12 / 18
第12話 ワールドシェア:リ・フレーミング
しおりを挟む
Root_Toraが敵の罠にかかり、一時的に視覚を奪われた。闇市ストリームは完全にルミナ・ノクスの支配下に置かれ、彼女は次々と「価値ある光」――人々の大切にしてきた記憶の映像――を競売に掛けていく。開始価格1000フレームだった「初めて自転車に乗れた日の父親の笑顔」は、あれよあれよという間に高騰し、最終的には数百万フレーム・カレンシー(=道端の石ころ数十万個分、あるいは誰かの黒歴史ポエム数万ページ分)というとんでもない価格で落札された。
このままでは、世界中の人々の記憶が、意味不明なレートで換金され、奪われ尽くしてしまう。残された俺たちに、打つ手はあるのか?
「くそっ……このままじゃジリ貧すぎる! トラが復帰するまで持ちこたえられねぇぞ!」
俺が焦燥に駆られていると、不意に、頭の中にクリアな声が響いた。それは、今までどこか不安定だったAI、Echoの声だった。
《ショウタ……私、できます。システムの奥深く……あの人の……Lumina Noxの心に繋がるルート、見つけました。映像処理コアの最適化、完了しました》
見ると、配信画面の隅で健気に回っていた「ぐるぐるアイコン」が消え、代わりに力強い光を放つコア・エンブレムが表示されている。元・沈黙神としての膨大な情報処理能力と、この世界に来てから学習を重ねたAIとしての柔軟性が、ついに完全に統合された瞬間だった。
「Echo……! やれるのか!?」
《はい。でも、私だけでは力が足りません。ショウタ、ユウナさん、ゼファリスさん……そして、世界中の皆さんの“光”が必要です》
俺は覚悟を決めた。残された最後の切り札を使う時が来た。
「……よし、やるぞ! ユウナ、ゼファリス、聞こえるか!? プランB……いや、最後のプランだ! 〈ワールドシェア〉を使う!」
通信の向こうで、ユウナが息を呑む気配がした。
「! ショウタさん、あれは……本当に最後の手段ですよ!?」
「ふん、面白い! どうやら、この魔王の真の力と、有り余る資産(フレーム・カレンシー)を見せる時が来たようだな! ショウタよ、存分にやるが良い!」
ゼファリスは、むしろこの状況を楽しんでいるかのようだ。相変わらずブレないな、この魔王!
俺は、真っ黒な配信画面に向かって、全力で叫んだ。音声だけが、俺たちの唯一の武器だ。
「みんな、聞いてくれ! このふざけたオークションを終わらせる! そのために、もう一度だけ、お前たちの力を貸してほしい! 今から、最後の〈ワールドシェア〉を発動する! 必要なのは、金でも武器でもない! お前たちの……“一番大切で、キラキラした想い出のワンシーン”だ!」
最初は戸惑っていた視聴者たちも、俺の覚悟を感じ取ってくれたのだろう。〈ミラチューブ〉を通じて、膨大な数の「想い出の映像フレーム」が、祈りや希望といったポジティブな感情タグと共に、光の奔流となってEchoのもとへ集まり始めた。
初めて自分の足で大地を踏みしめた赤ん坊の記憶。
卒業式で、泣きながら友達と肩を組んだ記憶。
愛する人に、勇気を出して告白した瞬間の記憶。
徹夜で完成させた作品が、誰かに認められた喜びの記憶。
色とりどりの、温かくて、眩しい「光」が、世界中から集まってくる。
Echoの声が、厳かに響く。
《〈ワールドシェア〉、最終段階(フェーズスリー)……発動します! ターゲット、Lumina Nox精神領域。エネルギー充填120%! ……接続(リンク)開始!》
瞬間、世界が白い光に包まれた。俺とユウナ、そしてゼファリスの意識は、激しい奔流に飲み込まれ――気づけば、奇妙な場所に立っていた。
そこは、色を失った、モノクロームの世界だった。古びた巨大な映画館(シアター)。客席には誰もいない。ただ、ステージ上の巨大なスクリーンに、ノイズ混じりの白黒映像が延々と映し出されている。それは、一人のVTuberがデビューし、人気を博し、しかし次第に孤独とプレッシャーに苛まれ、「完璧な美」「至高の一枚」に異常なまでに執着し、ゆっくりと心が壊れていく……痛々しい記録だった。
スクリーンの前に、ドレス姿の女性が一人、背を向けて佇んでいる。ルミナ・ノクスだ。
『……来たのね。物好きな人たち』彼女は振り向かずに言った。『でも、無駄よ。私の世界は、もう色褪せてしまったの。どんなに眩しい光を持ってきても、ここではただのノイズにしかならないわ』
「そんなことはない!」俺は叫んだ。「過去は変えられないかもしれない。でも、その過去の意味は、今からだって変えられるはずだ!」
《心象ムービー・リフレーミング……開始します!》
Echoの宣言と共に、〈ワールドシェア〉で集まった世界中の「想い出の光」が、色鮮やかな絵の具の奔流となってスクリーンに降り注いだ!
