rose of silver

春野いちご

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「あっ…あの……失礼します」
「いきなり入れるんですか」
 ギルバート様の言葉に少し考えてしまう。
 前は薬で変になっていたし、指で弄られた後だった。
 やっぱりギルバート様みたいな大きな性器を、いきなりお尻に入れるのは痛いだろうか。
「広げます」
 僕はそう言って、後ろに指を這わせた。
「何も塗らなくていいんですか?」
 ギルバート様が訊いてきた。
 なんだか、ギルバート様は経験者みたいだ。
 ひょっとして、もうシャルル様とそういうことをしたんだろうか。
 いや、だったら、シャルル様がいる屋敷で、こんなことしたりしないだろう。
 よくわからないけど――
 僕はキョロキョロと見回してみた。
 テーブルに丁度いいものを見つけて、ベッドから降りて取ってきた。
「それは……蜂蜜ですね」
「はい。ヌルヌルだから、その……痛くないかと思って」
「蜂蜜は僕も好きです」
 よかった。
 これにして正解だった。
「塗ってあげます。先ほどと同じようにしてください」
 意外な申し出にドキドキしながら、僕はさっきと同じ恥ずかしい態勢を取った。
「んっ……あっ…入るぅ……」
 ヌルッとした液体と共に指が入ってきた。
 蜂蜜の助けで、指はすんなり奥まで入ってくる。
 ヒクヒクと中が動いて、指の形まで伝わってくる。
「ふぅ……はぁ…んあぁっ」
 ズッズッと指を動かされると粘膜が擦れて、甘い痺れが走る。
 腰が揺れて、快感が増す。
「ねえ、アレク、僕に触れられて、気持ちいいですか?」
 反則だ。
 こんな時にそんなこと訊くなんて……
「あぁ……んっ…気持ち…いいっ」
 ぐちゅぐちゅかき混ぜられて、気持ちいい。
 ギルバート様の指だと思うと、余計に堪らない。
「好きでもない僕に触られてもですか。これは媚薬でもなく、ただの蜂蜜ですよ」
 淫乱だと言いたいんだろうか。
「んっ…ひぃっ…そこはぁっ」
 簡単に感じる場所を探り当てられ、ギルバート様は何度も指の腹で押してきた。
「ひゃっ…あぁっ…やあぁっ」
 目の前の性器に縋りながら、僕ははしたない声を上げた。
「もうトロトロですね」
 蕩けそうに柔らかくなった孔から指が抜かれた。
 ホッとする間もなく、腰を掴まれて、ギルバート様の顔にお尻がひっつくくらいになる。
 お尻にギルバート様の吐息がかかって、ぞくんと震えた。
「あっ…ギルバート様っ、だめですっ」
 ぬるっとした生き物が入ってくる。
 それがギルバート様の舌だってことは、位置でわかった。
 熱い吐息をすごく敏感な部分で感じる。
 ダラダラと漏れてくる淫液は、ギルバート様の鎖骨辺りに垂れているんだろう。
 大切なご主人様を僕が汚している。
「あぁ……ごめんなさ…ああぁっ」
 蜂蜜を舐めとるように窄まりを舌が這う。
 堪らない感覚に腰がガクガクと震える。
 いやらしい行為に興奮して、目の前の欲望にむしゃぶりついた。
「ふぅ…んんっ…むう…ふぅ…っ」
 さっきより濃い粘液が口の中に広がる。
 唇を窄めて吸ってみると、どろっと溢れてくる。
「んんっ……んっ」
 口の中のモノはどんどん大きくなってく。
 もう大きくならないって思ったのに、どうやらそうじゃなかったみたいだ。
 呼吸をする度に、濃厚になる性臭が頭をクラクラさせる。
「んんっ…はぁ…はぁ…あぁ…」
 ギルバート様に散々舐められた秘孔はトロトロに蕩けて、ひくひくと痙攣してるのがわかる。
 熱く疼くそこを、大きなこれで擦られることを思うと、快感にお尻が揺れた。
「もう入るでしょう」
 ギルバート様がぺちっとお尻を叩いた。
 振動が性器まで伝わった。
 それだけで身体の疼きが増し、奥がじゅうんと痺れる。
 感じすぎるから、ゆっくりと向きを変えた。
 ギルバート様の胴を跨いで、お尻を彼の股間に落とす。
「あああぁっ」
 ズルンとお尻の狭間を刺激して、ギルバート様の勃起した性器が跳ねた。
「入っていませんよ」
 ぺちゃんとギルバート様のお腹に座って、荒い息を吐く。
「はぁ……すみませんっ…」
 気を取り直して、僕は今度はギルバート様の性器に手を添えてみた。
 ゆっくりと狙いを定めて、腰を落とす。
 狭間に切っ先が当たるのを感じる。
 僕の秘孔はヒクヒクと蠢いて、受け入れるのを期待している。
 そのままお尻を落とそうとしたら、ギルバート様が声を掛けてきた。
「アレク」
 呼ばれて、僕は改めてギルバート様を見る。
 欲情して色濃くなった紫の瞳が、銀の薔薇と同じだ。
 そんなはずないのに……
 似てるのはどうしてだろう?
「アレク……本当に、君は僕の性欲処理になる気ですか」
「えっ……あぁ…だって…」
 こんな状態でやめろって言うのは、お互い辛いんじゃないだろうか。
 ゆらゆらと腰を振りながら、僕はお尻をギルバート様のものに押し付ける。
「んっ…ギルバートさまぁ…お情けを…」
 使用人らしく口にすると、ギルバート様は手を伸ばして僕の腰を掴んだ。
「ひっ…ああああぁっ」
 ぐっと腰を下ろされて、深い部分にまで一気に入ってくる。
 衝撃に軽くイッてしまった。
 精液混じりの先走りがぴゅっと亀頭から吹きだす。
「ひっ…あぁっ…んっ」
 お尻いっぱいに入ってしまったギルバート様の性器は中で脈動して、じんわり快感を広げていく。
「ふうっ…はあぁ…はぁっ…」
 息を整え、大きなものに馴染もうとする。
 けど、ギルバート様は待ってはくれなかった。
「自分だけ気持ちよくなって、どうするんですか。さっさと腰を動かしたらどうです」
 冷たく言われた。
 確かに感じてはくれているのだろうけど、気持ちは冷めているのかもしれない。
「んっ…あぁ…あっ…あんんっ」
 考えずにいよう。
 これは僕が受けた命令なんだ。
 ギルバート様に気持ちよくなってもらうことだけを考えないといけないんだ。
「んっ…はあぁ…ギルバートさまぁ…気持ち…いい…ですかぁ」
 ゆるゆるとお尻を動かしたり、きゅっと中を締めたりしてみる。
 力を入れると、お尻に入っている性器の形がわかる。
 張り出した部分が内襞に擦れるのが、堪らない。
 自分だけ感じちゃ駄目なのに、中を擦るのは堪らない愉悦を生む。
「ふぅ…はぁ…どう…ですかぁ」
 ギルバート様の性器をずるっと抜き出してから、また内奥へと埋める。
 中が濡れているから、動く度にぐちゅぐちゅと音がする。
「もっと動いてください」
 それは酷な命令だった。
 激しく動いたら、一気に上り詰めてしまいそうだ。
「言っておきますが……僕より先にイッたら……追い出します」
 心臓がドクンと跳ねた。
 そんなの困る。
「あっ、そんなぁ…ああっ、だめっ…」
 ギルバート様は僕に動けと言っておきながら、自分から僕の腰を掴んで揺すぶった。
「ひっ、ああっ…だめっ……いやっ…やあぁっ」
 中の襞が強引に擦られる。
 快感が大きくなって、熱が下半身に溜まってくる。
「いやらしい格好ですね。君は本当は誰でもいいんでしょう」
 違うと首を振った。
「だったら……どうして、僕に抱かれるのですか」
 ギルバート様がわからない。
 僕に何を言わせたいのか。
 だって、性欲処理として使うって言ったのはギルバート様じゃないか。
 こんなのひどすぎる。
 シャルル様のことが好きなら、彼とすればいいんだ。
 それなのに――

