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フタリメ
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コロン、カラァン。
おっ。2人目のお客さんだ。
こんな短時間に立て続けて来るなんて珍しいな、と思いつつ、カウンターから顔をのぞかせて
「いらっしゃいませ。お好きなお席へどうぞ。………ん?」
声をかけるが、姿が見えない。
「あれ?」っとカウンターから身を乗り出すと、小学校低学年ぐらいの女の子が、ニコニコしながら、こちらを見上げていた。
「お一人ですか?」
「はい。お一人です。座っていーですか?」
「はい、お好きなお席へどうぞ。」
ニコリと笑うと、その女の子は、さっきの女性と同じ席までトコトコ歩いていって、座った。
僕は、メニューとおしぼり、お冷やを、女の子の前に運ぶ。
女の子は、熱心に窓の外を見ていた。
とっさに、さっきの女性を思い出し、少しだけドキっとした。
「ご注文が決まりましたら、お呼びください。」
とだけ伝えると、僕は足早にカウンターへと戻った。
カウンターから恐る恐るのぞくと、女の子は、足をパタパタさせながら、普通にメニューを眺めている。その姿に安堵する。だってどこから見ても普通の小学生に見えるから。
「すみませーん」
「はーい」
「コレお願いします。」
「はい。オレンジジュースお一つですね。」
「うん!」
「かしこまりました。少々、お待ちくださいませ。」
オレンジジュースをグラスに注ぎ、女の子の前へと運ぶ。
……コトリ
「ありがとうございます」
そう言うと、女の子は、ニッコリ笑った。
つられて僕もニッコリ笑う。
「こちらこそ。では、ごゆっくりどうぞ」
うん。普通だ。良かった。
僕は、安心して、仕事に戻った。
食器やグラスを拭いていると
「ねえ、お兄さん」
足元から唐突に声をかけられた。
「!」
ドキーーーーン!。心臓が跳ね上がる。
女の子がカウンター内に入って、無表情に僕を見上げていたのだ。
僕は、もの凄く驚いた。
しかし、その動揺は隠しつつ
「えっと、ここは入っちゃダメだよ~」と言いながら、女の子を席の方へ誘導する。
女の子は、素直に席に戻って座ると、また僕に声をかけてきた。
「ねえお兄さん。あそこのお花は誰が持ってきたか知ってる?」
僕は、女の子の指差す方向を見た。
例の事故現場の花が見える。
「いやぁ、お兄ちゃん、外見てないから知らないなぁ」
「そうなんだ~、ふーん。あのね、教えてあげる!あれね、犯人がレオナの命日だから置きに来たんだよ」
「!?」
女の子は、僕の反応に楽しげに笑った。
「えっと………犯人って?」
「あそこであったひき逃げの犯人。」
「う~ん、じゃあ………レオナちゃん?って?」
女の子は、自身を指差しながら
「レオナは、あたし」
「!?」
今日は何回驚けばいいんだ………。
そんなことを考えながら、僕は女の子を見つめた。
どうしよう。
「あのね、さっきね、来たの。犯人。レオナついてこうと思ったんだけど、違う人がついてっちゃったから、行けなかったの」
「ち…………がうひと?」
勇気と声をふり絞りながら、僕は聞いた。
ニコニコしていた女の子の表情が曇る。
「そう女の人。嬉しそうについてっちゃった。あんまり喜んでたからレオナが邪魔しちゃダメかなぁって思ったの」
女の子は、足をパタパタさせながら外を眺める。
「ふ…ふ~ん………。じゃあ君はなんでここに来たの?」
思わず核心に触れてしまった!
どうしよう!
怖!
「あのね、その女の人が、ここに来れば、会いたい人に会えるって教えてくれたの。だから来たんだ。ねえお兄さん、パパに会いたい。パパいつ来る?」
「………パパ!?………来るの??」
「………パパ来ない?」
ヤバい!女の子が、泣き出しそうだ!どうしよ!?
「ままま…………ま待ってれば来るよ(多分)。ね!とりあえず待ってよっか?!ね!」
僕は必死だった。
訳もわからず、とにかく必死だった。
「よし!良い子のレオナちゃんに、お兄ちゃんご馳走しちゃう!何でもいいからいっぱい食べて。ね?」
「え!いいの~!やった~!じゃあパンケーキ!クリームのったやつ!」
「よし!ちょっと待っててね!」
うん。ノリで乗り切った………。
とりあえずパンケーキ作ろ………。
マスターのレシピを見ながら、試行錯誤して、何とかできた。
パンケーキにクリームとフルーツをたっぷり飾って、女の子の元へと運ぶ。
「おまたせ~………あれ?」
女の子の姿はない。
トイレもいない。
僕が必死にパンケーキ作成してる間に出ていった?