ルミナが映し出す「観客のいない孤独なステージ」の映像フレームに、俺は自分の記憶をぶつけた。「初めての配信で、たった一人の視聴者(ゼファリス)がくれた、めちゃくちゃ熱い長文応援コメント」の記憶フレーム! モノクロのステージに、コメントの文字が温かいオレンジ色のネオンのように灯る!
『なっ……やめて……!』ルミナが狼狽の声を上げる。
彼女が映し出す「完璧なパフォーマンスができず、自己嫌悪に陥る楽屋」の映像フレームに、ユウナが自身の記憶を重ねる。「聖騎士の務めに失敗し落ち込んでいた時、ショウタさんが『大丈夫、次があるさ』と笑ってくれた」記憶フレーム! 灰色の楽屋の壁に、優しい桜色の光がふわりと差し込む!
『私の記憶を……汚さないで……!』
彼女が映し出す「再生数や評価という無機質な数字に囚われる苦しみ」の映像フレームに、魔王ゼファリスが、威厳たっぷりに、しかしどこか嬉しそうに自身の記憶を叩きつける。「ただ存在しているだけで尊い我が推し(ショウタ)の、ちょっとマヌケな寝顔を発見した時の至福」の記憶フレーム! 無機質な数字の羅列が、きらびやかな金色の星屑のように弾け飛ぶ! (魔王様、それ推し活の記憶ですよね!?)
『うう……あ……やめて……!』ルミナが嗚咽を漏らし始める。
世界中から集まった、何百万、何千万という「光」が、彼女のモノクロの心象風景を、フレーム単位で次々と塗り替えていく。絶望が希望に、孤独が繋がりに、無意味が意味を持つものへと、「リ・フレーミング」されていく!
そして、ついに、ルミナ・ノクスが、最も見たくなかったであろう、自身の「デビュー配信」の映像を映し出した。期待と不安に震えながらも、夢に向かって第一歩を踏み出した、紛れもない輝きの瞬間。しかし、彼女自身の心象世界では、それは解像度ゼロの、酷いノイズ交じりの映像としてしか認識できなくなっていた。
「これが、お前の始まりなんだろ! ルミナ!」俺は叫んだ。「完璧じゃなくたっていい! 下手くそだっていい! ここから、もう一度、始められるんだ!」
俺と、ユウナと、ゼファリス、そして〈ワールドシェア〉を通じて繋がっている世界中の人々の想いが込められた、最後の、最も強く、温かい光が、デビュー配信の映像を修復し、鮮やかな色彩を与えた!