「やあぁ……だめぇっ…」

 うんと奥まで激しく突かれて、息もできないような絶頂が襲ってきた。
「……っ、ひぃっ…ああああぁっ!」
 慌てて自身に手を当てたけど、溢れてくる精液は止まらなかった。
 いやらしい匂いが蜂蜜と混ざって、濃厚に香る。
「あ…だめ……だめなのにぃ…」
 泣きじゃくりながら、僕は後孔をヒクつかせ射精していた。
 遅れて、中でギルバート様の性器が大きく膨れた。
「くぅ…ふうぅ…んんっ」
 中に注がれてるのがわかる。
 びくびくと痙攣しながら、僕はギルバート様の欲望を受け止めた。





 終わった後、僕は水差しの水でギルバート様の身体を綺麗に拭いた。
 拭っただけのお尻から少しづつ精液が垂れてくるのが気になったけど、ギルバート様の始末をするのが先だ。
 だって、僕は使用人なんだ。
 甲斐甲斐しくお世話をして許してもらおうという考えも少しあった。
 だって、先に射精したからって追い出されるのは不条理だ。

「……あの…ギルバート様、僕…」
「君はいつまで、ここにいるつもりですか」
 冷たく言われて、ドキッとする。
 まさか、本気なんだろうか。
「僕、一生懸命お仕えします。ですから、追い出さないでください」
 僕はギルバート様の足元に縋った。
 けど、ギルバート様はふいっと横を向いてしまう。
「もう充分です。役に立たないとわかりましたから」
「もう一度やらせてください」
 こんなことで追い出されるなんて、嫌だ。
「何度しても同じですよ。それに、君を見ていると思い出したくない過去が蘇るんです」
 ギルバート様の言葉に、何も言えなくなってしまう。
 僕は自分のことしか考えていなかった。
 過去が露見しても、ギルバート様は僕を追い出そうとしなかったから安心していたけど、本当は僕を見るのが辛かったんだ。
 お母様のことを思い出すから……
 過去を変えることは、僕にもできない。

「……ごめんなさい」

 すんっと鼻を啜って、僕は落ちている服を拾った。
 汚れたままの身体に手早く服を身に付け、ぺこりとお辞儀をした。
「どうか、お元気で」
 そう残し、僕は部屋を後にした。
 ギルバート様は一度も僕のことを見ようともせず、何も言ってくれないままだった。


 数日前には追い出さないと言ったくせに……
 一生、ギルバート様にお仕えしようと思っていた。
 他には何も考えていなかった。
 それなのに、僕から全てを奪ってしまった。
 ギルバート様のこと、好きにならなきゃよかった。
 好きじゃなかったら、こんなにも辛くなかったかもしれない。
 好きな気持ち……
 やっぱり、この想いは消せそうにない。
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