし、イザベルが彼女の胸元に顔を埋めると、ヘレナは「駄目…でも…」と目を閉じた。三人の関係を知る彼女は、新たな肉欲に溺れそうになり、秘部が熱く濡れた。

　クララが駆けつけ、「ヘレナ、しっかりなさい！」と鋭く叱り、エドワードとイザベルを睨んだ。「彼女は私の家族よ。手を離しなさい！」と強い口調で二人を退けた。ヘレナは淫らな夢から覚めたように震え、「叔母様、私を救ってくれてありがとう」と涙を流した。

　エレノアは諦めず、ある夜、南の邸宅に再び現れた。彼女は社交界でのつながりを活かし、南一家が留守と見込んだ舞踏会の夜を見計らって行動を起こした。邸宅の使用人の一人に金を握らせ、裏口からこっそり案内させたのだ。薄い寝衣越しに彼女の豊満な体が透け、「私ならクララもヘレナも傷つけない」と迫った。彼女は南の首に腕を回し、豊満な胸を押しつけ、熱い吐息を耳に吹き込んだ。南は彼女の誘惑に一瞬飲み込まれそうになったが、「エレノア、君には君の道がある。私には家族がいるんだ。出て行ってくれ」と静かに命じた。エレノアは悔しげに去り、使用人に連れられて裏口から姿を消した。