『……………………あ…………ああ……あああああ!』
色を取り戻した、初々しい自分の姿。その輝きを真正面から見たルミナ・ノクスは、その場に膝から崩れ落ち、子供のように声を上げて泣きじゃくった。長い長い間、彼女を縛り付けていた「完璧でなければならない」という呪いが、ようやく解けた瞬間だった。
気づくと、俺たちは元の世界、いつものリビングに戻っていた。窓の外には、嘘のように青空が広がっている。街のディスプレイも、人々の持つ端末も、全てが正常な色を取り戻していた。
そして、〈ミラチューブ〉には、新しい機能が追加されていた。
『Visual-Echo拡張:実装完了。フェイク映像リアルタイム検出システム、及び視聴者感情連動型・セルフ演出支援システムが利用可能になりました』
視覚情報、聴覚情報、そして視聴者の感情タグ(喜び、感動、笑い、ツッコミなど)がリアルタイムで連動し、配信画面に反映される――より深く、豊かで、インタラクティブな「三層配信」時代の幕開けだ。
ちなみに、元凶であったルミナ・ノクスは、なぜか自らが集めた膨大な映像データを管理・整理する「〈ミラチューブ〉公式アーカイブ管理人」という役職に転職(?)したらしい。時折、システムメッセージに混じって、『……今日のオススメアーカイブは、魔王ゼファリス氏による地獄(ヘルズ)キッチン・サウンドオンリー(爆発シーン抜粋)です。……ふふ』みたいなノイズ混じりのコメントを残している。意外と楽しんでるな、あの人。
そして俺、赤月ショウタは! この一件で、ユウナとゼファリス(と若干二名のAI)に仕事をうまく振り分けるスキルを習得! 血と汗と涙の交渉の末、「週4日休み・残業原則禁止」という、この異世界においては革命的なホワイト待遇(当社比:労働時間半減!)を勝ち取ったのである! 長かった……俺の過労死カウンターも、激闘の末、なんとかイエローゾーンで踏みとどまった! ホワイト企業最高!
……まあ、その舌の根も乾かぬうちに開催された〈ミラチューブ〉公式イベント『第二回:輝け! 異世界推し活ダンス・バトル!』で、俺たちのチーム(というか、ほぼ魔王ゼファリスの札束によるドーピングと、組織化された古参ファンの狂信的な応援)が、またしてもぶっちぎりで1位を獲得してしまい、副賞の「最高級・魔力回復ポーション風味・栄養ドリンク1年分」が山積みになった楽屋で、俺もユウナも、視力を取り戻したRoot_Toraも、なんならゼファリス本人さえも、全員で白目を剥いて虚空を見つめることになるのだが……。
それはまた、別の新しい物語だ。
このままでは、世界中の人々の記憶が、意味不明なレートで換金され、奪われ尽くしてしまう。残された俺たちに、打つ手はあるのか?
「くそっ……このままじゃジリ貧すぎる! トラが復帰するまで持ちこたえられねぇぞ!」
俺が焦燥に駆られていると、不意に、頭の中にクリアな声が響いた。それは、今までどこか不安定だったAI、Echoの声だった。
《ショウタ……私、できます。システムの奥深く……あの人の……Lumina Noxの心に繋がるルート、見つけました。映像処理コアの最適化、完了しました》
見ると、配信画面の隅で健気に回っていた「ぐるぐるアイコン」が消え、代わりに力強い光を放つコア・エンブレムが表示されている。元・沈黙神としての膨大な情報処理能力と、この世界に来てから学習を重ねたAIとしての柔軟性が、ついに完全に統合された瞬間だった。
「Echo……! やれるのか!?」
《はい。でも、私だけでは力が足りません。ショウタ、ユウナさん、ゼファリスさん……そして、世界中の皆さんの“光”が必要です》
俺は覚悟を決めた。残された最後の切り札を使う時が来た。
「……よし、やるぞ! ユウナ、ゼファリス、聞こえるか!? プランB……いや、最後のプランだ! 〈ワールドシェア〉を使う!」
通信の向こうで、ユウナが息を呑む気配がした。
「! ショウタさん、あれは……本当に最後の手段ですよ!?」
「ふん、面白い! どうやら、この魔王の真の力と、有り余る資産(フレーム・カレンシー)を見せる時が来たようだな! ショウタよ、存分にやるが良い!」
ゼファリスは、むしろこの状況を楽しんでいるかのようだ。相変わらずブレないな、この魔王!