いや、あのドアベルの音はだいぶデカい。
気づかないはずはない。じゃあどこに………。
なんなんだ。もう訳がわからない………。
そう思いつつも、手付かずのオレンジジュースの横に、ホカホカのパンケーキを並べた。
おっ。2人目のお客さんだ。
こんな短時間に立て続けて来るなんて珍しいな、と思いつつ、カウンターから顔をのぞかせて
「いらっしゃいませ。お好きなお席へどうぞ。………ん?」
声をかけるが、姿が見えない。
「あれ?」っとカウンターから身を乗り出すと、小学校低学年ぐらいの女の子が、ニコニコしながら、こちらを見上げていた。
「お一人ですか?」
「はい。お一人です。座っていーですか?」
「はい、お好きなお席へどうぞ。」
ニコリと笑うと、その女の子は、さっきの女性と同じ席までトコトコ歩いていって、座った。
僕は、メニューとおしぼり、お冷やを、女の子の前に運ぶ。
女の子は、熱心に窓の外を見ていた。
とっさに、さっきの女性を思い出し、少しだけドキっとした。
「ご注文が決まりましたら、お呼びください。」
とだけ伝えると、僕は足早にカウンターへと戻った。
カウンターから恐る恐るのぞくと、女の子は、足をパタパタさせながら、普通にメニューを眺めている。その姿に安堵する。だってどこから見ても普通の小学生に見えるから。
「すみませーん」
「はーい」
「コレお願いします。」
「はい。オレンジジュースお一つですね。」
「うん!」
「かしこまりました。少々、お待ちくださいませ。」
オレンジジュースをグラスに注ぎ、女の子の前へと運ぶ。
……コトリ
「ありがとうございます」
そう言うと、女の子は、ニッコリ笑った。
つられて僕もニッコリ笑う。
「こちらこそ。では、ごゆっくりどうぞ」
うん。普通だ。良かった。
僕は、安心して、仕事に戻った。
食器やグラスを拭いていると
「ねえ、お兄さん」
足元から唐突に声をかけられた。
「!」
ドキーーーーン!。心臓が跳ね上がる。
女の子がカウンター内に入って、無表情に僕を見上げていたのだ。
僕は、もの凄く驚いた。
しかし、その動揺は隠しつつ
「えっと、ここは入っちゃダメだよ~」と言いながら、女の子を席の方へ誘導する。
女の子は、素直に席に戻って座ると、また僕に声をかけてきた。
「ねえお兄さん。あそこのお花は誰が持ってきたか知ってる?」
僕は、女の子の指差す方向を見た。
例の事故現場の花が見える。
「いやぁ、お兄ちゃん、外見てないから知らないなぁ」
「そうなんだ~、ふーん。あのね、教えてあげる!あれね、犯人がレオナの命日だから置きに来たんだよ」
「!?」
女の子は、僕の反応に楽しげに笑った。
「えっと………犯人って?」
「あそこであったひき逃げの犯人。」
「う~ん、じゃあ………レオナちゃん?って?」
女の子は、自身を指差しながら
「レオナは、あたし」
「!?」
今日は何回驚けばいいんだ………。
そんなことを考えながら、僕は女の子を見つめた。
どうしよう。
「あのね、さっきね、来たの。犯人。レオナついてこうと思ったんだけど、違う人がついてっちゃったから、行けなかったの」
「ち…………がうひと?」
勇気と声をふり絞りながら、僕は聞いた。
ニコニコしていた女の子の表情が曇る。
「そう女の人。嬉しそうについてっちゃった。あんまり喜んでたからレオナが邪魔しちゃダメかなぁって思ったの」
女の子は、足をパタパタさせながら外を眺める。
「ふ…ふ~ん………。じゃあ君はなんでここに来たの?」
思わず核心に触れてしまった!
どうしよう!
怖!
「あのね、その女の人が、ここに来れば、会いたい人に会えるって教えてくれたの。だから来たんだ。ねえお兄さん、パパに会いたい。パパいつ来る?」
「………パパ!?………来るの??」
「………パパ来ない?」
ヤバい!女の子が、泣き出しそうだ!どうしよ!?
「ままま…………ま待ってれば来るよ(多分)。ね!とりあえず待ってよっか?!ね!」
僕は必死だった。
訳もわからず、とにかく必死だった。
「よし!良い子のレオナちゃんに、お兄ちゃんご馳走しちゃう!何でもいいからいっぱい食べて。ね?」
「え!いいの~!やった~!じゃあパンケーキ!クリームのったやつ!」
「よし!ちょっと待っててね!」
うん。ノリで乗り切った………。
とりあえずパンケーキ作ろ………。
マスターのレシピを見ながら、試行錯誤して、何とかできた。
パンケーキにクリームとフルーツをたっぷり飾って、女の子の元へと運ぶ。
「おまたせ~………あれ?」
女の子の姿はない。
トイレもいない。
僕が必死にパンケーキ作成してる間に出ていった?
いや、あのドアベルの音はだいぶデカい。
気づかないはずはない。じゃあどこに………。
なんなんだ。もう訳がわからない………。
そう思いつつも、手付かずのオレンジジュースの横に、ホカホカのパンケーキを並べた。
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