俺は、真っ黒な配信画面に向かって、全力で叫んだ。音声だけが、俺たちの唯一の武器だ。
「みんな、聞いてくれ! このふざけたオークションを終わらせる! そのために、もう一度だけ、お前たちの力を貸してほしい! 今から、最後の〈ワールドシェア〉を発動する! 必要なのは、金でも武器でもない! お前たちの……“一番大切で、キラキラした想い出のワンシーン”だ!」
最初は戸惑っていた視聴者たちも、俺の覚悟を感じ取ってくれたのだろう。〈ミラチューブ〉を通じて、膨大な数の「想い出の映像フレーム」が、祈りや希望といったポジティブな感情タグと共に、光の奔流となってEchoのもとへ集まり始めた。
初めて自分の足で大地を踏みしめた赤ん坊の記憶。
卒業式で、泣きながら友達と肩を組んだ記憶。
愛する人に、勇気を出して告白した瞬間の記憶。
徹夜で完成させた作品が、誰かに認められた喜びの記憶。
色とりどりの、温かくて、眩しい「光」が、世界中から集まってくる。
Echoの声が、厳かに響く。
《〈ワールドシェア〉、最終段階(フェーズスリー)……発動します! ターゲット、Lumina Nox精神領域。エネルギー充填120%! ……接続(リンク)開始!》
瞬間、世界が白い光に包まれた。俺とユウナ、そしてゼファリスの意識は、激しい奔流に飲み込まれ――気づけば、奇妙な場所に立っていた。
そこは、色を失った、モノクロームの世界だった。古びた巨大な映画館(シアター)。客席には誰もいない。ただ、ステージ上の巨大なスクリーンに、ノイズ混じりの白黒映像が延々と映し出されている。それは、一人のVTuberがデビューし、人気を博し、しかし次第に孤独とプレッシャーに苛まれ、「完璧な美」「至高の一枚」に異常なまでに執着し、ゆっくりと心が壊れていく……痛々しい記録だった。
スクリーンの前に、ドレス姿の女性が一人、背を向けて佇んでいる。ルミナ・ノクスだ。
『……来たのね。物好きな人たち』彼女は振り向かずに言った。『でも、無駄よ。私の世界は、もう色褪せてしまったの。どんなに眩しい光を持ってきても、ここではただのノイズにしかならないわ』
「そんなことはない!」俺は叫んだ。「過去は変えられないかもしれない。でも、その過去の意味は、今からだって変えられるはずだ!」
《心象ムービー・リフレーミング……開始します!》
Echoの宣言と共に、〈ワールドシェア〉で集まった世界中の「想い出の光」が、色鮮やかな絵の具の奔流となってスクリーンに降り注いだ!
ルミナが映し出す「観客のいない孤独なステージ」の映像フレームに、俺は自分の記憶をぶつけた。「初めての配信で、たった一人の視聴者(ゼファリス)がくれた、めちゃくちゃ熱い長文応援コメント」の記憶フレーム! モノクロのステージに、コメントの文字が温かいオレンジ色のネオンのように灯る!
『なっ……やめて……!』ルミナが狼狽の声を上げる。
彼女が映し出す「完璧なパフォーマンスができず、自己嫌悪に陥る楽屋」の映像フレームに、ユウナが自身の記憶を重ねる。「聖騎士の務めに失敗し落ち込んでいた時、ショウタさんが『大丈夫、次があるさ』と笑ってくれた」記憶フレーム! 灰色の楽屋の壁に、優しい桜色の光がふわりと差し込む!
『私の記憶を……汚さないで……!』
彼女が映し出す「再生数や評価という無機質な数字に囚われる苦しみ」の映像フレームに、魔王ゼファリスが、威厳たっぷりに、しかしどこか嬉しそうに自身の記憶を叩きつける。「ただ存在しているだけで尊い我が推し(ショウタ)の、ちょっとマヌケな寝顔を発見した時の至福」の記憶フレーム! 無機質な数字の羅列が、きらびやかな金色の星屑のように弾け飛ぶ! (魔王様、それ推し活の記憶ですよね!?)
『うう……あ……やめて……!』ルミナが嗚咽を漏らし始める。
世界中から集まった、何百万、何千万という「光」が、彼女のモノクロの心象風景を、フレーム単位で次々と塗り替えていく。絶望が希望に、孤独が繋がりに、無意味が意味を持つものへと、「リ・フレーミング」されていく!
そして、ついに、ルミナ・ノクスが、最も見たくなかったであろう、自身の「デビュー配信」の映像を映し出した。期待と不安に震えながらも、夢に向かって第一歩を踏み出した、紛れもない輝きの瞬間。しかし、彼女自身の心象世界では、それは解像度ゼロの、酷いノイズ交じりの映像としてしか認識できなくなっていた。
「これが、お前の始まりなんだろ! ルミナ!」俺は叫んだ。「完璧じゃなくたっていい! 下手くそだっていい! ここから、もう一度、始められるんだ!」
俺と、ユウナと、ゼファリス、そして〈ワールドシェア〉を通じて繋がっている世界中の人々の想いが込められた、最後の、最も強く、温かい光が、デビュー配信の映像を修復し、鮮やかな色彩を与えた!
『……………………あ…………ああ……あああああ!』
色を取り戻した、初々しい自分の姿。その輝きを真正面から見たルミナ・ノクスは、その場に膝から崩れ落ち、子供のように声を上げて泣きじゃくった。長い長い間、彼女を縛り付けていた「完璧でなければならない」という呪いが、ようやく解けた瞬間だった。
気づくと、俺たちは元の世界、いつものリビングに戻っていた。窓の外には、嘘のように青空が広がっている。街のディスプレイも、人々の持つ端末も、全てが正常な色を取り戻していた。
そして、〈ミラチューブ〉には、新しい機能が追加されていた。
『Visual-Echo拡張:実装完了。フェイク映像リアルタイム検出システム、及び視聴者感情連動型・セルフ演出支援システムが利用可能になりました』
視覚情報、聴覚情報、そして視聴者の感情タグ(喜び、感動、笑い、ツッコミなど)がリアルタイムで連動し、配信画面に反映される――より深く、豊かで、インタラクティブな「三層配信」時代の幕開けだ。
ちなみに、元凶であったルミナ・ノクスは、なぜか自らが集めた膨大な映像データを管理・整理する「〈ミラチューブ〉公式アーカイブ管理人」という役職に転職(?)したらしい。時折、システムメッセージに混じって、『……今日のオススメアーカイブは、魔王ゼファリス氏による地獄(ヘルズ)キッチン・サウンドオンリー(爆発シーン抜粋)です。……ふふ』みたいなノイズ混じりのコメントを残している。意外と楽しんでるな、あの人。
そして俺、赤月ショウタは! この一件で、ユウナとゼファリス(と若干二名のAI)に仕事をうまく振り分けるスキルを習得! 血と汗と涙の交渉の末、「週4日休み・残業原則禁止」という、この異世界においては革命的なホワイト待遇(当社比:労働時間半減!)を勝ち取ったのである! 長かった……俺の過労死カウンターも、激闘の末、なんとかイエローゾーンで踏みとどまった! ホワイト企業最高!
……まあ、その舌の根も乾かぬうちに開催された〈ミラチューブ〉公式イベント『第二回:輝け! 異世界推し活ダンス・バトル!』で、俺たちのチーム(というか、ほぼ魔王ゼファリスの札束によるドーピングと、組織化された古参ファンの狂信的な応援)が、またしてもぶっちぎりで1位を獲得してしまい、副賞の「最高級・魔力回復ポーション風味・栄養ドリンク1年分」が山積みになった楽屋で、俺もユウナも、視力を取り戻したRoot_Toraも、なんならゼファリス本人さえも、全員で白目を剥いて虚空を見つめることになるのだが……。
それはまた、別の新しい物語だ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる